何も知らずに中洲を歩く

  • 更新日: 2025/02/18

何も知らずに中洲を歩くのアイキャッチ画像

この街のことは、何も知らない。

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出張。


それは、会社のお金で知らない街を訪れることのできる絶好の機会。




こんにちは、一流です。
私は今、仕事の都合で福岡県の博多に来ています。

さすがは九州の最大都市圏。駅前のイルミネーションの迫力に圧倒されております。



なんかたくさん生えてるし。

出張って非日常感があって意外と好きなイベントなんですが、なにぶん今回は急に決まったもので、博多周辺に関するご飯だの名所だのの下調べをほとんどしていない状態で来てしまいました。
しかも私、そもそも福岡県を訪れるのも人生で初めてのことでして、この街に関する事前知識がほとんどと言ってよいほど無い状態です。


しかしこんな時こそ散歩の出番。
知らない街を歩き回って少しずつ土地の雰囲気が掴めてくるあの感覚。想像しただけでウキウキしてきますね。
やっぱり未知の道こそ自分で歩いて切り拓いてナンボだと思うんです。



そういえば先日サンポーの散歩記事を読んでいて気づいたのですが、実はサンポーって福岡県を歩いた記事がまだ一つもないんですよね。

47都道府県中、記事があるのは35都道府県。
同じ九州では鹿児島、熊本、長崎、宮崎の記事はあるのに、一番栄えている福岡がなぜか綺麗にエアポケットになってしまっているのです。


ということはこれがサンポー史上初の福岡県の記事ということになります。

あの、福岡県のこと本当に何も知らないんですけど、そんな大役果たしちゃっていいんでしょうか...。






そうは言っても好奇心に動かされる足は止められず、キャナルシティの前までやってきてしまいました。

ここで福岡県について改めて自分の持っている情報を整理してみます。

・博多っていう福岡で一番でっかい街がある
・その博多に中洲という繁華街がある。
・中洲はなんか島みたいな感じの土地になっている。
・個人的に中洲という街が気になるので歩きたいと思っている。


福岡の皆さん、申し訳ない。
こんな知識と気概しかない人間がサンポーの福岡県デビューを飾ろうとしています。

このキャナルシティも名前は知ってるくらいの知識しかなかったんですが、中洲の端っこに近いところにあるという理由だけでスタート地点に選んでみました。
博多駅から距離もわからず歩いてきましたが意外と近かったですね。



ここが中洲へ渡る橋のようです。繁華街に続く道としては思ったより綺麗だ。
しかし油断はできない。『地獄への道は善意で舗装されている』とかいう言葉も聞いたことありますし。気を引き締めて進めましょう。



橋の途中で振り返りキャナルシティに別れを告げます。
安心の象徴である商業施設が離れていくのは不安ですが、でっかいヨーグルトの看板で心が安らいだのでプラマイゼロです。



ついに中州へ上陸。なんだか大きな灯籠が姿を現しました。



説明を読んでみるとかつてこの辺りの土地を整地した八尋利兵衛という人物のエピソードが。
この灯籠は彼がオープンさせた遊園地の開業記念に建てられたとの記載があります。遊園地がこんなところにあったとは驚きです。

そしてその遊園地の跡地に現在あるのが先ほどのキャナルシティなんだとか。
街に歴史ありってやつですね。中洲についてさっそく少し詳しくなれた気がします。



ここからは川が一望できる。ここが島の先端であることがよくわかりますね。



いよいよ中州の探検が始まります。
本当に予備知識が一個もないので怖いです。入るための申請書とか必要だったらどうしよう。



スタートした瞬間からいきなり公園に異様な光景を発見。なんだあれは!?



椅子がひっくり返されているだけでした。びっくりしたぁ。初めての土地だとなんでも身構えてしまいますね。

せっかくなのでここを椅子ひっくり返り公園と名付けましょう。



ダメだ、すでに清流公園という立派な名前があった。
下の方は植物が生い茂りすぎて説明が読めません。これが清流パワーか。



川を見るとライトアップした船が進行中。乗客たちがこちらに手を振ってくれています。初めての中洲を歩く私をみんな応援していてくれよな。



おっ、川沿いに屋台がずらりと並んでいます。そういえば中洲は屋台が有名だと何かで聞いたことがあるような無いような。
すみません、本当にこの程度の知識だけで歩いています。

しかし知らない街を歩いていると散歩って本当に奥深い趣味だと実感します。歩く街のことに詳しければ詳しいほど楽しみ方も増えますが、全く知らないと街の景色全てが学びとなって楽しい。下調べ無しの言い訳と言われてもしょうがないですが、知ってると知らないで本当に見える景色が全然違うんですよね。

改めて散歩の魅力を味わいながら未知の土地を踏みしめています。散歩っていいものです。



屋台の種類もかなり豊富そうです。外国人観光客の方も多いですね。
そういえば人生で屋台でご飯食べたことないかもしれない。屋台って東京ではもうほとんど見かけなくなりましたよね。



いよいよ川沿いを離れ中洲の真ん中部分に入っていきます。ここからが本番だ。



「YES!」っていう枕詞、高須クリニック以外でも使えるんだ。



なんだか不穏な雰囲気を感じる公衆電話が。閉鎖されているようですね。



警察直々の手書きで貼り紙が貼ってありました。警官の直筆ってあんまりあんまり見たことないな。
しかしガラスが割れているとはさすが繁華街。何があったのか想像できるようなできないような。



このビル、巨大な指輪みたいなものが壁に張り付いていますが何だろう。



最上部には花を咥えた唇もある。見たことないデザインの組み合わせのビルは見てて飽きません。



反対側の川にくるとナンバリングされた土嚢を発見。
ちょうど土嚢の数を数えたくてしょうがなかったので助かります。



護岸改修の工事中だそうです。護岸という言葉を見るとここが中洲、つまり川の中の島であることを思い出します。



この辺りからかなり繁華街らしくなってきました。
この雰囲気、歌舞伎町の外れあたりに近い気がします。想像していたよりもずっと夜の街って感じ。



繁華街名物、スナックだらけのビルだ!この店の数は圧巻ですね。
銀座とかでも見かけることがありますが、こういうビルを見るとこの建物一棟だけでいったいどれだけのドラマが生まれているのか気になってしょうがないです。



よく見るとフォントも凝ってて見ていて飽きませんね。
こんなにも数があると店選びの決め手は店のロゴだったりするのかも。



中州の中心あたりにやってきました。こう見るとますますここが島であるとは思えませんね。


歩いていてずっと気になっていた中洲の成り立ちについて、散歩をした後に少し調べてみました。
そもそも中洲が誕生したのはなんと江戸時代の西暦1600年のこと。川に土砂を積んで橋を通したことが始まりと言われています。大正あたりから次々と映画館や劇場などが増えていき、第二次大戦で空襲にあった後も復活。現在ではすすきの、歌舞伎町と並び日本三大繁華街と称されるほどの街へと成長しました。

西側の那珂川と東側の博多川に挟まれた中洲は東西に約250m、南北に約1,500mほどの大きさ。散歩するにはもってこいの大きさです。




中洲の歴史に思いを馳せているとデカデカと光り輝くホストの写真が。歌舞伎町にも負けない迫力です。



いやいやなんの、迫力で言えば寿司屋の職人さんの写真だって負けちゃいない。なんて実直で信用できる目をしているんだ。



また西側の那珂川沿いにやってきました。まだ屋台が続いているのがわかりますね。



対岸に博多明太子の福さやの看板が見えます。さすがの私でも明太子が博多の名産ということはわかります。
これまた調べてみたんですが、博多明太子って中洲の市場から全国に広まっていったらしいです。中洲が発祥の地だったんですね。



いい感じの小道があります。こういうところの隠れた名店を知っている大人になりたい。



歴史のありそうな建物ですね。
こういうレンガっぽい建物ってどの地方都市の繁華街の中心にもある気がする。



胡蝶蘭をたくさん売っているお店がありました。
胡蝶蘭ってデリケートな花らしいので開店祝いとかでもらった後の扱いにみんな苦労しているみたいな話を聞いたことがあります。



このお店は胡蝶蘭以外も置いている。繁華街で欠かせないお店といえば酒屋と花屋とドレス屋だと個人的に思っています。



とか言ってたらさっそくドレスのお店がありました。夜の街を感じますね。



このビルもおしゃれですね。レンガ作りの建物ってなんか惹かれてしまう。



だって入り口にミロのヴィーナスがいるんですよ。
入口にミロのヴィーナスがいるビルで働きたいな。ミロのヴィーナスを見て出退勤を感じてみたい。



今度は東側の博多川沿いへ。東西をジグザグしながら北へ向かっています。



人柱にされているカビゴンを発見。夜の街はポケモンにも容赦しない。



かなり味のあるビルがありました。昭和を感じますね。
調べてみるとかつてはストリップ劇場だったそうです。今は劇場は残っていないですが、ビルの外観だけは残していて中ではバーが営業中とのことです。



たこ焼き屋さんがありました。ここもかなり歴史を感じさせる店です。



夜の店だけでなく、名店っぽいお店も多そうなのが中州のいいところ。この辺りは夜の店というよりは良さげな居酒屋が多いですね。
中洲全体が丸ごと夜の街というわけではなく、場所によって明確に特色があることがわかってきました。中洲、思ったより奥が深いかも。



またもや西側の那珂川沿いにやってきました。
煌びやかなイルミネーションですね。中洲は橋をやたらと綺麗にしがち。



大中小と3人揃ったサンタクロースを発見。サンタってサイズに個体差があるんだ。



めっちゃこっち見てくる。はたして中洲という夜の街にプレゼントを求める子供たちはいるんでしょうか。



おっ、また観光船でしょうか。



いや、よく見ると誰も乗っていない!?川の真ん中でぽつんと浮かぶ無人の船...。
なんてこった。バミューダトライアングル的なことが中洲で起きちゃってる。こういう現象ってこんな都心でも起きるんだ。



この銅像はなんでしょう。舞妓さんみたいな方が何人かいるような。



小島与一さんの三人舞妓という作品らしいです。
「不滅の意義を刻んだ。」ってフレーズかっこいいな。散歩の記事を書いて言われたい言葉No.1かもしれない。



なんでもやっているお店だ。店名の看板に「他色々」って書いてあるの初めて見たかも。



なんと地下鉄を見つけました。今回の散歩をしていて一番びっくりした出来事かもしれません。
中洲なのに地下鉄が通ってるんですね。地盤が想像以上にしっかりしている...。どれだけしっかり土砂を積んであるんだろう。



中洲川端駅は地上出口が中洲側と博多側にあるようです。つまりホームが川の地下を跨いでいるということ。
この地下鉄を作った時の工事のドキュメンタリーとか見てみたい。最近はバラエティよりもそういう番組の方が面白く感じる年齢になってきました。



中州の中でもかなりでかい建物、Gate's(ゲイツ)。
こういう光の配色のこと、ゲーミング〇〇って呼ぶということを最近ようやくわかってきた。



11階もあるらしい。



9,10階は2フロアぶち抜きの無が広がっています。



川の向かい、つまり中洲じゃない方にはもっとでかい建物が。
博多リバレインモールというらしい。中洲川端駅からは直結だけど所在地は中洲ではないので今回は散策しません。



中洲という繁華街じゃないから子供のヒーロー、アンパンマンも存在できる。
アンパンマンも博多では「きんしゃい!」と言うらしい。戸田恵子さんボイスの「きんしゃい!」聞いてみたい。



一蘭の本店の存在感が圧倒的すぎて笑ってしまいました。



こんなサイズの布見たことないよ。



環境浄化博多中州の時計台。もうだいぶ北側まで来ました。



中州の北側は繁華街の雰囲気はもうほとんど消えて、ビジネスホテルやオフィスなどが増えていきます。



道幅もかなり大きくなり、街の光も落ち着いてきました。
同じ中州の中でもここまで街の表情に変化があるとは思いませんでした。



でも屋台はある。中洲らしさの根源の部分は失われていません。



なぜか撮らなきゃ!!と思ってぶれてしまった坊主バーの写真。



恐竜のロボットが受付をしていることで知られる「変なホテル」がある。



川の向こう側になんか良さげな建物があるけど、中洲の散歩なので今回は行けない。
あとで調べてみると東京駅の設計者である辰野金吾が設計した赤煉瓦文化会館という建物らしいです。中を見学してみたかった。



橋の上からさっきいた場所が見えます。遠くから見ても一段と光り輝いていますね。



反対側を見てみると...。



なんかタワーがある!あれもテレビとかで見たことある気がする。
確か港にあるタワーですよね。海の近い街ではだいたいタワーって港にある気がするので。



すっかり街の雰囲気も落ち着いて、中州散歩の終点が近づいてきたようです。



ここが中洲の北の果てのようです。反対側の端っこもまた公園となっていました。中洲は公園にサンドイッチされてるんですね。
とはいえスタートの清流公園と比べると少し寂しい感じもします。ここは中島公園といい、子供の遊び場というよりは周辺のオフィスで働く方達のランチどころとなっていることが多いそうです。



ということでこれにて中洲散歩は終了です。


予備知識が全くない状態でお届けした福岡県初の記事、「何も知らずに中洲を歩く」はいかがでしたでしょうか。

「いや、あの名所もこの名所も行ってないし、全然中洲の魅力伝えられてないじゃねーか!」というご意見も覚悟しております。
とはいえこれが中洲をマジで何も知らない人間が記録したリアルな散歩録。
個人的には驚きと発見に満ちた散歩ができてとっても楽しいひと時を過ごせました。


今度福岡県を訪れる機会があればしっかり下調べして、また福岡県の記事を増やしていこうと思います。





おわり



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一流

歩くことに特化した足を持っています。東京を愛し東京に愛される男を目指して。

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