国旗の白いところは文字を書く欄なのか

  • 更新日: 2024/01/25
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先日兜町の近くをぶらぶらしていたとき、こんな看板が目に入ってきました。



なんの変哲もない看板なのですが、そういえば国旗の白いところって、店名書かれがちだなと思いました。

ときに国旗には深い歴史と意味があります。イタリア国旗の「白」にも意味があります。調べるとイタリア国旗の白いところは「雪」を示すのだそうです。
ほかにも「正義」とかを示すらしいのですが、少なくとも「文字を書く欄」という意味ではないと思います。

それを踏まえて、もう一度見てみる。



白い部分に文字を書いている。
なんか、こう、「おっ名前欄ここね、はいはい」みたいな、カジュアルに書いちゃった感じがする。
いや、全然いいんです、全然いいんですけど、白いところに迷い無く文字を書くのって、ちょっと面白い。

そんなの普通だわ、よく見ますわ、という声が方々から聞こえてきそうですが、国旗の白いところは文字を書く欄じゃない……国旗には意味があるんだ……と念じながら見るのがポイントです。ポイントとか言っておいて僕もあまりよく分かってないのですが。

面白さが伝わったとして、本題です。
国旗の白いところが文字を書く欄に使われている現象、今日はそういうのを見つける散歩です。


イタリア国旗の事例

最初に見つけたのがイタリアだったので、イタリア国旗の事例をいくつか紹介します。



GRANZA。イタリア語で「偉大な」という意味なのだそうですが、いくら偉大でもね、国旗の白いところは文字書くところじゃないんですよ。
あと文字収めるために、白の枠が若干広くないですか? 三要素の均衡が崩れている。これは不穏です。




三要素の均衡がもっと崩れている例です。白い欄でおばちゃんが料理始めちゃった。
イタリアの緑・白・赤はそれぞれ「国土」「雪」「愛国者の血」を表すそうですが、雪の声が大きい。「国土ッス……」「雪で~す!!!!!」「愛国者の血……クッ……」みたいな感じになっちゃってる。




やめてください! お名前欄を勝手に広げるのはやめてください! お名前欄って言っちゃった。とにかくやめてください!




サイゼ~!!!!!




お持ち帰りイタリアン~!!!!!




揺らすな~!!!!!




えっこれはちょっと良く分からないから見なかったことにします!


みたいな感じで、ちょっとうろうろしただけで事例はたくさん見つかります。イタリア国旗の白いところは、すでに非公式の名前欄として機能しているようです。

紹介した看板のいくつかは、ベースは白い看板であり、あとから隅をイタリア国旗色に塗っただけ、という見方もできるのかもしれません。それでも、国旗の白いところが文字を書く欄に使われる現象であることには変わりありません。


フランス国旗はどうだ

さて、ここまでイタリア国旗ばかりを紹介してきました。
これは単純な話で、日本にはイタリア料理屋が多くて簡単に見つかったからです。

でも、他の国旗の事例も見てみたいですよね。
イタリアのほかに日本に多い国旗といえば、フランスでしょうか。フランス料理屋もいっぱいありますからね。

それで、フランス料理屋をいくつか回ってみたのですが、文字の入ったフランス国旗が見つからないのです。国旗をそのまま看板にしている店がありました。それどころか国旗スタンドみたいなやつで本物のフランス国旗を掲げてるところもありました。

▲例えばこういうことです

なぜフランス料理店にある国旗の白いところは文字を書く欄に使われないんでしょう。
そもそもフランス料理屋って、店名を主張していなかったりします。昔たまに行ってた関内の大衆フランス料理の店、そういえばしばらく名前知りませんでした。

ここからは想像なのですが、フランス料理の店はフランス料理であること自身がステータスなのだから、シンプルにフランス国旗を掲げるだけで成立するのではないでしょうか。

一方のイタリア料理屋。日本におけるイタリア料理屋の多くは、フランス料理屋と比べて「庶民ぽさ」があります。
国旗に店名を書いてしまおう、看板要素と国旗要素を混ぜよう、という発想はつまり、その逸脱が許される「庶民ぽさ」なのかもしれません。

▲国旗に文字を書いて良い空気とは庶民ぽさなのかも

そういうわけで、フランス国旗の白いところは意外にも、文字を書く欄として使われていませんでした! と結論づけようとしたのですが、待てよ? フランス料理に庶民ぽさがあればいいのか? と思って。私の記憶が確かならば……














いやあ期待を裏切らないですね、俺のフレンチ。俺のフレンチはやってくれると思ってました。
ありがとうございます。
名前欄をギューンと広げる手法も使っていただいて、ありがとうございます。


まあ、ただね、フランス国旗の事例が俺のフレンチだけってのはちょっと寂しいですよね。

それで、もうちょっとフランス国旗のサンプルがあったらいいなあと思って、フランスセンサーをONにしてしばらく過ごしまして……



いくつかの誤検知を……



誤検知を……



誤検知を繰り返し……



あれですね、街角で国旗に見えるもの、という括りも面白いかもしれないですね、


まあ、それはいいんですけど、そう、フランス国旗に文字が入るパターン探しですよ。

数週間後、遂に出会えました。




フランスBENTO。
すごくいい。
だいたいフランスBENTOって何だよ。と思って調べたら、フランスでは日本の弁当文化や駅弁が流行していて、bentoという単語が定着しているほどらしい。
だから多分、逆輸入されたフランス式の弁当なんでしょう。そぼろのエッフェル塔とかかな。




さては、フランスって面白いな?




そして、遂に人が住み始めました。えっそこって住めるんですね。
赤と青のとこが自動ドアみたいに閉まる感じなんでしょうか。


数個の事例で総括するのもあれですが、フランスの事例はなかなか出会いにくくて、そのくせ一発が重い。ジェロム・レ・バンナの左。ジダンの頭突き。
引き続き、フランス国旗の文字に注目していこうと思います。もし良いのがあったらぜひ教えてください!



ところで、国旗に落書きすると何かの罪になる、みたいな話ありませんでしたっけ? まことに勝手ながら、急に心配になってきました。
調べると「外国国章損壊罪」というものがあり、Wikipediaから引用します。

外国国章損壊罪は、国家的法益に対する罪のうちの国交に関する罪に分類される犯罪である。外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊・除去・汚損する犯罪であり、法定刑は2年以下の懲役または20万円以下の罰金となる(刑法92条1項)。なお、本罪は外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない親告罪である(刑法92条2項)。
外国国章損壊罪

結論から言えば、親告罪なので、相手国側から訴えられてはじめて罪になるんですね。僕が警察にのこのこ出かけて「あいつら、イタリアはんの白いところを文字書く欄に使ってやすぜ!!」と通報しても「はい、年末年始は危ないからね、気をつけて帰ってね」とつまみ出されてしまうのでした。

つまり、その国に怒られなければ、国旗の白いところは文字を書く欄として使って大丈夫なようです。安心しました。





本場フランスのKiriもやってるから安心です。
文字を書く欄、どんどん使っていきましょう!



おまけ



インドもありそうですね。








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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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