検証:東京都から山梨県まで歩いて行けるのか

  • 更新日: 2025/02/13
  • hatebu
  • feedly
  • rss




前回、24時間で100キロ歩いたあと、さすがに足が痛くて整形外科に行ったところ、医師から、膝の軟骨がすり減っており、また、一度すり減った軟骨は元に戻ることがないということを告げられて、ようやく自分がどうかしていたことに気付いたのだった。
それまで、全くそのような習慣がなかったところから、徐々に馴らしていくわけでもなく、急に、毎週のように、数十キロのウォーキングを続けていたわけだから、足が破壊されるのも当然で、そうなるだろうことは自分でもうすうす分かってはいたのだが、文字通り取り憑かれたような状態になっていて、歩かずにいることができなかった。これがウォーキングではなくアルコールだったら、あるいはハイブランドの買い物や、はたまたドラッグだったらと思うとまったくゾッとする。
すっかり目が醒めた私は、将来、車椅子で生活することを避けるべく、多くて1日1万歩前後の、極めて常識的な範囲でのウォーキングしか行わずにしばらく生活していたのだが、『ファンタスティック Mr.FOX』(2009)の主人公であるMr. フォクシー・フォックスが、パートナーの妊娠を機にトリ泥棒から新聞記者へと転身したものの、どうにもムラムラしてしまって泥棒稼業を再開してしまったのと同様、私もまた、ムラムラと湧きおこるウォーク欲をねじ伏せることができず、また、正月休みに突入したことによって、やりたいことのなさ、生きている意味のなさを眼前に突き付けられて苦しくなったこともあり、1年以上ぶりに長距離ウォークを敢行することを決めたのだった(仕事は仕事で働かないと飯が食えないから仕方なくやってるだけで何のモチベーションもなく、ただただ苦痛である一方で、何かやりたいことや熱中できることがあるかというとそういうわけでもなく、じゃあ何のために生きてるんだとは思うのだが、そもそも何か目的を持って生まれたわけでもないのだからやることがないのはむしろ当然で、そうなると、何かやることや目標を死ぬまで捏造し続けなければならなくなるわけで、それゆえ、こうして誰にも頼まれていないのに勝手に苦しい思いをして長距離を歩いてしまうのだ)。

ここまで、サンポーというよりジンセーという感じの文章になってしまったので、急いで実際的なウォーキングの話に移ろう。

前回は100キロを歩いているので、さすがにそこから距離を伸ばす気にもならず、そこそこの距離でモチベーションが湧くような目標にしようと考え、今回は、東京都から徒歩で山梨県まで到達できるかを検証することにした。
具体的には、東京都の端っこにある相原駅をスタート地点に、山梨県の端っこの上野原駅をゴール地点に設定した。




1月4日 6:15 相原駅を出発


歩き始めてすぐにほっせぇ川を渡ったのだが、あとから調べてみると、それは境川といい、文字通り東京都と神奈川県の都県境を流れている川で、 気付かぬうちに東京から神奈川に突入していた。開始15分で目標の半分を達成するとは幸先がいい。



7:15 津久井街道で見る朝日






7:30 城山ダムに到着






7:38 昨年から世間を騒がせている、左手のない猿に遭遇。ちょうどこの前日くらいに、自分は街中で有名人を見つけるのが得意だという話をしていたところだったが、有名猿(ゆうめいえん)を見つけるのもやはり得意だったらしい。長距離ウォークは同じことをし続ける退屈さとの闘いでもあるので、こういうレアイベントは精神的に非常に助かる。

【独自】“左手ない猿”は餌付けされた?

神奈川・茅ヶ崎市に16日、“左手のない猿”が出没した。同じ個体とみられる猿が15日にも住宅街で目撃されていて、近隣の幼稚園などが子どもの外遊びを禁止するなど住民生活にも影響が出てきている。人間との




この距離ですでに確信して写真を撮っていた。




9:37 「ザ」ってなんなんだ






10:00 相模湖に到達、天気がいい。新年から来ているのは熱狂的な釣り客しかいない。








11:05 いい名前だなー




11:42 経路については、例によってろくに調べもせずに、iPhoneの地図アプリで検索して出てきた道をそのまま採用しているので、県道・国道沿いをひたすら歩くことになったのだが、このあたりから歩道が体感0~2ミリしかなく、車も割と飛ばしている(人がいると思っていない)のでかなり怖い。これから長距離ウォークをやろうと思っている人は真似しないように。




12:01 妙に味のある看板があったので何となく写真を撮っていたのだが、あとで調べてみるとドラマのあるお店(現在閉店)だった。

長い旅路の果てにたどり着いた「シーゲル堂」

藤野駅前にある謎の店「シーゲル堂」が、長い旅路の果てにここへとたどり着いた理由とは・・・。









12:07 弁天橋を渡る。2024年は『Believe-君にかける橋-』というドラマにドはまりしていたので、橋があるとつい意識してしまう。







12:32 大きな困難もなくあっさり山梨県に突入、あとは駅に着けばゴール。






12:54 桂川(相模川の山梨県域での呼称)、景色がいいので川沿いを少し散策。




13:16 目標だった上野原駅に到着




せっかく山梨県まで来て、ここで電車に乗って帰るのも味気ないので、富士山でも見て帰るか、と考え「上野原 富士山 見える場所」とかで適当に検索して出てきた八重山展望台ということろをおかわりで目指すことに決定。

その前に、まずは腹ごしらえをしようと、とりあえず4日から営業している店を見つけて突撃。事前に調べないで飲食店に入る経験は久しぶりのような気がする。




「お食事処あやの上野原本店」で鮎の甘露煮御前¥2,000-を注文。山梨に来たんだから地のものを使ったちょっといいランチでも食べたいな、という気持ちにちょうどフィットする定食で大満足。

休息を取ったところで、最後の山登りに向かう。




ここまで湖・川沿いに映える山々を眺めながらいい気分で歩いてきたので油断していたのだが、「展望台までの山道の景色がつまらない」という問題が発生し、この旅で最大のピンチを迎えた。



味気ねー……

当然、傾斜もきつく「鮎食ってさっさと帰れば良かったな」と後悔しながらも、もう少しで富士山が見れるというモチベーションを頼りに、気力を振り絞って何とか地図が指し示す展望台の場所に到達!





は?

確かに地図上では目的地に到達しているはずなのに、あるのは木々に囲まれた道路だけ。ま、デフォルトの地図アプリなんでそういうこともありますわな、と思ってGoogleマップでも見てみたところ……



行けるはずのない場所に、立ち小便の軌跡みたいな点線が表示されており、これを見た瞬間に全ての気力がなくなり、帰宅を決意。
(ちなみに、後から調べたところ、そもそも展望台の入口をアプリに誤って案内されていたことが発覚した)






全く無駄に10キロ山を上り下りしてしまったが、もともと最初から無駄に歩いているだけなので問題なし。お疲れ様でした。


まとめ

東京都から山梨県まで歩いて行くことはできるのか?

結論:途中で左手のない猿に遭遇して気分が盛り上がれば余裕







このサイトの最新記事を読もう

twitterでフォローFacebookでフォロー
  • hatebu
  • feedly
  • rss

危機です。

関連する散歩

フォローすると最新の散歩を見逃しません。

facebook      twitter      instagram      feedly

TOPへ戻る