中央防波堤を歩く

  • 更新日: 2021/08/24

中央防波堤を歩くのアイキャッチ画像

お台場の先の不思議なエリア

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中央防波堤をご存知でしょうか。お台場の先にある埋立地です。




基本的に倉庫やゴミ処理施設としてしか使われておらず、生活の気配のないエリアです。
1973年から埋め立てが開始されたにもかかわらず2年前までは江東区と大田区で帰属について揉めており、住所も定まっていませんでした。

参照:中央防波堤埋立地の帰属について

その領土問題も江東区79.3%、大田区20.7%と一応の決着を見て平和が戻ってきた中央防波堤。
東京テレポートからバスが出ていて一般の人でも立ち入ることが出来るそうなので、今どんな感じなのか確かめに行きました。


12:46 出発



スタート地点はこちら。りんかい線の東京テレポート駅です。




一般の人の為の駐車場などもないため、基本的にはアクセス手段はこのバスのみです。
本数はかなり少なくて、なんと日曜は9時台の一本しかありません。ちなみに帰りの便も一本しかないので、日曜はあちらでバスに乗り遅れると詰みます。
今日は日曜じゃないので良かったです。




乗車。他の客も少なく心地いい車内でした。




車窓から見えた木々。バスの窓ガラスの色も相待ってどこか幻想的な感じに。




トンネルに入って、


13:01 到着



着きました。
早速資源ゴミたちが出迎えてくれました。




反対側にはこんなかっこいい建物が。FF7みたいですね。やったことないけど。




付近にお店は一切ありませんが、コストコのコンテナならありました。




自転車。捨ててあるのか止めてあるのかわからない。願わくば拝借してスイスイ散歩をしたいのですが、さすがに良心に止められました。




さっきから同じような道をぐいぐい歩いています。すると、




白い砂だ〜。
地慣らし的なことをしていたんですかね。急に視界が広がるのでテンションが上がります。




盛り砂。貝塚みたいですね。




奥へ進むとカラーコンで道が作られていました。6月の強い日差しとむき出しの砂をみて、ふと運動会を連想してしまった。




ちなみに素晴らしい白い砂のゾーンは、このようにコンクリートで舗装されていくようです。
白い砂のままのほうがグッとくるのにな。




さ、進んでいくとここで道が分かれています。



右はこう。



左はこう。
知らない土地で雰囲気の良いほうへ進むのは散歩の醍醐味ですが、さすが中央防波堤、どっちに進むかの判断材料がものすごく薄い。
なんとなく左に進むことにしました。理由はないです。




安全島(横断歩道の途中のスペース)からみた右側の景色。長く道が続いている。このエリアに横たわって昼寝したいねぇ。




逆に左側。よくある黄色いやつがポツンと存在してます。写真を見返して思ったんですが、どこか寂しい背中ですね。ちなみにこれはブリンカーライトというそうです。へえ〜。




最優先が捨ててあった。




すごい形の島だ。ここで1人でテントを建てて誰とも関わらないで読書してみたい。




海を挟んで反対側にはお台場が見えます。楽しくて煌びやかなお台場と、無機質で地味な中央防波堤。全く違うようですが、どちらも自分にとっては同じ非日常の風景と言えます。




角を曲がってどんどん進むと急に緑の多い風景に変わります。




ここがお台場からバスで15分だとは思えないくらい自然に溢れた風景で、離島に来たのかと錯覚してしまうほど。まあ離島ではあるんだけど。




電信柱に住所が書いてありました。たしかにこの辺りは木々を挟んで海に囲まれているので、『海の森』って名前がとても似合います。
海の森はごみの埋立処分場だった場所で、1986年埋め立てが終わった地域なのだそう。




午後ティーの黄色が沢山捨ててありました。繁殖したのかな。




カッコいい台車のようなものの終の姿。




マックのゴミ。最初目に入った時にビッグマックの箱だと思っていたら、チキンナゲットでした。こんなところにまで来てチキンナゲットを食べた人がいるんですね。その気持ち、分からなくは無いです。チキンマックナゲットって美味しいからね。




終わった眼鏡。




封印されし変電施設。ここに限らず柵で覆われている変電施設って無性に入りたくなってしまう。入ったところで何をするでもないけど。




自販機。実を言うと飲み物を買うのを忘れていたのでかなり助かりました。ここで初めてお役立ち情報を書きますが、ここが唯一の誰でも使える自販機です。飲み物だけでなくキットカットやチップスターも買えるので飢え死ぬ心配は無いですね。




自販機の隣、鉄の山。




ナンバーの捥がれた車。このまま廃車にするんでしょうね。




SASUKEみたいな鉄骨がありました。




分かりづらいですが、SASUKE風鉄骨の奥にはスカイツリーが見えました。日本一高い塔もこんなに小さく見えると取るか、はたまたこんなところからでも見えるほど大きいと取るかで人間二分されそうですね。




倒れたカラーコーンには蜘蛛の巣が。ずいぶん放置されているようです。




この先気になるな〜〜〜〜〜〜〜と思ったのですが、立入禁止の看板があったのでここまで。
疑問は残しておいたほうが面白いこともありますよね。



でもその看板が見事に倒れていて、誰かが重戦車的なもので押し通った可能性があります。




振り返るとこの景色。綺麗な一本道です。随分と遠くまで来たもんだ。




ピラミッドみたいなものが見える。
残念ながらそっちの方には進めませんでした。




目の前にクレーンと倉庫と信号が現れました。
信号が見えた時に、「あ、ここって人のいない島じゃないんだ」と思い出しました。




二階建てのアパートみたいなプレハブがある。アンテナや配管に人の気配を感じます。
ここで働く方の事務所や休憩に使われているのでしょうね。




中央防波堤内側埋立地の受入基地だそうです。

ここでさらに進もうとすると警備員のおじさんから「ここから先は行き止まりですよ〜!」と声をかけられました。
なんてことない注意ですが、急に人間に話しかけられたので普段以上にビビりました。
本当は行き止まりを見たい気持ちがあったんですけど、来た道を戻ります。




同じ道を逆向きに歩くと、行きの時に気が付けなかったものが目に入ります。例えば草むらの中にあったこれ。和風のライトの残骸かな?
埋め立てられる直前にトラックから飛び出したんでしょうか。




作業着です。思いのほか綺麗でした。




先ほどの交差点。
緑が無くなって、無機質なエリアに戻ってきました。




かっこいい車。クラッシュギアみたい。




反対側にはでっかい砂の山が。ここに埋まったら二度と出られないと思うとゾッとします。




歩く歩く。先に見える青い建物はゴミ処理施設です。




ゴミ処理施設の近くに来ました。当たり前ですが臭いがすごいです。このご時世では当然のことですが、マスク無しだとかなり厳しいものがあります。




「げ」




足を進めていくと看板が。どうやらここは不燃ゴミの処理をしているらしい。





か、かっこいい〜〜〜〜。ワクワクしちゃうね。
こんな大きなシステムが滞りなく動いているのって奇跡じゃないか。






それにしてもかっこいい建物だ。剥き出しで美しい。




この穴の先には何があるのだろうか。




まだまだ進みます。謎の規制が敷かれた道を。






ここの横断歩道、全体的に封印されていた。



この先には大きな橋があって、渡ったら随分気持ちよさそうだから残念。




綺麗だ。この島には人の手で作られた壮大なものが多数あるので、こういうまっすぐな自然を見るとほっとします。




東京都廃棄物埋立管理事務所です。




来客入口はあちらだそう。この看板の指す方向に行ってみたら、誰でも入れるような雰囲気では無かったです。




というわけでこちらのバス停で小休止を取りました。ぶっちゃけここで散歩を終えても良かったのですが、バスまで20分くらい時間があったのでもう少し歩いてみることに。




なんで撮ったか分からない一枚。




可愛い廃棄物たち。




ここの信号押しボタン式で、僕みたいな不束者が真面目に働いている皆さんを止めて横断歩道を渡るのが申し訳なくなってしまいました。




ガードレールを覆い尽くす勢いで生える草達。強い命を感じます。




向いの歩道ではガードレールが壊れていました。




トラックが荷物を積んだり下ろしたりするのかな?



東京税関コンテナ検査センターです。
なるほどね。麻薬探知犬が居るところだ。




コ ン テ ナ 出 口




乾いた大地。




この辺で潮の香りが漂って来ました。




奥のでかいやつ。なんなんだろうか。皆目検討もつきませんが、心惹かれてしまう。




めちゃくちゃ枝分かれしてる、メデューサみたいだね。




お洒落なペットボトルのゴミ。ラムネの瓶かと思いました。
「信州安曇野天然水あずみ」という水だそう。




小さい森だ。モソモソ動きそうですね。直接見ていた時は何も思わなかったんですが、写真で見ると少し怖いです。




横断歩道からの景色。先が見えない。
この散歩も。




というわけで
先ほど小休止したバス停へ戻って来ました。数分で来たバスに乗って、



帰って来た〜〜〜〜〜〜〜。これにて終了です。

お台場から15分で行ける離島、中央防波堤。
綺麗な海も人情あふれる旅館もありませんが、無機質なこのエリアには説明しづらい魅力を感じました。強制的に俗世から切り離されるってのは昨今の情報過多社会を生きる我々には必要なことなのかも知れません。って月並みな感想を述べてしまいましたが、まあそういうの大事ですよね。
僕も全てのエリアを回り切れた訳ではないので、次はもう少し涼しくなったら訪れたいな〜。







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深山往

眉毛を剃ると雨水や汗が目に入ったり、強く日差しを感じたりして何かと不便です。

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