地元・群馬で馬に乗る

  • 更新日: 2023/03/08

地元・群馬で馬に乗るのアイキャッチ画像

馬を追っていたら地元に辿り着き、季節が巡った

  • hatebu
  • feedly
  • rss

こんにちは。ベトナム散歩者の寺内です。
今回はベトナムから私の地元・群馬県でお馬さんと散歩したお話をさせてください。

私が馬に興味を持ち始めたきっかけはコロナ禍のロックダウン、家からも出られない時に観た「ウマ娘プリティーダービー(アニメ)」でした。
実際の競走馬を擬人化した「ウマ娘」はずっと気にはなっていましたが、競馬の知識もあまりなく、スマホのゲームもやっていなかったのでちょっと敬遠していたのですが、意を決して見始めました。
感想は…めちゃくちゃ面白い…。

競馬知識がないので、都度競走馬について調べたり、元ネタとなったレースも観たりしながらアニメを観ていましたが、1期も2期もどちらも楽しめ、何なら毎話神回なアニメです。2期は特に、ほぼ毎話泣きました。笑
1期・2期を全て観終わったらウマ娘ロスに陥り、1期からまた見直したり、実際の競走馬のエピソードについてずっと調べたり、引退して今も元気な競走馬がどこのファームにいるのかなど、暇さえあれば調べてしまう沼でした。

私が好きになったトウカイテイオーはアニメ2期の主役で、調子がいいとき史実でもしていた“テイオーステップ”をはじめ、デビュー後間もなく無敗で2冠を達成するも、度重なる怪我に苦しみ、その後奇跡の復活を遂げるシーンなどはアニメで泣き、実際のレース動画を観ても泣けました。おすすめはテイオー復活の有馬記念です。
他にも私は幼少期になぜかオグリキャップのぬいぐるみを持っていたのですが、そのオグリキャップがアニメで大食いキャラで、調べたところ本当に大食いで食事制限された時には寝藁も食べていたこと、元々競馬好きの母の推し馬・ゴールドシップがアニメでも自由奔放に描かれていたり、過去の競走馬たちの活躍の場面の数々…アニメ1期もいいですが、2期のライスシャワーの天皇賞、ツインターボのオールカマーの回も最高なのです。
キャラクターの細かい動作や特徴・演出にも制作側の競走馬への愛とリスペクトが感じられ(ニワカが上からすみません汗)、音楽も凄くいいのでお勧めです。
今年2023年にはアニメ3期の制作が発表され、今から楽しみなのです…!

そしてインターネットから馬券を買うようになり、競馬ノートまで作り始めました。
馬や騎手の状態についてやんややんや書いているので、ガチファンに見られたら怒られないか心配なのでモザイクをかけてます。


▲私の競馬ノート。2021年後半から2022年前半のG1と気になる重賞だけでノート1冊半以上に。


ベトナムにいながら、競馬や競走馬に魅せられてしまった私。
様々なレースを追っているうちに“私も馬に乗ってみたい、少しで良いからジョッキーの気分を味わいたい”と思うように。

「次、日本に帰れたら競馬場と乗馬に行く」

コロナ禍で日本へ帰れない中、そう心に決めていた私は2022年7月に約2年半ぶりに日本へ一時帰国し、念願の乗馬へ行きました(競馬場へも行きましたがそれは機会があれば次回)。
実は日本へ帰れない日々の中、小学校来の親友にもウマ娘と競馬を布教していました。そして我々の地元・群馬県に引退競走馬のいる乗馬クラブがあることを調べ、いざ日本への一時帰国が決定し、私は親友に「一緒に群馬に帰って乗馬に付き合ってくれないか?」と提案。
30年以上様々な分野でお互いの趣味や推し活を共有・享受しあっている親友は「もちろんそのつもりだ」と二つ返事で快諾。ありがたい。

筆者の地元・群馬県は山が多く自然豊かなイメージの方も多いと思いますが、県名の通り“馬”が入っているのは古代に馬の有力な生産地だったからなのです。

そんな地形や環境が馬の生産に適した群馬県にある「赤城乗馬クラブ」では引退競走馬・馬術馬の乗馬をはじめ、初心者でも乗馬が気軽に楽しめるスポットとして人気なのです。


念願の「赤城乗馬クラブ」へ

2022年7月に親友と念願の「赤城乗馬クラブ」へ行きました。
場所は利根川の河川敷沿い、北群馬郡にあります。JR「群馬総社」駅からは車で約7分。
静かな緑に囲まれた土地で、駐車場から入り口に向かう左側には第二馬場、右側には覆馬場と放牧場と早速お馬さんたちが見えます!
馬好きはテンションが早速上がること間違いなし。
私も久々に見る生の馬に、言葉にならない歓喜でした。


▲持参したウマ娘のタオルを持ち、赤子のように喜ぶ私


ポニーちゃんたちは人懐っこくて、見ていると近寄って来てくれます。


▲餌やり体験もできるよ!

“餌やり体験”として干し草の団子みたいなものが売られています。

乗馬までの流れ

放牧場奥のクラブハウスでチェックイン。
予約のコースの確認をされ、料金は前払いになります。今回私が体験するのは「体験乗馬+パカパカ散歩」という外乗コースも含まれるもの。
ビジターで外乗がある乗馬クラブは珍しいのです!


▲放牧場のすぐそばにある、味のあるクラブハウス。ぐんまちゃんがWelcomeしてます。


服装は動きやすい格好、運動靴であればOK。ヘルメットと軍手は無料で貸し出しいただけました(持参してもよし)。


▲フロント。この下の階にロッカーがある


夏場はタオルと飲み物(自販機あり)もあると良いです。
頭のサイズに合ったヘルメットをつけたら下の階へ行きロッカーに荷物を預けて、いざ乗馬へ!


▲「やったるぜ」みたいな顔をしているが馬術なんて夢のまた夢と後に知る。


いざ乗馬へ!

馬場へ向かうと既に今日私たちを乗せてくれるであろうお馬さんが待ち構えていました。
「よろしくお願いします〜」
とインストラクターさんに挨拶すると早速どちらがどちらの馬に乗るか聞かれました。

「茶色の子が馬術競技馬で、芦毛の子が元競走馬です」

正直、元競走馬に乗りたかった私でしたが一応、親友の意向も聞くことに。
私「どっちに乗りたい…?」
親友「せっかくここまで来たんだ。競走馬に乗りたいだろう?」

男前すぎませんか?


▲左:馬術競技馬のアテネちゃん、右:元競走馬のニュアージュくん

まずは馬場でインストラクターさんに基本姿勢や操作、乗り方を教えてもらい練習します。
いつもより視界の高い世界、馬の息遣いや鼓動にドキドキ。


▲ニュアージュくんと緊張で完全に顔が強ばる私

基礎練習をしている横の馬場では馬術を練習している方もいてすごい迫力。
あんなスピードを出してでっかい木のハードルみたいなのを飛んだら、もれなく私も吹っ飛びそうだな、と思いました。
とりあえず私は歩くので精一杯…!

インストラクターさん「アテネちゃん(親友が乗ってる馬)、ゆっくりしているので、私たちは丸太でも跨いでみましょうか」

まさかの馬術練習用の丸太を跨ぐことに。

颯爽と馬術の練習をしている横で丸太をタジタジになりながら跨ぎましたが、馬の上で感じる振動が大きくなるのが怖くて「もう丸太跨ぎたくない」と思いました。
ニュアージュくんにもそれが伝わったのか、終盤は丸太を避けていました。
改めてプロの騎手の凄さに感服したのでした。

基礎練習を終えたら外乗りへ向かいます。
大自然の中をパカパカお散歩しますが、インストラクターさんが散歩コースまで引き馬をしてくれる&穏やかで乗馬慣れしているお馬ちゃんたちばかりなので上記操作で苦戦しても大丈夫。
コースもわかっているようで、操作しなくても歩いてくれます。


▲外乗りに行く私(親友撮影)

パカパカ散歩中は時間に余裕があれば休憩がてらお馬さんのおやつ時間もあります。
お気に入りの草を一生懸命食べていました。


▲おやつ時間。親友とアテネちゃん

おやつ時間を終えると早速ニュアージュくん、うんちしていました。
食べてすぐ出るタイプ。気が合うな、と思いました。

馬場に戻るとインストラクターさんが記念撮影もしてくださいました。
めちゃくちゃ楽しい体験だったので、付き合ってくれた親友と赤城乗馬クラブさんに感謝です!


▲乗馬に付き合ってくれた小学校来の親友と(2022年7月)


レジェンド産駒に会いに行く

「赤城乗馬クラブ」には過去に活躍した有名競走馬産駒の引退競走馬たちもいるのです。
乗馬後は是非厩舎見学へ行きましょう!


▲厩舎の洗い場でお手入れ中のみなさん。


▲厩舎でレジェンドについて早口で説明しながら動き回る私(親友撮影)

まず先にウマ娘の話で登場した、オグリキャップの娘ワダルコさん。
やはり父親譲りなのか、ご高齢でも食欲旺盛。動きこそゆっくりしていますが、むしゃむしゃご飯を食べていました。
「目線ください・・!」
馬は大声が苦手なので、控えめにファンサを求めると目線、いただけました。


▲25歳(人間だと73歳くらい)だけど食欲旺盛!


そして私の推し、トウカイテイオー産駒の元競走馬はなんと4頭もいます!


▲トウカイテイオーの娘・リランちゃん


▲トウカイテイオー産駒・トウカイフェスタくんにお父さんのタオル(ウマ娘版)を見せる私と映り込むアテネ姉さん。(親友撮影)


▲目線ありがとうございます!

やはり“イケメン”でも有名だったテイオーの子供たち。容姿端麗とはこのことです。
流星(鼻筋方向に流れている白い模様)はテイオーよりも小さめですが、立髪の感じや端正な顔立ち、バランスのよいしなやかな馬体…
同じくテイオー産駒のヤマニンバッスルくん、ゴールドショットくんはお出掛け中で会えませんでしたが、ビジター外乗体験であれば事前にテイオー産駒指定もできるそうです!競馬ファン・ウマ娘ファンの方もぜひ!
ちなみにヤマニンバッスルくんが特にテイオーに顔が似てるとインストラクターさん。
また来るしかない。


▲みんなかわいい。赤城乗馬クラブ箱推しだ。


乗馬クラブ内ではわんちゃんや猫ちゃんものんびり暮らしていて、その姿にも癒されます。


▲厩舎で寛ぐわんちゃん。外乗コースには猫ちゃんもいる。


馬、最高です。進学で上京した私と親友でも「こんなエンターテイメントが地元にあったなんて盲点だった」となりました。
みんなにおすすめしたい!


▲トウカイフェスタくん「みんな会いに来てくれよな!」


母と来た。

所用で11月にも帰国したのですが、前回の体験が忘れられず、今度は母を連れて乗馬に。
母は私よりも先に元々競馬が好きで、家に毎年の“JRA有馬記念缶”のサッポロビールを飾ったりしていたので乗馬の楽しさを熱弁し、巻き込むことに成功しました。

そしてまたもや「赤城乗馬クラブ」さんへ。


▲赤城乗馬クラブ入口の様子。早速顔を出してる子とかいてテンション爆上がり(2回目)

入り口で放牧中のお馬さんが前回乗せてくれたニュアージュくんに似ていたので、近くにいた厩務員さんに「これはニュアージュくんですか?」と聞くと「違います、ニュアージュは覆馬場にいます」とのこと。恥ずかしかった。よく見たら顔が全然違うし、知ったかぶりはよくない。

早速馬場へ!

インストラクターさん「あれ?お姉さん…」
私「はい、また来ました。母と」
インストラクターさん「お母様とwww」

今回は姉妹の馬術競技馬の仲良し姉妹アテネちゃんとスターライトちゃんに乗せてもらいました。


▲左:アテネちゃん(2回目)、右:スターライトちゃん

母は初乗馬だったので、「どちらが乗りやすいですか?」と聞くとアテネちゃんの方が性格が温厚で乗りやすいとのことで、私はスターライトちゃんに乗せてもらうことに。(と言っても私も乗馬経験2回目だけど)


▲馬場で基本操作&基礎練習。キメ顔のスターライトちゃんと私に連れてこられた母。(2022年11月)

私は早々に基本操作と練習を終え、母の練習を待つことに。
その間ずっとスターライトちゃんが割と激し目に私の靴をしきりに噛もうとしているので「私の靴が痛いとか足が臭いとか何かですか…?」と不安になりインストラクターさんに聞くと、「ハエを払ってるだけです」とのことで一安心(?)

そして外乗りへ。


▲母とアテネちゃん

今回私は2回目の乗馬だったので、インストラクターさんは主に母の方をケアしてくれていたのですが、私が乗ったスターライトちゃんは食いしん坊な模様。おやつ時間前にもインストラクターさんの目を盗んでちょいちょい沿道の草を食べていました。


▲おやつ時間

スターライトちゃんは器用で頭が良く、自分で馬房の柵を開けてお姉さん(アテネちゃん)を連れて脱走したり、みんなのご飯を食べ漁ったりするらしい…やっぱり食いしん坊だった。
「この間も脱走して利根川沿いをひとりで散歩していました」とのこと。
でも帰れないところまでは行かないそう。頭が良い…!


▲脱走姉妹。左:スターライトちゃん、右:アテネちゃん


▲母とアテネちゃん


▲もちろん今回も厩舎にも行ったよ


▲落ち葉を食べるのに必死な子といかついヘアスタイルだけど日向ぼっこしていて可愛い子


馬を追っていたら季節が巡った

夏と秋で2回「体験乗馬+パカパカ散歩」のコースを経験しましたが、お馬さんそれぞれの個性を感じられ、触れ合いが楽しかったのはもちろん、外乗で回るコースが夏と秋では景色が違いそちらも楽しめてよかったです。夏の青葉、秋の紅葉。いい歌詞が書けそうな雰囲気を味わえます。

先日、2021年JRA賞年度代表馬・エフフォーリアが引退しました。最後のレースの下馬でびっくりしたのも束の間、引退から種牡馬へ。ニュース動画でエフフォーリアと彼の退厩を見送る鞍上の横山武史騎手を観て「エフフ…たけしぃ…」とこちらまで涙しました。
競走馬人生を終えた馬は種牡馬・繁殖牝馬、誘引馬、乗馬などになれたらいいのですが、行き場のない引退馬がいるのも事実です。引退馬を引き取ったりするのはなかなかできないことですが、乗馬なら初心者でも乗ることができ、それが支援になるのです!ウィンウィン!乗馬の普及は引退馬の居場所を作ることに繋がり、ひいては引退競走馬支援に繋がるのでぜひみんな行きましょう!

次回は利根川の河川を歩ける「ビジター外乗」に挑戦しようと思います!


▲またすぐ遊びに行きたい!


赤城乗馬クラブ
所在地:群馬県 北群馬郡 吉岡町 漆原1590-1
電話:+0279-54-0481
定休日:毎週月曜日
公式サイト: 赤城乗馬クラブ










このサイトの最新記事を読もう

twitterでフォローFacebookでフォロー
  • hatebu
  • feedly
  • rss

寺内真実

2014年よりベトナム在住。
ベトナムや東南アジアメインの散歩を書いて行けたらと思います。

関連する散歩

フォローすると最新の散歩を見逃しません。

facebook      twitter      instagram      feedly

TOPへ戻る