ハリウッドスター、S・セガールゆかりの大阪淀川区十三の地を歩く

  • 更新日: 2018/09/13

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大阪とハリウッドスターの意外なつながり

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映画の都、アメリカ合衆国ハリウッド。
多くのハリウッドスターが銀幕を舞台に活躍しています。

実は、そんなハリウッドスターゆかりの地が、大阪に存在しているのです。
今回の散歩の舞台は大阪市淀川区十三。
北区有数の繁華街であり、市民からは「おっちゃんの街」として知られるこの一帯は、アクション俳優スティーブン・セガールが青年時代を過ごした場所なのです。

果たして、そこにハリウッドスターの軌跡はあるのか?
セガールのファンも、「まったく知らん!」という人もぜひお付き合いください。
(知らない人は記事閲覧前に「セガール」とGoogleイメージ検索して顔写真をチェックしていただけると、より楽しめるかと思われます)

場所はここ↓らへん





出発は阪急電車十三駅から。

ここでセガールについて簡単に解説。
セガールはハリウッドを拠点として活動することの多かったアクションスターであり、日本では「沈黙の~」ではじまる「沈黙シリーズ」で知られています。
近年はロシア国籍を取得し、親善大使としての活動も行っているようです。

「セガールなんてやつの映画は全然観たことないぞ? 本当にハリウッドスターなのか?」と思われる方、なかなか鋭い。
実を言うと彼の作品は90年代が全盛期であり、その頃は全世界で主演作が公開されていましたが、2000年代に入るとその人気は低迷し、ほとんどの作品がビデオリリースのみとなっています。
日本でいう哀川翔や竹内力のような「Vシネマ俳優」に近い立ち位置と言えるでしょう。

しかし、日本では本国以上に高い人気を誇り、近年においてもその主演作が劇場公開されています。
アメリカではなく、日本でスクリーン上の勇姿を観ることができるという意味ては、ある種日本にかなり近いハリウッドスターだと言えるでしょう。

そんなセガールが1975年から1983年までの8年間を過ごしたのが、この十三です。




セガールの里に手塚治虫ヒストリー。
伝説の漫画家とハリウッドスターの意外なニアミス(?)



駅からいわゆる「飲み街」まで徒歩0分。
改札開けたら赤ちょうちん。



セガール映画の魅力はいったい何でしょうか。
大きく分けてふたつあります。

ひとつは合気道を駆使した本格的な格闘アクション。
セガールが活躍した90年代ハリウッドアクション映画の格闘シーンと言えば、ただパンチやキックで殴りあうようなものが主流であり、格闘技を取り入れている作品であってもせいぜい空手ぐらいでした。

日本において本格的な合気道を学んだセガールの映画の格闘は、当時においてはかなり本格的なものでした。
相手をただ殴り倒すのではなく、攻撃をいなしてその反動で相手を投げたり、手首をはじめとするウィークポイントに的確なダメージを与えて無力化させるなど、他のアクションスターのそれとほかなり毛色が異なっていたのです。

近年は「96時間」や「ジョン・ウィック」などの作品において、より実践的な格闘アクション演出が行われるようになりましたが、ひょっとしたらセガール映画はその先駆けのひとつと言えるかもしれませんね。



もうひとつの魅力は「ほとんどの作品においてあまり苦戦しない」ということです。

セガールのライバルとしてはアーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローン、そしてブルース・ウィルスなどがしばしば挙げられますが、特に後者二人はかなり苦戦する描写が多いです。
難敵に倒されそうになり、罠にかかりそうになりながらもなんとか勝利を収めるといったパターンがある種確立されています。

しかし、セガールはそういった「苦戦」の描写が他アクションスターと比較してかなり少ないです。
初期の作品こそそれなりに「うわあ、セガールピンチだ!」といったようなシーンはあるのですが、作品の制作年が新しくなるにつれどんどんそうした描写が薄れていき、近年の作品は「なんか悪いやつが出てきたけど元〇〇(特殊部隊とか秘密組織とか)のセガールがきて軽くボコボコにした」ぐらいの非常にシンプルなストーリーとなっています。

そういった作風は基本的に緊張感がなく、「セガールの映画はハラハラしないからつまらん!」といった声も少なくはないのですが、むしろピンチ皆無の展開が「スカッとするしネタとして面白い」と感じる映画ファンも少なからず存在し、それが日本国内でのセガール人気を支えているようです。



十三のマスコットキャラクター、見返りションベン小僧のトミー君。
戦後しばらくの間この十三駅前はトイレがなく、酔っ払いのオッチャンたちがその辺で立ちションベンをしていたことから「ションベン横丁」と呼ばれていました。
トミー君はそんなションベン横丁を体現する存在として生み出されたのです。
ネガティブイメージをマスコットキャラクターにしてしまうOSAKAスピリッツがすごい。
同じ十三出身のキャラクターとしてセガールとの共演に期待!(無理やりなこじつけ)



十三の居酒屋は昼間でも元気にオープン!
昼間から飲める街と言えば、大阪では十三。



魔性のことば「ニンニクいれますか?」
ちなみに大阪にラーメン二郎は今のところありません。
二郎っぽい店、すなわち「二郎系」ならたくさんあります。



セガールはアクションスターとしてだけではなく、歌手活動も行っています。
ギターを弾きながらのカントリーソングが好きらしいです。
「沈黙の断崖」では彼の演奏を聴けます。



朝はしがない文具店。
だが夜は……?



ヒゲのおっさんがカメ踏んでそう。



小林薫がいるかもしれない。
なんちゃらかんちゃら白い雲~(うろ覚え)





37℃という猛暑の中、ものすごい行列ができていたラーメン屋。
正式名称は「クソオヤジ最後のひとふり」らしい。
注文を頼むときは「おい! クソオヤジ!」と叫んでみたい。
何の脈絡もなくセガールが出てきて「ナンヤトワレ?」とか言ってきそう。

ちなみにセガール主演作の中でおすすめは「沈黙の戦艦」と「暴走特急」。
元シールズのコックであるケイシー・ライバックが活躍するこの二本はブルース・ウィリスの「ダイハード」シリーズの影響を受けた作品であり、「テロ組織に乗っ取られた巨大施設(乗り物)で主人公が活躍する」といった展開はよく似ていますが、その雰囲気は大違い。
ウィリス演ずるやたらしぶとい刑事マクレーンが必死こいて敵を倒していくのとは違い、元特殊部隊のケイシー・ライバックは敵より圧倒的に実力が上。
まるで人体に入り込んだ巨大サナダムシのごとくテロリストを苦しめます。
劇中、ケイシー・ライバックの恐るべき経歴を知り「あの男が……!」「俺の元上官だった男だ……!」と戦意喪失したり、他のアクションスターであれば血みどろになってやっと倒せそうな強敵をボッコボコに圧倒するシーンは非常に個性的で見どころあり!




やたらパースの効いた駐輪場。

その他おすすめのセガール映画は「アウト・フォー・ジャスティス」「グリマーマン」など。
両方とも刑事のセガールが活躍する作品であり、彼の合気道アクションが堪能できます。とくに前者クライマックスの戦いは悪役がかわいそうなぐらいボッコボコにされ、スカッとする上に笑えます。



風まかせ人まかせではあるものの、営業時間にはきっちり。



ひとまず、セガールゆかりの場所である「天心道場」を目指しましょう。

ちなみに十三界隈では「昔セガールを見たことがある!」というウワサがさも都市伝説のように語られています。
自分が聞いたことがあるのは

・何やら銀行前にでかい外国人が座っていたのでからかったら「なんやとワレ」とやたら流暢な日本語で怒ってきた。今思えばあれはセガールだったのかもしれない。

・居酒屋で焼酎飲んでた。

・商店街をねんねこに赤ん坊背負って歩いていた。

といったようなもの。
十三の居酒屋に行けば、他にもさまざまなセガール目撃談が訊けるかも?



名前募集中?



なかなか読みやすい注意書き。
「置かな様」の誤字が残念。





そんなど真ん中でお知らせされても困る。



線路の向こうに怪しげなイラストが!



こ、このバケモノはいったい!?
絶対近所の小学生の間で「夜中壁から出てきて人を追いかけ回す」とか噂になってるやつでしょう。
助けてセガール!



散歩の華、商店街を発見。



コンパクトサイズ飛び出し坊や。
展開してコーンにはめこむ形になっているので収納に便利です。



スポーツ刈りは苦手なのかも知れません。



一見ただのスーパーですが、「愛に恋」の看板がいろんな意味でインパクト強。
使いそうで使わないことばだなぁ。



シャッターが閉まった店の前にポツンと置かれた椅子。
「休憩してくれ」ということなのでしょうか。



そういえば最近「マル秘」ということばを見ない。



自己評価が高すぎる。



商店街を出て南へ。
駅前と比べると大分静かです。
沈黙の民家。





青空洗濯機一号、そして二号。
植物に洗剤の残り水がかかったりしないんだろうか。



なんでこんなところに駐車場が二ヶ所もあるんだろう。
交通量が多そうにも思えませんが……。



最近よく見かけるこのPOPが好き。



でかでかと「歯」。
しかし虫歯気味。





だる



せつない。



大通りを渡ります。



「OK」という文字から漂うナウいさ。



サウナにも関西風と関東風があるらしい。
公式HPを見てみると、「探偵物語」で松田優作が入っていたような箱型乾燥式サウナが楽しめるらしいです。
30年以上前の歴史があるようなので、ひょっとするとセガールも利用していた可能性が……?



三角の牛乳パックなみにレアかもしれない看板。







「合気道天心道場」に到着!
ここでセガールは合気道を学び、後の活躍の基礎を作ったとされています。
ちなみに老若男女問わず4歳から学べるとのことです。



せっかくなので、前の自販機で何か買っていきましょう。



セガールにこじつけられそうな飲み物がなかったので、無難にやさしい麦茶(110円)を選択。
やさしい味でした(安直)。



最後に川の方へ行ってみましょう。





無造作に捨てられていた布団。
染みの広がりが大きいです。
こういったものを見ると「実は凶悪事件に関係しているものだったらどうしよう」なんて妄想をたまにします。



安い!
でも店はシャッターが下りてる!





階段を上がって……。



淀川河川敷へ。
きっとハリウッドスターも眺めたかもしれない光景。



先ほど買った麦茶を飲んで、今回はおしまいです。



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関西在住のフリーライター。
大阪や兵庫、京都奈良などに眠る散歩の秘境を探し出すため、日夜さまよっている。

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