散歩しながら音楽を開拓する

  • 更新日: 2026/09/03

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名付けて『サブスク検索散歩』

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お初にお目にかかります。大学生のAliceです。


みなさん音楽は聴いてますか?流行りのポップスでも、新進気鋭のロックでも、洒落た洋楽でも、伝統ある演歌でも、みなさん何かしら好みの音楽があると思います。
特に今はサブスクが主流な世の中。レコード屋さんやCDショップで吟味せずとも、ワンクリックで音楽を聴ける時代になりました。

効率厨にとっては非常に合理的なシステムですが、その水面下には現代ならではの弊害も起きております。それは、視聴履歴から好みの傾向を音楽アプリや検索エンジンに分析され、似た系統の曲ばかりがレコメンドされてしまうという事態。
そりゃ好みの音楽に辿り着くまでの手間は省けて便利ですが、楽曲との刺激的な出会い方ってのは確実に減りましたよね。

この問題を解消すべく、今回は普段なら絶対聴かないような楽曲との出会いを求め、街中で見つけた張り紙や看板、あるいはお店の名前に書いてあるワードで検索し、ヒットした曲を聴いていく散歩を執り行ってみました。



ひとまず降りたったのはここ、日本橋駅。



大学の夏休み初日。快晴に包まれた街並みを前に「散歩日和だぁ〜」なんて考えていると、四方八方からスーツに身を包んだやたら足早な人々が行く手を横切ります。よくよく考えたらここはオフィス街、しかも平日の真っ昼間でした。外に出れば当たり前に広がっている社会規範と、大学生活で堕落した自分の意識との差を勝手に感じてつらくなってきますね。

出だしからテンションが下振れ気味ですが、それもまた散歩のあるべき姿でしょう。ともかく、今日は私の気分を高揚させてくれる、刺激的な音楽に出会うことが目的です。この街に張り出された看板やお店の写真を、気になる限り集めてみましょう。




▲「うなぎのぼり」

曲名だとしたら絶妙に聴いたことないし、何より縁起がいい。




▲「マンツーマン」

家庭教師への恋心を描いたラブソングとかありそう。




▲「防犯カメラ」

ニコニコ動画で流行った『コンビニ』の歌詞には出てきてましたよね。




▲「ヒトトキ」

ひらがなと漢字の表記で「ひと時」はよく見ますが、全面カタカナ表記はあまり見ない気がする。




▲「涼しすぎ」

いいですね!単語一つより、ちゃんと文章になってる言葉のほうが刺激的な出会いにありつけそうだ。



候補が5枚集まったところで、1回目の答え合わせと行きますか。



一応少しでも音質を良くしておくべきかと考え、普段使ってるDAISOのワイヤレスイヤホンではなく、ちゃんと電気屋で仕入れた有線のイヤホンを持参しました。

幼少からすぐ物をなくす癖があり、なるべく高価な物を持ち歩きたくないのですが、1000円で買えるワイヤレスイヤホンで楽曲批評を行うことを考えると、作曲者様になかなか失礼な行為にあたる気がしたんですよね。なので今回は、私の所有物では高額な部類に入る4000円の有線イヤホンで拝聴していきます。


まずは、Spotifyで「うなぎのぼり」を検索してみましょう。ポチポチ……




【朗報】企画成立の兆し!

ちゃんと耳馴染みのない音楽がヒットしました。サジェスト最上部に表示されております、“ヤバイTシャツ屋さん”。大学入学後からバンドにハマりつつある私ですが、実際のところ『ハッピーウェディング前ソング』くらいしか、まだ聴いたことないかも。さっそく聴いてみましょう!



厳密には『うなぎのぼり』という曲名ではなく、アルバム名だったようなので、収録されてる中から適当に『創英角ポップ体』を拝聴しました。

ボーカル2人の声と演奏の雰囲気がのびのびしてて、ひたすら創英角ポップ体についての印象を語ってて、「散歩中に聴くには和やかでいいなぁ」と感じていたら急に転調して「まいばすけっと」って連呼し始めました。なんだこの曲。


せっかくなので、曲名が一致しているfishbowlさんの『鰻登』も聴いてみます。



カッコ良すぎるだろ!割とアイドルという存在そのものを倦厭してきた側の人間ですが、こうもカッコイイに振り切った曲を聴くと、ドルオタを通ってこなかったことを後悔しちゃいますね。
気になってYouTubeの公式チャンネルも覗いてみたら、この曲の公式MVが既に500万回再生されてました。うなぎ〜パパイパ〜イの一強だった、うなぎソング界隈に風穴を開ける存在になりそうですね。


ちなみに他の四つのワードで検索した時の結果は以下の通り。



楽曲とは関係ない、ポッドキャストやプレイリストしかヒットせず。割合的には最初の見立て通り、5分の1ヒットすれば御の字って感じかも。次もある程度素材を集めてから確認タイムにしましょうか。



だいたい要領は掴めましたね。日本橋周辺は割と歩き慣れていた部分もあり、新鮮味に欠けるなぁと思い立って別の駅へ。都営線の一日乗り放題きっぷを買っていたので、浅草線でこちらの駅。




新橋駅までやって来ました。キラーワードを求めて、次なる旅路へ出航です。




▲「大募集」

先程は見かけませんでしたが、掲示板の張り紙はこの企画にもってこいですよね。今回は「大募集」をチョイス。「〇〇募集中!」くらいの曲ならありふれてそうですが、「大募集」までいったら貪欲すぎて誰も共感できない曲になりそう。




▲「一頭買い」

「お前の人生一頭買い」みたいな。俺様電波ソングの爆誕ですね。




▲「美観」「防災」

接点を感じないながらも、並べてみると使い所は共通してるのかもと思ったワード2つ。なんとなく惹かれて写真に収めましたが、完全一致は難しそうなので、個別に検索します。




▲「脂肪吸引」

クリティカルヒットを求めすぎると、こういう変なワードに行き着くんですよね。サブスク散歩ビギナーはこういう沼に嵌まりがち。




▲「長谷川画廊」

別に歌手名でもウェルカムだよなって思って撮りました。なんせ「長谷川白紙」は実在するんですから。長谷川画廊も多分います。従兄弟にいます。




▲「-4℃」

『摂氏九十一度』って曲はあるんですよ。5〜6年くらい前のボカロ曲なんですけど、今でも結構お気に入りです。似たようなタイトルですから、自分の好みにクリーンヒットするかも。



さてと。いい感じに候補も出揃ったので、二度目の答え合わせといきましょうか。さっきまでSpotifyを使ってましたが、無料会員なせいで広告が鬱陶しかったので、ここからはAppleMusicで。いい加減ファミリープランの滞納金を支払わなきゃだな。




「大募集」「一頭買い」「脂肪吸引」 OUT!!




「美観」「長谷川画廊」 OUT!!


なんと5連続ノーヒット。やったことないから知らんけど、モルックだったらコールド負けで退場です。ちなみに「防災」は一応ヒットしましたが、ジャケ写やタイトルから明らかに童謡っぽい雰囲気が漂ってきたため、「つまらなさそう」という身も蓋もない理由でスルーしました。趣旨ワイ。

ここまでの惨敗っぷりに半ば諦めつつ、一応「-4℃」も調べてみると、




「-4℃」こそありませんでしたが、CHIHIROさんという方の『4℃』がヒットしました!企画的にもここが妥協点ですね。早速聴いてみましょう。



なるほど、なるほどね。蝉が鳴いている季節に聴く曲じゃねぇなこれ。寒くて少しずつ君の温度冷えてるらしいっすからね。

すっかり真夏の気分で『4℃』なんてタイトルを再生してしまったので、かき氷食ってはしゃいでるような曲を期待してしまいましたが、冬ソングだと僅かに残った温もりを憂いてしまうんですね。勝手な話で申し訳ないけど、しっとり系の気分じゃないんですよ今は。ご飯屋さん選びと同じで、ロケーションと噛み合ったタイトルを見つけるってのが、サブスク散歩の充実度を向上させる為の肝になりそうです。





てことで散歩ターン再開。尺的にこれがラストですね。現在地はGINZA SIXの周辺の裏道。新たなキラーワードを求めて散策開始です。




▲「玄関」

玄関出入口につき、どうすべきかは不明瞭な看板から「玄関」を拝借。予想としては、生活感のある微笑ましい曲か、背筋の凍るホラーソング、サトウのごはんのCMソングの3択ですね。あれの正式名称は誰も知らないからね。否定はできなかろう。




▲ もはや関係ない画像 その1

過去にエスカレーター目掛けてチャリで突っ込んだ奴がいないと説明のつかない看板があったのでつい。




▲「えび天」

天ぷらの中ではまだ、単体で主役を張れるポテンシャルありそうですよね。これが「さつまいも天」だったら絶対スルーしてた。




▲「マラソン大会」

左の大惨事ポスターも気になるけど、「マラソン大会」はいいラインかも。
けいおん!の澪ちゃんも、マラソン大会中に作詞してましたから、過去37回もやってたら同じ経緯で作曲まで漕ぎ着けた猛者がいるかもしれない。




▲ もはや関係ない画像 その2

空が澄んでたのでつい。




▲ 「久石譲」

人集りができてるなぁー、何だろー?と近づいてみたら劇場がありました。もののけ姫の公演があったらしく、ポスターにしっかり「音楽:久石譲」と書かれてます。
新鮮味を感じられるかは怪しいですが、検索したらヒットするのは確定なので、万が一の保険枠としときましょう。




▲ 「ナツミカン」

たまに公園にあるボーナスステージですね。植物の名前なんて絶対ヒットするでしょ。
「ユキヤナギ」や「クリスマスローズ」も植えられていましたが、『4℃』での反省を糧に季節感のマッチしてそうな植物をチョイス。




▲ 「采女橋(うねめばし)」

盲点でしたが、地名は高確率でヒットしますよね。名前のイメージ的に湿っぽい曲の予感はするけど、つべこべ言わずに良しとしとこう。




気がつけば築地周辺まで来てました。意外と歩けるもんだな。




▲ 「産地直送」

せっかくなので市場からもエントリー。SAN値が直葬されるようなナンバーに期待。




▲「ドライアイス」

「低温ヤケド」を失恋の痛みに例えた曲とかありそう。友達の少ない女子中学生が聴いてそう。歌詞にひらがなの小文字がいっぱい入ってそう。友達の少ない女子中学生がLINEのステメに歌詞貼ってそう。



ということでかなりの候補が出揃いました。「玄関」「えび天」「マラソン大会」「ナツミカン」「采女橋」「産地直送」「ドライアイス」そしておまけの「久石譲」。個性極まる謎メンツ、ダイイングメッセージだったらお手上げもの。果たして何件ヒットするかな〜?








奇跡のオールヒット!!完全一致といかないまでも、すべてのワードで曲がヒットしました。
確かに2回目までよりは置きにいったつもりでしたが、にしたって打率10割て。このゲームは攻略したも同然でしょう。

しかし、この企画のゴールは今まで見向きもしなかった音楽との刺激的な邂逅に尽きます。ここからがもうひと勝負。順繰りにレビューしたりましょう。7曲もあるので手短に。




テンポが良い!




スルメ曲!




声が可愛い!




元気が湧いてくる!




陽気なミュージカルで歌われてそう!




シニカルポップ!




ラスサビ前のギターが良い!



聴き終えました〜、全楽曲。久石譲に頼らずして、一日を通して10曲もの音楽と邂逅を果たせました。今日聞いた中で最も気に入った曲はというと、やはりfishbowlさんの『鰻登』ですかね。詞や曲に気高さや闘志を覗かせつつも、ラスサビ前で弱気な部分を見せるのが、一枚岩じゃない部分を感じて好きですね。

ちゃんと今まで聴いたことのなかったアーティストの曲を発掘できてよかったです。fishbowlさんのこれからのご活躍にも期待したいところ。

それこそこの先、グループの知名度が更に上がった際に、近しい友人か、或いは渋谷周辺をうろついてるZIPのリポーターとかでもいいでしょう。「fishbowlってグループ知ってる?」と尋ねられる日が訪れたら、私の答えはもう、ただ一つです。


「知ってる知ってる!前に日本橋周辺を散歩してたとき『うなぎのぼり』っていう居酒屋を見つけたの。で、試しにSpotifyで『うなぎのぼり』って検索したら出てきたんだ!はるねちゃん可愛いよね!!」


ーーー 事実は嘘松より奇なり。








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Alice

さんぽに夢中になると写真を撮り忘れがち。

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