首都高から見える四ツ木の黄色い橋を渡りにいく

  • 更新日: 2022/06/23

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幸せの黄色い橋

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息子に言われるままに車を走らせる週末が増えた。

小学生の息子の興味といえば信号、トンネル、道路あたりなんだけど、最近はもう息子のほうが確実にものを知っている。美女木JCTの中にある信号を見たいだとか、飛鳥山トンネルで南北線との交差を感じたいだとか、ストリートビューで古い信号機を見つけたから保護しに行くだとか、親の知識を超えた要望が出てくるので、僕は息子の言うとおりに車を走らせるのみ。

そんななか、よく通るのが首都高の中央環状線。僕は道が全く覚えられないのでどう行くのかあんまりよく分かっていないんだけど、息子の言うとおりに走らせているといつのまにか中央環状線を走っている。ビルを縫うように走るのに疲れたころ、急に視界が開けて荒川の土手が見える。それよりも低い住宅街の生活が見える。それに毎回驚くのでした。

そこに気になる風景があって。
四ツ木ICの手前、荒川に沿って流れる綾瀬川に、黄色い小さな橋が架かっている。
これが、すごくかわいいと思う。
あんまりよく知らないけど、橋といえばかっこいいものという認識がある。銀座方面から車を飛ばすと、直前にはかつしかハープ橋という見事な吊り橋がある。付近の荒川には、平井大橋、荒川大橋などシュッとした橋が架かっている。
だから、短くて黄色い橋はおもちゃみたいでとても目立つ。

黄色い橋は多分2つある。

▲黄色い橋その1。

▲都道からのほうがよく見える。

▲黄色い橋その2。こちらはふにゃふにゃした造形でかわいい。

人専用の橋だろうか。渡ってみたいな。

Google Mapで調べてみると、黄色い橋その1は「東四つ木避難橋」というらしい。四つ木エリアの人が荒川の土手へ避難するための橋で、普段から解放されているようでした。
ただの避難橋なのに口コミが164件もあって、評価も4.0あった。
スカイツリーが正面に見える。夕暮れ時の眺めが最高。ドラマにも使われたことがある。

……有名な橋だった。

まあそうよ。僕みたいなもんがこうポッと来て「あっなんかいいな~」なんて言うものは、みんなとっくに通過しているのだ。
一気に熱は冷めてしまった。検索なんかするんじゃなかった。

でもまあ、いちおう行ってみるか、と思い立った日がありまして。
今後も中央環状線を車で走って、上から黄色い橋を見ることがあるだろう。そのとき「あの橋のことを僕は知っている。渡ったこともある」と思い返すことはきっと楽しいだろうなと思ったのでした。




というわけで押上から京成押上線に乗って四ツ木駅で降りる。
押上方面から荒川を渡ってすぐの駅。このエリアは首都高からよく眺めているので雰囲気はなんとなく分かります。道の細い、古くからの住宅街です。
ですので、四ツ木駅はそういう感じの駅だと思っていました。



そうそう、スカイラブハリケーンを繰り出すようなのどかな駅です。



その反対側は石崎君の顔面ブロックか、なるほど。
あれっ石崎君が止めたのってツインシュートじゃなかったっけ。

それはいいんだわ。そうじゃなくて、あの、あれよ。
想像していた駅と全然違うのよ。



四ツ木はサッカーの聖地なの?
調べたところ、キャプテン翼の原作者である高橋陽一先生の出身地とのことでした。
そうなんだ。で、四ツ木はサッカーの聖地なの?




岬君。君はどう思うね。



姉御。どう思うね。

あれ、そういえば翼君がいない。



そこ? でいいの? みたいな場所に居た。




トイレと広告を守る若林君。



ゴールが広いからか、キーパーには広告をかぶせて良いみたいな風潮を感じた。




いやあ、来てみるもんだね。四ツ木駅。
すごくいいじゃん。



降りる前は、駅前のファミマにサッカーボール刺さってるなんて思わなかったよ。



ねえ。段々の日向君。

さて、ここから例の橋を目指す。



駅を出たら僕の思ってた四つ木が現れた。それにしても駅前の感じが一切ない。
高架駅になる前は、駅はここではなかったらしい。



四ツ木駅が高架駅になったのは平成のことで、京成の荒川橋梁にタンカーが衝突してレールが曲がる事故があったらしい。
それをきっかけに橋梁の掛け替えと荒川両端の駅(四ツ木駅、八広駅)の高架化が行われたとWikipediaに書いてあった。
だからまあ、駅と街の関係は一旦断絶していて、駅前の感じが無いのはそういうことだと思った。




とりあえず首都高を目指せばいいよね。例の橋は首都高から見えるわけだから。
低階層の住宅街なので、首都高の高架はいつも見える。迷わなくて良い。




まっすぐ首都高を目指していたのに公園に行く手を阻まれた。
そちらから来たからには、楽しませてくれるんでしょうね……




階段を知らないで考え出した?



翼が邪魔なのは分からなくもないけど、だったら新幹線じゃ駄目だったんだろうか。



なあ。僕は君に言ってるんだよ。








曲がった「止まれ」をゆるく集めています。




さて、首都高の高架まで来た。
何だっけ。そうだ、黄色い橋を見に来たんだった。




3/4の執拗な監視






あまり見たこと無い標語があって良かったです。




あれだ。あっけなくそれはあった。
黄色は河川敷にあまり使わない色よね。避難用だから目立つように黄色いのかしら。




四つ木と荒川土手を繋ぐ小さな橋。
荒川を渡ることはできない。




大きさのせいか色のせいか、ちょっと大きめの雲底にも見えてくる。




小さな橋は外敵に狙われやすいので、体に棘を持つものが多い。




向こうは墨田区。
少しだけずれているけど、口コミのとおり、ほぼ正面にスカイツリーが見える。ここがスカイツリーの正面なんじゃないか。
ああ、でも散歩していると「ここがスカイツリーの正面なんじゃないか」と思う場所っていくつもあるな。
仕事でよく行く東日本橋にもある。ある道のまっすぐ先にそびえる格好になっていて、ビルがスカイツリーを除けているように見えるので「ここがスカイツリーの正面なんじゃないか」といつも思う。
タワーはきっと、そういう風景をあちこちに作っているんだろうね。




麻の葉文様みたいな影を落としている。




あっちに見えるのがかつしかハープ橋。カーブがある変わった斜張橋です。




水を求めるためのx座標とy座標は合っていた。z座標を失敗しただけなのだ。
って理系の草が言ってました。




このあたりの子、トラックは空を走るものだと思って育つ可能性ないかな。




おっ、いつも見ている四つ木ICの看板だ。
ふだん走り抜けるところに、止まって存在している不思議。
相対性理論によると、僕の時間のほうが若干早く流れている。
このまま待っていたらあそこを走っている僕が僕を眺めることがあるだろうか。



しかし今日の首都高は大渋滞していて車の流れはほぼ止まっていた。
その上をゆったりと飛行船が通過する。あれ乗りたい。「の ろ ま」っていう垂れ幕出したい。


首都高の高架から街を眺めると「あれっ? このあたり歩いたことあるぞ?」と思う場所にたまに出くわす。あのへんでなぜか餃子食ったな、なんでだっけ、とか、あのコンビニのトイレ寄ったことある、とか、思い出すきっかけすら失った記憶ってけっこうあることに気づく。街に置き去りにされた思い出を掘り返すのに、上から眺めるのは有効なのかもしれない。
もっとも、今回はあえて街に思い出を「置きに」来たわけだけど。まあ、そんな理由で出かけるのもいいなと思いました。




用事が済んだので、かわいくないトラス橋を渡って川向こうの八広駅から帰ろうと思います。
以降は蛇足です。



ハーかわいくねー



や、これもいい橋よ。かわいくないとか言ってごめん。




この看板なんて書いてあるんだろう。
船からしか見えなそうだから、船に対してなんか言ってるんだろうな。
「やろうども」とか書いてあってほしいな。



あっやろうどもだ。




横浜在住なので、とんでもないところで京急を見ると脳がバグる。ここ葛飾区よ?






対岸の国は「へ」が禁止されているのか?




対岸の国は線を引くのが下手か?




美容室と薔薇って冷やしぶっかけうどんとかぼすくらい合う。





美よ。




日枝神社だって。



樹木をかわいがりましょう、という提案。
昭和51年の言葉遣いが興味深いな。




地形効果使って攻撃力が上がってる狛犬だ。




そろそろ散歩終われとお思いでしょうが、すみません、川渡ってすぐ八広駅があるはずで、京成の高架も近くに見えているんだけど、道がまっすぐでないのでアプローチできないという状況です。



よし突き当たり駅っぽい!



行き止まりって。迷路じゃないんだから。




ほんで急に出てくるな。もっかいやって着く自信ない。
では、電車乗って帰ります。さようなら。



そういえば八広駅のファミマにはボール刺さってなかったです。










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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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