密を避けるために鶯谷へ行ってみた
- 更新日: 2020/08/18
密を避ける
世間は「コロナコロナ」と、世界的に流行しているウイルスの話ばっかりだ。
感染拡大の防止の為に国は外出自粛を呼びかけているが、いざ実行するとなるとなかなか難しい。一国民の僕ができることは、渋谷や新宿などの大きな街に行くことを控えることくらいだろうか。
そうなると、どこへ行ったらいいだろう。
そんな中Googleの検索にて見つけたのが、この「鶯谷」だ。
調べたところによると、鶯谷は東京23区の中で一番乗降車数が少なく「ダサい街ランキング」や「絶対に住みたくないランキング」の常連でもあるそうだ。
そんな駅なら「密」になることもないだろうと思い、思い切って訪れることにした。
何%の人がこれを「うぐいすだに」と読めるだろうか。
僕は今まで「とりや」と読んでいた。それほどまでに、僕の人生において鶯谷の存在は薄い。
なんで「とりや」と読んでいたかというと「鶯」という漢字が「烏龍茶」っぽいな、と昔から昨日に至るまで思っていたから。自分でも全く意味がわからない。
改札を出た瞬間、本当に驚いた。山手線沿いにも関わらず、こんなにも閑散としている街があるだろうか。
老舗も多く、今は珍しい食品サンプルを置いている店も見つけた。「マーボー丼」じゃなくて「マーボ丼」なのが良い。
1分ほど歩いてみてわかったことは、ラブホテルが本当に多い。事前知識をつけずに来たから知らなかったが、鶯谷は「ラブホテルの街」とも呼ばれているらしい。絶対に子供とは来たくないな。
ラブホテルを建てる際は、絶対にしょぼい噴水も一緒に作らなければいけないというルールでもあるのだろうか。
謎の店だ。この摩訶不思議なトライアングルに囚われたおじさんが「よ〜かんちゃん」なのだろうか。体はないのに手は動かせるっぽいのが、一層怖さを引き立たせる。
調べてみると、ここはかなりの有名店らしい。著名人や有名人も多く訪れるらしく、料理もめちゃめちゃ美味しいらしい・・・
マスターのお顔も某メディアで拝見させていただいたが、イラスト通りの顔とキャラクターだった。
行ってみたいのは山々だが、完全会員制らしく一見さんはお断りだそうだ。早く会員の有名人と友達にならなきゃな。
張り紙を貼るまでに止めてほしいと思っているのに、それでも開けっ放しにする奴、一体何者なんだ。
そうこうしていたら大通りに出てしまった。しかし一向にホテルの乱立は泊まる気配を見せない。すごい街だ。そもそも、なぜこんなにもホテルが多いのだろう?調べてみると、戦後の「連れ込み旅館」がルーツらしい。また、遊郭で有名な吉原の入り口でもあったため、現在の形に変貌するのは当然っちゃ当然かも知れない。
歴史を知ったあとに歩くと考え深いものがある。
「HOTEL プリンセスⅠ」もあるのかな、なんて想像する。
たらこパスタと思っていたら、どうもナポリタンらしい。いくらなんでも日焼けし過ぎではないかと思う。隣のサラダなんて死んでいるじゃないか。
上も見上げたら現代と過去が混在していて頭が混乱しそうになる。坂本九も上を向かなくなるレベルだ。
少し話は逸れるが、坂本九の本名が九(ひさし)であることを初めて知った。「九(ひさし)かあ〜」と思わざるを得なかった。
上を見すぎたなと思って下を見たら、即席麺の粉末スープが落ちていた。しかし、周りには即席麺の容器、箸、その他諸々のゴミは一切落ちていない。ただ開封済みの粉末スープだけが落ちていた。
放置自転車の中に捨てられたゴミは、その街を表すと言われている。さて、この街はどうだろうか。
おしまい。
一瞬、店名が「お薬はこちらで」なのかと思ってしまった。あと「セコム」のシールをドアの真ん中に貼る意味もわからない。相場端だろう。
街の掲示板は、その街の持ち味が出るから面白い。しかし、このご時世明るいニュースはなく、イベントの中止を伝える情報しかない。かの有名な「夏期ラジオ体操会」も、今年はやむを得ず中止らしい。残念だ。
その下には、街の鼓動に敏感な「朝日信用金庫」が。敏感なのは結構だけど、たまには心を休めてほしい。
初めて見たときは意味が分からなかったが、1分ほど考えたところでやっと答えが出た。これは「陽」と「陰」だ。「一見楽しそうに見えるお花屋さんにも、辛い部分やお客さんには言えないしんどいこともあるんだよ」というメッセージに違いない。
掲示板2。こちらにも「夏期ラジオ体操会」の張り紙が。しかし、よく見ると「中止」の書き方がちょっと違う。個人的にはさっきのやつのほうが好きだ。
語学教室でありながら、なぜこの純和風的なフォントを選んだのだろうか。しかし、見れば見るほど「なんかいいな」という気持ちになる。
いや、それよりもまず建物が少しばかり細すぎやしないか?いくら東京に土地がないとは言え、これは流石にすごすぎる。狭小住宅とかいう次元の話ではない。
掲示板3。今度は投げやりな「中止」だ。なぜ2回も言う必要があるのだろう、今までのに比べて口調が荒い気もする。
洗濯物が吊るされている塾、生活感がある。きっと家主さんが先生だろうから、洗濯物をたたみながら生徒の質問に答えたりするんだろうな。
なんか張り紙がされてる、なんだろう・・・
そっかあ。よろしくね、みぃちゃん。
良い一角を見つけた。築年数がかなり経っていることは間違いないが、建物によって色が違うのがおしゃれだ。
誰でもいいから早く印を押して回してあげてほしい。
隣に甘えてたんだね。これからは自立して建つんだよ。
めちゃめちゃ小学校っぽい「こどもクラブ」を見つけた。こどもクラブって一体何をするんだろう・・・というかこどもクラブってなんだ・・・?
全体的にフォントのアスペクト比が気になる。あと、一番と二番の歌詞がほぼ一緒で「おお」となった。
プラスチック製のにんじん・・・?
プラスチック製のにんじんを見ていたら、お腹が空いていたことを思い出した。よく考えてみたらもう3時を回っていたし、33度という炎天下での散歩で少し疲れていたから、ちょっと休憩したいなあと思っていた矢先「20th Century Fox」風のガストが目の前に現れた。これは運命と言ってもいいのではないだろうか。
美味しんぼで「ミックスグリルをいつでも食えるくらいになりなよ」と言ってた気がするから、その意志を継くという意味でミックスグリルを頼むことにした。富豪。
ガストを出たすぐ先に、室外機の熱風にさらされた二宮金次郎を見つけた。ただでさえ肉体労働をしているというのに、この仕打ちはあんまりではないだろうか?
洗濯機、乾燥機が一切見当たらないコインランドリー。「コインランドリー」という概念について深く考えされられた。
確かに汚い字は恥ずかしいし、綺麗な字を書けるようになりたい。でも5時間はちょっと長いなあ・・・
「ザ・下町」といった感じ。すごく良い。憧れというか、住んでみたさがある。
ちょっと整列しすぎてて怖くなった。君たちはもっと自由であるべきだと思う。
森の中とか自然の多い場所であればこのデザインでもいいと思うけど、ビルの前に設置する自販機のデザインではないと思う。遠目から見るとサラダ。
誰のおじいちゃんが経営しているんだろう。社名だったら普通にびっくりしちゃうな。
裏道や住宅街を中心に歩いていたから、マックとか松屋とかのチェーンが見えるだけで自然と安心してしまう。「ああ、少なくともこの街で生きていくことは可能だ」と思える。
ハンバーグのことを「バーグ」って呼ぶタイプの店主がいるに違いない。
そんなこんなで自然とスタート地点に着いてしまった。地獄みたいな暑さの中の散歩だったが、これにて終了。
それじゃあ、またね鶯谷。
あ、一番好きな写真を忘れてた。
ボブ・マーリー自転車
さようなら。
感染拡大の防止の為に国は外出自粛を呼びかけているが、いざ実行するとなるとなかなか難しい。一国民の僕ができることは、渋谷や新宿などの大きな街に行くことを控えることくらいだろうか。
そうなると、どこへ行ったらいいだろう。
そんな中Googleの検索にて見つけたのが、この「鶯谷」だ。
調べたところによると、鶯谷は東京23区の中で一番乗降車数が少なく「ダサい街ランキング」や「絶対に住みたくないランキング」の常連でもあるそうだ。
そんな駅なら「密」になることもないだろうと思い、思い切って訪れることにした。
何%の人がこれを「うぐいすだに」と読めるだろうか。
僕は今まで「とりや」と読んでいた。それほどまでに、僕の人生において鶯谷の存在は薄い。
なんで「とりや」と読んでいたかというと「鶯」という漢字が「烏龍茶」っぽいな、と昔から昨日に至るまで思っていたから。自分でも全く意味がわからない。
改札を出た瞬間、本当に驚いた。山手線沿いにも関わらず、こんなにも閑散としている街があるだろうか。
老舗も多く、今は珍しい食品サンプルを置いている店も見つけた。「マーボー丼」じゃなくて「マーボ丼」なのが良い。
1分ほど歩いてみてわかったことは、ラブホテルが本当に多い。事前知識をつけずに来たから知らなかったが、鶯谷は「ラブホテルの街」とも呼ばれているらしい。絶対に子供とは来たくないな。
ラブホテルを建てる際は、絶対にしょぼい噴水も一緒に作らなければいけないというルールでもあるのだろうか。
謎の店だ。この摩訶不思議なトライアングルに囚われたおじさんが「よ〜かんちゃん」なのだろうか。体はないのに手は動かせるっぽいのが、一層怖さを引き立たせる。
調べてみると、ここはかなりの有名店らしい。著名人や有名人も多く訪れるらしく、料理もめちゃめちゃ美味しいらしい・・・
マスターのお顔も某メディアで拝見させていただいたが、イラスト通りの顔とキャラクターだった。
行ってみたいのは山々だが、完全会員制らしく一見さんはお断りだそうだ。早く会員の有名人と友達にならなきゃな。
張り紙を貼るまでに止めてほしいと思っているのに、それでも開けっ放しにする奴、一体何者なんだ。
そうこうしていたら大通りに出てしまった。しかし一向にホテルの乱立は泊まる気配を見せない。すごい街だ。そもそも、なぜこんなにもホテルが多いのだろう?調べてみると、戦後の「連れ込み旅館」がルーツらしい。また、遊郭で有名な吉原の入り口でもあったため、現在の形に変貌するのは当然っちゃ当然かも知れない。
歴史を知ったあとに歩くと考え深いものがある。
「HOTEL プリンセスⅠ」もあるのかな、なんて想像する。
たらこパスタと思っていたら、どうもナポリタンらしい。いくらなんでも日焼けし過ぎではないかと思う。隣のサラダなんて死んでいるじゃないか。
上も見上げたら現代と過去が混在していて頭が混乱しそうになる。坂本九も上を向かなくなるレベルだ。
少し話は逸れるが、坂本九の本名が九(ひさし)であることを初めて知った。「九(ひさし)かあ〜」と思わざるを得なかった。
上を見すぎたなと思って下を見たら、即席麺の粉末スープが落ちていた。しかし、周りには即席麺の容器、箸、その他諸々のゴミは一切落ちていない。ただ開封済みの粉末スープだけが落ちていた。
放置自転車の中に捨てられたゴミは、その街を表すと言われている。さて、この街はどうだろうか。
おしまい。
一瞬、店名が「お薬はこちらで」なのかと思ってしまった。あと「セコム」のシールをドアの真ん中に貼る意味もわからない。相場端だろう。
街の掲示板は、その街の持ち味が出るから面白い。しかし、このご時世明るいニュースはなく、イベントの中止を伝える情報しかない。かの有名な「夏期ラジオ体操会」も、今年はやむを得ず中止らしい。残念だ。
その下には、街の鼓動に敏感な「朝日信用金庫」が。敏感なのは結構だけど、たまには心を休めてほしい。
初めて見たときは意味が分からなかったが、1分ほど考えたところでやっと答えが出た。これは「陽」と「陰」だ。「一見楽しそうに見えるお花屋さんにも、辛い部分やお客さんには言えないしんどいこともあるんだよ」というメッセージに違いない。
掲示板2。こちらにも「夏期ラジオ体操会」の張り紙が。しかし、よく見ると「中止」の書き方がちょっと違う。個人的にはさっきのやつのほうが好きだ。
語学教室でありながら、なぜこの純和風的なフォントを選んだのだろうか。しかし、見れば見るほど「なんかいいな」という気持ちになる。
いや、それよりもまず建物が少しばかり細すぎやしないか?いくら東京に土地がないとは言え、これは流石にすごすぎる。狭小住宅とかいう次元の話ではない。
掲示板3。今度は投げやりな「中止」だ。なぜ2回も言う必要があるのだろう、今までのに比べて口調が荒い気もする。
洗濯物が吊るされている塾、生活感がある。きっと家主さんが先生だろうから、洗濯物をたたみながら生徒の質問に答えたりするんだろうな。
なんか張り紙がされてる、なんだろう・・・
そっかあ。よろしくね、みぃちゃん。
良い一角を見つけた。築年数がかなり経っていることは間違いないが、建物によって色が違うのがおしゃれだ。
誰でもいいから早く印を押して回してあげてほしい。
隣に甘えてたんだね。これからは自立して建つんだよ。
めちゃめちゃ小学校っぽい「こどもクラブ」を見つけた。こどもクラブって一体何をするんだろう・・・というかこどもクラブってなんだ・・・?
全体的にフォントのアスペクト比が気になる。あと、一番と二番の歌詞がほぼ一緒で「おお」となった。
プラスチック製のにんじん・・・?
プラスチック製のにんじんを見ていたら、お腹が空いていたことを思い出した。よく考えてみたらもう3時を回っていたし、33度という炎天下での散歩で少し疲れていたから、ちょっと休憩したいなあと思っていた矢先「20th Century Fox」風のガストが目の前に現れた。これは運命と言ってもいいのではないだろうか。
美味しんぼで「ミックスグリルをいつでも食えるくらいになりなよ」と言ってた気がするから、その意志を継くという意味でミックスグリルを頼むことにした。富豪。
ガストを出たすぐ先に、室外機の熱風にさらされた二宮金次郎を見つけた。ただでさえ肉体労働をしているというのに、この仕打ちはあんまりではないだろうか?
洗濯機、乾燥機が一切見当たらないコインランドリー。「コインランドリー」という概念について深く考えされられた。
確かに汚い字は恥ずかしいし、綺麗な字を書けるようになりたい。でも5時間はちょっと長いなあ・・・
「ザ・下町」といった感じ。すごく良い。憧れというか、住んでみたさがある。
ちょっと整列しすぎてて怖くなった。君たちはもっと自由であるべきだと思う。
森の中とか自然の多い場所であればこのデザインでもいいと思うけど、ビルの前に設置する自販機のデザインではないと思う。遠目から見るとサラダ。
誰のおじいちゃんが経営しているんだろう。社名だったら普通にびっくりしちゃうな。
裏道や住宅街を中心に歩いていたから、マックとか松屋とかのチェーンが見えるだけで自然と安心してしまう。「ああ、少なくともこの街で生きていくことは可能だ」と思える。
ハンバーグのことを「バーグ」って呼ぶタイプの店主がいるに違いない。
そんなこんなで自然とスタート地点に着いてしまった。地獄みたいな暑さの中の散歩だったが、これにて終了。
それじゃあ、またね鶯谷。
あ、一番好きな写真を忘れてた。
ボブ・マーリー自転車
さようなら。