たぬき警察が発動!? 東京タヌキスポットツアー

  • 更新日: 2019/09/03

たぬき警察が発動!? 東京タヌキスポットツアーのアイキャッチ画像

日本全国のタヌキ愛好家に朗報だ。マニアのマニアによるマニアのための「タヌキスポットツアー」や「タヌキ大学」が、この先も開催されるらしいぞ!


 タヌキ愛好家のあいだで日々使われている、「街角狸」(まちかどたぬき)というTwitterのハッシュタグをご存じだろうか。

 日本たぬき学会会員、狸愛好家むらたぬき(@tetsuro5)さんによる、「世界中街に散らばったタヌキたちをSNS上で一堂に集める」趣向を持ったタグである。

 これがけっこう広まっていて、日本全国の狸マニアが街のあちこちに潜む狸を見つけては写真におさめ、タグ付きでツイートしている。それがさらにリツイートやイイね!で拡散されている状態だ。タイムラインに数々の狸がおどる。これを見るのがとってもたのしい。



 そんななか、『史上初!狸だらけのトークイベント「タヌキ大学」を開催します。 狸好きのあなたもそうでない方もディープな狸話で盛り上がりましょう! 』というツイートがまわってきた。しかも、プレイベント(参加は無料) として、「タヌキマニアと行く東京タヌキスポットツアー」 までもが準備されている。これは行くっきゃないでしょ!


 ということで、行ってきた。

▼「三軒茶屋駅」男性トイレ前に掲げられたポスター、渋谷推し


▼女性トイレのマークに目をうばわれる。どこかへ向かう途中?


 13時、三軒茶屋駅の北口AとBの看板前にて集合。

 ここに、「タヌキマニアと行く東京タヌキスポットツアー」参加メンバーが、なんと20名以上もの人々が集まったのだ。

 続々とあらわれるタヌキ愛好家の皆さん。「見た目」から、あふれでるタヌキ好き!本当にさまざまな人がいた。

 たとえば、涼しげな狸柄のゆかたを着た人、まるで狸が化けたようなリュックを背負った人、超リアルな狸のお面とはっぱをつけた人、全身が狸にみえるコーディネートの人、狸イラストのTシャツを着た人など、タヌキ愛いっぱいな人々ばかり!

 狸っぽさのない、ごくごくフツウの普段着でやってきてしまったわたし……。きっちりと、集合時間には間に合ってるのに、どことなくお祭りに乗り遅れた気分である。くーっ、くやしい!!

▼「三軒茶屋駅」北口AとBの看板前


 初開催となる「東京タヌキスポットツアー」のガイドをしてくださったのは、日本全国のタヌキスポットを訪れた!という狸トラベラーの「たぬきたぬえ」さんである。たぬえさんに引率され、 井の頭線と京王線沿線のタヌキスポットを探訪しよう! というのが、この旅の趣旨だ。わくわくするー!



 わたしも、「街角狸(まちかどたぬき)」のハッシュタグを付けて狸発見のツイートをすることは時々ある。しかし、気を配っていても、これがなかなか見つからない。びっくりするくらい目立たないところに、本当に、本当にひっそりたたずんでいることだってある。

 単に、じぶんの狸センサーが働かなくて、ただただ見落としている場合もある。だから、一度通った道で、「あれ? いるじゃん!」なんて気が付くと、あの時は化かされていたのかな、なんて思ってしまう

 よって、狸トラベラーが選ぶ「珠玉のタヌキたち」を見てまわるのが本当にたのしみだった。

▼細い道々をゆく世田谷のタヌキスポットツアー


 狸トラベラー・たぬえさんを後追いするタヌキ愛好家たち。スッスッスッと、けっこう早足で進んでいくので、鈍足のわたしはついていくのが精いっぱいだった。事前にツアーの詳細マップを入手していたのだが、どれくらい歩くのか? 距離感があるのか? という規模感は、それを見ても正直ピンとこなかった。しかし……、

 「次のたぬきまで20分歩きます~!」

 「もし、途中で街角狸を見かけたら教えてくださ~い!」

 「みなさーん、ついてきてますか~!」

 朗らかな掛け声とともにズンズン歩く、たぬえさん。速い。めちゃくちゃアクティブだ。全国のタヌキスポットを網羅したというのは伊達ではないな、と思えた。うおーっ! がんばってついていくぞ。

▼第1タヌキ発見。……民家だ、いいのか(笑)!?


 野生の「街角狸(まちかどたぬき)」は、どこにいるか分からない。

 ふと、疑問になり質問してみたのだが、商売をするお店の玄関でタヌキをよくみかけるワケは、「他を抜く」という意味合いが込められているからだという。なるほど……!

 では、自宅の周辺にタヌキの置物をそえる習慣というのは、そういえばなぜなのだろうか? こういった素朴な疑問が「東京タヌキスポットツアー」のなかでポンポンわきでてくる。そして、知っている人が丁寧に教えてくれたりするのだ。



▼地元の小学生や、日本語ペラペラな外国の人が行き交う


 「すみませーん、ちょっと横を通りまーす」

 振り向くと、流ちょうな日本語を話す外国の方が、大きなキャリーケースを運んでいるのだった。タヌキに夢中になり、道を遮ってしまっていたのだなと気づき、慌てて「ごめんなさい」と会釈した。「いえいえ、どうも!」と、にっこりされてホッと胸をなでおろす。ごく一般の住宅街を団体20名以上の人々で行くツアーだったので、まわりにも目を向けなきゃな、と思った。

▼ツアーの予定にない野生の「街角狸」発見!


▼ちいさくてかわいい。ひょこっと首をかしげてこちらを見ている


 実は、「こんなところにも狸がいるよ!」と、参加者が新たなタヌキスポットを見つけるパターンが数回あった。商店街のショーウィンドウに、ごく小さな狸が1匹いたり、店先に並んでいる鉢植えの奥にちょこんといたり。スーッと通り過ぎてしまうそうなマンションの玄関先にいたり。ひそんでいそうなところが直感で分かるという、その目利きがすごい

▼緑道には動物・花・虫・魚などの絵がたっぷり


▼「これは狸じゃない!」と追及するタヌキ警察が発動


 これはタヌキなのか? アライグマなのか? という疑問。

 川の水で両手を洗っているのもアライグマらしさが現れているけれど、もっと先に見ておきたいのは「しっぽがシマシマ柄」な点。これはすぐに「タヌキじゃない!」って判断材料になるらしい。

 描いている本人はタヌキのつもりでいても、そこが違うと、狸マニアによる狸ジャッジにより「違うんだなあ」となるわけだ。街角でじぶんがそんな「タヌキ警察」になるとは思わなかったが、突然の「〇×クイズ」みたいな状況にけっこうハマってしまう。

▼タヌキの持つ酒瓶に蛇口があって給水できる!


▼置物だと腹のふくらみ具合(重さ)でも値段が変わるらしい


▼人間も含め動物はみんな玉の大きさが左右違うらしい


 大勢のオトナたちがぞろぞろと給水タヌキを取り囲んでいるので、ご近所さんが「えっ! なにごと!?」と声にだして驚いていた。呆然と立ち尽くすご婦人に、「実は狸マニアの集まりで……」と説明する、たぬえさん。


 「観光みたいなもの? へえ~1 こんなことあるのねえ」

 「狸目当ての団体ってはじめてだけど、作った人がきっと喜ぶよ」

 「町内会長にこんなことがあったよって教えておくわね~!」


 好意的な言葉をいただくなか、ふと、なんとなしに横を見た。ちらり。

 ん……? わき起こる違和感。なんだろう? まじまじと眺めてみる。すると……、あれ? なんかいる。なんかいるぞ! いかにもタヌキが化けていそうなものと目が合ってしまった。

▼お分かりいただけただろうか……?


▼看板の屋根(タヌキの笠)の下にひょっこり


▼実は、全体がタヌキ。よく見ると「玉」もある!


 狸トラベラー・たぬえさんからも、「すごい! 何度か来てるところなのに、このタヌキに気づかなかった!!」と。そう、このツアーのなかでは、わたしが第一発見者なのである(えっへん)。しかしこの看板タヌキ、気づいてしまうともう狸にしか見えなくなるのだが、はじめは半信半疑だった。テンションの上がったわたしは、

 「下のほうにぶら下がってるの、玉ですよね!!

 と、まわりに同意を求め始めた。いくら狸マニアの集まっている場でも、ふつうの公園の一角でその発言は、ヤバい気がする。けれども、すぐさま「玉ですね!!」と返ってきたから、みんな狸には盲目なのだなあ、と。



▼「三宿たぬきのポンポ公園」は小学生が発案した遊具も!


 手づくりのあたたかみを感じる、「三宿たぬきのポンポ公園」出入口にある見守りタヌキ。文字板がすべてオリジナルのデザイン。こういう、子どもたちの記憶に残るまちづくり制作(政策)にじぶんが関われたらうれしいだろうなあ。

▼遊具「たぬきの動かぬ城」、ネーミングセンスが光る


 遊具の名前が、「たぬきの動かぬ城」。きっと、ジブリのアニメ作品にある「ハウルの動く城」から着想を得たのだろう。いつでもここにいるからあそびにおいで! っていう和やかな雰囲気があって好き。

 「たぬきの動かぬ城」は、三宿小学校プロジェクトTの子どもたちが考えたものらしい。Tって、タヌキの頭文字かな? すべり台や、クライミングのできる遊具の中央部分では、近所の小学生が4~5名ほど集まっておままごとをしていた。カメラを持つ狸マニアの大人たちに囲まれ、「えっ!!! なにあれ! 逃げる? 逃げる?」と爆笑しながら大声で相談していた。やはり、ふだん静かなところだから異様な光景に見えたのだろう。いや、お騒がせして本当にすまない。

▼防犯用かまどにも狸が潜んでいたかもしれない


▼タヌキとキツネの壁画も、小学生たちの手作り


 「しっぽ、シマシマじゃん!」と、例によってわたしのなかのタヌキ警察が発動してしまった。子どもたちがデザインした壁画だと思うと、強くは言えない。それ以外はすごく特徴をつかんでいて、すばらしいなあと思うのだけど。

 そして、「協力」を意味するのであろう「協」という文字が真ん中にある。タヌキとキツネが手と手を取り合って何をするのだろうか。いくつもパターンが想像できて、たのしい。

▼東急電鉄・世田谷線の「三軒茶屋駅」に進む


▼千歳烏山(ちとせからすやま)駅の西口で降りる


▼東京タヌキスポットツアー、電車の線路沿いを進む


▼いた! 街角狸(まちかどたぬき)が、いたゾー!!


▼遠慮せずドラップでじっくり眺めたい


 たぬえさんについていけば、自然と「街角狸(まちがどたぬき)」に出会える観光ツアーだったが、そう分かっていても、実際に狸がいるのを見ると気持ちがたかぶる。「いたー!」と叫んでしまう。これって、なんなのだろう。くり返すが、タヌキ関連のモノって探そうとしても案外見つからない。それが体感で分かっているから、フィールドで宝箱を発見したような気持ちになるのかもなあ。


 そして、観察が始まる。

 狸の耳の位置や、おなかの大きさ、口が開いているかどうか、玉の大きさ、胸のふくらみ、持っている酒瓶の雰囲気など、じっくり見ると一体一体ずいぶん違うのが分かってくる。

▼タヌキまみれの「常福寺(じょうふくじ)」に到着


▼タヌキ初心者なのでこの光景にあ然


 Twitterで「街角狸(まちかどたぬき)」のハッシュタグを追いかけて間もないせいか、目前に広がるタヌキまみれの常福寺に、正直ひるんでしまった。

 こんなに狸の置物が集結しているところを今まで見たことがない。失礼だけれど、常軌を逸しているとまで感じてしまった。しかし、そこが魅力でもある。これだけのタヌキがいるのは、主がタヌキ好きで個人の趣味で集め始めた経緯があったりするという。

 そう聞くと、時間をかけてじっくりコレクションをしているだけなのだよな、わたしにも似たところがあるじゃないか、と思える。ただ、けっこう価格の高いものもあるそうので、そこはさすがというか、すごい執念だなあと。

▼かわいい! 何匹いてもいいと思えちゃう


 3匹とも、全部ちがうかわいさがある。手持ちのアイテムも、一瞬をとらえた表情も、生活が垣間見える体形も、なにもかもが違う


 ここで、イメージの話をしよう。

 じぶんのなかで、たとえば「雪だるま」や「テルテル坊主」や「スライム」あたりを想像してほしい。だいたい、描いてみるとまわりの人と似たようなデザインができあがると思う。多少の差異はあっても、特徴と呼べるほどの差異やこだわりはない仕上がりじゃないだろうか。

 タヌキも「こんなかんじだよね」像が共通している気がする。でも、いろんな「街角狸(まちかどたぬき)」に出会うことで、こんなにもいっぱいあるタヌキをぼんやりしたイメージでとらえてしまうのって、ちょっともったいないことだなあと思うようになった。ただ、それって何にでもいえることなのかもしれないけれど。

▼ふてぶてしさが伝わってくる、酒樽をドヤ顔で持ったようなタヌキ


▼「アベック」という言葉が流行った昭和時代のタヌキ


▼たこつぼに群がるタヌキたち。発想がすごい


▼口を閉じていることに意味ありげな和尚さんタヌキ


▼芸者のいる「お座敷」の現場セットのような3連タヌキ


▼タヌキが化けている分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)


▼水子地蔵の傍にタヌキたちが寄り添う


▼タヌキの恰好や状態にはどんな意味があるのか?


 東京タヌキスポットツアーでは、参加している散歩者のマニアっぷりに触れられるのが、かなりたのしい。特に、わたしはタヌキ業界では超新参者でフラッとツアーに立ち寄ってみた、くらいの感覚だったから、知らないことだらけ。「これってどういう意味なんですか?」とか、素朴な疑問にもじゃんじゃんつきあってくれる人たちばかりだった。

▼「この雰囲気、居そう!」というスポットには、やはりいる


▼常福寺(じょうふくじ)のアベックよりメスがうっとり気味


▼店の裏にもいるのでは?と駆け出すタヌキマニア一同


 鬼太郎の特殊技能「妖怪アンテナ」のタヌキ特化型みたいな、ビビッとくる狸センサーをマニアは持っている。「タヌキこういうところに置かれがち」視点で街を歩くと、それっぽいところはすべてスルーできなくなるからこわい。本当に立ち止まって見に行ってしまう。

▼「タヌキ大学」で、 第一回目の講義をきく


▼開催場所の前には、主催者の持参したタヌキの置物が


▼カフェのカウンター席でじっくり受講してきた!


▼マニアフェスタでも販売されるタヌキグッズがずらり


 「東京タヌキスポットツアー」の参加者が約25名いたのだが、「タヌキ大学」のみ受講する方も別途10名以上はいたと思う。カフェ店内、椅子がすべて埋まるくらいの大盛況だった。これが1つめの講義で、この先も地域を変えてツアーや大学が開催される見込みだというから、愛好家としては本当にたのしみだ。日本全国まわりそうな予感。ついていけるかなあ……。


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Cooley Gee

ヒカセン(光の戦士)の皮をかぶった栗。
『FINAL FANTASY XIV』プレイヤー。
雑多な「すき」を追うひと。
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