ベトナムで馬に乗る
- 更新日: 2025/08/05
国境を越えて馬を愛でる
ベトナムに住んで11年目、ダナンに住んで10年目になる。
はじめこそ気合いを入れてサーフィンを始めるも気づけはネットサーファーに、スイミングは回数券を買うも、ガチスイマーに目をつけられフォームなどを指導されるうちに行くのが嫌になり、コロナ前にはポールダンスを始めるも厳戒なロックダウン(社会隔離措置)と膝に水が溜まり足が遠のいてしまった。
続けている趣味といえば競馬くらいかもしれない。
「ダナンで馬に乗れたらなぁ…」
競馬はもちろん、単純に馬も好きな私は長いこと乗馬クラブの登場を待ち焦がれていた。
東南アジアではFaceookが今も主流SNSで、何か情報を得るのにしばしば使用する。私はFacebookで“Women of Da Nang”というグループに入っているのだが、そこに2024年秋に流れてきた「乗馬をしてみませんか?」の投稿。
「遂に乗馬クラブができたんだ…!」
そう思ったが、どうやら2023年からあったらしい。いつの間に…
乗馬クラブの名前は“GOLDEN HOOF”。黄金の蹄。素敵ネームに心が踊る。
早速コンタクトを取り、予約。
ダナンに住む女性の中で唯一の競馬仲間・駐妻のおしげちゃんにも付き合ってもらうことにした。
予約したものの“GOLDEN HOOF”の厩舎があるであろう住所は、ダナンとホイアンの真ん中くらいで、大通りから離れた田んぼや畑に囲まれた場所。何となく場所はわかるが行ったことはない。
正直「こんなところに本当に馬がいるのか…?」と不安になった。
念の為ホイアンに行く用事のついでに寄ってみたら、本当にあった。
まあ、予約したのだからないと困るのだけど。
下見だから今日は乗らない。

▲来週乗りに来るからねぇ!

▲「普段この辺を歩いているのかしら?」と馬のボロ(うんこ)を探す私
いざ予約の日。朝から大雨。
12月のダナンは雨季真っ只中なので、賭けではあった。
多少の雨は仕方ないと思っていたが、さすがにこんな大雨は無理かも……。
とりあえずGOLDEN HOOFに連絡し、「雨ですね」と見解をいただく。

▲やりとりはLINEのベトナム版SNS、Zaloにて
乗馬慣れしている人なら小雨や足元が悪くても大丈夫かもしれないが、私もおしげちゃんも馬こそ好きだが乗り慣れているわけではない。
乾季がきてから挑戦するのが良さそうだ。
「せめて何かしらの哺乳類に触れたい」ということで、この日はポメラニアンカフェで哺乳類とふれあいたい気分を満たした。


▲みんな懐こい

▲狭いところが落ち着くようだ
◆
そうこうしているうちに3月になり、ダナンもすっかり乾季に。乗馬に最適な季節がやってきた。
早速GOLDEN HOOFに連絡する。リベンジである。
初手で「朝9時集合ね!」と言われ、結構早いな、と思ったら、「他の予約忘れていました、午後3時で!」と言われた。他の馬好きも乾季の訪れを待っていて、混み合っているのかもしれない。
当日。おしげちゃんと向かう。
今回予約したのは「海辺の散歩コース」。送られてきた集合場所の住所は目印が何もないビーチだった。以前(勝手に)下見した場所と違う。海辺の散歩コースを選んだのは私なのだが、ものすごく不安だ。無事に馬と落ち合えるのだろうか。
当日は晴れたが、ビーチまでの道がわりと不安なので、バイクの後ろに乗っているおしげちゃんにナビしてもらう。
おしげちゃんが軽いので途中落としてないか心配になり、「いる?!」と確認したりしているうちにそれらしい場所が見えてきた。
「ここで合ってる…?」
車が入れるか入れないか微妙な小道に入る。ちらほらある民家を抜けるとビーチに着いた。

▲何もないビーチにポツンと私のバイク
少し早く着いたので「着いたのですが、ここで合ってますか?」と写真を送ると合ってるらしいのでお利口に待つ。ダナンのミーケビーチやホイアンのアンバンビーチのように人が多く賑わっているビーチとは違い、人が全くいない。
ちゃんと会えるんだろうか。不安だ。
少しすると、スラブ系のおじさんが、我々がさっきやってきた小道のほうから歩いてきた。あの人だろうか。しかし馬はいない。ただビーチに散歩に来た外国人かもしれない。でも、他にそれらしい人は居ないのでチラチラ見ていると、「ホースライディング……?」とあちらも不安そうに聞いてきた。不安な集合場所は、どちらにとっても不安だった。
元気に「イエス!」と言うと、ロシア語?で何か説明が始まった。
「ズーズー」と言っているのだけ聞き取れた。
おしげちゃんもそれだけ聞き取れたのだろう、二人で「ズーズー…?」とおじさんの言葉を疑問系で繰り返してみる。
何かがズーズーしているのかな…?馬がごねて遅れているのか…?
「ズーズー……?」しか繰り返さない我々に、なにも伝わっていないと思ったのだろう。おじさんがGoogle翻訳の日本語表示で「車が多くて馬が道を渡るのに時間が掛かっている」と表示してくれた。
なるほど、ズーズーしているのは馬ではなく車か。
考えてみれば当たり前だが、以前私が見に行ったあの厩舎から歩いてくるんだな……と今さら気づいた。
ここから歩いて20分くらいの距離だ。車通りが激しければ大変だ。馬たちにとって「海辺の散歩コース」以前の散歩が長い。
馬が本気で走れば車と同じくらいなのだろうか。
おじさんもしばらく我々と一緒に馬を待っていたが、なかなか来ない。
痺れを切らして迎えに行くおじさん。取り残される我々。
ん、あそこに見えるのは……

馬だ……!

馬に乗っての登場ってかっこよくてずるくない!?

早速馬に乗るよう指示される。
日本の乗馬だと、踏み台が用意されているのが通常だが、さすが海外?左足を鐙にかけ、左手で手綱と馬のタテガミを掴みながらジャンプして跨がれとのこと。
「ジョッキーがパドックで騎乗するときのあれだ……!」
競馬場で何度も見ていた光景だったからか、一発でうまく乗れた。
以前日本で乗馬したときは元競走馬のサラブレッドで馬体も大きく少し怖かったが、今回は小柄な馬で余裕が持てた、というのもある。
それでも、普段乗っているバイクよりも高い目線に心が躍る。なにより、全身に感じる生き物に乗ってる感触がバイクとは全く違う。

▲乗ってすぐスマホをいじれる余裕(馬は音に敏感とよく聞くので、スマホを消音にしているところ)・撮影おしげちゃん
そういえば馬は自転車などと同じ軽車両として定められているのだ。
馬も一般道の走行が可能だと小学生の時に知った記憶がある。
きっかけは通学路にあった喫茶店の駐車場に「馬でおこしのお客様はここにおつなぎください」と書かれていたのを見て、親にどういうことか聞いたことだったと思う。
この文を書くにあたり、気になったので馬の一般道走行について調べてみたら、免許はいらないが道路交通法が適用されるので、飲酒・スマホ操作・二人乗りは禁止で、 二段階右折も適用らしい。私が一般道を馬で歩くにはまだまだ練習が必要そうだ。
おしげちゃんも騎乗し、いざ海辺へ。
▲ビーチに向かう我々
はじめの20分はインストラクターさんが引いて歩いてくれる。
▲ズーズーおじとおしげちゃん
私のインストラクターさんはロシア人のお姉さん。(名前を教えてくれたが失念してしまった涙)
7年ベトナムに住んでいて、ダナン歴は3年くらいらしい。
ロシアでも乗馬クラブで働いていたそうだ。
そして私を乗せてくれている馬は牡馬のアパッチ。
白ベースに黒?焦茶?の牛柄みたいで可愛い。こういう柄の馬を“スキューボールド”というらしい。勉強になるなぁ。
手入れされたたてがみも決まっている。
おしげちゃんのインストラクターさんはウクライナの人で、家族は東京の側に住んでいるらしい。
おしげちゃんを乗せた馬は牝馬のアボラ…、という名前だと思ったら、後々オーロラだったと知った…。
2頭とも穏やかに海辺を歩いてくれる。
ポツポツお姉さんと話したり、ぼーっと海を眺めたり、アパッチの鼓動に集中したり…
何とも贅沢な時間。
動物との触れ合いは、私にとって心を癒す大切な時間だ。普段は愛猫からたっぷりもらっているけれど、馬のような大きな哺乳類と過ごす時間には、また違った特別さがある。
触れるとき、そして乗せてもらうときには、自然と緊張感や集中力が生まれる。でも、その感覚がむしろ心地よくて、「また馬に乗りたい」と思わせてくれる。
これが“ホースセラピー”ってやつかもしれない。
瞑想とかはあまり得意ではないけれど、馬の背に揺られている今なら、ふっと“無”になれそうな気がする。
20分後、写真を撮るか?と言われて二人で撮ってもらうことに。
ここぞとばかりに自由になろうとするアパッチに若干緊張が走ったが、お姉さんが何か言ったら落ち着いたようだった。
▲お利口さんなオーロラちゃん(左)と「自分、遊んじゃダメでした…?」なアパッチ(右)
アパッチがお利口に歩いてくれているので、手綱を持って歩いている様も動画撮影することができた。何か優雅なPV撮影のような気分に。
そのまま手綱を持ちつつサポートもしてもらい、折り返して海辺を歩いていく。

▲漁師さんとエンカウントするが落ち着いてるアパッチ
穏やかな海辺散歩終盤、という時にビーチをランニングしていた飼い主と犬がいた。
こちらに向かって走ってきている。
「犬に驚いたりしないだろうか…」と不安に思っていると、飼い主さんが止まっていたのでホッとしたのも束の間、まんまと我々に着いて来るイッヌ…尻尾を振って遊ぼうや!(アテレコ)な雰囲気だったが、飼い主に制され戻っていった。ふう…
私の心配をよそに、アパッチは「小物が…」みたいな目をして見ていたので、驚いたり威嚇したりとかしなくて安心した。
下馬をしてアパッチとオーロラに感謝を伝える。

アパッチを撫でていると、「もう僕の仕事終わったんで」とクールな感じだった。
お姉さん曰く「彼は歩くよりも早く遊びたいのよ」と言っていたが、彼にとって私はさっきのイッヌのように興味のない存在なのかもしれない。

オーロラは撫でていたら、「もっといいわよ?」と寄ってきてくれた。
当たり前だけど2頭とも個性があって、でもしっかりお世話や指導をされていて、安心して乗馬ができた!
帰る前に2頭は何歳なのかと聞いたら、「アパッチが7才でオーロラが9才」と聞き、競馬だと古馬なので「割と年いってる…!」と思わず言ってしまうと、お姉さんに「まだ若いわよ、ニンゲンでも25才くらいよ」と言われ、おしげちゃんにも「競走馬も引退してからが長いですから」と嗜められた。失礼しました…。
海辺散歩以外にも厩舎で乗馬レッスンや馬とのスイミングやヨガなどもやっているらしい。
乾季のうちにまた行きたいと思う!

▲インストラクターさんもありがとうございました!スパシーバ!ジャークユ!

▲最後に2頭が顔をくっつけててかわい〜と写真撮ってたらこの後お互い“息くっさ!”みたいなリアクションをして嗎きだして面白かった。馬、かわいい…
はじめこそ気合いを入れてサーフィンを始めるも気づけはネットサーファーに、スイミングは回数券を買うも、ガチスイマーに目をつけられフォームなどを指導されるうちに行くのが嫌になり、コロナ前にはポールダンスを始めるも厳戒なロックダウン(社会隔離措置)と膝に水が溜まり足が遠のいてしまった。
続けている趣味といえば競馬くらいかもしれない。
「ダナンで馬に乗れたらなぁ…」
競馬はもちろん、単純に馬も好きな私は長いこと乗馬クラブの登場を待ち焦がれていた。
東南アジアではFaceookが今も主流SNSで、何か情報を得るのにしばしば使用する。私はFacebookで“Women of Da Nang”というグループに入っているのだが、そこに2024年秋に流れてきた「乗馬をしてみませんか?」の投稿。
「遂に乗馬クラブができたんだ…!」
そう思ったが、どうやら2023年からあったらしい。いつの間に…
乗馬クラブの名前は“GOLDEN HOOF”。黄金の蹄。素敵ネームに心が踊る。
早速コンタクトを取り、予約。
ダナンに住む女性の中で唯一の競馬仲間・駐妻のおしげちゃんにも付き合ってもらうことにした。
予約したものの“GOLDEN HOOF”の厩舎があるであろう住所は、ダナンとホイアンの真ん中くらいで、大通りから離れた田んぼや畑に囲まれた場所。何となく場所はわかるが行ったことはない。
正直「こんなところに本当に馬がいるのか…?」と不安になった。
念の為ホイアンに行く用事のついでに寄ってみたら、本当にあった。
まあ、予約したのだからないと困るのだけど。
下見だから今日は乗らない。

▲来週乗りに来るからねぇ!

▲「普段この辺を歩いているのかしら?」と馬のボロ(うんこ)を探す私
いざ予約の日。朝から大雨。
12月のダナンは雨季真っ只中なので、賭けではあった。
多少の雨は仕方ないと思っていたが、さすがにこんな大雨は無理かも……。
とりあえずGOLDEN HOOFに連絡し、「雨ですね」と見解をいただく。

▲やりとりはLINEのベトナム版SNS、Zaloにて
乗馬慣れしている人なら小雨や足元が悪くても大丈夫かもしれないが、私もおしげちゃんも馬こそ好きだが乗り慣れているわけではない。
乾季がきてから挑戦するのが良さそうだ。
「せめて何かしらの哺乳類に触れたい」ということで、この日はポメラニアンカフェで哺乳類とふれあいたい気分を満たした。


▲みんな懐こい

▲狭いところが落ち着くようだ
そうこうしているうちに3月になり、ダナンもすっかり乾季に。乗馬に最適な季節がやってきた。
早速GOLDEN HOOFに連絡する。リベンジである。
初手で「朝9時集合ね!」と言われ、結構早いな、と思ったら、「他の予約忘れていました、午後3時で!」と言われた。他の馬好きも乾季の訪れを待っていて、混み合っているのかもしれない。
当日。おしげちゃんと向かう。
今回予約したのは「海辺の散歩コース」。送られてきた集合場所の住所は目印が何もないビーチだった。以前(勝手に)下見した場所と違う。海辺の散歩コースを選んだのは私なのだが、ものすごく不安だ。無事に馬と落ち合えるのだろうか。
当日は晴れたが、ビーチまでの道がわりと不安なので、バイクの後ろに乗っているおしげちゃんにナビしてもらう。
おしげちゃんが軽いので途中落としてないか心配になり、「いる?!」と確認したりしているうちにそれらしい場所が見えてきた。
「ここで合ってる…?」
車が入れるか入れないか微妙な小道に入る。ちらほらある民家を抜けるとビーチに着いた。

▲何もないビーチにポツンと私のバイク
少し早く着いたので「着いたのですが、ここで合ってますか?」と写真を送ると合ってるらしいのでお利口に待つ。ダナンのミーケビーチやホイアンのアンバンビーチのように人が多く賑わっているビーチとは違い、人が全くいない。
ちゃんと会えるんだろうか。不安だ。
少しすると、スラブ系のおじさんが、我々がさっきやってきた小道のほうから歩いてきた。あの人だろうか。しかし馬はいない。ただビーチに散歩に来た外国人かもしれない。でも、他にそれらしい人は居ないのでチラチラ見ていると、「ホースライディング……?」とあちらも不安そうに聞いてきた。不安な集合場所は、どちらにとっても不安だった。
元気に「イエス!」と言うと、ロシア語?で何か説明が始まった。
「ズーズー」と言っているのだけ聞き取れた。
おしげちゃんもそれだけ聞き取れたのだろう、二人で「ズーズー…?」とおじさんの言葉を疑問系で繰り返してみる。
何かがズーズーしているのかな…?馬がごねて遅れているのか…?
「ズーズー……?」しか繰り返さない我々に、なにも伝わっていないと思ったのだろう。おじさんがGoogle翻訳の日本語表示で「車が多くて馬が道を渡るのに時間が掛かっている」と表示してくれた。
なるほど、ズーズーしているのは馬ではなく車か。
考えてみれば当たり前だが、以前私が見に行ったあの厩舎から歩いてくるんだな……と今さら気づいた。
ここから歩いて20分くらいの距離だ。車通りが激しければ大変だ。馬たちにとって「海辺の散歩コース」以前の散歩が長い。
馬が本気で走れば車と同じくらいなのだろうか。
おじさんもしばらく我々と一緒に馬を待っていたが、なかなか来ない。
痺れを切らして迎えに行くおじさん。取り残される我々。
ん、あそこに見えるのは……

馬だ……!

馬に乗っての登場ってかっこよくてずるくない!?

早速馬に乗るよう指示される。
日本の乗馬だと、踏み台が用意されているのが通常だが、さすが海外?左足を鐙にかけ、左手で手綱と馬のタテガミを掴みながらジャンプして跨がれとのこと。
「ジョッキーがパドックで騎乗するときのあれだ……!」
競馬場で何度も見ていた光景だったからか、一発でうまく乗れた。
以前日本で乗馬したときは元競走馬のサラブレッドで馬体も大きく少し怖かったが、今回は小柄な馬で余裕が持てた、というのもある。
それでも、普段乗っているバイクよりも高い目線に心が躍る。なにより、全身に感じる生き物に乗ってる感触がバイクとは全く違う。

▲乗ってすぐスマホをいじれる余裕(馬は音に敏感とよく聞くので、スマホを消音にしているところ)・撮影おしげちゃん
そういえば馬は自転車などと同じ軽車両として定められているのだ。
馬も一般道の走行が可能だと小学生の時に知った記憶がある。
きっかけは通学路にあった喫茶店の駐車場に「馬でおこしのお客様はここにおつなぎください」と書かれていたのを見て、親にどういうことか聞いたことだったと思う。
この文を書くにあたり、気になったので馬の一般道走行について調べてみたら、免許はいらないが道路交通法が適用されるので、飲酒・スマホ操作・二人乗りは禁止で、 二段階右折も適用らしい。私が一般道を馬で歩くにはまだまだ練習が必要そうだ。
おしげちゃんも騎乗し、いざ海辺へ。
![]() | ![]() | ![]() |
はじめの20分はインストラクターさんが引いて歩いてくれる。
![]() | ![]() |
私のインストラクターさんはロシア人のお姉さん。(名前を教えてくれたが失念してしまった涙)
7年ベトナムに住んでいて、ダナン歴は3年くらいらしい。
ロシアでも乗馬クラブで働いていたそうだ。
そして私を乗せてくれている馬は牡馬のアパッチ。
白ベースに黒?焦茶?の牛柄みたいで可愛い。こういう柄の馬を“スキューボールド”というらしい。勉強になるなぁ。
手入れされたたてがみも決まっている。
おしげちゃんのインストラクターさんはウクライナの人で、家族は東京の側に住んでいるらしい。
おしげちゃんを乗せた馬は牝馬のアボラ…、という名前だと思ったら、後々オーロラだったと知った…。
2頭とも穏やかに海辺を歩いてくれる。
ポツポツお姉さんと話したり、ぼーっと海を眺めたり、アパッチの鼓動に集中したり…
何とも贅沢な時間。
動物との触れ合いは、私にとって心を癒す大切な時間だ。普段は愛猫からたっぷりもらっているけれど、馬のような大きな哺乳類と過ごす時間には、また違った特別さがある。
触れるとき、そして乗せてもらうときには、自然と緊張感や集中力が生まれる。でも、その感覚がむしろ心地よくて、「また馬に乗りたい」と思わせてくれる。
これが“ホースセラピー”ってやつかもしれない。
瞑想とかはあまり得意ではないけれど、馬の背に揺られている今なら、ふっと“無”になれそうな気がする。
20分後、写真を撮るか?と言われて二人で撮ってもらうことに。
ここぞとばかりに自由になろうとするアパッチに若干緊張が走ったが、お姉さんが何か言ったら落ち着いたようだった。
![]() | ![]() |
![]() | ![]() |
アパッチがお利口に歩いてくれているので、手綱を持って歩いている様も動画撮影することができた。何か優雅なPV撮影のような気分に。
そのまま手綱を持ちつつサポートもしてもらい、折り返して海辺を歩いていく。

▲漁師さんとエンカウントするが落ち着いてるアパッチ
穏やかな海辺散歩終盤、という時にビーチをランニングしていた飼い主と犬がいた。
こちらに向かって走ってきている。
「犬に驚いたりしないだろうか…」と不安に思っていると、飼い主さんが止まっていたのでホッとしたのも束の間、まんまと我々に着いて来るイッヌ…尻尾を振って遊ぼうや!(アテレコ)な雰囲気だったが、飼い主に制され戻っていった。ふう…
私の心配をよそに、アパッチは「小物が…」みたいな目をして見ていたので、驚いたり威嚇したりとかしなくて安心した。
下馬をしてアパッチとオーロラに感謝を伝える。

アパッチを撫でていると、「もう僕の仕事終わったんで」とクールな感じだった。
お姉さん曰く「彼は歩くよりも早く遊びたいのよ」と言っていたが、彼にとって私はさっきのイッヌのように興味のない存在なのかもしれない。

オーロラは撫でていたら、「もっといいわよ?」と寄ってきてくれた。
当たり前だけど2頭とも個性があって、でもしっかりお世話や指導をされていて、安心して乗馬ができた!
帰る前に2頭は何歳なのかと聞いたら、「アパッチが7才でオーロラが9才」と聞き、競馬だと古馬なので「割と年いってる…!」と思わず言ってしまうと、お姉さんに「まだ若いわよ、ニンゲンでも25才くらいよ」と言われ、おしげちゃんにも「競走馬も引退してからが長いですから」と嗜められた。失礼しました…。
海辺散歩以外にも厩舎で乗馬レッスンや馬とのスイミングやヨガなどもやっているらしい。
乾季のうちにまた行きたいと思う!

▲インストラクターさんもありがとうございました!スパシーバ!ジャークユ!

▲最後に2頭が顔をくっつけててかわい〜と写真撮ってたらこの後お互い“息くっさ!”みたいなリアクションをして嗎きだして面白かった。馬、かわいい…