新宿に住んでめちゃくちゃウケていた頃の話

  • 更新日: 2023/08/24

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この街に、住んでいた

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どうも一流です。

私事ですが、少し前にまた引っ越しをしました。


『また』とは何かと言えば、2年前に引っ越しをした際にもサンポーでこんな記事を書かせていただいていたのです。

これは5年ほど住んだ赤羽にエモくお別れを告げようという内容の記事でした。

前述の記事内ではあえてその後どこへ引っ越したのか言及していませんでしたが、私が赤羽の次に住むことを選んだのは世界最大の大都会、新宿でした。




「新宿区」ではありません。「新宿駅」が最寄りの家に引っ越したのです。
2年前の私は、新宿駅から徒歩8分ほどの立地に良い物件を見つけまして思わず赤羽から引っ越してしまっていたのでした。

住んできた街を時系列にするとこんな感じです。

赤羽(2016年〜2021年の5年間)

新宿(2021年〜2023年の2年間)

今住んでいるところ


今回は、2年ほど過ごした新宿の街を思い出と共に振り返る散歩をしたいと思います。






2020年の暮れ、私は一つの想いに強く駆られていました。
それは「新宿駅の近くに住みたい」という願いです。
新宿駅といえばもはや説明不要の世界一のマンモス駅。多くの方が一度は訪れたことがあると思います。


そんな新宿駅の近くに住んでみたいと思った理由、それは...



「ウケるから」でした。



ウケるから。

だって、家から歩いてすぐの場所に新宿駅があったら絶対面白いと思ったんだもん。
一度しかない人生、新宿に住んだことがあるという経験がどうしても欲しくなってしまったのです。



一般的に「引っ越しをする」といえば、新しく住む景色に心を躍らせ、「この街には何があるんだろう」というワクワクとともに少しずつ魅力や発見を楽しむ過程が醍醐味というもの。



しかし引っ越し先が新宿となると話は違います。
駅周りなんざ360°だいたい既知の景色。引っ越したのに何に新鮮味もない。

なんと言うか、逆なんですよね。自宅を拠点として知らない街を解き明かしていく一般的な引っ越しと異なり、すでに知っている景色の中に自宅という新たな拠点を作る、みたいな。言葉では表しづらい面白さが絶対にあると思ったんです。






ということで、再び新宿駅へとやってきました。
早速ではありますが実際に私が住んでいたエリアをご紹介しましょう。

位置としては新宿駅の南西側。住所表記で言えば渋谷区代々木の2丁目がまさに住んでいた場所でした。




最寄りが新宿駅なのに住所は渋谷区なんかい!と思う方もいるかもしれません。
しかし実はそもそも新宿駅の敷地自体が新宿区と渋谷区に跨るような位置にあることをご存知でしょうか。
南口の甲州街道から向こうは渋谷区になるので、バスタ新宿や新宿高島屋なんかも全部住所は渋谷区なんですよ。




※ピンク色の部分が渋谷区、青い部分が新宿区です。(簡略化してます。完璧に正確なわけではないので悪しからず...。)

甲州街道沿いがそのまま全て区の境目というわけではなく、左奥に見えるスポーツショップのビクトリアなどは新宿区にあります。
またルミネNEWoManが入っている新宿ミライナタワーは渋谷区と新宿区に跨っているそうです。この境目はかなりややこしい...。




おっと話がそれました。家への道筋の紹介に戻ります。
自宅への最寄りの出口は新南改札でした。高島屋などがあるサザンテラス側の改札です。




このスタバを左手にしてサザンテラスをまっすぐ進みます。





高島屋の向かいにあるこのビルの間の階段を下り、西側に曲がります。
普段新宿に来る方でもあまりこちらに来たことある方は少ないかもしれません。






ビルの隙間を抜けていくと...。




まいばすけっとがある通りに出ます。




プークという90年以上の歴史を持つ老舗の人形劇場もあったりします。
これも新宿に詳しい方でもなかなか知らないスポットかもしれません。




このまま奥に少し歩くと意外にも閑静な住宅街が広がるエリアとなります。




まさにこの辺りに以前住んでいた家がありました。

新宿駅と代々木駅のちょうど中間くらいの位置で共に徒歩8分くらい。
小田急線の南新宿駅も徒歩5分くらいの場所でした。

道も狭いので車の往来も少なく、駅近でありながら新宿の喧騒をほとんど感じさせない地域です。
こんな場所でオートロックで広めのお手頃家賃物件を見つけた時は本当に心が躍りました。不動産屋さんに「ウケるから新宿に住みたいんです」と直訴し、3ヶ月くらいしつこく連絡を取り続けて粘った甲斐があったというものです。


ここでの生活は本当に快適でした。





引っ越しした初日、家の目の前の道に出てふと左を向くとパークハイアット東京、右を向くとドコモタワーが見えた時はわくわくが止まらなかったことを思い出します。

新宿の象徴たちが家のそばから顔を出している。
本当に新宿に住むんだ。改めてそう実感した瞬間でした。

実際に生活が始まってからも新宿での暮らしは「ウケ」の連続でした。
このまま新宿を歩きながら、実際に住んでみてウケたポイントをたくさん振り返ってみます。




引っ越したことを誰かに伝えるとき

まずはなんといってもこれです。
「へー引っ越したんだ!新宿近いの?どのへん?...うん...うん..え!?最寄り!?最寄り駅が新宿!?

これが本当にウケます。

誰に言ってもこのリアクションが返ってくるんでニヤニヤが止まりません。
ドヤ顔で「新宿駅から徒歩なんだよね」と言う時の気持ちよさだけで完全に引っ越し代の元が取れます。人に言えば言うほど爽快なのでなんなら得してるまであります。
これを読んでいる全員、今すぐ新宿に引っ越してこの気持ちを味わってほしい。


新宿で友達と遊んだとき

楽しく遊んでそろそろお開きの時間。みんなでワイワイ喋りながら新宿駅まで向かいます。



駅の改札まで着いたらおもむろに立ち止まり「じゃあおれこっちだから」と友達を見送って、一人背を向け歩いて帰る。


あーー気持ちいい〜〜〜!!!

おもしろすぎるだろこれ!!新宿駅で用事終わって電車乗らなくていいの、脳がおかしくなりそう。
友達の視線を背に浴びているのを感じながら颯爽と帰る。新宿に住む人生でよかったと思える瞬間です。


深夜の歌舞伎町にフラッと行けるとき



家から歌舞伎町はだいたい徒歩15分くらい。
夜中に行こうが全然歩いて帰れちゃうので心に余裕を持って歩き回ることができます。
東洋一の歓楽街も住人として歩くと街の見え方が変わってきますね。




TOHOシネマズの22:00〜0:20という終電にギリギリ間に合わない謎の上映時間の映画だって何も気にせず鑑賞できちゃいます。映画の余韻に浸りながら歩いて帰るのも一興ですね。
TOHOに限らず、バルト9やピカデリー、テアトル新宿や新宿武蔵野館などいろんなジャンルの映画館が多いのも新宿住みの特権の一つです。


高島屋のデパ地下をスーパーのように使うとき

ここまでいいことばかり書いてきましたが、新宿住みにも弱点はあります。それは大きなスーパーが近くにないこと。
自宅からだと代々木駅近くにあるマルマンストアというスーパーが一番近いのでよく使っていました。



あとは少し歩いて千駄ヶ谷のオーケーを使ったりしてましたが、かなり重宝していたのは意外にも高島屋のデパ地下でした。



高島屋タイムズスクエアの地下一階にある食品売り場ですが、閉店間際は半額になってたりしていい品を結構安めに買えたりします。
デパ地下を会社帰りに普段使いするのはなんだかリッチになった気分になれて楽しいです。



一緒に買い物してる周りの人も新宿住みの仲間なのかも?って勝手に連帯意識が芽生えてきます。


バスタ新宿が近すぎるとき



これは普通に便利すぎてウケる話なんですが、家からバスタまで歩いてすぐなので遠出のフットワークがめちゃくちゃ軽くなります。
夜行バスに乗るときも23:40くらいまで家で準備できます。余裕ありすぎてなんか逆にソワソワしちゃう。




帰宅途中にこの行き先一覧をふと眺めているとなんだかワクワクしてきます。だって行こうと思えば今からこのどこへだって行けるんだもん。
休日の昼に何も考えずふらっと適当なバスに乗って旅に出たら伊香保温泉に着いたこともありました。

さらに便利なのが逆に空港やディズニーなどの出先の帰りにバスタ行きのバスに乗るとほぼ家まで直通の格安タクシー代わりになるところ。この快適さはウケすぎて病みつきになります。


最寄り駅に行くまでにスタバを4つ見かけるとき

これは単純に多すぎてウケます。そんなにスタバに囲まれた自宅ある??

本当に4つもあるのか、自宅に近い順で1つずつご紹介していきましょう。




まずは甲州街道を曲がってすぐのところにある家から最寄りのスタバ。
それなりに混んではいますが、新宿周辺のスタバの中では穴場の店舗の一つだと思います。




2つ目は先ほど紹介した自宅までの道の途中のビルの1Fにあるスタバ。
オフィスビルに入っているタイプで広い店舗ですが、いつもかなり混んでいます。




3つ目はさっき紹介したサザンテラスのスタバ。ガラス張りなので外の様子もよく見える店舗です。
さてこの3つ目の時点でもう新宿駅は目の前にあるのですが、実はまだもう1つ隠れている店舗があります。




4つ目スタバはこの写真のどこかに見えるんですが、わかるでしょうか。
(手前の丸い看板は3つ目のスタバなので違います。)



ここでした。写真中央にSTARBUCKSの文字が!
ルミネの中の店舗ですね。新宿は本当にスタバが多いです。


テレビ中継の場所が自宅から近すぎるとき

これも面白くもあり便利でもあります。
テレビ中継で都内の台風や大雪の様子を伝える場合、新宿駅南口から中継しているケースが非常に多いのですが、それが家の外のリアルタイム天気とリンクしすぎているので助かるという話です。



家のすぐそばの現在の様子をテレビで見られるというのは思っている以上にウケます。
今から急いで家出てダッシュすれば中継に映り込めるかも...とか考えちゃいます。流石にやらなかったけど。


都庁が近すぎるとき



まず歩いてすぐのところに西新宿のビル群がある時点で結構ウケるのですが、さらに都庁があるのはもっとウケます。
都知事がすぐ近くにいて、都の重要な施策が家の近くで議論されているという事実が都民としては面白いですね。




都庁って免許の更新やワクチン接種など、大抵の公共のイベントの会場になっているので近くに住んでいると意外と使う機会があるんですよ。
あと東京の要となる場所なので周辺エリアも災害等に強く、そういった場所が家の近所だと安心感があります。


大都会住みなのに意外と緑が多いことに気づけるとき



自宅から代々木方面に10分歩くと都心とは思えない鬱蒼とした森林が広がる明治神宮の森に到着します。
新宿に住んでたって手付かずの自然の中で森林浴だって出来ちゃうのです。




また新宿方面に15分くらい歩くと新宿御苑にも行けます。
まさに都会のオアシス。ビル群と緑のコントラストが最高です。



天気の良い日にのんびり日向ぼっこなんて過ごし方もいいですね。



こんな便利なところに住んでいるのに自然までこんなに堪能できちゃうのかよとウケます。
コンクリートジャングルだけと思うなかれ、新宿の近くは意外と緑も多いのです。


なかなか入れない店に入るとき



住んでいる街の隠れた名店を探したくなる気持ちは新宿にいても同じです。
遊びに来ただけではなかなか行く機会がないようなお店も入ろうと思えちゃいます。




例えばこれは東南口に降りてすぐのところにある長野屋という定食屋さん。
見たことはあるけど入ったことはない。まさにそんなお店だったので何度か食べに行ったのですが昔ながらの風情を感じる美味しくて雰囲気もいいお店でした。

あと家の近くで言うとadd habitという隠れ家的イタリアンが美味しかったのでおすすめです。


新宿のいろんな表情を見られるとき



早朝、真昼間、夕方、夜、深夜、明け方...。
平日や休日、それに雨の日に雪の日。
街に住むとはおよそ365日をその場所で過ごすということです。



遊ぶ場所や職場としてだけでは見えてこない新宿の表情を毎日たくさんいつでも見られること。





これも新宿に住む者だけの特権ですね。
まだ見ぬ新宿の表情を知ることで、本当の意味でまた一つこの街の住人になれた気がするのです。


変わりゆく新宿を眺めているとき

結局、一番面白かったのはこれかもしれません。
東京という街はただでさえ代謝が早いのですが、その中でも新宿の移り変わりの速度は目を見張るものがあります。

かつて住んでいた街に久しぶりに来て「この街も変わったなぁ。」と思うことはよくあるかもしれませんが、新宿に住んでいるとその現象が現在進行形で頻繁に起きるのです。他の街でなかなか味わえないこの感覚はやっぱりウケます。


古いものが消えて新しいものが作られる。
ましてコロナ禍という特殊な期間において、容赦のない再開発の波はこの街が絶えず生まれ変わり進化していく様を住人である私に実感させてくれました。


最後に私が住んでいた期間の前後で起きた新宿周辺の主な変化を追ってみましょう。



2020年7月、新宿駅の東口と西口を繋ぐ自由通路が完成し、東西の通り抜けが非常に楽になりました。
同時に東口駅前の通路が整備され広くなり、東口のシンボルである「みらいおん」も位置が変わりました。
ちなみにこのライオン、口に小銭を入れると喋るの知ってましたか?




2020年10月、ユニカビジョンでおなじみユニカビルからLABI新宿東口店が撤退。
新宿の一等地のビルがガラ空きという異常な状況が少しの間続きましたが、2022年3月よりAlpen Tokyoがオープンしています。




2021年10月には東口にクロス新宿ビジョンが完成。立体的な猫の映像が話題になりました。(なんか写真がうまく映せてないですが...。)




2021年11月、アルタ横にあった第二アオキビルの洋服の青山新宿店やルノアールが閉店。
その後第二アオキビルそのものが老朽化のため解体されました。




2022年7月、長年にわたり東口の顔であった百果園が閉店。
跡地には屋台苑という居酒屋が新たにオープンしています。




2022年10月、新宿西口のシンボルであった小田急百貨店の新宿本館が営業終了。
本館は現在解体中で、2029年に新たなビルが竣工予定です。




2023年1月には歌舞伎町に歌舞伎町タワーが竣工。
同年4月よりオープンし、色んな意味で話題となりました。



現在新宿駅西口エリアでも大規模な再開発の計画が進んでおり、2040年代の完成を見込んでいるとのことです。


うーん、お前、めちゃくちゃ変わっちまったな、新宿。

よく使ってた店が急に無くなるのなんて日常茶飯事のこの街での暮らしには、刹那的とも言える輝きが常にあったように思います。
新宿に住みたいという感情に唐突に駆られたのは、その輝きに魅せられてしまったからだったのかもしれません。


ご覧の通り新宿での暮らしはウケの連続でした。それは普通の住宅街ではありえないようなことが何でもできてしまっていたから。
新宿という場所が持つあらゆる力が、まるで私自身が全能であるかのような錯覚を起こしてくれていたのです。

その気持ちよさにまんまと酔って、浮かれて、ウケて過ごした2年間。


でもそれでよかったんじゃないかって今は思います。

だって私は確かにこの街で暮らしていたんだから。




新宿がこの先どれほど変わろうと、私がこの街に住んでいたという事実は変わりません。そのことがなんだかとっても嬉しくて誇らしい。

変わりゆくこの街の景色を間近で見られたこと、そして新宿の歴史の一部になれたことをこの先の人生でもずっと大切にして、擦り続けてやろうと思います。





これからも新宿を訪れるたびに、かつてここに自分の家があったことを思い出してずっとずっとウケてやろうっと。





おわり









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一流

歩くことに特化した足を持っています。東京を愛し東京に愛される男を目指して。

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