限界会社員とゆく、あきる野市・秋川渓谷
- 更新日: 2022/12/29
限界会社員が英気を養う後ろ姿
私の友人で、頭がよく社交性があり、だらしない人間(私)にもやさしくときに厳しくしてくれる、いわゆる「できる人」がいます。
そんな彼女は会社員としてもひじょうに重宝され、どの企業に転職してもすぐエースの地位に君臨するのですが、それゆえに多くのことを任されすぎてしまうようです。「もう疲れが限界で、明日から2週間仕事を休むことにした」という連絡が入りました。
もしかして今こそ、休憩が得意分野である私の出番ではないか!?ということで、疲れはてた限界会社員とともに紅葉シーズンのあきる野市・秋川渓谷を歩くことにしました。

コンクリ×ステンドグラスとは洒落てますな。

今日の散歩のスタート地点、武蔵五日市駅です。

秋川渓谷に関して「奥多摩らへん?」くらいの理解で来ましたが「秩父多摩甲斐国立公園」という全部盛りみたいな国立公園の一部らしいですよ。東京、埼玉、山梨、長野にまたがるエリアをひとつの公園として扱う大胆さはちょっと見習いたい。

駅の時計が渓谷仕様?で、4面とも違う絵柄でよかった!

駅に散策マップやパンフレットが丁寧に用意されていましたので無計画で行っても大丈夫です。記念スタンプもありました。

いい感じの駅前。

「返す本のポスト」ってなんかふしぎな言い回しじゃないか?

西東京バスコラボの自動販売機かわいい。

心を休めようと言ってる矢先に、階段を下りながらもう「帰りにここ登るの嫌だな……」と言いだす友人。先々を見据えすぎて憂鬱になる、できる人間ならではの苦悩。

でっけー川だー!サイコー!

紅葉がいい感じ。あきがわばし⊿

秋川は一級河川だそうです。国が管理する川ということです。

このあたりで釣りをしたければ「遊漁証」を買う必要があります。鮎、マス、ヤマメが釣れるみたいですよ。
小学生の頃ポケモンしながら「ザコじゃん」とか言い合ってたけど、本来の(?)雑魚は初めて見ました。釣り人にはなじみのある言葉ですか?

値上げを教えてくれる誠実な自販機があった。

川まで下りていけます。

水が澄んでいると、なぜうれしいのかな……

限界会社員が英気を養う後ろ姿。



はー、晴れた日の川沿いってのはいつだっていいな。
「もう人生ただこうしてるだけでよくない?」とつい声に出したんですが、こうしてるだけではいられないのが人生でした。

私「これ何?」
友「なんだっけこれ……ダリアだ」

私「これは……ゴーヤじゃない!?」
友「キダチチョウセンアサガオとかいうらしい」

私「これはナナカマドよ!食べられるやつ!」
友「違うし、食べたら下痢嘔吐って書いてあるよ」
っぶねー!持つべきものは友です。これがなんていう名前だったかは忘れてしまいました。
それで、歩いている途中にすごい受賞歴の花壇を見つけたのです。

平成15年から26年にかけて「最優秀花壇」「優秀花壇」「優良花壇」を行き来している強豪。

しかし残念ながらオフシーズンのようでした。最優秀花壇見たかったな。

花壇の近くにある、まったく意図のわからなかったイラスト

「どう和むかは君次第」って感じの和み広場にも心惹かれました。


お、いい感じの黄色がはみ出てるぞ。

おっ

おおーっ!

おおーっ!!

苔のむした茅ぶき屋根もいいですね。

歩みを進めて本堂の裏にまわるとまた違った景色。写真が上手く撮れなくてもどかしいのですが、紅葉はそもそも生で見ると1000倍いいという代物なので……。

本堂の裏手の屋根に植物の生命力が結集している。どうしてこの面だけ草が育つんだろう?

びっくりするほどまっすぐででかい木に圧倒される。この木がなんなのかわからないまま出てきてしまったんですが、でかすぎてGoogle レンズでは調べられなかったと思います。
広徳寺、緑がいきいきとした夏に来てもよさそうな感じでした。

川を眺められるベスポジに配置されていてチェアリングに最適だ。あそこまで下りてみようか!

と思ったらイスは1時間500円とのこと。私有地なんですね。うっかり座らなくてよかった……

元犬ですかな?

写真ではわかりにくいですが、こちらも誰かの私有地っぽいところに遊具があって、実際は公園なのか私庭なのかわかりませんが、学生カップル?がいました。
なんだか「ふたりだけの場所」みたいな空気に満ちており、遠くなりゆく中高時代を思い出して胸がキュッとなります。

今度は完全に私有地であることをアピールする進入禁止の「✕」でしょうか。
わざわざこうしたマークを置かなければならないほどに、そこらへんの自然と個人所有の庭が一体化したような町でしたよ、あきる野市。

秋なのに桜が咲いてる!と思って近寄ったら「十月桜」とありました。そういうのもあるのかー。植物のこと、なんにも知らないな……

ずんずん歩いたら黒茶屋というスポットにたどり着きましたので入ります。なんだか写真がもやもやしていてすみません。

下っていく。

なんだこのチルスポット……ここでは全員がチルしてる。

我々はここでチルします。

座るのはたぶん無料ですがカフェにもなっていて、温かい飲み物をオーダーしました。
友人は、自身が組織で働くのによくフィットしていてそこで頑張るよろこびを感じること、でもたまにどっと疲れてしまうことなどを話してくれました。私は、そういう生き方を続けるのは自分にはとても高度で困難に感じられること、あとは最近「叶姉妹のファビュラスワールド」にハマっている話などをしました。
私たちの目の前にはずうっと川が流れており、私たちの話したことはすべてそういう流れていくもののような気がして、流れているかぎり彼女はきっと大丈夫だと思いました。


看板の真横まで行ったらインターホンがありました。ピンポンしたら場所がわかるんだろうか?

今日はありとあらゆる橋を渡ってきましたね。

橋を渡りきったところに、自動販売機が4台くらい軒下に並ぶ「自動販売機屋」がありました。
年季が入っていて読み取りづらいですが、元は宅急便と写真現像の店でしょうか。でも奥の方に日用品、食料品とも書いてある。なんでも屋だったんだな。

ここ、廃校になった小学校らしいのですが、

今は「戸倉しろやまテラス」という、宿泊もできる体験型観光施設になっているそうです。
近づいてみるとスタッフの方がでてきて「ここは裏手の おおもみじ だけ押さえとけば大丈夫なんで!どうぞ!」との案内。大丈夫とは?と思いましたが、調べると基本的に団体向けの施設で、個人で急に訪ねてもレストラン以外は利用できないようでした。

そういうわけで、おおもみじだけ押さえておきました。


高台になっていていい景色。今日は色とりどりの葉っぱを見られてよかったな〜。
武蔵五日市駅に戻る途中、また花壇があったのですが、

ここもシーズンオフで残念でした。
花を愛し、めぐりめぐってやはり花を愛でる……この看板を立てた人の花壇、見てみたかった。この花壇も過去なんらか受賞しているはずです。

寿司もラーメンも手広くやっている、飲みはじめからシメまでいられそうな店を見て、私もなんだか元気が出ました。
友人が「今日は休んだわー」と言っていたので、目的はおそらく果たされたのではないでしょうか。限界といいつつ彼女はこの日の夜に飲みの予定を入れていたし、すでに2週間の休み中にいろんな人と会う約束をしているようでした。本当に「休憩すればまた頑張れる人」のムーブで安心しました。
そしてただ川を眺めていたいような人間は、この友人のようなできる人たちの働きに支えられた社会でこそすこやかに生きていられることを思い、私は心から感謝するばかりでした。
そんな彼女は会社員としてもひじょうに重宝され、どの企業に転職してもすぐエースの地位に君臨するのですが、それゆえに多くのことを任されすぎてしまうようです。「もう疲れが限界で、明日から2週間仕事を休むことにした」という連絡が入りました。
もしかして今こそ、休憩が得意分野である私の出番ではないか!?ということで、疲れはてた限界会社員とともに紅葉シーズンのあきる野市・秋川渓谷を歩くことにしました。
JR中央線の立川から先は難しい
青梅線から五日市線へ……拝島駅での乗り換えホームを間違って20分くらいロスタイムしたりしながら、ついたら駅がきれい。
コンクリ×ステンドグラスとは洒落てますな。

今日の散歩のスタート地点、武蔵五日市駅です。

秋川渓谷に関して「奥多摩らへん?」くらいの理解で来ましたが「秩父多摩甲斐国立公園」という全部盛りみたいな国立公園の一部らしいですよ。東京、埼玉、山梨、長野にまたがるエリアをひとつの公園として扱う大胆さはちょっと見習いたい。

駅の時計が渓谷仕様?で、4面とも違う絵柄でよかった!

駅に散策マップやパンフレットが丁寧に用意されていましたので無計画で行っても大丈夫です。記念スタンプもありました。

いい感じの駅前。

「返す本のポスト」ってなんかふしぎな言い回しじゃないか?

西東京バスコラボの自動販売機かわいい。
秋川沿いがとにかくいい
今日は自然のパワーで限界会社員の心を休めるぞ!さっそく川沿いへ行きましょう。
心を休めようと言ってる矢先に、階段を下りながらもう「帰りにここ登るの嫌だな……」と言いだす友人。先々を見据えすぎて憂鬱になる、できる人間ならではの苦悩。

でっけー川だー!サイコー!

紅葉がいい感じ。あきがわばし⊿

秋川は一級河川だそうです。国が管理する川ということです。

このあたりで釣りをしたければ「遊漁証」を買う必要があります。鮎、マス、ヤマメが釣れるみたいですよ。
小学生の頃ポケモンしながら「ザコじゃん」とか言い合ってたけど、本来の(?)雑魚は初めて見ました。釣り人にはなじみのある言葉ですか?

値上げを教えてくれる誠実な自販機があった。

川まで下りていけます。

水が澄んでいると、なぜうれしいのかな……

限界会社員が英気を養う後ろ姿。



はー、晴れた日の川沿いってのはいつだっていいな。
「もう人生ただこうしてるだけでよくない?」とつい声に出したんですが、こうしてるだけではいられないのが人生でした。
Google レンズとすごい花壇
「この花なんだろう」「この植物なんか見たことある!」など歩きながら見たものを意味なくベラベラと口に出す私に対し、友人は「Google レンズ」というカメラで撮ったものを検索できるアプリを用いて的確に回答してくれます。
私「これ何?」
友「なんだっけこれ……ダリアだ」

私「これは……ゴーヤじゃない!?」
友「キダチチョウセンアサガオとかいうらしい」

私「これはナナカマドよ!食べられるやつ!」
友「違うし、食べたら下痢嘔吐って書いてあるよ」
っぶねー!持つべきものは友です。これがなんていう名前だったかは忘れてしまいました。
それで、歩いている途中にすごい受賞歴の花壇を見つけたのです。

平成15年から26年にかけて「最優秀花壇」「優秀花壇」「優良花壇」を行き来している強豪。

しかし残念ながらオフシーズンのようでした。最優秀花壇見たかったな。

花壇の近くにある、まったく意図のわからなかったイラスト

「どう和むかは君次第」って感じの和み広場にも心惹かれました。
紅葉的なハイライト「広徳寺」
続いて急勾配の坂道をぐんぐん登って広徳寺にやってきました。

お、いい感じの黄色がはみ出てるぞ。

おっ

おおーっ!

おおーっ!!

苔のむした茅ぶき屋根もいいですね。

歩みを進めて本堂の裏にまわるとまた違った景色。写真が上手く撮れなくてもどかしいのですが、紅葉はそもそも生で見ると1000倍いいという代物なので……。

本堂の裏手の屋根に植物の生命力が結集している。どうしてこの面だけ草が育つんだろう?

びっくりするほどまっすぐででかい木に圧倒される。この木がなんなのかわからないまま出てきてしまったんですが、でかすぎてGoogle レンズでは調べられなかったと思います。
広徳寺、緑がいきいきとした夏に来てもよさそうな感じでした。
あきる野市の私有地とチルスポット
川沿いに戻ってきたら、イスが並んでいるゾーンがありました。
川を眺められるベスポジに配置されていてチェアリングに最適だ。あそこまで下りてみようか!

と思ったらイスは1時間500円とのこと。私有地なんですね。うっかり座らなくてよかった……

元犬ですかな?

写真ではわかりにくいですが、こちらも誰かの私有地っぽいところに遊具があって、実際は公園なのか私庭なのかわかりませんが、学生カップル?がいました。
なんだか「ふたりだけの場所」みたいな空気に満ちており、遠くなりゆく中高時代を思い出して胸がキュッとなります。

今度は完全に私有地であることをアピールする進入禁止の「✕」でしょうか。
わざわざこうしたマークを置かなければならないほどに、そこらへんの自然と個人所有の庭が一体化したような町でしたよ、あきる野市。

秋なのに桜が咲いてる!と思って近寄ったら「十月桜」とありました。そういうのもあるのかー。植物のこと、なんにも知らないな……

ずんずん歩いたら黒茶屋というスポットにたどり着きましたので入ります。なんだか写真がもやもやしていてすみません。

下っていく。

なんだこのチルスポット……ここでは全員がチルしてる。

我々はここでチルします。

座るのはたぶん無料ですがカフェにもなっていて、温かい飲み物をオーダーしました。
友人は、自身が組織で働くのによくフィットしていてそこで頑張るよろこびを感じること、でもたまにどっと疲れてしまうことなどを話してくれました。私は、そういう生き方を続けるのは自分にはとても高度で困難に感じられること、あとは最近「叶姉妹のファビュラスワールド」にハマっている話などをしました。
私たちの目の前にはずうっと川が流れており、私たちの話したことはすべてそういう流れていくもののような気がして、流れているかぎり彼女はきっと大丈夫だと思いました。
ちょっと遠回りして帰ります
治療所の看板があるんだけど、見渡すかぎりそれらしき建物がない。

看板の真横まで行ったらインターホンがありました。ピンポンしたら場所がわかるんだろうか?

今日はありとあらゆる橋を渡ってきましたね。

橋を渡りきったところに、自動販売機が4台くらい軒下に並ぶ「自動販売機屋」がありました。
年季が入っていて読み取りづらいですが、元は宅急便と写真現像の店でしょうか。でも奥の方に日用品、食料品とも書いてある。なんでも屋だったんだな。

ここ、廃校になった小学校らしいのですが、

今は「戸倉しろやまテラス」という、宿泊もできる体験型観光施設になっているそうです。
近づいてみるとスタッフの方がでてきて「ここは裏手の おおもみじ だけ押さえとけば大丈夫なんで!どうぞ!」との案内。大丈夫とは?と思いましたが、調べると基本的に団体向けの施設で、個人で急に訪ねてもレストラン以外は利用できないようでした。

そういうわけで、おおもみじだけ押さえておきました。


高台になっていていい景色。今日は色とりどりの葉っぱを見られてよかったな〜。
武蔵五日市駅に戻る途中、また花壇があったのですが、

ここもシーズンオフで残念でした。
花を愛し、めぐりめぐってやはり花を愛でる……この看板を立てた人の花壇、見てみたかった。この花壇も過去なんらか受賞しているはずです。

寿司もラーメンも手広くやっている、飲みはじめからシメまでいられそうな店を見て、私もなんだか元気が出ました。
友人が「今日は休んだわー」と言っていたので、目的はおそらく果たされたのではないでしょうか。限界といいつつ彼女はこの日の夜に飲みの予定を入れていたし、すでに2週間の休み中にいろんな人と会う約束をしているようでした。本当に「休憩すればまた頑張れる人」のムーブで安心しました。
そしてただ川を眺めていたいような人間は、この友人のようなできる人たちの働きに支えられた社会でこそすこやかに生きていられることを思い、私は心から感謝するばかりでした。