東京から松山まで電車だけで行く散歩
- 更新日: 2024/10/10
海沿いをゆこう!
旅というものは、小さなドクロを積み上げていく作業に他ならない。ドクロというのは、つまるところミスである。私に大人としての当たり前の器量があれば簡単に避けることができたであろう、旅における不測の事態だ。旅に不測の事態はつきものだよね~とヘラヘラすることもできようが、いくら取り繕ったところで、ドクロの表情は変わらない。表情筋が朽ちているのだからね。
私は8月の終わり、2024年夏季の青春18きっぷを使い、松山まで行ってきた。当記事では、私の積み上げた骸を丁寧に数えてみようと思っている。これから書かれるのは、罪と懺悔の記録である。
4時に起き、4時40分の始発を目指して駅へ向かう。この時点で確か35分くらい。普通に歩けば間に合うが、青春18きっぷを券売機で購入しなければならない。走り始める前、せめて出発前の西荻窪の様子を撮っておこう、という写真である。このとき日付は8月31日、ノロノロ台風と呼ばれた台風10号が、その鈍重さで日本を翻弄していたときだ。東京は雨模様が続き、今朝も写真のとおりであるが、私は傘が嫌いである。雨の中、家から渋谷に出かけるだけでも傘など持たない(片手に傘があるだけで渋谷が台無しになるからだ)私が、まさか旅行に持っていくわけもあるまい。
1つ目のドクロは、前日までに青春18きっぷを購入しておかなかったことだ。出発直前に券売機で買えばいいだろう(実際今まではそうしていた)と考えていたのだが、西荻窪駅は早朝、券売機が稼働していなかったのだ。急いで駅員に問い合わせていたら始発列車は去ってしまった。今夜の宿は大阪、順調に行けば14時13分には到着するはずだったのが、電車を一本逃しただけで15時13分着となってしまった。ものの数分で1時間のロス、これが電車旅の厳しさであるが、前もって準備をしていなかった私の過失である。ともあれ東京駅へ向かおう。
さて、2つ目のドクロは、台風を舐め切っていたことだ。東京駅に到着し、そこから東海道線に乗り換え熱海方面に向かっていたのだが、台風の影響により、小田原より先には行けないとアナウンスが入る。血の気が引いた。青春18きっぷそのものは勿論、今夜の宿、そして帰りの飛行機。それら予約はすべて、キャンセル料を100%請求される時期に来ている。熱海を経由せず西に行く方法を私は知らない。ひとまず引き返して、ホテルに電話して、台風で本当に困っているんですという悲壮感と、あとは河村隆一のモノマネをいくつかやって、なんとかキャンセル料は勘弁してもらおう……などと考えながら、いや、きっと何か方法はあるはずだ、と横浜で降り、駅員に尋ねる。すると、今後どうなるかは分からないが、中央本線を使い長野経由で回り込む形であれば西には行けるのではないかと教えてもらい、もうそれに賭けるしかないんで、横浜から八王子まで引き返すことに。もう、何分のロスだとか、そんな次元ではなく、ひたすら到着できますようにと祈っていた。
さて、とりあえず中央本線に乗ることに成功する。ひとまず甲府を目指す。甲府行の中央本線は私のお気に入りで、何と言っても勝沼ぶどう郷。寄っていく余裕など勿論ないが、車窓から目に焼き付けておこう。ちなみにこの写真は山にあったでかいラブレターである。
不穏な雲が立ち込めている。後になって写真を見返すとなんだか楽しそうだが、このときの私は旅に緊張感なぞ求めていないとキレていた。
勝沼ぶどう郷である。他に乗客もいたし、あんまりはしゃいで写真パシャパシャ撮ったりできなかったんでこの一枚だけ……。ていうか晴れてきてないか?勝沼ぶどう郷が好きすぎてそう見えてるだけ?
やはり光が宙に浸透している。晴れていると言っても過言ではないのでは?
さて、まずは甲府に到着。雨はナシ、良い天気とは言えないが、外に出るのを拒むような様相でもない。部活の練習がこんな天気で中止になるわけもあるまい。知らぬ間に台風など去ったのではないだろうか。
甲府駅の筈なのだが、改装工事中であった為、それを裏付けるものがどこにも見当たらなかった。甲府駅では無かったのかもしれない。
さて腹が減った。ロッテリアにてモーニング。
私は甲府経験それなりにアリ。次の電車まで少し時間があるんで、なんとなく見覚えのある道を軽く歩いていく。これからずっと電車に座りっぱなしになるのだから、身体は動かせるときに動かしておいたほうがよい。甲府は結構好きである。
山梨のポストは低いと来るたびに思う。
私は持っていた免許を捨てることで友達をビックリさせた。
この建物が何だったのか忘れた……
裏庭がゴージャスだったこの建物が何だったのか忘れた……
さてヨドバシ行きますかー。旅先の電器屋というのは入るべきである。涼しいからだ。あとは、ただでさえ自分に関係のない数十万のテレビやスピーカーが、ことさら関係なく見えるという楽しさもある。
ヨドバシを一周し、自分に倍関係のない家電群を見やり、再び駅前へ。武田信玄と目が合う。
甲府の交番はかなりシャレている。交番の写真を撮るのって謎の勇気が要る。
さて、また中央本線に乗って、長野方面へ……。なんと雨が降り始めてしまった。いや、降っていない。雨は降っていない。雨なんて降るはずがない……
さて、乗換駅である塩尻に到着。ここで大問題に直面する。ここから中津川駅というところまで行くのだけど、中津川から名古屋方面の電車がストップしているらしい。西へ行くには、名古屋がカナメ。名古屋を通らずに行く方法を私は知らない。
塩尻は大雨が降っていた。不穏な状況……いや、降ってないか。雨など降ってない。電車も運休なんかしていないし、そもそも台風なんか来てない。コロナなんていう感染症も流行していない。俺はまだ19歳で、今は地元から上京している最中なのだ……
さて、現実逃避もこれくらいにして、とにかく中津川へ向かうしかない。塩尻から中津川までは2時間ほど、その間に名古屋方面への電車が復旧する可能性は十分にある。祈りながら乗車するのみだ。ちなみに塩尻の気温は20度、雨も相まって、肌寒いくらいであった。
塩尻駅から中央本線に乗り込み、中津川駅を経由して名古屋を目指す。数時間の乗車中、ただひたすら、「名古屋まで行けますように」と祈っていた。名古屋にさえ着けばどうにかなると思ったのだ。ここでドクロが現れる。名古屋まではどうやら行けるようなのだ。しかし、名古屋からの東海道本線がマズい。大垣から米原までの区間が台風により運休しているというのだ。大垣ー米原が塗りつぶされてしまったら、JRで大阪に辿り着くのは不可能だ。名古屋に一泊することも視野に入れながら(それだって悪くはないだろう。ただ翌日、名古屋から松山まで一日で向かうというのはいくら何でも厳しすぎる)、中央本線に揺られる。フォルダに何の写真も残っていなかったことから、乗車中は、旅行を楽しむとか、そういった時間ではなかったのだろう。
奇跡が起きた。まるで大阪へおいでませといった具合に、私が名古屋に到着するのと合わせて、大垣ー米原の区間が復旧したのだ。くいだおれ人形のドクロがほほえんだ。とにかく米原まで行ければ、もう怖いものは無い。大阪まですぐである。関西はもう、雨も降っていないようだ。ああ、胸のつかえが取れた。やっと思い切り旅を楽しめそうである。ドクロの頭をなで、米原行きの東海道本線に乗車だ。
名古屋らしい写真が全然撮れなかった。栄えてますねー
乗換のみとはいえせっかく名古屋に来たので、味噌カツおにぎりを買いました。そういや今日は朝からほとんど何も食っていない…台風のせいで昼メシ寄り道ができなかったのだ。電車でパクつきながらいざ米原。そこから琵琶湖線に乗り換えて、あとは大阪まで。
向かう先には綺麗な夕陽が。この地獄みたいな雨雲からやっと逃れられる。ホント冗談じゃなかったよ。
今日は一体どれだけ電車に乗っただろう。最低でも12時間は乗っている。身体はぐったりと疲れ果て、起きているのか寝ているのかも分からない状態だ。琵琶湖線の車窓から撮ったこの何を撮ろうとしたのか分からない写真を見れば、自分がどれだけ疲れていたのかよく分かる。
もう一枚ある。何駅だこれ。分かる人いますか?
これも何ですかね。なんでこの瞬間を撮ろうとしたのだろう。
さて、ついに……
ついに着いたぞ……
大阪に……!(この角度でしか撮れなかったのは疲れていたからということでひとつお許しください)
夕方前には着く予定だった大阪に、なんと21時過ぎに到着。おおよそ5時間以上のロスである。大阪城に通天閣に道頓堀、色々と見たかったのに、こんな時間で明日も早いとなれば、行ける場所は限られてくる。3つに1つだ。どれに行く……?
ということで道頓堀に来た。幼少期に一度来たことがあるらしいのだが、物心がついてからは初めて。とにかく人が多くて、どことなく東京の上野を思い出すような。ちなみに、心斎橋駅から歩いてきたのだが、そちらは銀座みたいな街だった。道沿いにゴージャスな高級ブランドが立ち並んでいて、一歩わき道に逸れるだけで一気に猥雑さを帯び始めるのも都会らしい。
比べてこの道頓堀は、猥雑さも華やかさも何もかもをすべてごちゃまぜにしたような街だ。歩くだけでも一苦労、恐怖と緊張と高揚が沸き起こる。
道頓堀川だ。これだけ飛び込みやすかったら、飛び込む奴も現れるだろうと思った。
さて、とにかく腹が減った。食事をしに道頓堀に来たのだが、初めての街、一体どこに行けばいいのか分からない。とりあえず屋台でたこ焼きを買って川沿いで食べたのだが、そのたこ焼きを買うのにも非常に難儀した。たこ焼き屋が多すぎる。店構えで良し悪しを判断できるわけもないし、かといって失敗もしたくない。とウロウロし続けてようやくのたこ焼きであった。しかし腹は減っている。丸一日ほとんどロクな食事をとっていないのだ。
とはいえ何を食えばいいのか、どこに入ればいいのかまったく分からない。人の多すぎるメイン・ストリートを避けて、なんとなく落ち着けそうな場所を探す運動に入ってしまう。これは何かを見つける運動ではなく、何かから逃げる運動なのであり、こんなことを繰り返していたって、グッド・フードにありつけるわけはない。
しかし、私の足は逃げようとすることをやめてはくれず、さらには路上での喧嘩に鉢合わせてしまったことで心が折れ(路上喧嘩は、ショート動画で見るのも嫌なくらいだ)、心斎橋駅へと戻り、電車に乗り込んでしまった。たこ焼きだけは食えたからよしとしよう。しかし、そのたこ焼きの写真を撮り忘れるとは、よほど腹が減っていたのだろう。この写真は、『龍が如く』に登場する、道頓堀を再現した街”蒼天堀”にて、何度も食事に訪れたラーメン屋。道頓堀は、龍が如くで散々歩き回った街そのままで、その感動も大きかった。
さて、腹が減った状態で初めての道頓堀へ行き、腹が減った状態で宿に帰ってくるというドクロを積み上げてしまった。移動は達者でも、到着してからザコいのが私の旅。
今夜の宿は森ノ宮という場所にある。ああ、見ることのできなかった大阪城が、ちなみに『龍が如く2』では、あの大阪城が真ん中からふたつに割れ、マトリョーシカのように中から金ピカの城が現れていた。
ここから凄まじいドクロの連打。腹が減った状態で宿に戻るという時点でまずドクロなのだが、23時前の森ノ宮に飲食店がなかなか見当たらず、ホテル近くの松屋に入ろうとしたが、いやいや、さすがに旅先で松屋はありえない。週に何度松屋に行くつもりだ……と自分を戒め、結局、ホテルの1階にあったポプラで弁当を買って食った。いくらなんでも旅先でコンビニ弁当を食べたのは初めてである(しかもその写真を撮り忘れた。ネタになるのだからせめて撮っておけ!)。まだギリ松屋のほうがマシだったんじゃないのかね。こんなことも思い出になるよねとかそんな次元じゃない気がする。明らかにバカなことをしたと思う。
コンビニ弁当食って寝て、朝に起きて森ノ宮。散策したかったけども、松山まではまだ遠く、時間に余裕はない。大阪はあくまで経由地、ただの宿に過ぎないのだからね。こう自分に言い聞かせ、大阪への未練を忘れようとするわけだ。
さて、電車に乗って松山へ出発……まず環状線に乗って大阪に戻り、神戸線に乗り換えて姫路まで行く。写真は芦屋。なんとなくカッコイイ写真で気に入っている。
さて…神戸を通り越して、姫路までの道中。これぞ台風一過な晴天。きのう散々積み上げられたドクロは、太陽の光で溶け始めたようである。
やべー!やっと旅っぽくなってきたぞ!
スーパーオートバックスありました
さて、姫路駅を16分ほど観光する。
確か前に40分ほど姫路を歩いたことがある。そのときは、連れが受取主に消印でウケる為、姫路のローソンから荷物を送っていた。
16分なのでそんなことすらできず、すぐに戻る。姫路もだいぶ好きだ。甲府くらい好き。次は60分はいようと思う。
青春18きっぷで旅をする場合、ボックスシートを確保するというのがまず重要なのだが、こういった風に窓枠に何かを置ける設計であるとなお嬉しい。ないときもあるんだよね。旅の午前中は必ずコンビニでコーヒーを買いたいから、ここに置けなきゃずっと持っていなきゃいけなくなる。コーヒーって好きだけど持っていたくないですよね。
アガホ。
っ晴(ぱ)れ!
あいおいにて乗り換え。まだ兵庫。兵庫って結構デカいんだよねえ。
さて岡山。前に15分ほど滞在した覚えがあるが、今回は駅の外に出る時間も無い。これまで時間に追われまくっていたのは台風のせいにできるのだが、台風の去った今、時間が足りないのはハッキリ自分の責任となってしまう。それがいまいち愉快ではない。
これからマリンライナーというのに乗って四国へと突入する。言ってもここまでの道中は乗ったことのある電車ばかりだったのだが、ここにきて初めて乗るのがマリンライナー。いかにも良さそうな名前だがどうか。
窓の水垢もきのうの台風のせいだ。青と緑に水を差しやがって…
海が見えてきた。しかもだいぶ青い……空も海も青い。窓だけ汚い……
しかし、普通列車で、普通の料金で、こんな電車に乗れていいものだろうか。
何もかもが青く光っている。右も左もこの風景。まさに海の上を走っているマリン・ライナー。
街が見え始める。あれは香川の工業地帯のようだ。マジ眼福のマリンライナー、四国で旅行をするならば、まず岡山まで行って、そこからマリンライナーに乗るのが一番いいと思う。これ乗らないのはない。
さて、香川は坂出駅。乗り換えついでに駅前をブラブラ、外は暑く、まさに晴天、夏!機嫌も良くなってきた。
イオンが思いきり閉鎖されていた。
入れそうもなかった。
仕方がないんで駅前ハナミズキ広場にてのんびり……すぐに次の電車に乗る。
さて、予讃(よさん)線に乗って、松山方面へ。しかし腹が減った。せっかく香川なのだから、うどんでも食べにどこか寄り道しようか。
ということで、いかにもうどんが食えそうな丸亀というところへ。正直言うと、私はうどんがまったく好きではない。吐き出してしまうほど嫌いというわけではないが、自分で金を出してうどんを食うことはまずない。うどんに払う金は無いと思っている。しかし、香川に来てしまった。連れの友人もうどんを食べたがっている。どう頭をひねっても、香川県にて、うどん以外の食事を提案する方法が見つからなかった。
へ~名物らしいよ。これにしない?って感じだ。
さて丸亀駅前。ロータリーに灯篭があるのは珍しいんじゃないだろうか。
フィリピン風バーベキューというのは聞いたことがない。どんなものか気になる。あれにしない?って感じだ。
すっきりとした街並み。陽の当たりも相まって、気持ちのいい色調だ。
さて、メシだ!ごめんなさい、うどんの良し悪しは私には分からないのだけど、親子丼がマジで美味かった。油断してたからだいぶビックリした。ごちそうさんでした!
腹ごしらえも済んで、そろそろ駅へ戻ろう。ここは自販機コーナー。
さすがにもっと散歩したかったな。かなりいい感じだった丸亀。もっとうどんを好きになってからまた来るぞ!
次に来たときははあの美術館に行こう…
そしてまるがめレンタサイクルに乗ろう…
さて、あとは松山まで一直線。この調子なら、20時前には松山に到着できそうだ。
ボックスシート確保も、水垢にしかピントが合わない。マジで台風のせい。
海がずっと見えているが、水垢にピントが合ってしまう……
デカ煙突!気合いでピントを合わせた。
洒落たカラーリング。
色んな駅に『伊予』という枕がついている。
二人の
今治、桃鉄とタオルで知っている!そろそろ日が暮れてきましたねえ。もう愛媛には入っている。松山まではもうすぐ……台風が去り、進行方向に崖が現れる可能性のない状態だと、身体もあまり疲れない。昨日はホント嫌だった……。
殴られた瞬間の視界みたいなの撮れてた
一日を無駄なく動いたあとの夕陽は気持ちがいい。いつもはこちらに罪悪感を与えてくるばかりだ。
さて、今日のハイライトは、マリンライナーと、夕方の予讃線。窓からずっとこんな海が見えている贅沢。窓もキレイだ。
いいっすね~
そしてすぐに、着いた!松山!お疲れ様~!
東京から電車だけで松山まで来たの普通にすごいよね。毎回、目的地に到着するたび、素直にそう思う。
さて、少し歩きますかー
すべての娯楽を取りそろえたかのようなアミューズメントパークがネオンを支配している。
路面電車が走っています。いいすねえ
無事に松山に到着したところだが、新たなドクロが発覚する。事前に予約しておいたホテルが、駅から徒歩30分ほどの場所だったのだ。私としたことが、予約の際に駅からの距離を確認しておくのを忘れていた。まあ、これくらい可愛いものだ。子犬のドクロ、なんせ初めての街なのだ。せっかくだからホテルまでの散歩を楽しもう。
松山にも大手町駅を発見。しかし、東京のように乗り換えの海では無いようだ。
しかし、落ち着いた街並みというか、歩きやすさがある。歩きやすさって何だよと思われるかもしれないが、歩きづらい街というのはあるものだ。
いささか食べてみたい。
マジ洒落てる。ここを歩いてるとき、向こう側の青い光の全容が徐々に明らかになっていく感覚があって楽しかった。この池は松山城のお堀なのだと思う(たぶん)。
ここが入口のようだが、時間も時間なので断念。わざわざ丸二日かけて電車に乗って松山にやって来て、時間が無いからといって色々を諦めている。本末転倒とはまさにこの事である。
伊予鉄という路線の松山市駅。JR松山駅と比べると、こちら(とその周辺)のほうがメインっぽい感じであった。さて、メシ屋を探しますか。腹が減って仕方ないよ。
アーケード街を見つけたので入ってみる。ここも非常に落ち着いているというか、本当に歩きやすかった。つまるところ、治安が良いということなのかもしれない。
まあ、あったらあったで重宝するとは思うけどね?
さて、このアーケードでは、地域の小学生たちによる川柳がずらっと掲示されていて、それを見ているだけでも楽しい散歩であったのだが……
明らかに私のことを詠んでいる作品があった。せめて出発前ににらめっこしておくべきであったと反省する。
私は実写映画版『がんばっていきまっしょい』が大好きで、当初は聖地巡礼のつもりで松山旅行の計画を立てたのだった。じゃあ松山までどう行こうか、となった時に、いつものクセで、電車だけで行こう、と決めてしまったのである。電車だけで聖地巡礼などできるはずもなく、そもそも移動だけで丸2日かかるのだから、時間の捻出も困難だ。基本的に横になっている私だって、365日24時間ヒマというわけじゃないんである。
正岡子規が道案内をしている。
それにしても、本当に治安が良いなあ。これまで、旅行で色んな都市の繁華街に行って、やっぱりどこも怖いは怖いのだけど、この松山だけは本当に怖くない。あまりに怖くないものだから、どこかガラの悪い部分は無いかと目ざとく探していたら、路上飲酒の残骸を見つけた。「おっ!治安の悪いところ発見!」と指を差すと、その空き缶はノンアルコールビールであった。何それ?
さて、遅い時間にもやっているラーメン屋を見つけ、おいしく食らう。やっぱり旅先で食うのはラーメンに限るね。昨日は本当ひどかったね。大阪行ってコンビニ弁当食ってたからね。いや、考えれば考えるほどひどい。まったく、一体全体、なにを考えていたというんだ?
考えていたら朝になった。さて、もう帰らきゃならない。帰りの飛行機を予約済みだ。ここから松山空港まで歩いて2時間弱。うん、飛行機の時間にもちょうどよさそうだ。天気が良すぎて超暑い日だけども、のんびり松山を散策しながら帰るとしよう……。
夏目漱石も松山なんだなあ。
晴れてるなあ。あれは松山城だろうか?それとも何か別の建造物か……。ともかく、また時間のあるときに来よう。丸4日くらい時間のあるときに……。
一応、地図を撮っておこう。また来たときに役に立つかもしれないからね。
それにしても、ホントいい街だなあ。松山めちゃくちゃ気に入った。旅で訪れた街でベストかも。絶対また来たい。
おしゃれ美容室。
だいぶ行きてー
スタスタと、気持ち良く・・・
ああいう家に住みたい。家か分からないけど、とにかく、ああいう出っ張りに住みたいのである。金を稼ごう。
自販機にて。すばらしい濃いお茶。
酒のジン
車検のマプト
ラブリハイツ松山
アイアイエー
そしてパーマプラザと、面白いネーミングの店が立ち並んでいる。
おしゃれ床屋アラジン。すごい色合い。大好きな映画『BMXアドベンチャー』に登場する警察署がまさにこんな感じで、それを思い出した。
さて、空港までもうすぐ……。フライトまで少し時間があるんで、腹ごしらえを済ませたいところ。
サブタイトルのついている理容室というのも珍しいんじゃないだろうか。残念ながらもう閉業していたようだけれども…
さて、空港近くの定食屋に入る。せっかく四国、海鮮丼を食べたいんで……
カキフライ定食を食べる。カキフライって好きすぎる。パテくらい好きだ。
空港が近いからって空港ハイツなんて名前になりますか?
佐田岬の鬼
あそこにまだ鬼が……
むむむっ!
松山空港に着いたぞ!
なんか歩いていいのかよく分からない場所を歩いてます!人生もそうですね。
というわけで、青春18きっぷ松山への旅はこれにて終了である。今回は一番疲れた。1日目は本当にひどい有様だったが、2日目以降はわりあいうまくいった。旅行にトラブルはつきもの、とはいえ、無きゃ無いほうがいいのである。さすがに、電車だけで四国まで行こうというのは考え物かもしれない。最後にドクロがひとつだけ、数年ぶりに飛行機に乗ったのだが、離陸してからしばらく、白目をむくほど怖かった。年齢を重ねるごとに高所がダメになっていて、観覧車でもパニックに起こしてしまうことを自分でも理解しているのに、飛行機を選択してしまった。じゃあまた松山に来るにはどうやって?新幹線は高いし……電車にしようか……。
私は8月の終わり、2024年夏季の青春18きっぷを使い、松山まで行ってきた。当記事では、私の積み上げた骸を丁寧に数えてみようと思っている。これから書かれるのは、罪と懺悔の記録である。
4時に起き、4時40分の始発を目指して駅へ向かう。この時点で確か35分くらい。普通に歩けば間に合うが、青春18きっぷを券売機で購入しなければならない。走り始める前、せめて出発前の西荻窪の様子を撮っておこう、という写真である。このとき日付は8月31日、ノロノロ台風と呼ばれた台風10号が、その鈍重さで日本を翻弄していたときだ。東京は雨模様が続き、今朝も写真のとおりであるが、私は傘が嫌いである。雨の中、家から渋谷に出かけるだけでも傘など持たない(片手に傘があるだけで渋谷が台無しになるからだ)私が、まさか旅行に持っていくわけもあるまい。
1つ目のドクロは、前日までに青春18きっぷを購入しておかなかったことだ。出発直前に券売機で買えばいいだろう(実際今まではそうしていた)と考えていたのだが、西荻窪駅は早朝、券売機が稼働していなかったのだ。急いで駅員に問い合わせていたら始発列車は去ってしまった。今夜の宿は大阪、順調に行けば14時13分には到着するはずだったのが、電車を一本逃しただけで15時13分着となってしまった。ものの数分で1時間のロス、これが電車旅の厳しさであるが、前もって準備をしていなかった私の過失である。ともあれ東京駅へ向かおう。
さて、2つ目のドクロは、台風を舐め切っていたことだ。東京駅に到着し、そこから東海道線に乗り換え熱海方面に向かっていたのだが、台風の影響により、小田原より先には行けないとアナウンスが入る。血の気が引いた。青春18きっぷそのものは勿論、今夜の宿、そして帰りの飛行機。それら予約はすべて、キャンセル料を100%請求される時期に来ている。熱海を経由せず西に行く方法を私は知らない。ひとまず引き返して、ホテルに電話して、台風で本当に困っているんですという悲壮感と、あとは河村隆一のモノマネをいくつかやって、なんとかキャンセル料は勘弁してもらおう……などと考えながら、いや、きっと何か方法はあるはずだ、と横浜で降り、駅員に尋ねる。すると、今後どうなるかは分からないが、中央本線を使い長野経由で回り込む形であれば西には行けるのではないかと教えてもらい、もうそれに賭けるしかないんで、横浜から八王子まで引き返すことに。もう、何分のロスだとか、そんな次元ではなく、ひたすら到着できますようにと祈っていた。
さて、とりあえず中央本線に乗ることに成功する。ひとまず甲府を目指す。甲府行の中央本線は私のお気に入りで、何と言っても勝沼ぶどう郷。寄っていく余裕など勿論ないが、車窓から目に焼き付けておこう。ちなみにこの写真は山にあったでかいラブレターである。
不穏な雲が立ち込めている。後になって写真を見返すとなんだか楽しそうだが、このときの私は旅に緊張感なぞ求めていないとキレていた。
勝沼ぶどう郷である。他に乗客もいたし、あんまりはしゃいで写真パシャパシャ撮ったりできなかったんでこの一枚だけ……。ていうか晴れてきてないか?勝沼ぶどう郷が好きすぎてそう見えてるだけ?
やはり光が宙に浸透している。晴れていると言っても過言ではないのでは?
さて、まずは甲府に到着。雨はナシ、良い天気とは言えないが、外に出るのを拒むような様相でもない。部活の練習がこんな天気で中止になるわけもあるまい。知らぬ間に台風など去ったのではないだろうか。
甲府駅の筈なのだが、改装工事中であった為、それを裏付けるものがどこにも見当たらなかった。甲府駅では無かったのかもしれない。
さて腹が減った。ロッテリアにてモーニング。
私は甲府経験それなりにアリ。次の電車まで少し時間があるんで、なんとなく見覚えのある道を軽く歩いていく。これからずっと電車に座りっぱなしになるのだから、身体は動かせるときに動かしておいたほうがよい。甲府は結構好きである。
山梨のポストは低いと来るたびに思う。
私は持っていた免許を捨てることで友達をビックリさせた。
この建物が何だったのか忘れた……
裏庭がゴージャスだったこの建物が何だったのか忘れた……
さてヨドバシ行きますかー。旅先の電器屋というのは入るべきである。涼しいからだ。あとは、ただでさえ自分に関係のない数十万のテレビやスピーカーが、ことさら関係なく見えるという楽しさもある。
ヨドバシを一周し、自分に倍関係のない家電群を見やり、再び駅前へ。武田信玄と目が合う。
甲府の交番はかなりシャレている。交番の写真を撮るのって謎の勇気が要る。
さて、また中央本線に乗って、長野方面へ……。なんと雨が降り始めてしまった。いや、降っていない。雨は降っていない。雨なんて降るはずがない……
さて、乗換駅である塩尻に到着。ここで大問題に直面する。ここから中津川駅というところまで行くのだけど、中津川から名古屋方面の電車がストップしているらしい。西へ行くには、名古屋がカナメ。名古屋を通らずに行く方法を私は知らない。
塩尻は大雨が降っていた。不穏な状況……いや、降ってないか。雨など降ってない。電車も運休なんかしていないし、そもそも台風なんか来てない。コロナなんていう感染症も流行していない。俺はまだ19歳で、今は地元から上京している最中なのだ……
さて、現実逃避もこれくらいにして、とにかく中津川へ向かうしかない。塩尻から中津川までは2時間ほど、その間に名古屋方面への電車が復旧する可能性は十分にある。祈りながら乗車するのみだ。ちなみに塩尻の気温は20度、雨も相まって、肌寒いくらいであった。
塩尻駅から中央本線に乗り込み、中津川駅を経由して名古屋を目指す。数時間の乗車中、ただひたすら、「名古屋まで行けますように」と祈っていた。名古屋にさえ着けばどうにかなると思ったのだ。ここでドクロが現れる。名古屋まではどうやら行けるようなのだ。しかし、名古屋からの東海道本線がマズい。大垣から米原までの区間が台風により運休しているというのだ。大垣ー米原が塗りつぶされてしまったら、JRで大阪に辿り着くのは不可能だ。名古屋に一泊することも視野に入れながら(それだって悪くはないだろう。ただ翌日、名古屋から松山まで一日で向かうというのはいくら何でも厳しすぎる)、中央本線に揺られる。フォルダに何の写真も残っていなかったことから、乗車中は、旅行を楽しむとか、そういった時間ではなかったのだろう。
奇跡が起きた。まるで大阪へおいでませといった具合に、私が名古屋に到着するのと合わせて、大垣ー米原の区間が復旧したのだ。くいだおれ人形のドクロがほほえんだ。とにかく米原まで行ければ、もう怖いものは無い。大阪まですぐである。関西はもう、雨も降っていないようだ。ああ、胸のつかえが取れた。やっと思い切り旅を楽しめそうである。ドクロの頭をなで、米原行きの東海道本線に乗車だ。
名古屋らしい写真が全然撮れなかった。栄えてますねー
乗換のみとはいえせっかく名古屋に来たので、味噌カツおにぎりを買いました。そういや今日は朝からほとんど何も食っていない…台風のせいで昼メシ寄り道ができなかったのだ。電車でパクつきながらいざ米原。そこから琵琶湖線に乗り換えて、あとは大阪まで。
向かう先には綺麗な夕陽が。この地獄みたいな雨雲からやっと逃れられる。ホント冗談じゃなかったよ。
今日は一体どれだけ電車に乗っただろう。最低でも12時間は乗っている。身体はぐったりと疲れ果て、起きているのか寝ているのかも分からない状態だ。琵琶湖線の車窓から撮ったこの何を撮ろうとしたのか分からない写真を見れば、自分がどれだけ疲れていたのかよく分かる。
もう一枚ある。何駅だこれ。分かる人いますか?
これも何ですかね。なんでこの瞬間を撮ろうとしたのだろう。
さて、ついに……
ついに着いたぞ……
大阪に……!(この角度でしか撮れなかったのは疲れていたからということでひとつお許しください)
夕方前には着く予定だった大阪に、なんと21時過ぎに到着。おおよそ5時間以上のロスである。大阪城に通天閣に道頓堀、色々と見たかったのに、こんな時間で明日も早いとなれば、行ける場所は限られてくる。3つに1つだ。どれに行く……?
ということで道頓堀に来た。幼少期に一度来たことがあるらしいのだが、物心がついてからは初めて。とにかく人が多くて、どことなく東京の上野を思い出すような。ちなみに、心斎橋駅から歩いてきたのだが、そちらは銀座みたいな街だった。道沿いにゴージャスな高級ブランドが立ち並んでいて、一歩わき道に逸れるだけで一気に猥雑さを帯び始めるのも都会らしい。
比べてこの道頓堀は、猥雑さも華やかさも何もかもをすべてごちゃまぜにしたような街だ。歩くだけでも一苦労、恐怖と緊張と高揚が沸き起こる。
道頓堀川だ。これだけ飛び込みやすかったら、飛び込む奴も現れるだろうと思った。
さて、とにかく腹が減った。食事をしに道頓堀に来たのだが、初めての街、一体どこに行けばいいのか分からない。とりあえず屋台でたこ焼きを買って川沿いで食べたのだが、そのたこ焼きを買うのにも非常に難儀した。たこ焼き屋が多すぎる。店構えで良し悪しを判断できるわけもないし、かといって失敗もしたくない。とウロウロし続けてようやくのたこ焼きであった。しかし腹は減っている。丸一日ほとんどロクな食事をとっていないのだ。
とはいえ何を食えばいいのか、どこに入ればいいのかまったく分からない。人の多すぎるメイン・ストリートを避けて、なんとなく落ち着けそうな場所を探す運動に入ってしまう。これは何かを見つける運動ではなく、何かから逃げる運動なのであり、こんなことを繰り返していたって、グッド・フードにありつけるわけはない。
しかし、私の足は逃げようとすることをやめてはくれず、さらには路上での喧嘩に鉢合わせてしまったことで心が折れ(路上喧嘩は、ショート動画で見るのも嫌なくらいだ)、心斎橋駅へと戻り、電車に乗り込んでしまった。たこ焼きだけは食えたからよしとしよう。しかし、そのたこ焼きの写真を撮り忘れるとは、よほど腹が減っていたのだろう。この写真は、『龍が如く』に登場する、道頓堀を再現した街”蒼天堀”にて、何度も食事に訪れたラーメン屋。道頓堀は、龍が如くで散々歩き回った街そのままで、その感動も大きかった。
さて、腹が減った状態で初めての道頓堀へ行き、腹が減った状態で宿に帰ってくるというドクロを積み上げてしまった。移動は達者でも、到着してからザコいのが私の旅。
今夜の宿は森ノ宮という場所にある。ああ、見ることのできなかった大阪城が、ちなみに『龍が如く2』では、あの大阪城が真ん中からふたつに割れ、マトリョーシカのように中から金ピカの城が現れていた。
ここから凄まじいドクロの連打。腹が減った状態で宿に戻るという時点でまずドクロなのだが、23時前の森ノ宮に飲食店がなかなか見当たらず、ホテル近くの松屋に入ろうとしたが、いやいや、さすがに旅先で松屋はありえない。週に何度松屋に行くつもりだ……と自分を戒め、結局、ホテルの1階にあったポプラで弁当を買って食った。いくらなんでも旅先でコンビニ弁当を食べたのは初めてである(しかもその写真を撮り忘れた。ネタになるのだからせめて撮っておけ!)。まだギリ松屋のほうがマシだったんじゃないのかね。こんなことも思い出になるよねとかそんな次元じゃない気がする。明らかにバカなことをしたと思う。
コンビニ弁当食って寝て、朝に起きて森ノ宮。散策したかったけども、松山まではまだ遠く、時間に余裕はない。大阪はあくまで経由地、ただの宿に過ぎないのだからね。こう自分に言い聞かせ、大阪への未練を忘れようとするわけだ。
さて、電車に乗って松山へ出発……まず環状線に乗って大阪に戻り、神戸線に乗り換えて姫路まで行く。写真は芦屋。なんとなくカッコイイ写真で気に入っている。
さて…神戸を通り越して、姫路までの道中。これぞ台風一過な晴天。きのう散々積み上げられたドクロは、太陽の光で溶け始めたようである。
やべー!やっと旅っぽくなってきたぞ!
スーパーオートバックスありました
さて、姫路駅を16分ほど観光する。
確か前に40分ほど姫路を歩いたことがある。そのときは、連れが受取主に消印でウケる為、姫路のローソンから荷物を送っていた。
16分なのでそんなことすらできず、すぐに戻る。姫路もだいぶ好きだ。甲府くらい好き。次は60分はいようと思う。
青春18きっぷで旅をする場合、ボックスシートを確保するというのがまず重要なのだが、こういった風に窓枠に何かを置ける設計であるとなお嬉しい。ないときもあるんだよね。旅の午前中は必ずコンビニでコーヒーを買いたいから、ここに置けなきゃずっと持っていなきゃいけなくなる。コーヒーって好きだけど持っていたくないですよね。
アガホ。
っ晴(ぱ)れ!
あいおいにて乗り換え。まだ兵庫。兵庫って結構デカいんだよねえ。
さて岡山。前に15分ほど滞在した覚えがあるが、今回は駅の外に出る時間も無い。これまで時間に追われまくっていたのは台風のせいにできるのだが、台風の去った今、時間が足りないのはハッキリ自分の責任となってしまう。それがいまいち愉快ではない。
これからマリンライナーというのに乗って四国へと突入する。言ってもここまでの道中は乗ったことのある電車ばかりだったのだが、ここにきて初めて乗るのがマリンライナー。いかにも良さそうな名前だがどうか。
窓の水垢もきのうの台風のせいだ。青と緑に水を差しやがって…
海が見えてきた。しかもだいぶ青い……空も海も青い。窓だけ汚い……
しかし、普通列車で、普通の料金で、こんな電車に乗れていいものだろうか。
何もかもが青く光っている。右も左もこの風景。まさに海の上を走っているマリン・ライナー。
街が見え始める。あれは香川の工業地帯のようだ。マジ眼福のマリンライナー、四国で旅行をするならば、まず岡山まで行って、そこからマリンライナーに乗るのが一番いいと思う。これ乗らないのはない。
さて、香川は坂出駅。乗り換えついでに駅前をブラブラ、外は暑く、まさに晴天、夏!機嫌も良くなってきた。
イオンが思いきり閉鎖されていた。
入れそうもなかった。
仕方がないんで駅前ハナミズキ広場にてのんびり……すぐに次の電車に乗る。
さて、予讃(よさん)線に乗って、松山方面へ。しかし腹が減った。せっかく香川なのだから、うどんでも食べにどこか寄り道しようか。
ということで、いかにもうどんが食えそうな丸亀というところへ。正直言うと、私はうどんがまったく好きではない。吐き出してしまうほど嫌いというわけではないが、自分で金を出してうどんを食うことはまずない。うどんに払う金は無いと思っている。しかし、香川に来てしまった。連れの友人もうどんを食べたがっている。どう頭をひねっても、香川県にて、うどん以外の食事を提案する方法が見つからなかった。
へ~名物らしいよ。これにしない?って感じだ。
さて丸亀駅前。ロータリーに灯篭があるのは珍しいんじゃないだろうか。
フィリピン風バーベキューというのは聞いたことがない。どんなものか気になる。あれにしない?って感じだ。
すっきりとした街並み。陽の当たりも相まって、気持ちのいい色調だ。
さて、メシだ!ごめんなさい、うどんの良し悪しは私には分からないのだけど、親子丼がマジで美味かった。油断してたからだいぶビックリした。ごちそうさんでした!
腹ごしらえも済んで、そろそろ駅へ戻ろう。ここは自販機コーナー。
さすがにもっと散歩したかったな。かなりいい感じだった丸亀。もっとうどんを好きになってからまた来るぞ!
次に来たときははあの美術館に行こう…
そしてまるがめレンタサイクルに乗ろう…
さて、あとは松山まで一直線。この調子なら、20時前には松山に到着できそうだ。
ボックスシート確保も、水垢にしかピントが合わない。マジで台風のせい。
海がずっと見えているが、水垢にピントが合ってしまう……
デカ煙突!気合いでピントを合わせた。
洒落たカラーリング。
色んな駅に『伊予』という枕がついている。
二人の
今治、桃鉄とタオルで知っている!そろそろ日が暮れてきましたねえ。もう愛媛には入っている。松山まではもうすぐ……台風が去り、進行方向に崖が現れる可能性のない状態だと、身体もあまり疲れない。昨日はホント嫌だった……。
殴られた瞬間の視界みたいなの撮れてた
一日を無駄なく動いたあとの夕陽は気持ちがいい。いつもはこちらに罪悪感を与えてくるばかりだ。
さて、今日のハイライトは、マリンライナーと、夕方の予讃線。窓からずっとこんな海が見えている贅沢。窓もキレイだ。
いいっすね~
そしてすぐに、着いた!松山!お疲れ様~!
東京から電車だけで松山まで来たの普通にすごいよね。毎回、目的地に到着するたび、素直にそう思う。
さて、少し歩きますかー
すべての娯楽を取りそろえたかのようなアミューズメントパークがネオンを支配している。
路面電車が走っています。いいすねえ
無事に松山に到着したところだが、新たなドクロが発覚する。事前に予約しておいたホテルが、駅から徒歩30分ほどの場所だったのだ。私としたことが、予約の際に駅からの距離を確認しておくのを忘れていた。まあ、これくらい可愛いものだ。子犬のドクロ、なんせ初めての街なのだ。せっかくだからホテルまでの散歩を楽しもう。
松山にも大手町駅を発見。しかし、東京のように乗り換えの海では無いようだ。
しかし、落ち着いた街並みというか、歩きやすさがある。歩きやすさって何だよと思われるかもしれないが、歩きづらい街というのはあるものだ。
いささか食べてみたい。
マジ洒落てる。ここを歩いてるとき、向こう側の青い光の全容が徐々に明らかになっていく感覚があって楽しかった。この池は松山城のお堀なのだと思う(たぶん)。
ここが入口のようだが、時間も時間なので断念。わざわざ丸二日かけて電車に乗って松山にやって来て、時間が無いからといって色々を諦めている。本末転倒とはまさにこの事である。
伊予鉄という路線の松山市駅。JR松山駅と比べると、こちら(とその周辺)のほうがメインっぽい感じであった。さて、メシ屋を探しますか。腹が減って仕方ないよ。
アーケード街を見つけたので入ってみる。ここも非常に落ち着いているというか、本当に歩きやすかった。つまるところ、治安が良いということなのかもしれない。
まあ、あったらあったで重宝するとは思うけどね?
さて、このアーケードでは、地域の小学生たちによる川柳がずらっと掲示されていて、それを見ているだけでも楽しい散歩であったのだが……
明らかに私のことを詠んでいる作品があった。せめて出発前ににらめっこしておくべきであったと反省する。
私は実写映画版『がんばっていきまっしょい』が大好きで、当初は聖地巡礼のつもりで松山旅行の計画を立てたのだった。じゃあ松山までどう行こうか、となった時に、いつものクセで、電車だけで行こう、と決めてしまったのである。電車だけで聖地巡礼などできるはずもなく、そもそも移動だけで丸2日かかるのだから、時間の捻出も困難だ。基本的に横になっている私だって、365日24時間ヒマというわけじゃないんである。
正岡子規が道案内をしている。
それにしても、本当に治安が良いなあ。これまで、旅行で色んな都市の繁華街に行って、やっぱりどこも怖いは怖いのだけど、この松山だけは本当に怖くない。あまりに怖くないものだから、どこかガラの悪い部分は無いかと目ざとく探していたら、路上飲酒の残骸を見つけた。「おっ!治安の悪いところ発見!」と指を差すと、その空き缶はノンアルコールビールであった。何それ?
さて、遅い時間にもやっているラーメン屋を見つけ、おいしく食らう。やっぱり旅先で食うのはラーメンに限るね。昨日は本当ひどかったね。大阪行ってコンビニ弁当食ってたからね。いや、考えれば考えるほどひどい。まったく、一体全体、なにを考えていたというんだ?
考えていたら朝になった。さて、もう帰らきゃならない。帰りの飛行機を予約済みだ。ここから松山空港まで歩いて2時間弱。うん、飛行機の時間にもちょうどよさそうだ。天気が良すぎて超暑い日だけども、のんびり松山を散策しながら帰るとしよう……。
夏目漱石も松山なんだなあ。
晴れてるなあ。あれは松山城だろうか?それとも何か別の建造物か……。ともかく、また時間のあるときに来よう。丸4日くらい時間のあるときに……。
一応、地図を撮っておこう。また来たときに役に立つかもしれないからね。
それにしても、ホントいい街だなあ。松山めちゃくちゃ気に入った。旅で訪れた街でベストかも。絶対また来たい。
おしゃれ美容室。
だいぶ行きてー
スタスタと、気持ち良く・・・
ああいう家に住みたい。家か分からないけど、とにかく、ああいう出っ張りに住みたいのである。金を稼ごう。
自販機にて。すばらしい濃いお茶。
酒のジン
車検のマプト
ラブリハイツ松山
アイアイエー
そしてパーマプラザと、面白いネーミングの店が立ち並んでいる。
おしゃれ床屋アラジン。すごい色合い。大好きな映画『BMXアドベンチャー』に登場する警察署がまさにこんな感じで、それを思い出した。
さて、空港までもうすぐ……。フライトまで少し時間があるんで、腹ごしらえを済ませたいところ。
サブタイトルのついている理容室というのも珍しいんじゃないだろうか。残念ながらもう閉業していたようだけれども…
さて、空港近くの定食屋に入る。せっかく四国、海鮮丼を食べたいんで……
カキフライ定食を食べる。カキフライって好きすぎる。パテくらい好きだ。
空港が近いからって空港ハイツなんて名前になりますか?
佐田岬の鬼
あそこにまだ鬼が……
むむむっ!
松山空港に着いたぞ!
なんか歩いていいのかよく分からない場所を歩いてます!人生もそうですね。
というわけで、青春18きっぷ松山への旅はこれにて終了である。今回は一番疲れた。1日目は本当にひどい有様だったが、2日目以降はわりあいうまくいった。旅行にトラブルはつきもの、とはいえ、無きゃ無いほうがいいのである。さすがに、電車だけで四国まで行こうというのは考え物かもしれない。最後にドクロがひとつだけ、数年ぶりに飛行機に乗ったのだが、離陸してからしばらく、白目をむくほど怖かった。年齢を重ねるごとに高所がダメになっていて、観覧車でもパニックに起こしてしまうことを自分でも理解しているのに、飛行機を選択してしまった。じゃあまた松山に来るにはどうやって?新幹線は高いし……電車にしようか……。