マチノネ#14 鶴見市場、玉突き抜けるゲートの先へ
- 更新日: 2026/03/26

向こうに覗く街工場と青空
初めて訪れたのは撮影仕事のときだった。赤茶けた非常階段、いくつもの踏切、昭和風情感じる個人商店の並び。スタジオへ向かって歩く途中見えた景色にどうにも心惹かれるものがあった。たまたまスケジュールに空きが出来た今日、快晴に呼ばれてパッと家を飛び出した。

横浜から京急に乗り鶴見市場駅へ。こぢんまりとした駅舎を降り出て、延々と開かぬ踏切を待ち続ける。赤い列車こと京急が発っていったのち、真っ青な列車が向かってきた。何だ?と思ったらあれも京急らしい。アイデンティティをそんなあっさり、掌返しを食らった気分である。


カメラ屋さんは今もプリントサービスの案内板を立てている。量販店やオンラインで簡単に頼めてしまう今だけど、こんな老舗で仕上げて貰うのはさぞロマンがあるだろうなと思う。

ゼロ距離で道のキワキワに建つ神社。いいのかこれは。しかもそこそこ交通量の多い車道だ。

一体どこで信号を待てと言うのか。停止禁止の斜線がめいいっぱい引かれているがもっと他に引くべきラインがあるだろうと思う。

またもや巨大な踏切。わざわざ歩道橋があるということはここもそれなりに待たされるのだろう。上から通るとしよう。

「ペンキぬりたて」の注意が貼られた柵に挟まれながら、今日おろしたてのコートで通り抜ける緊張感。

ご年配の方を煽るスローガン。あえての不便さなのかもしれない。「線に跨る橋」と書いて跨線橋と読むらしい。

随分とまあ立派な軒構えだ。酒屋さんだろうか。

生ビール用の冷却機がちょろちょろと音を立てて稼働している。ピクミンで主人公が乗っていた宇宙船ドルフィン号を思い出した。

お弁当の旗を靡かせ、工事現場の作業員やサラリーマンが次々吸われていく。自分もまたそれに続く。何を隠そう本日のメインイベントである。とてつもないカレーがあると聞きつけて朝食を抜いてきたのだ。

テイクアウトのカレーを下げて鼻息を荒げながら公園を探し歩く。カレーの旨みは揮発性、鮮度が命なのである。のしのしと鳩の群れを割って公園へ着弾、ご褒美にありつく。

カレーを平らげ余韻に浸っていると、どこからともなくジャンパーを羽織ったご年配方らが現れトンボで地面をならし始めた。着々と準備が進んでいく。これはもしやゲートボール。点数板がやけに良い味だったので声をかけて撮らせてもらうと「ゲートボール、見たことある?」と尋ねられる。「まだないです」「時間ある?」正直先を急ぎたいけどそう言われるとちょっと気になる。

何故なら彼らがゲームに臨む真剣な面持ちに異様な気迫を感じたからである。玉が転がれば良いというような緩さではないようだ。秒数制限通りにきっちりターンを回し、全員で煽り合う。「スパーク」呼ばれる打ち方、ビリヤードのようにスコーンと玉突きする瞬間の音が気持ちいい。「結構頭を使う。これは奥が深いゲームだよ」とおじさんがしみじみ呟く。

夕方にミーティングを控えているのでほどほどで退散。ゲートボールを抜けてゲートを抜ける。この向こうは工業地帯だろうか。

ほどなく歩くと川が見えた。この森永橋、何を隠そう森永の工場へと続いている。(左手に見える建物がそれ。)

鶴見川の川幅に圧倒される。こうまで大きいとほとんど海みたいだ。

水再生センターが声高に掲げるスローガン「水・よみがえれ!」。直球のメッセージである。

庭木のみかんが美味しそうに色付いている。雲ひとつない今日は木漏れ日が透き通るように綺麗だ。

スマホの充電が尽きてしまったがなんとなく駅の方角が分かりそうな場所まで出たから多分辿りつけるだろう。鶴見駅から乗車して帰る。
今回の制作物はこちら。
ボールを突く瞬間の音がかなり気持ち良いです。
音楽に関しては、ミックスという音源の整理・仕上げ作業について1から学び直したのでこれまでより音が良くなっているんじゃないかと思います。
なんとなく制作中のビハインドも載せてます。
度々フォーマットを変えていますがしっくりきたので当面この感じでいくと思います。
また是非。

横浜から京急に乗り鶴見市場駅へ。こぢんまりとした駅舎を降り出て、延々と開かぬ踏切を待ち続ける。赤い列車こと京急が発っていったのち、真っ青な列車が向かってきた。何だ?と思ったらあれも京急らしい。アイデンティティをそんなあっさり、掌返しを食らった気分である。


カメラ屋さんは今もプリントサービスの案内板を立てている。量販店やオンラインで簡単に頼めてしまう今だけど、こんな老舗で仕上げて貰うのはさぞロマンがあるだろうなと思う。

ゼロ距離で道のキワキワに建つ神社。いいのかこれは。しかもそこそこ交通量の多い車道だ。

一体どこで信号を待てと言うのか。停止禁止の斜線がめいいっぱい引かれているがもっと他に引くべきラインがあるだろうと思う。

またもや巨大な踏切。わざわざ歩道橋があるということはここもそれなりに待たされるのだろう。上から通るとしよう。

「ペンキぬりたて」の注意が貼られた柵に挟まれながら、今日おろしたてのコートで通り抜ける緊張感。

ご年配の方を煽るスローガン。あえての不便さなのかもしれない。「線に跨る橋」と書いて跨線橋と読むらしい。

随分とまあ立派な軒構えだ。酒屋さんだろうか。

生ビール用の冷却機がちょろちょろと音を立てて稼働している。ピクミンで主人公が乗っていた宇宙船ドルフィン号を思い出した。

お弁当の旗を靡かせ、工事現場の作業員やサラリーマンが次々吸われていく。自分もまたそれに続く。何を隠そう本日のメインイベントである。とてつもないカレーがあると聞きつけて朝食を抜いてきたのだ。

テイクアウトのカレーを下げて鼻息を荒げながら公園を探し歩く。カレーの旨みは揮発性、鮮度が命なのである。のしのしと鳩の群れを割って公園へ着弾、ご褒美にありつく。

カレーを平らげ余韻に浸っていると、どこからともなくジャンパーを羽織ったご年配方らが現れトンボで地面をならし始めた。着々と準備が進んでいく。これはもしやゲートボール。点数板がやけに良い味だったので声をかけて撮らせてもらうと「ゲートボール、見たことある?」と尋ねられる。「まだないです」「時間ある?」正直先を急ぎたいけどそう言われるとちょっと気になる。

何故なら彼らがゲームに臨む真剣な面持ちに異様な気迫を感じたからである。玉が転がれば良いというような緩さではないようだ。秒数制限通りにきっちりターンを回し、全員で煽り合う。「スパーク」呼ばれる打ち方、ビリヤードのようにスコーンと玉突きする瞬間の音が気持ちいい。「結構頭を使う。これは奥が深いゲームだよ」とおじさんがしみじみ呟く。

夕方にミーティングを控えているのでほどほどで退散。ゲートボールを抜けてゲートを抜ける。この向こうは工業地帯だろうか。

ほどなく歩くと川が見えた。この森永橋、何を隠そう森永の工場へと続いている。(左手に見える建物がそれ。)

鶴見川の川幅に圧倒される。こうまで大きいとほとんど海みたいだ。

水再生センターが声高に掲げるスローガン「水・よみがえれ!」。直球のメッセージである。

庭木のみかんが美味しそうに色付いている。雲ひとつない今日は木漏れ日が透き通るように綺麗だ。

スマホの充電が尽きてしまったがなんとなく駅の方角が分かりそうな場所まで出たから多分辿りつけるだろう。鶴見駅から乗車して帰る。
今回の制作物はこちら。
ボールを突く瞬間の音がかなり気持ち良いです。
音楽に関しては、ミックスという音源の整理・仕上げ作業について1から学び直したのでこれまでより音が良くなっているんじゃないかと思います。
なんとなく制作中のビハインドも載せてます。
度々フォーマットを変えていますがしっくりきたので当面この感じでいくと思います。
また是非。










