太陽の塔は圧倒的じゃないか - 万博記念公園

  • 更新日: 2018/12/27

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圧倒的

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あの塔を目指して



おれは突如として新幹線に乗って大阪に行くことがある。札幌生まれ鎌倉育ち横浜在住のおれにとって、関西は遠い。そして、この素敵なビルがどこの駅だか、もう忘れてしまった。



おれは長いこと湘南モノレール沿線の人間であった。だから、モノレールという言葉に弱い。とはいえ、おれが認めるのは懸垂式モノレールだけだからな。とはいえ、なかなか味のある駅名が並んでいるように思える。そして、「山田」という駅があるということを初めて知る。





モノレールは来る。



万博記念公園駅を降りる。ほんの少し歩いて、それは見えた。




太陽の塔・イン・ザ・プレイス・トゥー・ビー。



まさしく、太陽の塔。本物。おれは川崎の山の方にある岡本太郎美術館にも行ったことはあるし、展覧会も見てきた。だが、太陽の塔を見ていない。生きていて見る機会があるかどうかわからないが、見ることができるなら見たいと思っていた。それが、眼前にある。



いや、いったん落ち着いて周りを見よう。モノレールのレール、高速道路。なんだこの近未来感は。実にすてきじゃないか。おれはこの場所を一気に好きになってしまった。



すると、見慣れた「赤い電車」が駅に滑り込んでくる。神奈川県民にとっての京急。いや、そのまんまだが。京急、こんなところまで延伸していたのか。快特なら大阪から2時間くらいで青物横丁あたりまで行けるんじゃあないか?



そして、青い電車。どこかの駅もガンバ推しだったが、ここらあたりガンバ大阪のお膝元なのか。おれはメキシコ代表以外のサッカーにあまり興味がないので、ガンバ大阪が日本サッカー界においてどのような位置にあるのか知らない。地元民に愛されているなら、それはそれでいいことだろう。




行くべきところ、万博記念公園。本日は晴天なり。




万博に関するであろう、だれか。太陽の塔の顔のモデルになった人かもしれないし、地主だった人かもしれない。




関西におけるM-1。初見だったが、見取り図は面白かったと思う。ただ、トップバッターというのがどうしても不利だったし、尺ももうちょっと欲しかった。ちなみに、この日はラーメン万博のようなイベントをやっていて、このように芸人さんが来るのだが、見取り図の日ではなかった。乳首が三つある芸人さんが来ていた。副乳というものの存在は知っていたが、奇数ということもあるのかと、少し意外に思った。



ガンダム、そしてシャアザク。現代的な意匠を施されたガンダム、そしてシャアザク。しかしおれはもう大きなRX-78-2は見飽きたと言っている。おれが大富豪だったならばガブスレイのフェダーインライフルを装備した実物大マラサイを作らせたりするのだが。
……と、ここで、大阪の案内人である子持ちししゃもの人と合流する。EXPOCITY内で大阪名物のガパオとセンレックナームを食す。子持ちししゃもの人は、第三回文学フリマ京都 (2019/1/20)にて、おれの薄い本を出すと決めて、過去のブログから記事をピックアップし、DTPまでしてくれる奇特な方である。サンポーにも寄稿しているライターでもある。今回はその打ち合わせを兼ねての大阪行きだったのだが、大阪案内までしてくれて感謝しかない。



で、万博記念公園に入る。有料の公園である。そして、入ってすぐに太陽の塔。でけえんだ、これが。すごくでかい。すごくでかいよ兄さん。兄さんってだれ?



改装中なのか案内図がすごいことになっていたのはともかくとして。




なんか太陽の塔が可愛くデフォルメされているのはともかくとして。



ともかくすげえんだ、太陽の塔。とくに、この「黄金の顔」……おれは黄金頭を名乗っているが……とくに関係ないのだが、まあおれはこの部分がすごく好きで。これ、なんだと思う? なんなんだろうね? なんでもいいんだけれどね。



そしてまあ、でけえ。すごくでけえ。想像以上にでけえ。鎌倉の大仏よりでけえ。すごい圧がある。有無を言わさぬ力がある。圧倒的だ。



裏に回り込んでみれば「過去の顔」という。これがまたかっこいい。すげえかっこいい。もしも背中に入れ墨を入れろと言われたら、このデザインにしてほしいと思うくらい、いい。もう、「うわー、すげー、いいなー」しか出てこない。おれは以前より太陽の塔のデザインが好きだったが、実物を見てさらにファンになった。大ファンだ。
当初、万博終了とともに取り壊しの予定だったというが、こんなん残して当たり前だろう。残さなくてどうする。よくぞ残してくれた。そして、これは後世に残さなくてはならない。奈良の大仏、鎌倉の大仏、大船の観音様(これはちょっと弱い)、えーと、牛久の大仏、金閣寺、銀閣寺、なんでもいいが、ともかく、ここに日本という国があったのだ、というレベルの未来にまで残されるべきだ。人類が滅んだあと、宇宙人がやってきて、「なにこれ?」と宇宙語で言う、そういうレベルのものだ。



で、EXPO'70パビリオンに入る。「人類の進歩と調和」の清刷など展示されている。なんか、エヴァ風だよね。というか、エヴァがこれ風なのか。1970年から、人類は進歩したのか、調和したのか。それとも、過去・現在・未来、バカなのか。まあ、バカでもいいと思うけど。



ピクトグラムというものも、この万博(あるいは東京オリンピック)あたりから普及していったものらしい。このところ、「P」のピクトはただ「P」ではなく、車の意匠が取り入れられるようになったのだが、まあ進歩していると言えるのか。



どこかのだれかの万博の思い出。「繋」が「撃」になっていて物騒と思った。ただそれだけ。ちなみに、携帯電話などない万博、大人も子供も迷子になった。その数字も展示されていた。しかし、一番目を引いたのは「出産1人」。「もう産まれそうだけど、万博には行かねば」という思いだったのだろうか。産まれた子供には万博由来の名がついたのだろうか。ストレートに「万博」というのも(読み方はわからないが)人名らしくはある。女性ならば博子さんだろうか。万の方を使っては、あまりよくないかもしれない。



公園は、広い。ソメイヨシノの並木。万博のときに植えられたのか、当時から成木だったのか、それとも公園整備で植えられたのかわからぬ。わからぬが、わりと年季が入っていて、そろそろ植え替えを考えるべきと思えた。植え替えるならジンダイアケボノになるのだろうか。



ゴミの分類についての考察。



スタンダードな四カ国語表記。とはいえ、これを限られた表示面のサイズに詰め込むのはわりとたいへんなのである。いずれはGoogleのカメラアプリなどがなんとかしてくれるのかもしれないが。というか、印刷された地図、というものがなくなる可能性もある。今度の万博、いっそのことそのあたりに挑戦してみてはどうか。



遠くからでも絵になるよな。



ラーメンを持ち出したらいけないよな。それはもう……きっと大変な惨事になる。



いきなりのトーキョー・ヘア・カット。今、おれもいきなりこれが出てきて動揺している。そうだ、これは公園内の国立民族学博物館。外観の写真もなしに、いきなりだ。この中から選べと言われれば、WAVESだろうか。トーキョーは摩訶不思議である。国立民族学博物館の中については、子持ちししゃもの人がいずれ書いてくれることだろう。まあ、こういう博物館とかは、ツッコミどころを言い合える人と行くのがいいよな、と思う。真面目な民族学の徒でもなければ。



「はらぺこあおむし」、字の方向が右からだと、絵も反転するという知見。




「これ、頭三ついけるんじゃね? ついでに腕にも一体いっとくか」というモッタイナイ精神。



あるいは、ただの過剰好み。



BMW。しかし、いったいこういう収蔵品はどのように収集するのだろうか。金で買うのだろうか。それとも、同等品以上のバイクと交換するのであろうか。そのあたりの生々しい話を知りたい。今どき、大英博物館のように植民地から収奪、というわけにもいかないのだろうし。




ふたたびの太陽の塔。暮れてくる空にもよく馴染む。
次の大阪万博、これを、この太陽の塔を乗り越えなければならない。少なくとも、これに並ばなければならない。それは並大抵のことではない。岡本太郎は何十年ではなく百年単位に一人の芸術家だろう。そして、太陽の塔は千年単位の何物かに違いない。健闘を祈りたい。

大阪、梅田、たこ焼き



いきなり場面が飛んで大阪の、梅田の(よくわかっていない)、地下の、喫茶店である。大阪インディジェナスである子持ちししゃもの人に後をひたすらに従って付いて行ってたどり着いた。元はキャバレーのようなところであったらしい。禁煙県である神奈川の県民にとって、店内に渦巻くタバコの煙に少し懐かしさを覚える。もっとも、おれは金がなくて喫煙をやめた人間で、根は喫煙者なのだけれど、他人のタバコの煙は苦手だ。わがままだ。




伝票にも味がある。ジョニ赤をアッピールするところもいい。「パーティ予約」のところの、なにか直訳日本語風の文章もいい。「よい雰囲気とセンス」だ。本当に。



「記帳、計算、事務」というのが、なにやら昭和感があっていい。そして赤い文字での「パソコン使用」のご遠慮希望。MacBook出入り禁止、ここはスタバじゃねえんだ、というのが伝わってくる。高家賃に負けずに頑張ってほしい。駅前というか、駅の中なのか、駅の地下なのか、おれにはさっぱり自分の居所がわからなかったのだけれど。



メニュー。タマゴトーストがあり、タマゴサンドがあり、ホットドッグ(タマゴorウィンナー)である。はたしてタマゴが挟まったものをホットドッグというのかどうかわからない。というか、タマゴ三品いっぺんに頼んでみたいと思った。「勘弁してください」とか言われないだろうか。ちなみにおれはこの日、「ミックスジュース」を注文した。思っていたより甘くなかった。嫌いじゃない。




地下の自動販売機。横浜で言えば寿町値段。いや、それ以下か。いちいちキャッチフレーズをつけているあたり、商売人のすることと思える。




そしてまた、謎のダンジョンをスイスイ進める人のあとに付いて新梅田食道街。キラッキラのデパートの隙間に、いきなりの異世界。




目的はたこ焼き。地元民も推すという「はなだこ」。少しの待ち人。並んでみると、あとからあとから列が伸びる。が、意外と早く捌ける。持ち帰りの人も多い。われわれはカウンター。おれはビールを一杯。水は無料。



ザ・たこ焼き・オブ・たこ焼き。これ一つで大阪のたこ焼きのすべてを語れると思うなよ、というところだろうが、代表的なところを一ついただいた、とは言えるだろう。なるほど、外も中もふわふわ。タコも大きい。正直、脳にガツンと来るような衝撃はなかった(というか、そんな料理はどれほどあるのか)。でも、たこ焼きってこういうのだよな、と思った。ビールにもよく合う。あっという間に食べてしまった。やはり、うまいのだ。



その後、おれはビジネスホテルで一泊した。なにやらいかがわしい店も多い界隈で、真面目なビジネスホテルだった。夜、ホテルプリンスは、「ス」の電飾が消えて、「ホテルプリン」になっていたが、朝になれば関係ない。朝食のビュッフェ、ご当地メニューとしてたこ焼きがあったが、朝からたこ焼きは避けた。しかし、串カツは食べた。どて焼きと、船場汁もいただいた。散歩には体力がいる。



そして、また歩くのだ。いずこかへと、ジョニー・ウォーカー(赤)のように、颯爽と。



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黄金頭

横浜市中区在住の労働者。「関内関外日記」というブログを書いています。

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