2017年の渋谷川といったらこんな調子だった

  • 更新日: 2017/02/28

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ビルとビルの間を流れる渋谷川

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突然ですが、これ何か分かりますでしょうか。



簡単すぎてすみません。じゃあ、一緒に答え言いましょう、せーの、「高野豆腐!」「ブルマ!」「おっとっと!」

全然揃いませんした。正解は「東横線の高架跡」です。これは渋谷川にかかる八幡通りの並木橋付近にあります。いつまであるかは分かりません。




東横線が副都心線と直通運転をするために、地上二階にあった東横線の渋谷駅が地下に移動。高架が不要になったんですね。
ちなみに東横線地下化って2013年の話で、2017年現在、殆どの高架は取り払われており、なんでここだけ残っているのかはよくわかりません。八幡通りの土台にガッチリ行っちゃってるとかでしょうか。

そうそう、この高架よく見ると「酒の家〜」って書いてあります。これは、かつてこの近くにあった東横線の並木橋駅(昭和21年廃止)の広告スペースらしいです。

ところで、この東横線の高架跡地は、地図のとおり渋谷川沿いにずっと続いているわけですが、この空き地は今後どうなるかご存知でしょうか。





現在、このあたりは「渋谷駅南街区プロジェクト」と銘打った再開発の真っ最中です。クリエイティブなワーカーをホイホイする複合ビジネスビルと、渋谷川を利用した超お洒落スポットが2020年までに出来るんですって。

渋谷を知っている方は、ここで、「ん?」ってなります。

東急のページを見ると、渋谷川沿いでランチしているイメージ絵があるんですけど。


出典: 渋谷駅周辺開発プロジェクト - 東急電鉄

んんー。"あの"渋谷川がねえ。



これが、



これに? いける? ほんとに?

うーん、渋谷川って、水量が上がって閾値を超えると汚水が川に流れこむ形なので、たまに臭いんですよ。お洒落にご飯食べる川じゃないと思うんですよ。大丈夫なの? もっとも、昭和の頃はもっと酷いドブ川だったらしいので、当時を知る方からすればマシなんだそうですが。

とまあ、こんなかんじでワーワー言っておりますが、そう、今日の本題は、ビルの谷川こと渋谷川でございます。

渋谷川沿いが謎のお洒落スポットになってしまう前に、いまの渋谷川の感じをちゃんと見ておこうと思いまして、今更ながら、渋谷駅からお隣の恵比寿駅までの渋谷川沿いを歩いてみる、というのが本日の主旨です。

さて、ここで渋谷川について、ざっとまとめておきます。
かつては新宿御苑を水源とした綺麗な小川でした。支流の河骨川は、唱歌「春の小川」の舞台とされているのはわりと有名な話でしょうか。
今ではそんな面影は一切なく、渋谷駅以北の暗渠部分は下水道に使われ、以南の開渠部、新並木橋以降は落合水再生センターの高度再生水でかさ増ししている、という状況です。
ここがとても勉強になります。

という経緯がありまして、今回の渋谷川周辺工事は「春の小川復活」みたいな、そんな感じで言われていたりします。




というわけでやってきました、渋谷駅です。




ほんとですよ。渋谷駅です。




ほら、渋谷駅ですって。




えっと、先の話とは別件で、渋谷駅も絶賛工事中です。駅前広場が出来たり、埼京線のホームが近くなったりするんですって。
そんなこんなでいろいろいじくってるせいか、この道、自動生成ダンジョンみたいにルートが定期的に変わるんですよ。
これ絶対出られない人居ると思う。
写真に写っているおじいちゃんたち、迷い込んだのは高校の修学旅行ですからね。ずーっとぐるぐる回っています。




ただそこは私ですよ。こちとら渋谷の道はLOVELY LOVELY WAYなわけですよ。
はい、出口の光です。




246沿いに出ました(バスプール側に出ようとしたのに、です)。




あれっ、ここも東横線の高架が残ってる。




同じ場所を歩道橋から撮ったやつ。
むかしの東横線は、246と首都高の間を縫ってたんですよね。
確かに撤去するの面倒そう。やだなあ〜やりたくないなあ〜って言ってこのままずっと残ると思う。




あとこいつはこの顔のまま人を轢き殺すと思う。
なんなら後ろに数人やっちゃったのを積んでると思う。




あ、忘れてた、本日の主役、渋谷川です。
ここは昔開渠だった気がするんだけど、なんか蓋されてます。
手前の橋、分かりますかね。




稲荷橋です。橋っていうか、みたいな感じですけど、




ほら、水通ってんですよ、ほら! 水!
ところで、なんで稲荷橋って名前かっていうと、



この脇にある山下書店のところが、昔、豊栄稲荷神社だったんですって。
今は、金王八幡宮の隣に移ってます。
もと稲荷の本屋。頭良くなりそう。




もと稲荷の本屋の向かいは渋谷警察署。有名な人が逮捕されるみたいなときにわりとよくテレビに映ることで有名な警察署です。




渋谷川は大体明治通り沿いを流れています。
ですので、今日は明治通り、もしくはその脇道を行きながら、渋谷川を舐め回すように撮ります。






やってますね。渋谷駅南街区の工事。



東急曰く、ここにお洒落でクリエイティブなワーカーたちが集うようになる。本当?




さて、行列ができることでおなじみの「牛かつもと村」の脇が、渋谷川にかかる次の橋「金王橋」なのですが、現在工事中で橋見えません。




なんか迂回ルートがある。



かろうじて渋谷川見えた。この下のあたりが金王橋です。
金王橋回収でいいですかね。








このあたりはなんかできつつある。




今日は休工だそうです。




なんで休工でこんな得意げなんだろう。




突然の倒置法。




次は八幡橋。ここからまっすぐ行くと金王八幡宮に着くからだと思う。
全然違ったらどうしよう。八万円落ちてたからとかだったらどうしよう。




せっかくなので金王八幡宮を冷やかしに行きます。




いきなり、こんもりが見えてきました。金王八幡宮です。わりと近い。




金王八幡宮の掲示板。




カナダ人の、時そばならぬ、時うどん。うどんなんだ。ホットドッグとかじゃないんだ。




着いたんですけど、「渋谷食堂」って彫ってある。
これ多分お金出してくれた人だと思うんだけど、もうちょっと重要そうじゃないところに彫ったほうが良いんじゃないでしょうか。
おなか空いた人が入ってこないか心配です。




社の後ろにボッシュのビルがあるんだけど、金王八幡宮の屏風になることを意識していると思う。そういう解釈でいいんですよね。




ちなみに昔友達に教えてもらったのですが、ボッシュビルの1Fの cafe 1886 は空いてる上に居心地が良いのでおすすめですよ。
明治通り沿いのカフェが全滅してたときとかにどうぞ。

そうそう、金王八幡宮といえば、毎年9月に「金王祭り」というのがありまして、渋谷の街中にポスターが貼られるんですけど、俺調べでは、まあ、10%くらいの人が、「金王祭り」を良くない方向に誤読し、いかがわしいものだと思っています。字面がね。分からんでもないんですけどね。

でもね、金王八幡宮側もちょっと悪いんですよ。これ、金王八幡宮の中にある稲荷なんですけど、



玉造稲荷。いや、由緒ある稲荷ですのでこれ以上申し上げませんけれども、金王八幡宮の中に玉造稲荷があるよ、という情報は、お伝えしておこうと思います。

じゃあ「金王」って何なんだよって話ですけども、





頼朝の時代に、渋谷金王丸という武将が居たんですね。渋谷家というのはこのあたりをおさめていた豪族で、渋谷という地名の由来と言われてます(諸説あり)。
ちなみに、豪族・渋谷家の出身は神奈川県大和市にある高座渋谷でして、我々は過去に、高座渋谷のほうが渋谷の元祖ですごいはず、という記事を作ったのでお暇なときにでもどうぞ。




こちらが正門でした。さっきの食堂門はサブでした。




神輿が入ってるやつ。一年に一回開く。




八幡通りを南へ。ちょっと渋谷川から離れすぎたので戻ってます。




厳重。この奥には確実に5兆円ある。




妙に厳重な箇所を見るたびに5兆円あるって言い続けている私ですが、ここはJRAの施設なので本当にある可能性。




並木橋の交差点。ここには渋谷川の並木橋がありまして、最初に紹介した東横の高架跡が建ってるんですけど、金王八幡宮を回ったことで、実は一個渋谷川にかかる橋を飛ばしてしまいました。だからちょっとだけ渋谷駅側に戻りまして……




徒歩橋。かちばし




徒歩橋の明治通り沿いには、55というサンドイッチ屋があって繁盛してます。




んで、並木橋交差点脇にある「並木橋」




冒頭に紹介した東横の高架跡。




八幡通りを挟んで反対側にも高架が残っています。




ちなみに八幡通り(車道)の渋谷川にかかる橋は「新並木橋」です。




新並木橋のあたりから、落合水再生センターの高度再生水でかさ増ししている、ということが書かれてます。
落合水再生センターの水は目黒川、呑川とかでも使われています。
普段都民が目にしている川はわりとゾンビ川です。




でもまあこのおかげで、このあたりから、渋谷川は普通に川っぽくなります。
ビルの谷川です。




ちょっと明治通沿いを進みます。






ちょっと世話焼きが過ぎる感じの人が居る。




住みやすさの城ことライフがあります。




天然酵母パンのお店、ドラゴーネ。ここは旨いです。




改行が独特。「おしっ」




お店のバイクがむちゃくちゃ落書きされてた。耳なし芳一みたい。
でもサイドミラーだけ書かれていないので武士の霊にサイドミラーだけ持っていかれそう。




東交番前交差点です。




その名の通り、一角に東交番がありますが、わりと手薄です。




でも斜向かいには稲荷神社がありますので、神様はいつも見ております。




稲荷神社脇の木。わりとでかい。こんなのが明治通り沿いにあるんですね。




そうそう、この辺から、だんだん、お洒落タウン渋谷から、山の手の下町こと恵比寿の感じになっていくんですよ。




渋谷川のこと忘れてました、東交番前交差点のところにかかっている渋谷川の橋は「氷川橋」です。




ここから渋谷川はカーブして、南へ向かいます。






渋谷清掃工場です。高い煙突が目立つ。
こんな場所にあるということは、ハイテクであることの裏返しです。工場見学もやってますよ。




その隣、上智橋なんですけど、気持ち悪い廃バス停が並んでます。
(あと比丘橋って書かれているけど嘘です)





実はここ、都営バスの営業所になってます。
上階は都営のアパートみたいです。






都営バス営業所の壁には、落書き防止のためのイラストがびっしり。
ファンシーなテイスト。




白いところはやっぱり落書きされてしまうのですが、なんとなく、先のイラストに引っ張られてファンシーなテイスト。




あと、この骨みたいのとかは、イラストに紛れた落書きな気がする。




川沿いの路上園芸なども出現してきました。だんだん渋谷の渋みが抜けてきましたよ。




こうやればここにも1台入る! 利益最大化! みたいな駐車場いいですよね。




落書き禁止もなんのその。




このあたりの明治通り沿いにあるagoo's cafe は落ち着くのでお勧め。




公式の植え込みにちょい足しは黙認されているのですが、こういう植え替え工事とかのときに怒られます。




5匹居たので撮った。




次が比丘橋(びくばし)です。由来は不明。




ここはいつもにぎやかな定食屋さん。行ったことはないですけど多分うまい。




明治通沿いをさらに恵比寿のほうへ。




庚申橋。




その名のとおり、青面金剛(庚申さん)が居ます。庚申信仰は江戸時代流行したんですよね。




こんなところに劇場がある。もうこのあたりは恵比寿を名乗ってる。




このあたりは綺麗なマンションが多い。




渋谷川は、マンションの間を縫うように流れます。




6個あったから撮った。




突っ込まれたんでしょうか。痛々しい。






動物園を名乗るペットショップ。




んで、このマンション街をくねくねと抜けると……




恵比寿駅前に出ます! 突然人通り激しい。
恵比寿駅前の橋の名前はなんと渋谷橋。ぶつけてきたねえ。
とはいえ、恵比寿も渋谷区であり渋谷村ですので、何ら問題はございません。むしろ、川の名前を冠した橋ということで、重要だったんだろうな。

今日はここでおしまいですが、渋谷川はこのあとも明治通り沿いに進み(むしろ明治通りが渋谷川沿いに進み)、広尾の天現寺橋で古川に合流しています。






夕方、渋谷駅東口の交差点に戻ってきました。
駅前はクレーンが林立して、何が何やらよくわかりません。

先進的なイメージの渋谷ですが、全国の人が知っているような渋谷の有名スポットって殆どが昭和なんですよね。センター街は昭和30年代に商店街が組織されましたし、ファッションビルの109も実は昭和54年だったりします。
そして、平成の渋谷といえば、渋谷マークシティ、ヒカリエにはじまり、そして、これからはじまる周辺工事の成果を指すことになるんでしょう。

ぐにゃぐにゃと流動体のように変化する渋谷。工事のあと、ここは、どんな景色になるんですかねえ。

個人的には、数年後に工事の幕を取ったとき、まっっっっったく同じ渋谷駅で、ハチ公の目がダイヤになってる、みたいなのを期待しています。なるほどねーそこに全開発費を集中させたかー、みたいなやつ。

というわけで。渋谷からは以上です。



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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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