車社会でも、歩く。目指せ福山駅。
- 更新日: 2019/09/17
ひょんなことから駅から車で15分の地に放り出される筆者。 いやいや、でも僕はシティボーイだから。車とか、乗らない。
広島県は東部、福山に来ております。
僕は尾道観光のために広島に来ておりまして、尾道へ電車で20分程で往来できるこの福山を宿泊地に選んだわけでございます。
ございます。
ございますが……
完全に車社会のど真ん中に、徒歩で放り出されています。
あれ?
「まあまあ都会」という理由で福山を選んでいたはずなのだが……
なぜこんなことになったのか、少し時間を遡ってみましょう。
駅前でコーヒーを飲み、さて宿に向かおうとした矢先。宿泊先からこのようなメールが入っていたことに気づく。
「本日の宿にご案内をできません。明日であればそれをすることができます」
パニック!!!!!!!
いやいやいやいや。
ちょっと待ってよ。
そりゃ無いぜ!!!!
いいや落ち着け。落ち着け落ち着け。お前の右手に持っているのは何だ?そのiPhone の画面は何だ?それは無限の可能性を秘めているではないか。落ち着け落ち着け。
クールな素振りで新たに宿を検索。すぐさま手ごろな宿を見つけて予約を申請。
ふう、やれやれ。危ないところだった。そう、いつだって冷静な奴が勝利を手にするのだ。
プライベートブランドの麦茶で一服していると、無事宿が取れた旨の連絡が来る。
……ん?
…………あれ?
ここから宿まで、タクシーで15分?
とまあ、そんな夜を何とか乗り切って翌日。この景色に戻ります。
来るときは駅前でタクシーを拾ったれど、問題は帰りです。
「当たり前じゃん」と言われるかもしれないけれど、僕は知らなかったんですよ。
福山に流しのタクシーなんて無いということを。
まあ電話して呼べば良いんですけれど、なんだか悔しいから駅まで歩いてみることにします。
これは、車社会に徒歩で立ち向かうある男の1時間の記録。
心のセーブポイント、セブンイレブンに別れを告げます。
するともういきなり徒歩が場違いな景色が飛び込んでくる。
自分以外に歩いている人なんて誰も居ないし、何だか果てしない心細さ。
車も猛スピード。
まさか歩行者がいるなんて思ってもないですよね、すみません。
ちょっとした住宅街に差し掛かりました。
あらやだ~~ん、可愛い~~~~柵の赤ちゃんじゃないの~~~ん。
心のIKKO的な何かが顔を出します。
うんこの質感に気合が入り過ぎている。
イベントの開催時間の狭さに若干気にはなるけれども、そういう催しもある文化的な場所です。
これはなんだろう。
農機具の会社さんらしい。
最初に見かけたあのラウンドワンも、
今はもうあんなに遠くに見えます。しかしまだまだ道のりは遠い。頑張ります。
おっちゃん、かぶいてんな~
バチバチの住宅街を横断させていただきます。
あ、言い忘れていましたが、この散歩をしている筆者はですね、鎖骨まである黒髪をひっつめて結び、黒い革ジャンを着ています。
それからさらに言うと、前日泊まったホテルのドライヤーの風力が不安だったためシャンプーをしていません(当時は冬だったから!冬だったからね?!)
そのような風貌の男が、ブリーフケースだけ下げて歩いています。
そんな男がそそくさと住宅街を横切る……。通報されないことを祈るばかりです。
あんなチビッ子ですら乗り物を使っているというのに、自分は……
「たなか」からの
「TAKATA」です。なんともグルーヴィーなエリアだ。
手すりは錆きっているけれど、花だけは逞しくさいている。
ペットボトルのハンドメイド感も心洗われます。
誰も居ません。
ちょっと不安になるくらいには誰も居ません。おかしいな、お店もあるし、住宅もあるし、活気づいていないわけはないのですが。やはり徒歩非推奨なのでしょうか。
こういう昔ながらの喫茶店的なのも、あるにはある。
ちょっと一服したいなと思いますが、この先何があるかわからない。時間節約するため、我慢して先を急ぎます。
地域地域の銀行はやっぱり面白い。略し方であったり、マスコットであったり。
あとどの地にレペゼンを感じているのかも分かります。
地元のスーパー。
昨日タクシーに乗った時も「あっこのハローズのところを曲がったらいいのね?」としきりに聞かれたことを覚えています。
このスーパーは「スーパー」ではなく「ハローズ」なんでしょう。どこの土地でも大きなローカルスーパーは一般名詞化されるけれど、やっぱりそういうのを実際に耳にすると新鮮で面白いですね。
バスはあるらしい。
でもなんか悔しいし、なにより事前準備をせずにバスに乗るのは怖すぎるので、見なかったことにします。
歩くのが一番信頼できる。
まだまだ行きます。
憧れのツイン・スタイルですね。
なんだろう、機械的なカッコよさのあるロゴ。
・京都大学個別会
・そろばん塾
・えいご塾
・ピコ
いやピコ?
キッズコンピューターの?
あの?
あれを学べる?しかもそろばんや英語よりも大きな面積で広告されている。
京大進学と同じレベルで「キッズコンピューター・ピコ」の習熟が重要視されている?!
歩いている人もいなくはないですよ。
切実です。汚物は茶色!というところに執心しすぎてか視認性が悪くなっている気もしますが……
まだまだ行きます。
氷が売っている。いいな。
そしてこのカーブが文字通りターニングポイント。
この先、大きい道に出ます。
来ました。THE、車道!
その代わり、しっかりと歩道も用意されているので筆者的にも安心できます。
ラグビー感あるな……
水深浅くない?
とかく、危ないそうなのでチビッ子は遊ばないように。
でもこのイラスト、よく見たら「チビッ子」って感じでもないよな。もう結構大人に片足突っ込んでいるよね……。
気を付けようね。
これ伝わりますでしょうか、遠くにエディオンが見えるのが。
そうなんです。着実に歩みを進めた結果として、「町」から「街」へ近づきつつあるのです。
僕以外でこの道を「歩いている」人は初めてみたかもしれません。(その前に移っているのは自転車)
なんだかシンパシーを感じる……。
地下道に入っていきます。
地下道を越えて、さらにずいずい行きます。
「佐藤家電」
多分きっと、石野卓球みたいな。
こうして「大通りながらも暮らしと密着しているエリア」を歩いているとあることを思いだします。
道行くマンションの名前や、アパートの名前に「薔薇」とか「ローズ」とか、そういう単語が散りばめられているんです。
「ローズ・ハイツ」とか、まあ、そういう類の。
そうかそうか。福山と言えば薔薇ですよ。
市の公式HPも「ばらのまち福山」というコピーを打ち出しているくらい。
なるほどなるほど、そうだ。薔薇だ。
そういうわけで道すがらに「ばら公園」があったので寄ってみます。
今、このバスに遮られた向こう側には一面のバラ世界が広がっているのです。楽しみだ~~~!
それでは、ひとしきりばら園の素晴らしい景色をお楽しみくださいませ。
え…………? え、え、え………?
どゆこと?なんで?え?は?え?
薔薇のシーズンは5月から6月。ひるがえって僕が今いる時間は2月のはじめ。そうなんです、薔薇はまだ1輪も咲いていない。
2月の真冬なんですわ。
革ジャンを平気で着て歩くくらいの寒さなんですわ。
無論、薔薇のシーズンではない。
「スマイル」やあれへんがな。
ほうら、見てください。本当に全然咲いていないね。
「こんにちは!」
と、突然かけられる挨拶。ワンちゃんを散歩中のお姉さんに笑顔を頂く。
そうやって優しくされると気分も持ち直すってもんです。そうそう、腐っちゃいけない。
いつも心にスマイルが大事。
…………。
いいや、違うな。これは違うな絶対。
誰も居ない閑散とした薔薇園で一生懸命写真を撮りまくる男が怖すぎて、防犯対策で挨拶されたな。
ぜったいそう。間違いないです。
うわ~ごめんなさい。不安にさせて申し訳ないです。
ああ、薔薇の町には会えなかったな。
逃した魚は大きい。強い後悔を胸に抱きながら、駅へと向かいます。
薔薇の町なのになあ!!!!
あああ、薔薇の町なのになあ、本当にもう!!!
(100%筆者が悪い)
シーズンでもない平日に出歩いているのは本当に僕くらいしかいないのです。
駅が見えました。長い道のりでした。
ここまで来ると歩行者の姿が。
本日2度目の地下道へ。
ふぅ~~~着いた~~~福山駅!!!
ようやくひと段落。
ちょっとお茶でも出来るところを探して、今日はお別れとなります。
ん????
んん???
いや駅前にカプセルホテルあるんかい!!!
僕は尾道観光のために広島に来ておりまして、尾道へ電車で20分程で往来できるこの福山を宿泊地に選んだわけでございます。
ございます。
ございますが……
完全に車社会のど真ん中に、徒歩で放り出されています。
「まあまあ都会」という理由で福山を選んでいたはずなのだが……
なぜこんなことになったのか、少し時間を遡ってみましょう。
およそ12時間前
時刻は19時23分。駅前でコーヒーを飲み、さて宿に向かおうとした矢先。宿泊先からこのようなメールが入っていたことに気づく。
「本日の宿にご案内をできません。明日であればそれをすることができます」
パニック!!!!!!!
いやいやいやいや。
ちょっと待ってよ。
そりゃ無いぜ!!!!
いいや落ち着け。落ち着け落ち着け。お前の右手に持っているのは何だ?そのiPhone の画面は何だ?それは無限の可能性を秘めているではないか。落ち着け落ち着け。
クールな素振りで新たに宿を検索。すぐさま手ごろな宿を見つけて予約を申請。
ふう、やれやれ。危ないところだった。そう、いつだって冷静な奴が勝利を手にするのだ。
プライベートブランドの麦茶で一服していると、無事宿が取れた旨の連絡が来る。
……ん?
…………あれ?
ここから宿まで、タクシーで15分?
そして現在
とまあ、そんな夜を何とか乗り切って翌日。この景色に戻ります。
来るときは駅前でタクシーを拾ったれど、問題は帰りです。
「当たり前じゃん」と言われるかもしれないけれど、僕は知らなかったんですよ。
福山に流しのタクシーなんて無いということを。
まあ電話して呼べば良いんですけれど、なんだか悔しいから駅まで歩いてみることにします。
これは、車社会に徒歩で立ち向かうある男の1時間の記録。
駅を目指して歩いてみる
心のセーブポイント、セブンイレブンに別れを告げます。
するともういきなり徒歩が場違いな景色が飛び込んでくる。
自分以外に歩いている人なんて誰も居ないし、何だか果てしない心細さ。
車も猛スピード。
まさか歩行者がいるなんて思ってもないですよね、すみません。
ちょっとした住宅街に差し掛かりました。
あらやだ~~ん、可愛い~~~~柵の赤ちゃんじゃないの~~~ん。
心のIKKO的な何かが顔を出します。
うんこの質感に気合が入り過ぎている。
イベントの開催時間の狭さに若干気にはなるけれども、そういう催しもある文化的な場所です。
これはなんだろう。
農機具の会社さんらしい。
最初に見かけたあのラウンドワンも、
今はもうあんなに遠くに見えます。しかしまだまだ道のりは遠い。頑張ります。
おっちゃん、かぶいてんな~
バチバチの住宅街を横断させていただきます。
あ、言い忘れていましたが、この散歩をしている筆者はですね、鎖骨まである黒髪をひっつめて結び、黒い革ジャンを着ています。
それからさらに言うと、前日泊まったホテルのドライヤーの風力が不安だったためシャンプーをしていません(当時は冬だったから!冬だったからね?!)
そのような風貌の男が、ブリーフケースだけ下げて歩いています。
そんな男がそそくさと住宅街を横切る……。通報されないことを祈るばかりです。
あんなチビッ子ですら乗り物を使っているというのに、自分は……
「たなか」からの
「TAKATA」です。なんともグルーヴィーなエリアだ。
手すりは錆きっているけれど、花だけは逞しくさいている。
ペットボトルのハンドメイド感も心洗われます。
誰も居ません。
ちょっと不安になるくらいには誰も居ません。おかしいな、お店もあるし、住宅もあるし、活気づいていないわけはないのですが。やはり徒歩非推奨なのでしょうか。
こういう昔ながらの喫茶店的なのも、あるにはある。
ちょっと一服したいなと思いますが、この先何があるかわからない。時間節約するため、我慢して先を急ぎます。
地域地域の銀行はやっぱり面白い。略し方であったり、マスコットであったり。
あとどの地にレペゼンを感じているのかも分かります。
地元のスーパー。
昨日タクシーに乗った時も「あっこのハローズのところを曲がったらいいのね?」としきりに聞かれたことを覚えています。
このスーパーは「スーパー」ではなく「ハローズ」なんでしょう。どこの土地でも大きなローカルスーパーは一般名詞化されるけれど、やっぱりそういうのを実際に耳にすると新鮮で面白いですね。
バスはあるらしい。
でもなんか悔しいし、なにより事前準備をせずにバスに乗るのは怖すぎるので、見なかったことにします。
歩くのが一番信頼できる。
まだまだ行きます。
憧れのツイン・スタイルですね。
なんだろう、機械的なカッコよさのあるロゴ。
・京都大学個別会
・そろばん塾
・えいご塾
・ピコ
いやピコ?
キッズコンピューターの?
あの?
あれを学べる?しかもそろばんや英語よりも大きな面積で広告されている。
京大進学と同じレベルで「キッズコンピューター・ピコ」の習熟が重要視されている?!
歩いている人もいなくはないですよ。
切実です。汚物は茶色!というところに執心しすぎてか視認性が悪くなっている気もしますが……
まだまだ行きます。
氷が売っている。いいな。
そしてこのカーブが文字通りターニングポイント。
この先、大きい道に出ます。
来ました。THE、車道!
その代わり、しっかりと歩道も用意されているので筆者的にも安心できます。
ラグビー感あるな……
水深浅くない?
とかく、危ないそうなのでチビッ子は遊ばないように。
でもこのイラスト、よく見たら「チビッ子」って感じでもないよな。もう結構大人に片足突っ込んでいるよね……。
気を付けようね。
これ伝わりますでしょうか、遠くにエディオンが見えるのが。
そうなんです。着実に歩みを進めた結果として、「町」から「街」へ近づきつつあるのです。
僕以外でこの道を「歩いている」人は初めてみたかもしれません。(その前に移っているのは自転車)
なんだかシンパシーを感じる……。
地下道に入っていきます。
地下道を越えて、さらにずいずい行きます。
「佐藤家電」
多分きっと、石野卓球みたいな。
こうして「大通りながらも暮らしと密着しているエリア」を歩いているとあることを思いだします。
道行くマンションの名前や、アパートの名前に「薔薇」とか「ローズ」とか、そういう単語が散りばめられているんです。
「ローズ・ハイツ」とか、まあ、そういう類の。
そうかそうか。福山と言えば薔薇ですよ。
市の公式HPも「ばらのまち福山」というコピーを打ち出しているくらい。
なるほどなるほど、そうだ。薔薇だ。
と、いうことで
そういうわけで道すがらに「ばら公園」があったので寄ってみます。
今、このバスに遮られた向こう側には一面のバラ世界が広がっているのです。楽しみだ~~~!
それでは、ひとしきりばら園の素晴らしい景色をお楽しみくださいませ。
え…………? え、え、え………?
どゆこと?なんで?え?は?え?
薔薇のシーズンは5月から6月。ひるがえって僕が今いる時間は2月のはじめ。そうなんです、薔薇はまだ1輪も咲いていない。
>>あ、言い忘れていましたが、この散歩をしている筆者はですね、鎖骨まである黒髪をひっつめて結び、黒い革ジャンを着ています。
2月の真冬なんですわ。
革ジャンを平気で着て歩くくらいの寒さなんですわ。
無論、薔薇のシーズンではない。
「スマイル」やあれへんがな。
ほうら、見てください。本当に全然咲いていないね。
「こんにちは!」
と、突然かけられる挨拶。ワンちゃんを散歩中のお姉さんに笑顔を頂く。
そうやって優しくされると気分も持ち直すってもんです。そうそう、腐っちゃいけない。
いつも心にスマイルが大事。
…………。
いいや、違うな。これは違うな絶対。
誰も居ない閑散とした薔薇園で一生懸命写真を撮りまくる男が怖すぎて、防犯対策で挨拶されたな。
ぜったいそう。間違いないです。
うわ~ごめんなさい。不安にさせて申し訳ないです。
気を取り直して、福山駅へ
ああ、薔薇の町には会えなかったな。
逃した魚は大きい。強い後悔を胸に抱きながら、駅へと向かいます。
薔薇の町なのになあ!!!!
あああ、薔薇の町なのになあ、本当にもう!!!
(100%筆者が悪い)
シーズンでもない平日に出歩いているのは本当に僕くらいしかいないのです。
駅が見えました。長い道のりでした。
ここまで来ると歩行者の姿が。
本日2度目の地下道へ。
ふぅ~~~着いた~~~福山駅!!!
ようやくひと段落。
ちょっとお茶でも出来るところを探して、今日はお別れとなります。
ん????
んん???
いや駅前にカプセルホテルあるんかい!!!