大船を侮るな、大船にはフラワーセンターがあるのだ

  • 更新日: 2018/11/22

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日比谷花壇大船フラワーセンター入り口







2018年、秋。おれは9月末ころより体調を崩していた。10月、11月、やや快方に向かった。
秋は散歩を誘う。安アパートのドア向かいに生えている花の写真ばかり撮っているわけにはいかなくなった。
いかなくなった、というわけではないけれど。




さあ、旅立とう。どこへ? 大船へ!
……大船は旅立つ先ではないのである。おれは鎌倉にずっと住んでいた。ゆえに、大船は行き先ではない。帰るところである。京浜東北線でいえば、現住所の山手から「帰る」場所に大船はある。
大船。子供心には「鎌倉市」や「藤沢市」のように「大船市」があるのではないかと思っていた。大船は、少し大きな街であった。ただ、少し大きい街であると気づいたのはしばらく経ってからであった。



大船駅を西と東に分けよう。分けたら、東口の方が開発されている街、ということになろう。が、それは藤沢のような開け方ではない。大きなビルもない。大船仲通り商店街というスポットはあるにせよ、大きなビルが立っているわけではない。
かつての鎌倉市民の聞いたうわさによれば、東口の土地所有者があっち系のそれ系であって、再開発が進まない、とのことであった。事実がどうなのかは知らない。ただ、東口の混沌とした雰囲気も嫌いではない。
が、今日の目的地は西口である。大船駅西口。わかりやすく言えば、観音様のある方。川と山。開発のしようがない。



大船観音は大船の見どころと言ってもいい。大船に途中下車することなく、ただ車窓から観音様の姿を目にする人にとっては「なんだ、あれ?」と思われているかもしれない。だが大船観音は……、今回は触れない。勝手に行け。まあ、階段をのぼることになるぜ。



西口、少し歩けば六地蔵。




なんの六地蔵かと思えば、首塚の六地蔵。玉縄城。北条氏。……といったところで、おれにはあまり興味がない。しかし、首塚か。ケイトウ(鶏頭)が植えられているのも、そんな意味かと思ってしまうね。



たくさんの店が立ち並ぶ大船駅東口と違って、西口は静かなものである。だが、このような弁当のお店や飲食店などもあるので、大船駅ですべて済ましてしまう必要もないのである。
というか、このあたり、住むのに良くないか? 静かだし、すぐ大船駅に出られる。大船駅からは北上するにも南下するにも便利だ。実用的な北上(横浜、東京方面)に、観光の南下(横須賀線で鎌倉、横須賀方面、東海道線で茅ヶ崎、熱海方面)。東京へは、やや遠いということもあるだろう。だが、静かだ。住まいに「静かさ」ほど大切な事があるだろうか(人によって違うだろうが)。



さて、今回の目的地は大船フラワーセンターである。2018年11月現在での正式名称は「日比谷花壇大船フラワーセンター」だ。ネーミングライツ、というやつである。おれにとっては「大船フラワーセンター」だが、今のところ「日比谷花壇大船フラワーセンター」が正しい。ネーミングライツにも良し悪しあろうが、フラワーセンターに金を出してくれているのだ。そこのところは尊重したい。
とはいえ、おれのなかでは「大船フラワーセンター」だ。これは「横浜ドリームランド」があるように、「大船フラワーセンター」があったという、そういう追憶のなかの名称である。ドリームランドはもうない。フラワーセンターは健在だ。それはうれしいことなのだ。



といったところで、やまかストア。正式にはスーパーマーケットやまか。おれはこの店舗に入ったことはない。だが、やまかといえば、片瀬や西鎌倉にある……、まあいい。こんなところにも「やまか」が、というおれの思いを受け取ってくれ(受け取ってくれなくても一向に構わない)。
ちなみに、大船駅からフラワーセンターまで徒歩15~20分。たいした距離ではない。駐車場もあるし、車で行ってもいいだろう。



節操のない政治的貼り紙。節操のある政治的貼り紙というのもなかなかにして乙なものだが、節操のないものもいい。どういう仕組みでこうなったかわからないが、「この党の横はやめてほしい」などという要望が通らないあたり、地主の強さを感じる。色あせた旧ポスターを貼り替えるでもなく、横に並べているというのもポイントが高い。なんのポイントかはわからない。



して、大船フラワーセンターへの歩道橋である。さすがにここまではネーミングライツの影響が及んではいない。相合い傘、相合い傘。



さて、入り口看板は「日比谷花壇大船フラワーセンター」。たしか内部もリニューアルしたはず。リニューアルしたあと、はじめての訪問となる。
入り口には、タッチパネル式の入場券発行機が備え付けられていた。が、係員が来客を確認するや、パッパと入場者数のボタンを押し、あとは金を入れるだけ、という用意をしてくれる。便利ではあるが、はたして有人窓口との違いはあるのかよくわからなかった。



入ってみると、案内看板。左にマップ、右はマグネットでイベントや見頃の植物の紹介となる。いや、左のマップの上にアルファベットの印を貼り付けられる形になっている。今回、我が来訪にこれといった目的は、ない。



入り口からでかいカボチャ。だいたいの時期は知れよう。というか、ハロウィンの後なのだけれど。



菊の展示をやっていた。おれはこのような「管物」(くだもの)が好きだ。



で、これはタイワンツバキ。Gordonia axillaris。ゴードニアというとアキシラリスかラシアンサスだが、単にゴードニアというときは、だいたいはこちらを指すように思える。いや、確証というものではないけれど、



ロウヤガキ。漢字で書けば牢屋でも老爺でもなく「老鴉柿」。中国原産で、盆栽とかに使われる。



園内の様子である。ところどころで、「前とは違ったなぁ」と思えるところがある。たとえばこんなところである。ただそれだけである。



お前もどこかで見たやつだなぁと思う。だが、どこの誰だかはわからない。ただそれだけである。



さて、バラ園。塩害が大船にも及んでいる。2018年の台風はいろいろな樹木に塩害をもたらした。横浜あたりでいえばイチョウにダメージを与えたし、鎌倉あたりではカエデの類の紅黄葉に影響を与えた。ここでは、バラに塩害があったという。「大船まで塩害?」というのが正直なところである。



と、ここで、バラ園には行かずに昼食である。この弁当は大船駅の駅ナカで買った。見栄えがよかった。が、今思えば、大船のことを書くのだから「大船軒」で鰺の押し寿司を買っておけ、という話である。が、この弁当は見栄えの通りに味もよかったので満足であった。激しい競争を勝ち抜いている駅ナカを侮るなかれ。



藤棚である。もちろん、フジの季節ではないので、種が垂れ下がっている。それだけである。ノダフジが右回りというべきか左回りというべきかは、各自判断されたい。



さあ、バラ園に入ろう。と、いきなり‘鎌倉’である。ここでは神奈川由来の品種が集められたコーナーがあるのだ。



これが‘鎌倉’だ。いや、そうなのだ。ほかにも‘湘南ファンタジー’とか、神奈川園芸試験場作出の‘ラブ・ミー・テンダー’とか咲いてた。けど、べつに写真いらんよね?



で、これがおれの好きなグリーンローズ( Rosa chinensis var. viridiflora)だ。なにせ、花が緑色である。青いバラ、とかいうより、緑色、というほうが面白くないか。「どっから花なんよ?」と思わせる、そこがいいと思わんか? まあ、思わなくてもいいけれど。



フェルゼン伯爵。……と、このように、おれは樹名板がある場合は、まずそれを撮ってから植物を撮る。容量を二倍食う。でも、あとから整理するには必要なのである。
で、フェルゼン伯爵。これは漫画『ベルサイユのばら』とフランスのメイアンがコラボして作出された一連のシリーズである。残念ながら、おれは『ベルサイユのばら』をよく知らぬのだが。



これが、‘フェルゼン伯爵’、ということになる。ほかにも「ベルサイユのばら」シリーズが植えられていたが、場所はあちらこちらであった。まとめて植えればいいものを、というところだが、やはり歴史ある大船フラワーセンター、空きスペースに植える、というようなことになっていたのであろう。知らんけど。



さて、バラ園を抜けてなにか物寂しい区画。
なんかおっさんが写っているのは今気づいた。



近づいてみればボタンの区画であった。現状では、はっきりいって墓地にしか見えない。ただ、こういう墓地も悪くないであろう。樹木葬、などと言われるが、そういったものである。下手に樹齢を重ねる大木などではなく、ボタンあたりの品種、そんなんでいい。枯れたり、あるいは札の方が劣化したりすればポイッと取り替え、そんなんでいい。おれの墓はそんなんでいい。



突如として温室に入る。温室の入り口の写真がないのは、まあ許してくれ。ちなみに、この札でいえばtakarazukaの先頭は大文字であるべきだろうし、日本語表記の方も左右は単一引用符であるべきだろう。



‘宝塚’。



バナナが咲いている情報。



おう、これがバナナの……花? 上の方にできている果実はいずれ食べられるのかしらん。



ユーカリのなにか。表面がスルッとしている。というか、というかといっていいのか、おれの記憶と比べて温室のなかがスルッとしていた。なんか、バッサリと整理されたように思えた。前はもっといろいろなものが生い茂り、カオスな状況にあったような気がする。それが、どうもサッパリしている。これもリニューアルだろうか。とはいえ、おそらくはまだ途中、なのだろう。



カボチャだよー。



集まって、合体……ということはない。
触ってみると冷たかった。



キジュ(カンレンボク)の実。



そしてコスモス。日比谷花壇を名乗る以上、花がなくてはならんのだろう。というか、なんか雨とかちょっと降ってきてたし(関係ない)。



ちなみに、この日のカメラはすべてiPhone XS。植物園に行く、となれば、単焦点のマクロレンズでもぶら下げて行くところだけれど、買ったばかりのXSの性能を試したかった。マクロはきつい。が、これだってトリミングすればそれなりに撮れているんじゃあないだろうか。まあ、マクロ狙いの一眼レフをぶら下げつつの広角でのXS使用あたりがいいのだろうか。よくわからん。ただ、カメラ起動させっぱなしでいると、さすがにバッテリーの減りが早い。こまめにオフはしたほうがいい。



なんだかしらんが、昆虫と花、というのはいいな。あとは鳥なのだろうけど、鳥撮りにはそれこそかなりのレンズを投入しなければいけないのだろう。日比谷花壇大船フラワーセンターにもいくらか鳥のさえずりは聴こえたが、姿を見ることはできなかった。池とかあればなんかいいかもしれない。まあ、フラワーセンターだ。バードは本筋ではない。でも、かわりにタイワンリスがいたけれどね(速すぎて撮れなかった)。



さて、帰るか。と、なにか入り口付近で物音が激しい。見てみると、向かいで解体作業をしていた。解体はロマンである。



それじゃあ、また。



帰り道のローソン。ブルーが渋い。たぶん、鎌倉市年景観条例的なものの適用だろう。彩度とかマンセル値とか、そういうやつの反映。いや、まあ、実際にやったことあるんですけどね、ローソンにも適用。というか、あまり古都的ではない大船に適用というのがやや意外。



糖尿「病」。おれは睡眠時無呼吸症候群であり、糖尿病家系にありながら糖尿病禁忌の抗精神病薬を服用しているので、これはまったく他人事ではない病院だな、とか思っただけです。



「江の島へ近道13分」は湘南モノレール。おれは小学生高学年のころから大学生の初期にいたるまで、日常的に湘南モノレールに乗り続けたことから、湘南モノレール愛のある人間なのである。というわけで、観光地として「近道」はいいのかどうかと考えざるをえない。やはり横須賀線で鎌倉駅まで出て、そこから江ノ電でゴトゴトの方が観光なのではないか、などと。でも、江ノ電混んでるし、たかが足の遅い小さな電車だぜ。湘南モノレールは珍しいのだぜ。トンネルも二つあるのだぜ、と言いたい。



東口を少し見る。笠間口(北口)の方で再開発が始まっている。大船のルノアール、こんなところにあったっけ? パチンコ屋の上で、コーヒー飲んで、昆布茶が出てきて、落ち着けるのだろうか?



まあいい、今回はフラワーセンターだ。帰ろう。しかし、見ろよ、空港みたいじゃないか(注:おれはこの人生で搭乗用途で空港に行ったのは二十年以上前です)。やはり大船は偉大だ。東海道線、横須賀線、京浜東北線、そして湘南モノレールが乗り入れている。ハブとしてだけじゃあない。仲通り商店街がある。そして、裏には観音様と、フラワーセンターがある。おれは今回はフラワーセンターに行った。
あなたも行くべきである。大船軒で弁当を買って、フラワーセンターに行け。そして、観音様に行け。裏側の仲通り商店街に行け。それがいい。



植物なんて、そこらの家の庭先にも生えてるなんて言ってくれるなよ(生えてるけど)。
というわけで、幸か不幸かこれを目にしてしまったあなた、そこのあなた、大船という行きやすい場所にある日比谷花壇大船フラワーセンター、行ってみるべきじゃあないのかね?






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黄金頭

横浜市中区在住の労働者。「関内関外日記」というブログを書いています。

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