変わりゆく下北沢を歩きました

  • 更新日: 2018/11/15

変わりゆく下北沢を歩きましたのアイキャッチ画像

演劇の街のシンボル「本多劇場」






どうもふかこんばんは、世田谷生まれ世田谷育ち、グルコサミンはだいたい友達、北枕ふか子です。

今日は下北沢に来ています。
下北沢といえば、なにを思い浮かべますか?

古着!サブカル!音楽!演劇!カレー!

なるほど。それぞれの下北沢があるね。「友達の演劇観に来たことある」とか「好きなバンドのライブで来た」とかね。なるほどね。


これは小田急線のCMで、「落ち込んでたけど、下北に来たら元気出た」みたいな話なんですけど、中学時代から下北に通ってるわたしからみたイメージもこんな感じです。サブカルとか演劇とか音楽とか。

それともう一つ、「よく変わる街だな!?」という気持ちが強いんです。店の入れ替わりが激しくて、半年ぶりくらいに訪れると違う街に来た気分になります。その原因は、街の再開発と、小田急線の地下化・複々線化があると思うんですが、特にここ2~3年は本当に変貌がすごい。まず、駅構内で迷子になります。そして店だけじゃなくて、道も変わる。

この再開発、住民側からはかなりの反発があったそうで、工事する前はそこかしこに反対ポスターが貼られてました。
でも、その反発する理由もあるいは再開発を進める理由も、街を少し歩けばわかります。

ということで、変わりゆく下北、2018年9月時点のお話です。


駅構内の話

と、街を散歩する前に、ちょっと駅の話をします。「なかなか散歩しないな!」「前置きが長すぎるぞ!」と思うかもしれませんが、下北沢駅構内ダンジョンをクリアするのはなかなかしんどいのです。初見プレイは迷うので、下北沢で大事な用がある人はお早めのご到着を!



まず、小田急線の駅構内図を確認しましょう。

2階:井の頭線のホーム(急行・各駅)
1階:改札
地下1階:小田急線の各駅停車
地下2階:小田急線の急行

という感じです。地下とか地上とかわかりづらいですが、



各駅停車は青、



急行電車はオレンジ、工事してるほうは井の頭線。と覚えるとわかりやすいです。

地下1・2階でホームが分かれる「複々線」になったのは2018年3月から。
「複々線って何?」って感じなんですが、線路が4本あるんですよ。それも下北沢の線路は横に並んでいるんじゃなくて、地下1階に2本(各駅停車の上り・下り)、地下2階に2本(急行の上り・下り)って並んでるんです。

そうすることで、
・線路上で急行電車が各駅停車を待つ時間がなくなる
→待つ時間が無くなるので、ダイヤが少し早くなる
→電車の本数が増えるので、混雑が解消される
・急行・各駅で分散するため、ホームの混雑が解消される
・線路が地下にあることによって、開かずの踏切が消える
という感じで、「小田急線利用者はハッピーじゃない? 開かずの踏切も消えて、街の移動もしやすくなるよ」というお話なのです。





ちなみに、これは2013年に閉鎖されたばかりの古い駅ホームの写真なんですけど、昔はここに急行・各駅停車を待つ人たちが溢れて危ないし寒いし鳩来るし……という感じだったんですよ。踏切も開かないし。

複々線化がはじまってからは、各駅と急行のホームが別れたのでゆったり待てるし、踏切がないからスイスイ行きたい場所に行けるし、小田急線ユーザーというか、よく下北沢に行く身としては、うれしいです。



とはいえ、まだまだ工事中。小田急線の工事は大体終わったんですが、駅構内の工事が来年の3月まで続いて、そのあとも地上2階にテナントを入れる工事が続くって。
ここはこの前まで通路だったのに急に封鎖されちゃった場所。





ガムテープで書かれた文字、「修悦体」が見られる。
前は至る所にあったんだけど、今はここだけになっちゃった。



駅構内の一番の変化は南口が消滅したこと。
これは今年の3月なんですけど、南口が閉鎖されてまじでショックだったときの写真。



まだ生きてたころの下北沢駅南口。写ルンですで撮った写真なので昭和っぽいですが、平成です。



南口、現在の姿。悲しくない? 「旧南口」と呼ばれています。



新しくできたものとしては、ガラス張りのエレベーター。かっこいい。
ちなみに天井もガラス張りなので、晴れの日は日差しが入ってきます。



そして何よりこのトイレ! 下北沢ではトイレ難民になることが多かったんですが、1階に新しくできたことによって、快適なトイレライフを送れるようになりました。キレイだし、個室も多いし、近くにはベンチもあるから「トイレ前のベンチにいるよー」とか待ち合わせで指定しやすくて本当に助かっています。



結果的にどんな駅になるの? っていうのは駅の外に貼ってあります。

「地上2階には通路ができて行き来しやすくなり、1階部分には小田急線・京王井の頭線の各専用改札ができるので、わかりやすくなります!」
といったような内容が書かれています。なるほど、専用改札ができるのか……噂には聞いていてけど本当にできるんだな……。

今までは共同改札だったので、「京王線に乗るんだけど、この改札でいいのかな? 小田急って書いてあるけど……」と改札前で混乱してる人、結構いました。確かに共同改札ってあんまり見ないかもしれないなーと思い、調べてみたら、

・1927年に小田急線が開通、下北沢駅が開業。
・1933年に井の頭線が開通し、乗換駅に。
(※当時、井の頭線は小田急線系の路線だったため、改札が存在しなかったらしい)
・戦時中の企業統合により1940年に正式に統合。
・戦後、1948年に井の頭線と小田急線が異なる会社に。

ということで、元々は同じ会社だったので共同改札で、戦後もずっとその形になっていたんですが、この地下化・複々線化を機に「下北沢駅」を井の頭線・小田急線のそれぞれに分けることになったみたいです。だから小田急線ホームと井の頭線ホームがどんどん遠くなっていくんですね……。



そして、完成図はこんな感じ。
現在の北口と南西口に加えて、東口と中央口ができるようです。南口は消え去るんだね……。

駅はわかりやすくなっていくそうですが、現在利用している我々としては日々道が変わるし、工事中でわかりづらいし、混乱しかないです。たぶん、完成してからも1年くらいは混乱が起きるんだろうなあ。

他の混乱ポイントを挙げておくと、

・南口消失により待ち合わせ場所に困る
・南口からすぐに行けた場所(例えば劇場やライブハウス)になかなか辿り着けない
・少し前まで南口に出るためにあった通路が、今は北口につながっている
・南西口登場により「えっ、それってどこ?」みたいな混乱が起きる
・「北口はギリギリわかる!」という人が圧倒的多数のため、北口に待ち合わせの人が殺到(駅前が混む)
・定期的に道が変わるので混乱する人が続出
・この構造がわからず、駅員にキレる人が多発(わりといる)
・小田急線の各駅と急行のホームを間違えてしまい、間違った電車に乗りがち

みたいな感じです。気を付けましょう。


街の話



下北沢の変化は、駅だけじゃなくて街もなんです。

その理由は、「補助第54号線」という渋谷区富ヶ谷二丁目から世田谷区上祖師谷五丁目まで続く約8,950メートルの道路をつくるためです。
「大きい道路を作って、交通をスムーズにしよう! 甲州街道と玉川通りは行き来しづらいから繋げよう! 非常時にも救急車や消防車が通りやすくなるよ!」みたいなお話なんですが、これもまた経緯が複雑です。

・1940年に計画され、1946年に都市計画決定された。が、実現されずに放置されていた。
(土地の買収額が膨大になってしまうため、実現不可能と判断されていた。また、駅界隈既存市街の道を変えてしまうので当時から反対されていた。)
・1960年代から小田急線が連続立体交差事業(鉄道を立体化して踏切を少なくする事業で、道路特定財源を使った国の補助金制度)を検討し始める。
・2001年に素案が発表され、2002年に小田急線の東北沢駅・下北沢駅・世田谷代田駅間を地下化が決定。
立体交差事業の補助金申請には2本以上の幹線道路と交差している状況が必要(※当時)だったため、補助第54号線計画が再浮上し、現在の道路計画が決定。
・2003年に「下北沢駅周辺地区・地区計画骨子案」が発表されたことで多くの人が下北沢の街中に大きな道路ができることを知り、「下北沢の街が分断されてしまう!」と反対運動が激化。
・しかし、2006年に都市計画決定し、地下化と再開発が遂行されるようになった。

本当にざっくりですが、こんな流れです。
小田急線の開かずの踏切問題とともに、迷路のような道(それが下北沢の良さでもあった!)を防災・交通面で問題視する声もあり、今回の再開発に踏み切ったという流れです。一時期は街のいたるところに反対ポスターが貼られており、当時中学生だったわたしも「下北沢が変わってしまうんだな」と思った記憶があります。
今、こうして地下化・複々線化が始まり、各地で道路計画のための立ち退き閉店が続いている中でも、「下北沢の街を守りたい」と反対運動を行っている人たちはまだまだいるようです。(デモの様子や再開発反対イベントをまとめたドキュメンタリー映画「下北沢で生きる SHIMOKITA 2003 to 2017」という作品もあります。)

ということで、どんどん街の様子が変わっているんですが、何より悲しいのは北口の駅前にあった「下北沢駅前食品市場」がなくなったこと。





もともと闇市だった場所で、服屋、飲み屋、八百屋その他諸々が軒を連ねていたんですが、再開発のため取り壊しが決まり、なくなってしまいました。これはなくなる前、2017年夏の様子。



取り壊し前には「さよならマーケット ありがとうマーケット」という展示もやっていて、



写真展示があったり、





お店ごとにメッセージが書かれていたり、ちょっとしたスペースでライブパフォーマンスが行われていたりしました。

ちなみにこれはすごく個人的な話になってしまってたいへん恐縮なんですけど、





わたしもこの場所が大好きだったので、こんな感じで、撮影してもらったこともあります。
(撮影:RINA ENDO



駅前食品市場は、南口から北口、北口から一番街商店街に行くのにすごく便利な通り道でもありました。いろんなお店を見ながら通り抜けるの、わくわくして好きだったなあ。



閉鎖された日の写真。じわじわと閉店していき、じわじわと壊されていったんですが、この道が通れなくなったときはショックでした。思い入れがある人はもっと悲しかっただろうなあ。

この他にも再開発によって変わった場所はたくさんあります。
改札が変わり、踏切がなくなり、お店がなくなり、いつも通っていた道がなくなる、そうなると人々の動きが変わるのです。


散歩スタート~南西口から北口



まあ、街とか駅とかなんやかんや言いましたが、ようやく散歩スタートです。今までの話はいったん頭の隅に置いていただいて、「シモキタだ~」という気持ちで散歩します。「シモキタだ~~~!(サブカル)(古着)(演劇)(音楽)(カレー)」



駅構内にある地図を見ていただければわかると思うんですが、どの改札口付近が栄えているとかはなくて、どこ行ってもわりと栄えてます。でも、少し離れてみると、



真ん中以外はあんまり栄えてないことがわかります。下北沢、世田谷区ですからね。世田谷区っぽさ出してくる。さっきまで「サブカルだよ~!」って笑顔だったのに、急にしれっとした顔で高級住宅街出してくる。気まずい。公園で遊んでたのに私有地に入っちゃったときと同じ気持ちになる。



新しく出来た南西口から出ます。



これは線路跡。空が広いなあ。



左に曲がると、そびえ立つホテル。下北沢に2つしかないラブホテルの1つです。前は南口から離れていたのでひっそりしていたんですけど、南西口ができてしまったせいで駅前のホテルになってしまいました。気まずい。ホテル側はどう思っているのかすごく気になる。



そのまま道なりに進むとこの混雑。以前は誰も歩いていなかったのに、改札口が変わるだけでこんなに人増えるんだな……。



駅近くにはこんな看板も。変わらず営業していますよ!



ホテルを曲がって旧南口方面へ。この通りに気になる料亭と気になるビリヤード屋がある。ずっと気になったまま。



気になっている扉。開けたら接骨院に行きそうな気配がするけど、関係者以外立ち入り禁止だし、防犯カメラ録画中。



「Recipe SHIMOKITAZAWA」は2011年にできた商業ビル。

この土地の変遷もいろいろあったようで、ちょっと調べてみました。

映画館→スーパー(忠実屋)→ダイエーが買収する→その後、グルメシティ下北沢に名称変更
→商業ビル開発を理由に土地を買収される。2008年にスーパーが閉店(隣接していたジャズ喫茶も立ち退きのため閉店)。が、計画が頓挫
→別会社が土地を購入して、2011年に「recipe SHIMOKITA」が開業。

この「商業ビル開発を理由に」というのがわりとポイントです。建築基準法には「大きな道路の近くにある建物は、高めに建ててもいいよ!」というルールがあるらしく、再開発が決まった頃から高層の商業ビルが増えたんです。この「Recipe」はその流れの序盤にできた建物。大学生のときに井の頭線ホームからこの建物を見て「ああ、シモキタも変わるんだなあ」と思った記憶があります。



Recipeの前には「こいぬの木」っていうオブジェがあって、待ち合わせ場所になっています。リリー・フランキーがデザインしたそうです。知らなかった。「なんかやばいオブジェあるな」と思ってスルーしちゃってた。すみません。



そのまま進むと「TAROビル」という建物があって、ここは前からあるんですけど、最近工事してすごく綺麗になりました。
ちなみに、セブンイレブンの中にコインロッカーがあるので、ライブ・観劇前に大きい荷物を預けたい人はおすすめ。



TAROビルの中には「駅前劇場」が入ってるんですけど、南口が閉鎖しちゃったから駅前じゃなくなっちゃった。今は駅から遠い駅前劇場。
あと「OFF・OFFシアター」もあります。



井の頭線の高架線をくぐります。
10年前は左に階段があって、2階に小田急線の改札があったんです。本当なんです、信じてください!
あと右あたりにすごく影の薄い公衆トイレがあったんです。信じてください!!!



みんな大好き「マルシェ下北沢」です。なぜなら「本多劇場」が入っているからです!(ババーン!)



わたしはこの中を通るのがすごく好き。下北沢は中を通り抜けできる建物が多いので好きです。



ということで通ります。



中学のとき、友人に初めて連れてこられた場所なんですが、タトゥー入れるお店と、アクセサリーのお店と、着物屋さんとカフェが同列に並んでいるのをみて、わりとショックでした。



ダンボールいっぱいゾーン。いつ通ってもダンボールいっぱい。



歩行禁煙ってことは立ち止まったらオッケーなのかな。





下北沢のヴィレッジヴァンガード。よく「ヴィレヴァンの本店は下北だよね?」と言われますが名古屋です。



ということで、本多劇場入り口です。みんなが夢見る本多劇場ですよ!

本多劇場は、本多一夫さんが作った劇場です。
本多さんはもともと映画俳優だったそうなんですが、所属していた会社が倒産したのをきっかけに下北沢でバーを開店。経営が成功、事業を拡大して、演劇養成所の「本多スタジオ」を設立。1982年にマンションを建設し、その2階に本多劇場をオープンした。という流れのようです。夢があるよね。



本多劇場の向かいのビル。中華料理屋、ライブハウス、パブなど様々ですが…



もともとこの場所には、「屋根裏」という伝説的なライブハウスがありました。(ゆらゆら帝国やRCサクセション、神聖かまってちゃん、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTなどなどが演奏していたらしい)ですが、2015年に閉店。そこで、当時のスタッフさんが「復活させたい!」と思い、「ろくでもない夜」というライブハウスを開店しました。わたしもお世話になったことあるんですが、いいスタッフさんばっかりだし、「夢応援するよ!! なんでもやって!!」というタイプの店長さんなので、夢のある人はぜひ訪れてみてください。
ろくでもない夜





少し進むと小劇場ゾーン。小劇場「楽園」と「劇」小劇場。ここも本多グループです。



ヴィレッジヴァンガードにはここからも入れます。映画「モテキ」を観た方はわかると思うんですが、ここは幸世(森山未來)とみゆき(長澤まさみ)が待ち合わせした場所です。



「この街一番のスーパーでーす!」みたいな顔してるオオゼキ。



昔、開かずの踏切があった場所。いまじゃただの道路になっちまった……。





昔線路だった場所。まだ工事中。

右に行くと下北沢一番街がありますが、先に北口に行くよー。



はい、ということで、北口へ向かう途中にかつて下北沢駅前食品市場だった場所があります。



この建物があったんですよ、このあたりに。



これが最後まで営業を続けていたおでん屋「節子」。まだ店舗が置いてありました。一度くらい行きたかったな、と思いましたが、常連さんが飲んでいるのを見るのが日常って感じだったので、まあ、よかったのでしょう。



駅前にはポスターがずらり。下北沢って毎週イベントやってるんですよ。本当にすごいと思う。



北口の前には「世田谷区立仮設公衆トイレ」があります。でも、ここで行くなら、駅構内のトイレ行くほうがキレイでいいんじゃない? って毎回思ってしまう。



ずっとある「ピーコック」。エスカレーターが登りしかなくて、導線がすごく悪い。(でも、3階にある三省堂はよく行きます。)





かつて下北沢駅前食品市場だった場所は現在、「しもきたスクエア」という広場としてイベントなどで使われています。そういう下北は割と好きだよ。



駅前の通り。平日の夜は「無料のお笑いライブいかがですかー!」と叫ぶ若手芸人が溢れかえります。


南口商店街から北口へ



はい、北口に行きましたが、いったん旧南口に戻りました。
なぜいったん北口に行ったかというと、下北沢駅前食品市場の跡を最初に見たかったからですね。そのせいで非効率な歩き方をしていますが、まあ散歩なので気にしないでください。

ということで、「南口商店街」を歩きますよ!







この3箇所は「ストリートミュージシャン」あるいは「ストリートパフォーマー」がパフォーマンスをよくする場所(私調べ)です。



商店街を進みます。個人的に、最近「富士そば」ができたのが一番のホットニュースだと思ってます。あとペットショップもできた。



こちらはゲームセンター「LAS,VEGAS」。中学時代は毎週来てました。「小池栄子の実家なんだよ」と友人から聞いたことあるんですけど、ググったら本当かどうかわからなかったので、だれか教えてください。



ザ・ハウスオブザデッド4(2005年のゲーム)がまだ現役で置いてある貴重なゲーセン。中学時代からずっと遊んでますが、いまだに全クリしたことがない。
奥に行くと格闘ゲームが置いてあります。あとはプリクラとか、太鼓の達人とか、シューティングゲームとか。この建物も通り抜けができるので、好きです。



しかし、この看板、年季が入っているな。



その向かいもゲームセンター。こっちは「アドアーズ」でUFOキャッチャーがたくさんあります。



味噌パンで有名だった「アンゼリカ」というパン屋が2017年に閉店。その跡地に「パンの田島」ができました。こういう、同じ系統の店が入るのって「アンゼリカに来たけど閉店してた! しかたない、コッペパンでも食べるか」と思わせる作戦なのか、「もともとある設備を使えるから安くできるんだよね」作戦なのか、どっちなんでしょうか。あるいは他に理由があるのだろうか。



中学時代からずっと通っているミスド。右に曲がると南西口に着きます。



コーヒーの匂いがしたら「モルディブ」。



下北に2つしかないホテルのもう一つがここ。すっごい入りづらい場所にある。入ってる人見たことないけど、潰れないってことは入っているんだろうな。



南口商店街を進むと、Y字路の真ん中に祠があります。(映画「モテキ」で長澤まさみが「ドロンしま~す☆」と言ったのはここです。)





「ずっとあるけど、なんの祠なんだろう?」と思ってちゃんと見てみたら「庚申堂」というらしく、説明書きを読むと(擦れててほとんど読めないんですが)「昔一族の繁栄と旅人の安泰を祈願し各部落の辻々に建立されたもので道しるべにもなっていたのである」とあります。勝手に交通安全かと思っていたので、「旅人の安泰!」と思いました。昔からいろんな人が通っていたのだろうな、下北沢。

このまま三茶方面に向かっても楽しいんですが、Y字路の右へ進みましょう。



以前はステップインステップだったんですけど、ある日、急にリニューアルして「あるく・はしる館」になりました。当時は「正気か?」と思った。



ちなみに目の前には「ABC MART」。このABC MARTは通り抜けできます。通り抜けできるお店大好き~



ゲームセンター「エムエムランド」。これもrecipeと同じ時期にできたビル。
音ゲーが多めで、コインゲーム、プリクラもあります。ここのプリクラコーナーはメイクルームとかフィッティングルームもあって結構オススメ。あと、ハウスオブザデッドの新作・スカーレットドーンが置いてある。これは全クリした。

まっすぐ進みます。



でかいカラオケ館。映画「モテキ」でも幸世(森山未來)がるみ子(麻生久美子)に「頑張れるみ子、頑張れ俺!」と叫ぶシーンがあるんですけど、ここあたりです。さっきからモテキ情報が入りますが、その理由は、森山未來のことが大好きだからです。



ちなみに、大きいカラオケ館から少し歩いた場所に小さいカラオケ館もあります。わたしはこっちのがよく行く。



カラオケ館の右を見ると、南口商店街の終わりがある。いや始まりか?
この道をまっすぐ進んでなんやかんや行くと井の頭線の池ノ上駅に着きます。

南口商店街を出て、茶沢通りを進みます。



なんやかんや進むと「北沢タウンホール」。正式名称は「北沢区民会館」。ここで演劇をする人も多い。



で、その近くには「ザ・スズナリ」と「シアター711」。ここも本多グループ。

「ザ・スズナリ」は元々アパートの「すずなり荘」でした。それを改築して「本多スタジオ」の稽古場として使用していたのですが、再度改装されて劇場として使用され始めたのだそうです。実際、観に来るとわかるんですが「友達の家に、演劇を観に来た」という気持ちになります。



またもや開かずの踏切だった場所。





そして、線路だった場所。

歩きながら「シモキタ、なんか静かになった?」と思っていたんですが、電車と踏切の音がないからですね。散歩しててやっと気づいた。以前テレビの下北沢特集を観ていたら、「昔は踏切の音を肴に酒を飲んだけど、今は静かで悲しい」みたいな話をしていたんですが、改めてじっくり歩くとそう感じますね。


一番街商店街へ



先程スルーした「一番街商店街」にやってきました。南口とはまた違った雰囲気の商店街です。
いろいろと良さはあるんですが、まず、阿波踊りがすごい。見てくださいこのポスター。毎年8月に開催される阿波踊り大会は、昭和41年から始まり2018年で53回目。商店街の活性化のためにはじまったそうなのですが、本当に熱気がすごくて、みんな楽しそうでわくわくします。ただでさえ迷路みたいな下北沢が、混雑でもっとわかりづらくなるのも楽しい。



あと北口は多種多様なお店が多くて、南口よりもおしゃれというか、飲食店にしても古着屋にしても、個性派が多い気がします。
例えばここは以前、銭湯だったけど、今は古着屋さんになっている。名前は「NEW YORK JOE」=入浴場! 店内も銭湯時代の趣が残っていて、昔の建物を活かしている。北口はそんなお店が多い印象です。



気になる路地。
下北沢の良さはこの「路地がたくさんあるから歩いていると楽しい! 徒歩でしかわからないこの良さ!」みたいな、それこそ散歩が楽しい街なので、それも大きな道路ができることへの反対理由にもなっていたんですね。



一番街の終わり。終わりはいつだってちょっと悲しいけど、一番街の終わりは特に悲しい。歩くの楽しいので。



Q.おしゃれサロン「マツ」のあとが隠された理由は?



下北沢成徳学園。バレーボールが有名らしい。






まっすぐ進んで西口へ向かいましょう。



ここで突如現れる空地。こういう空地、本当に悲しいから道路にされるその日までフリマとかやっててほしい。



ここのクレープ屋さんは有名。いつも混んでいる。



お、踏切だ! 下北沢に踏切があるぞ!! さては井の頭線だな!!



ということで、下北沢の西口に来ました。西口、井の頭線からしか出れないのでちょっと不便ですけど、ずっと変わらずにあります。



井の頭線のホーム。全然関係ないけど、井の頭線の車内ってなんか臭いますよね?



踏切を渡りました。
このまままっすぐ進んでもいいんですが、坂があった記憶があるので、左に曲がります。坂はちょっとやだな。疲れるし。左曲がるとすぐ南西口あるからそっちがいいな。



はーい、すぐついた~~!!



この階段を降りると



南西口です。

南西口周辺、改札ができる前は住宅街の中に「知る人ぞ知る!」みたいなお店がちらほらあっただけなんですけど、最近はコンビニとかお店も増えて「改札口が増えるってすげー」と思ってます。


下北沢の外側



南西口、南口、北口をざっくりぐるーっとまわったので、外側も歩いてみたいと思います。

ということで、先ほどは左に曲がりましたが、今度はまっすぐ進んで右へ。



はい、急に人が消えます。みんなどこに行っちゃったんだろう。



おしぼりとビニール傘ってすごく居酒屋っぽいセレクトのゴミで良い。マンションなのに。



ずんずん歩いていきます。
右を見ると完璧な住宅街なのに、



左を見ると向こう側にお店がたくさんあったり、人混みがわーって流れていくんですよね。こちらとあちら側が全然違う世界みたい。



ザ・住宅街。ダイソーに売っててもおかしくないほど完璧な住宅街。



「複々線化の影響で、工事用車両だけ逆行してくる可能性があるから気を付けてね」のお知らせ。
こんなところにも複々線化の影響が……。



左を見ると商店街に戻りますが、



右に進みましょう。ほんと住宅街。人がいない。



良い感じにカーブしてる坂があります。のぼりましょう。



保育園がある。






読ませる気がない。



カーブだし工事中だし、注意書きが多くて大変。



はい、とてもきれいなカーブ、決まりましたね。素晴らしいカーブです。



工事中の場所をのぞくと南西口が見える!



カーブを越えるとお知らせがあります。わたしの中学時代からずっとあるよこの看板。



そしてまたカーブ。道幅が狭いのですれ違い注意です。



どう考えても完璧な住宅街に入ってしまいました。楽しい商店街どこにいったのー。



このあたり、いわゆる高級住宅街というか、本当に綺麗なおうちしかなくて、街の歪みみたいなものがなくて怖いんですよ。全部きれいなの。あとね、勝手に写真撮って掲載したら普通に怒られそうな雰囲気がある。みんなセコムかアルソックしてそう。



あ! 歪んでるやついた!



これはよく歪んでいるなあ



止まれなかったんだろうなあ。



住宅街面白くないので、商店街の方へ戻ります。閑静な住宅街って本当にあるんだなってくらい閑静で怖いです。



商店街が近づいてくると落書きが増えてくる。わかりやすい街だな。



エイブルの新しいロゴかと思っちゃったよ〜色合わせないでよ〜



街のはずれにあるおしゃれスタバ(普通のスタバよりちょっと高い)に出会いました。ということは、ほぼ戻って来ました。



商店街へ向かって歩きます



なんやかんや歩いて南口商店街まで戻って来ました。
商店街は先ほど通ったので、再び茶沢通りに向かって進みましょう。





やきとり「てっちゃん」。かつて駅前食品市場にあった焼き鳥屋さんです。一軒家をリノベーションした建物で、隈研吾が設計したんですって。店内には天井にスキー板貼りついてたり、スキー板やスノーボードで出来た机と椅子があったりして、おしゃれです。



お、見えたぞ茶沢通り。



「契約車1」に訴えていくスタイル



「あっ、下北といえばドラマ行かないと!」と思い、商店街に入ってDORAMAへ。
ここはゲーセンですが他にもレンタルDVD、古本などの店舗がたくさんあります。一時期、ドラマの店舗だらけになった時期があって本当に怖かった。


ちなみに、敏感少年隊の「サウンドオブ下北沢」っていう曲に

「夜になったらドラマに行こうぜ
ホラービデオでも借りようぜ
こないだは僕が選んだから
今日は君が選びなよ」

という歌詞が出て来ます。ほら、シモキタといえばドラマ。峯田和伸もそう歌ってる。



高架線を通ります。
ここにはかつて大きい天井画みたいなのがあって、友人に「これは下北の名物なんだよ!」と教えてもらったことがあります。
本当かどうかわかんないけど、わたしはその友人のことが好きだったので信じてました。



ここは「下北沢ケージ」。3年間限定のイベントスペースと屋台居酒屋があります。土日はよくイベントやっててにぎわってます。



「本多スタジオ」。先ほど本多劇場の話のときに出てきた本多グループの稽古場ですね。



つたがすごいな~つたがすごいんだよな~



北口方面へ。路地を通ってグングン進みます。



一番街商店街も無視して住宅街へ。



看板、もう上になくてもいいっしょ。みたいな意思を感じる。



区の施設っぽい建物があるぞ



「北沢南区民集会所」。もはや北なのか南なのかわかりませんが、のぞいてみましょう






演劇禁止!!!!!!

ここで練習しようと思った演劇人、大打撃。



世田谷区の建物で、会議室が二つあるらしい。こんな立地なんだから演劇とかバンドとかやりたくなる気持ちはわかる。でも「演劇禁止!」って書いてある。悲しい。



目の前には公園があります。「どんぐりひろば」。



遊具はこれだけ。



あとこの、電灯。
たぶん、「電灯を緑が囲んでたらよくない?!」と思って花壇のど真ん中に設置したけど、点検しづらいから道作ったんだろうな。





注意書きがめちゃくちゃ多い。遊具より多い。



この花火禁止に対抗するかのように



花火っぽい絵が描かれている。切ない。

さてさて、駅前に戻りますよ~~。



あれ? 待って、ここ、寺があったよね?



あとかたもなくなっている。あれ? わたしの記憶違いかな?????

と思い、調べたら、ここにはやっぱり「真龍寺」というお寺がありました。毎年2月に開催していた「しもきた天狗まつり」のメインイベント「天下一天狗道中」が行われたり、このお祭りとお寺が「天狗まつりと真龍寺」として世田谷百景に認定されたり、地元に根付き、愛された寺らしい。

でも、今は移転して、本寺のある小田原に還ったらしい。
えっ、今後の天狗まつり大丈夫なのかな?



商店街に戻って来ました。急に人が増える。





「東洋百貨店」。ここは、再開発が決まって駅前商店街がなくなると決まった後、北口前のピーコックのオーナーの息子さん(「しもきた商店街」副理事長でもある)が「駅前市場の猥雑な雰囲気を残したい!」と作った場所なんだそうです。確かに、いろんなお店が入っていて、ごちゃごちゃしていて楽しいです。



ずっと気になってる古道具屋。昔ここで学校の椅子買ったことある。



井の頭線が見えます。左に曲がると北口です。



この場所は自転車がすごい。シモキタに駐輪場ってここくらいにしかないので仕方ないんですが、すごい。



暫定駐輪場。時間貸し駐輪場がオープンしたらしいけど、遠そうだし、駅前のこの場所に置きたくなるよね。





ということで北口に戻って来ました。

所感

よく、演劇をやっている友人と「下北は夢を持った若い人が集まる。でも、大人になれない人も集まる街だよね」とケラケラ笑うんですが、かくいうわたしもわりと大人になれないタイプなので、下北沢にいるとすごく居心地がいいんですよね。(ちなみに、下北に若い人が集まるようになったのは、砧と祖師ヶ谷大蔵に東宝の撮影所があり、その影響で映画に関わる人たちが下北沢に住み始めたのがきっかけらしい。)道も狭くて車が入って来ないから散歩しやすいし、迷路みたいだけど、いろんなお店があるから歩いていてわくわくする。良い街です。

10年前から通っているので、地元といえば地元なんですが、毎日来ているわけではないし、来てもいつも同じ場所ばかりに行ってしまうので、こんなにがっつり歩くのは初めてです。
改めて歩いてみて思ったのは「文化祭みたいな街」。街の中心部分はそれこそサブカルなお店が多いんですよね。(最近はチェーン店が増えましたが……。)で、どこのお店もワイワイしていて、いろんな音楽が聞こえてくる。それに、様々な目的で来た人が街を歩いているんですよ。友だちに会いに来たとか、買い物に来たとか。でも、一歩外れると閑静な住宅街があって、「あれ、本当に同じ街なのかな?」と少しそわそわしてしまう。そのときに「下北沢という街は、文化祭みたいだなー」と思ったんですよね。

あと、再開発については「昔の下北沢のほうが、昔ながらのお店がたくさんあって、楽しかった!」という気持ちもありますし、反対に「駅が綺麗になって嬉しい! 開かずの踏切がなくて嬉しい! チェーン店あって便利!」とも思います。わたしも大きな道路ができるのは嫌だし、大好きなお店がなくなってしまうのは嫌なので基本的には反対派なのですが、その一方で再開発後の下北沢がどうなるのかを見てみたくもあるんです。もし、道路や駅が変わってしまったとしても、「この街は再開発でつまらなくなるような街じゃない」という気持ちがあります。今までの下北沢がなくなるのは本当に悲しいし、嫌なんですが、こんなに愛される街ってなかなかないと思うし、こんなに面白い人が集まる街なら、きっと街が変わっても昔からある下北沢精神みたいなもので面白くなるんじゃないかな~、と思いました。そしたら「新校舎での文化祭」みたいな雰囲気になるのかな。そうだといいなあ。

参考資料

『シモキタらしさのDNA 「暮らしたい 訪れたい」まちの未来をひらく』著:高橋 ユリカ, 小林 正美 編:NPO法人グリーンライン下北沢

シモチカナビ

東洋経済 ONLINE 乗り換え改札設置「下北沢駅」は不便になるか

文春オンライン 下北沢工事中 なぜあんなに駅が複雑になったのか?

Huffpost 再開発反対運動を記録した映画『下北沢で生きる』。

SHIMOKITA VOICE

街はぴ こいぬの木にこめられた、下北の夢や想い

wikipedia 下北沢駅

wikipedia 本多劇場

wikipedia ザ・スズナリ

第53回 下北沢一番街 阿波おどり

下北沢ケージ

wikipedia 真龍寺 (世田谷区)

第86回「しもきた天狗まつり」



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北枕ふか子

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