猫さんぽ
- 更新日: 2020/07/07
今日はうちの猫を散歩に連れて行く。
こう書くといかにも行き慣れているようだが、初めてのことである。
犬の散歩はよく見る光景だが、猫の散歩は滅多に見ない。
猫はその性質上、散歩の必要性も適性もないのである。
猫を散歩させていけないことはないが、とくに推奨されてはいない。
ではなぜ今回私が連れ出したかと言えば、見るに見かねたからである。
▲はるちゃん(左)とオス猫のすーさん。
すーさんは日がな一日家で過ごしている。
寝ている時間、食事の時間、人間と遊ぶ時間。
それ以外は何をしているかと言えば、彼は外を見ているのだ。
オス猫、6歳。
人間にしたら40歳。
すーさんは40歳のおじさんだ。自分とまあまあ同世代だったことに驚く。
▲外を見ているすーさん。
よその猫が縄張りを荒らしに来ないようパトロール感覚で外を眺めているのだが(たぶん)、ラプンツェルのごとく毎日外を眺める姿を見るにつけ思う。
「退屈じゃないのかな」
もし自分だったら退屈だ。
人間にあてはめた想像は猫にとっては迷惑だろうが、東京アラートも解除されたし今日は彼を散歩に連れ出すと決めた。
目的の場所は3年前の正月に一度キャットケージに入れて連れて行ったことのある近所の神社だ。
三鷹市の新川にある新川天神。勉強の神様ですね。
では出発。
▲これから外に連れていかれるとは気づいていない様子。
私もよくわからないがこんなものでいいだろう。
0.4kmと言えば400m。
現在の400m走の世界記録は43秒3だという。
人によっては1分もかからない距離を猫と散歩する企画だ。
一人では写真を撮りにくいので今回は長女のはるちゃんに同行してもらう。
▲意外と勢いよく飛び出した。
今の家に引っ越してから5か月。
彼は初めて外に出た。
どれだけ箱入りなんだと思うかもしれないが、家猫はこんなものであります。
このリードを使うのも、近所の動物病院に行くときだけなのでなかなか着け方を覚えられない。
▲初めてのくせに我が物顔で先を行く猫。もう彼の散歩は始まっている。
▲おケツ丸見せで階段を降りる猫。
▲音がするとびくびくする内弁慶な猫。
マンションを出るところまでは調子よかったのだが、道路に出たとたん石になってしまった。
メドゥーサがいたわけではない。
すーさんは自動車が大の苦手なのだ。
猫は耳がいいので大きな音がする車をとても怖がる。
交通量の多い東八道路を避け、住宅街の道を選んだがそれでも数台は車が通る。
車が来るとすーさんはあわてて道を引き返し、端っこの植え込みに隠れて石のように出てこない。リードを引っ張ってもびくともしない。
犬は集団で狩りをする習性があるから、基本的に走りたがる。
猫は走り回らず待ち伏せをして狩るタイプなので、待つのが得意で、待つと決めたら動かない。家の中で虫など見つけると、狩りの好機が来るまで本当ーーにいつまでも動かないのだ。猫はやらしいのだ。
彼はオス猫の限界体重である6㎏を少々越えている。
6㎏の石はけっこう重い。
てこでも動かぬ意思を感じたので、散歩の「歩」の部分は早々にリタイア。
▲荷物になった猫。
ずっと抱っこだと重いので、猫を入れたキャリーケースを自転車のかごに縦置きにして運ぶ。
これと言った特色のない平和な住宅街を猫を連れて散歩。
私は「ハレとケ」で言うと「ケ」が好きなので、こういう何でもない道を歩くのが好き。
▲古いお屋敷の梅の木。ブロック塀が楕円なのが可愛い。
▲熟しすぎた梅の実。「食べたらおなか壊すからだめよ」ってよく言われました。
▲園庭からはみ出すアジサイ。
▲ムラサキカタバミかな。今度植物がすぐわかるアプリを入れて来よう。
▲キャリーケースから顔を出してあたりを伺う。
とりたてて何があるわけでもないのだが、すべてが初めてのすーさんには何もかもが新鮮で目をキラキラさせている(ように見える)。
忙しくあっちを向いたりこっちを向いたりしている。
▲スクールゾーン。
▲前から気になっていたワイルドな顔ハメパネル。一体何があったのか。
▲新川天神に着きました。約20分かかりました。
▲近くに北野稲荷神社もあるな。あったっけ?
▲恐る恐る出てきた猫。エスパー伊東みたい。
初夏の夕方だ。日が伸びて6時近くでも明るい。
▲小さい神社だがいつも隅々まで掃き清められていて、来ると手っ取り早く邪心が消えた気分になれる。
▲わかりやすい案内板。
▲会員募集中! 会員になるとどうなるのかは不明だが「募集」という言葉が大好きなので撮る。
▲敵がいないか気配を伺いまくる猫。しかしオフシーズンのためか人っこ一人いない。野良猫もいなかった。
▲薪(たきぎ。柴っていうのかな?)に興味を示して用心深く摺り足で近づく。犬と違って木があってもマーキングしない。
▲整然と積まれた薪。お焚き上げに使うのかもしれない。ジェンガみたい。
▲薪が畳の縁(へり)みたいのでくくってある。神社っぽいというか、昔話っぽい風景。
▲すーさんが勢いよく上り始めた! 色味が同化している。
▲薪に野性味を引き出されたのか、急に顔がこわい。
▲顔がこわい。
この後、興奮ぎみで薪まわりを歩き回って土と蜘蛛の巣だらけになったのでつかまえて神社のメインロードに誘う。
▲「ほら、ここは手水舎(ちょうずや)と言って、お手手をきれいにするところよ。コロナの影響かなあ、水が空っぽだね。代わりに梅の実が一つある」
▲「ほら、新川天神の由来よ。なんと1649年からここに祭られているんだって!1640年て言えば吉良上野介が生まれた頃だよ」
▲「ほら、合格祈願の絵馬よ。絵馬っていつまで飾られてるんだろう、もう受験シーズンは終わったけど。もしかなわなかった場合、後で見るの辛いだろうな・・・」
▲「ほら、なんかのいわれのあるピカピカの牛よ。牛さんの下に説明が書いてあるよ。ここに祭られている学問の神様・菅原道真公は生前たいそう牛を可愛がったそうなの。この牛は道真公の死を悲しんで動かなくなった様子を表現したもの。道真公は59歳で亡くなったんだって」
何をご案内しても、すーさんにとっては薪の魅力には敵わないようだった。
はるちゃんが新川天神に詳しくなってしまった。
▲猫に振り回されてお疲れのはるちゃん、20歳。
この後お賽銭をお供えして帰路についた。
おやつ用にすーさんの大好物「ちくわ」をタッパーに入れて持参したが、まるで見向きもしなかった。それだけ周囲に気を払って緊張していたのだと思う。
人間の子どもにとっての遊具みたいなものでしょうか。
▲「あー疲れた。やっぱ家って最高だよね」の様子。
往復800mの散歩でも難儀したので、
・猫をホームセンターに連れて行く。
・猫とスターバックスのテラス席に行く。
という今後の予定は残念ながら厳しいかもしれません。
読んで下さってどうもありがとうございました。
私からは以上です。
こう書くといかにも行き慣れているようだが、初めてのことである。
犬の散歩はよく見る光景だが、猫の散歩は滅多に見ない。
猫はその性質上、散歩の必要性も適性もないのである。
猫を散歩させていけないことはないが、とくに推奨されてはいない。
ではなぜ今回私が連れ出したかと言えば、見るに見かねたからである。
▲はるちゃん(左)とオス猫のすーさん。
すーさんは日がな一日家で過ごしている。
寝ている時間、食事の時間、人間と遊ぶ時間。
それ以外は何をしているかと言えば、彼は外を見ているのだ。
オス猫、6歳。
人間にしたら40歳。
すーさんは40歳のおじさんだ。自分とまあまあ同世代だったことに驚く。
▲外を見ているすーさん。
よその猫が縄張りを荒らしに来ないようパトロール感覚で外を眺めているのだが(たぶん)、ラプンツェルのごとく毎日外を眺める姿を見るにつけ思う。
「退屈じゃないのかな」
もし自分だったら退屈だ。
人間にあてはめた想像は猫にとっては迷惑だろうが、東京アラートも解除されたし今日は彼を散歩に連れ出すと決めた。
目的の場所は3年前の正月に一度キャットケージに入れて連れて行ったことのある近所の神社だ。
三鷹市の新川にある新川天神。勉強の神様ですね。
では出発。
▲これから外に連れていかれるとは気づいていない様子。
【猫散歩の持ち物】
・リード(装着)
・ちくわ
・スーパーの袋
・水筒
・念のためキャリーケースも。
私もよくわからないがこんなものでいいだろう。
【目的地】
・三鷹市新川2丁目 『新川天神社』
・うちからの距離約0.4km。
0.4kmと言えば400m。
現在の400m走の世界記録は43秒3だという。
人によっては1分もかからない距離を猫と散歩する企画だ。
【目的】
・猫の退屈しのぎ。
・猫の運動不足解消。
・猫の社会勉強。
一人では写真を撮りにくいので今回は長女のはるちゃんに同行してもらう。
▲意外と勢いよく飛び出した。
今の家に引っ越してから5か月。
彼は初めて外に出た。
どれだけ箱入りなんだと思うかもしれないが、家猫はこんなものであります。
このリードを使うのも、近所の動物病院に行くときだけなのでなかなか着け方を覚えられない。
▲初めてのくせに我が物顔で先を行く猫。もう彼の散歩は始まっている。
▲おケツ丸見せで階段を降りる猫。
▲音がするとびくびくする内弁慶な猫。
マンションを出るところまでは調子よかったのだが、道路に出たとたん石になってしまった。
メドゥーサがいたわけではない。
すーさんは自動車が大の苦手なのだ。
猫は耳がいいので大きな音がする車をとても怖がる。
交通量の多い東八道路を避け、住宅街の道を選んだがそれでも数台は車が通る。
車が来るとすーさんはあわてて道を引き返し、端っこの植え込みに隠れて石のように出てこない。リードを引っ張ってもびくともしない。
犬は集団で狩りをする習性があるから、基本的に走りたがる。
猫は走り回らず待ち伏せをして狩るタイプなので、待つのが得意で、待つと決めたら動かない。家の中で虫など見つけると、狩りの好機が来るまで本当ーーにいつまでも動かないのだ。猫はやらしいのだ。
彼はオス猫の限界体重である6㎏を少々越えている。
6㎏の石はけっこう重い。
てこでも動かぬ意思を感じたので、散歩の「歩」の部分は早々にリタイア。
▲荷物になった猫。
ずっと抱っこだと重いので、猫を入れたキャリーケースを自転車のかごに縦置きにして運ぶ。
これと言った特色のない平和な住宅街を猫を連れて散歩。
私は「ハレとケ」で言うと「ケ」が好きなので、こういう何でもない道を歩くのが好き。
▲古いお屋敷の梅の木。ブロック塀が楕円なのが可愛い。
▲熟しすぎた梅の実。「食べたらおなか壊すからだめよ」ってよく言われました。
▲園庭からはみ出すアジサイ。
▲ムラサキカタバミかな。今度植物がすぐわかるアプリを入れて来よう。
▲キャリーケースから顔を出してあたりを伺う。
とりたてて何があるわけでもないのだが、すべてが初めてのすーさんには何もかもが新鮮で目をキラキラさせている(ように見える)。
忙しくあっちを向いたりこっちを向いたりしている。
▲スクールゾーン。
▲前から気になっていたワイルドな顔ハメパネル。一体何があったのか。
▲新川天神に着きました。約20分かかりました。
▲近くに北野稲荷神社もあるな。あったっけ?
▲恐る恐る出てきた猫。エスパー伊東みたい。
ついた
神社に来た。初夏の夕方だ。日が伸びて6時近くでも明るい。
▲小さい神社だがいつも隅々まで掃き清められていて、来ると手っ取り早く邪心が消えた気分になれる。
▲わかりやすい案内板。
▲会員募集中! 会員になるとどうなるのかは不明だが「募集」という言葉が大好きなので撮る。
▲敵がいないか気配を伺いまくる猫。しかしオフシーズンのためか人っこ一人いない。野良猫もいなかった。
▲薪(たきぎ。柴っていうのかな?)に興味を示して用心深く摺り足で近づく。犬と違って木があってもマーキングしない。
▲整然と積まれた薪。お焚き上げに使うのかもしれない。ジェンガみたい。
▲薪が畳の縁(へり)みたいのでくくってある。神社っぽいというか、昔話っぽい風景。
▲すーさんが勢いよく上り始めた! 色味が同化している。
▲薪に野性味を引き出されたのか、急に顔がこわい。
▲顔がこわい。
この後、興奮ぎみで薪まわりを歩き回って土と蜘蛛の巣だらけになったのでつかまえて神社のメインロードに誘う。
▲「ほら、ここは手水舎(ちょうずや)と言って、お手手をきれいにするところよ。コロナの影響かなあ、水が空っぽだね。代わりに梅の実が一つある」
▲「ほら、新川天神の由来よ。なんと1649年からここに祭られているんだって!1640年て言えば吉良上野介が生まれた頃だよ」
▲「ほら、合格祈願の絵馬よ。絵馬っていつまで飾られてるんだろう、もう受験シーズンは終わったけど。もしかなわなかった場合、後で見るの辛いだろうな・・・」
▲「ほら、なんかのいわれのあるピカピカの牛よ。牛さんの下に説明が書いてあるよ。ここに祭られている学問の神様・菅原道真公は生前たいそう牛を可愛がったそうなの。この牛は道真公の死を悲しんで動かなくなった様子を表現したもの。道真公は59歳で亡くなったんだって」
何をご案内しても、すーさんにとっては薪の魅力には敵わないようだった。
はるちゃんが新川天神に詳しくなってしまった。
▲猫に振り回されてお疲れのはるちゃん、20歳。
この後お賽銭をお供えして帰路についた。
おやつ用にすーさんの大好物「ちくわ」をタッパーに入れて持参したが、まるで見向きもしなかった。それだけ周囲に気を払って緊張していたのだと思う。
【猫さんぽ・まとめ】
・猫の退屈しのぎ、社会勉強にはなった。
・運動不足解消の面では、予想以上に歩かなかったので期待できない。
・猫は犬のように従順に歩いてくれない。
・そして、猫にとっては薪が魅力的だった!!
人間の子どもにとっての遊具みたいなものでしょうか。
▲「あー疲れた。やっぱ家って最高だよね」の様子。
往復800mの散歩でも難儀したので、
・猫をホームセンターに連れて行く。
・猫とスターバックスのテラス席に行く。
という今後の予定は残念ながら厳しいかもしれません。
読んで下さってどうもありがとうございました。
私からは以上です。