【板橋区役所前】ちょっと三角地帯を見てくる

  • 更新日: 2018/10/18

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首都高でつくられた三角地帯


三角地帯になんとなく惹かれる。

"川に挟まれた肥沃なデルタ地帯は文明が発達する"
僕らは子供の頃にそう習います。
それで、三角地帯というのはなんとなく、特別な何かのように刷り込まれている気がします。
100円入れるとジュースが出てくる、みたいな簡単な仕掛けのような言葉の裏にはもちろん何千年にもわたる人間の試行の歴史があって、遠大なロマンがあるのだけど。

ところで、街にも三角地帯はよくあります。
街にある三角形は、たいてい道が作り出しているので、上記のような説明は全くあまり当てはまらないのですが、それでも、三角形に見えるエリアが街にたまたまあったとき、頭の中の三角形ニューロンが「ひよくなだいち!」「ぶんめい!」と騒ぎ出します。

実際のところ、三角地帯は特別であることが多いと思うのです。
たとえば三軒茶屋の世田谷通りと玉川通り(国道246号線)が作る三角地帯。



ここは今でも闇市の感じが残る素晴らしいエリアです。
川と道は似ているのかも知れません。境界になる。何かを運んでくる。

地図を見ていると、突然三角形が現れることがあって、内部や境界に行ってみたい気持ちになります。
三角形内部には、外部と違う文化があるのではないか、と思うのです。


本日の三角形は板橋にある



それで今日は、板橋区役所前駅を取り囲む三角形です。
ここには板橋ジャンクションがあって、首都高の5号池袋線と中央環状線を結んでいるため、三角形が浮き上がっています。
三角形のエリア中には、その名のとおり板橋区役所が鎮座しています。



今回の三角形の辺をなす道路は首都高の高架です。三角形が出来たのは最近のようにも思われるかもしれません。


(1万分1地形図 1955-60)

しかしこの高架は、もともとあった中山道の上などに作られているため、この三角形は少なくとも70年前には存在していました。よく醸成された三角形です。
鑑賞に値する三角形。

今日は、この板橋三角形の中、それから辺を歩きながら各頂点を回ろうと思います。


板橋区役所前の駅前、三角形の中



そんなわけで、降りました。板橋区役所前。僕は既に三角形の中に居る。




今日は、とにかくこの中だけで過ごそうと思います。




自動販売機に紛れて、一番左に、宝くじ屋が収まってた。おばちゃんが座っており、奥行きがある。
こんなことをされたら、自販のほうも裏におばちゃんが居てボタンに従って品出しをしている可能性が捨てきれなくなってしまう。




駅横は、駅名通り、板橋区役所がある。
ハー高いワー、みたいな像が居た。
この人は毎日、ハー高いワーみたいなことを言ってるんだろうな。それいいな。






かつて板橋保健所であったもの。今は三角形の外へ移転してしまったらしい。






残骸に味がある。
調べると、かなり昔からここにあった。現役で見たかった。残念。




なんとなく金星人だと思った。
僕の中の金星人は耐熱服を着て、ピアスをしている。




だいたい分かってきたのですが、多分この三角地帯内部は、板橋区役所および関連施設と、職員に向けたサービスで構成されている。
そのせいか、なんとなく、自由競争に晒されていないような空気もちらほら感じる。



一つの建物の左と右で、違う喫茶店です。
文化祭でも起こらない現象です。隣のクラスが喫茶店やるって言ったらふつう喫茶店あきらめますよ。
イタバシ・トライアングルの中では何が起こっても不思議ではない。




三角地帯内の病院。



保育園。



印刷所。

三角地帯経済圏を感じる。
三角地帯の中ですべてまかなえる勢いなのだけど、ひとつ無いものがあって、実はコンビニが一軒も無い。
ただ調べたところ、区役所内に17:00で閉まるコンビニが入っているので、三角之民は特に困っていない可能性がある。コンビニエンスに暮らしている可能性がある。



多くはないけれど、三角地帯内にもマンションがあった。
ここに板橋区職員が住むと、ずっと三角形の内部を移動することになる。
その軌跡は、数学の問題でよく出てくる点Pみたいなことになる。




業態の変更。前の店名、消えるに任せた感じが良いですね。
「クリーニング」「ゆめ工房」「○ルショップ」などの文字が見える。
もしかすると、この方式で変更を重ねている??




カジュアルに立てかけてあった。ビレバンで買ったのかしら。


南の頂点はあの商店街だった

さて、次は辺を歩きながら、頂点を回ってみようと思います。



©OpenStreetMap contributors / CC BY-SA

まずは南の頂点を目指す。




辺であるところの首都高池袋線に沿って進みます。
ああいう螺旋階段ってどのくらい使われるんだろう。降りた人居るのかな。

首都高の向こうには、5階建てくらいのマンションが複数見える。三角形内部のこちらとは明らかに違う文化圏です。



一方こちらにあるのは板橋区情報処理センター。
なんとなく、観光とか、区の情報処理っぽくない課も入居している。
きょうびITを使わない業種はありませんから、とか言われたら、そうだけども。




カチカチ山だ。
兎x2 VS 狸x3 か。これは、結果ひっくり返るかもしれないですよ。




三角形の南の頂点についた。



ここの信号がかっこよくて撮った。迎撃ミサイルPAC3みたい。あれ、大山?




実はここは大山の商店街の末端で、西へいくと板橋の実質的首都であるところの大山駅がある。




ということで、三角形の南の頂点は、大山との接点でありました。
大山の賑わいはここで途切れ、三角形(山手通り)は境界として機能しています。


東の頂点を目指す


©OpenStreetMap contributors / CC BY-SA

こんどは、三角形の底辺を東へ。



四ツ又駐車場だって。
四ツ又って何だろうな。



近くに大体答えがある。世界はわりと親切なのです。
川越街道と高田道の交差点が四ツ又と呼ばれ賑わっていたと。




いま左から右へ歩いている三角形の底辺は「四ツ又通り」と呼ばれているわけだ。
だいたい真ん中付近に、その由来となった「四ツ又交差点」が残っているじゃないですか。
重要な地ですよ。きっと今も何かある。行ってみよう。




びっくりするくらい普通だった。
言うことがあるとすれば、この道の細さは、古道の感じあるよね。




代わりといってはなんですが、ハウス・ホワイトという、トランプ・ドナルドが住んでそうな建物があったので報告いたします。




この四ツ又通り、特に何があるわけでもないんだけど、高架下にあって緑の割合が多いのはポイント高い。
ただ、各ベンチに必ずおじいちゃんが寝ていて空いていない。担当があるのかしら。




餌を与えないでの看板の周りでめっちゃ何かを食べるハト。
ちなみに、奧に見える古い住宅街は三角形の外。外は低階層の住宅街が広がっていて、ここらは三角形の内部と外部の差が顕著です。




そしてここが東の頂点。環状線が合流して、新板橋のほうへ向かいます。
ここの角には何があるんだろうと思ったのですが、



トップスのケーキみたいなビルがありました。




あとは大勝軒のなりたや。


北の頂点へ。


©OpenStreetMap contributors / CC BY-SA

最後の頂点、北へ向かう。



ここは中山道なんですけど、あの、なんか面白みがないんですよね。
真面目通り。




もっとも本当の中山道、旧中山道は一本東でとても趣深いのですが、三角形の外だから行かない。
そういう散歩だから。
なので、想って。こんな感じなんだろうなあ、みたいなのを、それぞれ。それぞれの旧中山道を、想って。




一方の真面目通りには、真面目消防署や、



真面目警察署、



真面目配管などがあります。

結局この三角形は区役所を始め、真面目で出来ている真面目三角形です。




おや? 直交する道がちょっとだけ賑やかだ。


©OpenStreetMap contributors / CC BY-SA

いま、三角形の辺から、外を見ている。
これ、実は先ほどの四ツ又交差点から伸びる古道。さっき「なんでもない」と言ったけど、やっぱりこう見ると、ちょっと他と違う、人の流れを感じる。
今日は行かない、栄えし道。王子新道というらしい。




お、ついた。北の頂点。ここには何があるのか。それともないのか。
なにがあってもなにもなくても散歩ですので、なんでもいいんですけども……




仲宿、とございますね。
板橋宿は上宿、仲宿、平尾宿に分かれていて、ここらに仲宿があったと。



中州みたいなところの先端に、これが立っている。
ということで、最後の頂点は、仲宿の碑でございました。
あれ、碑だと「中宿」という表記になってるのはなんでだろ。


これで三角形を一周しました。
最初のほうで結論は出てしまったのですが、この三角形は、区役所を中心とした施設と、そこの職員に向けたようなサービス産業の多い、小さな街のような三角形でありました。頂点は大山の商店街や新板橋へ続く道、歴史にも繋がっている、とても良い三角形でございました。


三角形の重心を決めたい

どんな三角形にも重心があります。
そこで最後に、この三角形の"重心"を勝手に決めて終わりにしたいと思います。
トライアングルパワーの源泉を探します。




中心付近に公園があった。四ツ又公園。さきほどの四ツ又から来ているのでしょう。
「ツ」を修正した跡がある。



多分これが昔の表記。ツが小さかったんですね、きっと。




こんにちは~重心を探しに来ました~。




絵文字にした目的は何だろう。外国の人向けかしら。たしかに、絵と、最初の「○」「×」で、なんとなく意味が通る。



一点、「バン!」はどうかなーと思う。絵文字になってないからな。




えらいいわれようだな。こんなシールあるんだ。
こいつを重心に決めてもいいかなと思ったのですが、



禁止の群雄割拠だ。とてもエネルギーを感じる。
今回は、ここを三角地帯の重心としたいと思います。


おわりに



帰りがけに、1つの建物に2つの喫茶店のうちの茶色いほうに入りました。

実は中で繋がってるんじゃないかと思ったんだけど、そんなことなかった。
あと、オーナー家族っぽいおばちゃんに「隣とは何かご関係が……?」と聞いたところ、フワワ~ンとした返事が返ってきたので、それ以上聞くのをあきらめました。
何でしょう。聞かれすぎているのか、マジの商売敵なのか。とにかく、積極的に話したくないということは分かって、なんか、勝手に話しかけづらくなってしまった。

珈琲は普通に美味かったし、タバコも吸える昔ながらの良い喫茶店でした。僕は吸わないけれど、吸える喫茶店は嫌いじゃないです。
思ったとおり、お昼になると区役所の職員っぽい人たちで、席がどんどん埋まっていく。スパゲッティが大盛でうまそう。

僕は聞くこともあきらめたし、熱いのをガーと流し込んですぐに席を立ったら、「あら! もう帰っちゃうの!? あら!」みたいなことを言ってくる。
あっ、そういうキャラだったんだもっと話せば良かった、と思いつつ「いやもう、混んできましたしね、ご馳走様でした」と言ったら、「悪いねえ、なんか追い出しちゃったみたいでねえ」と、50円安くしてくれた。なんでだ。図らずも三角地帯の人情に触れた。





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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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