夢の島熱帯植物館へ行った夜
- 更新日: 2020/04/23
夜に咲く花があると言うじゃない?
「夢の島」は小学校の社会科資料集に出てきた。
ゴミの最終処分場としての夢の島。
よく自然発火による火事が起こっていたらしい。
ハエの大群が江東区を襲った事件があった。
ハエは夢の島から来た。
当時の僕は「夢」から「蠅」の剥離が本当に怖かった。人類の希望は失敗に終わる、それの暗示な気がして。
奇しくもその頃ノストラダムスの大予言が流行っていた。
話は全然変わるけれど、新木場というエリアがある。
新木場駅自体は京葉線との乗り換えでよく利用するんだけど、実際に降りたことは無かった。
由緒ある貯木場である木場の後釜としてふ頭に出来た、というのはなんか聞いたことがあった。
夢の島と新木場、そのどちらも、あのゴミを埋め立てた東京湾埋立14号地である、というのを知ったのは恥ずかしながらわりと最近でした。
湾岸道路を隔てて北が夢の島、南が新木場だった。
君ら、同じ島なのかよ! っていうね。
そんな夢の島ですが、今はゴミの埋め立てをしていないし、ハエも居ないし、居るか、普通程度には居るかもしんない、でもとにかく、今はゴミが表出しているようなことはなく、島の殆どが緑の公園になっています。夢の島が完成していました。
ゴミ問題も、新江東清掃工場が稼働しているから大丈夫なのです。
そして、新江東清掃工場の余熱ですべてのエネルギーを賄っている夢の島熱帯植物園があるのです。
とか言っておいてアレですが、にわかです。この日はじめて来た。はじめまして!
あっ、申し遅れましたが、これ2019年の夏休みのお話です。
なぜ来たかというと、ここは夏に2回だけ、夜に開園している。
これもまあ、にわかですので、毎夏やってるかとか、やっていたとして2回なのかなどは知らない。
とにかくなんかその、最近はあれですな。夜の動物園とか、夜の図書館とか、そういうイベントが流行っておりますな。
動物のいくらかは夜行性ですからね、夜のほうが面白い、と言う人もおります。
それで、植物園が何で夜にやるのか。
夜咲く花があるからじゃろがい。
実は当時息子に、花ときのこのブーム(以前のブームは信号・トンネル)が到来していて、夜に咲く花があると知ると見たいと言う、それで夜やっている植物園を探していたところ、ここだった。そういうわけで、夢の島に来た。
ただ、ちょっと早く着きすぎた。全然咲いてない。
ヨルガオがぴくりともしない。
ツーン。
つぼみ、ツーン。
これが入り口に置いてあったのは「これで夜になったか各自判断しろよ」というメッセージなのかな、と理解した。
だから一旦園外に出て、夜になるのを……
待った。
そろそろいいんじゃないの?
ほら、ヨルガオが夜に反応している。
下のはなに、咲いてるの? 咲いた上で寝てんの?
これは、手品のなんかを一旦隠す用に布ファサーってかけた感じに咲く品種、ってことでいいのかしら。
朝顔の種類はマジで分からん品種改良してそれを愛でる人たちが居るらしいので、全然分からないことがある。
まあとにかくヨルガオ・テストは合格と判断し、我々は中へ。
えっ何
おわー
こえ~
そういえばここは熱帯植物館なので熱帯雨林を模しているんだけど、初見だし、暗いしで、マップがよく把握できない。
難しすぎる。一回昼に来て経験値を上げておくべきだったのか。
ごめん、ちょっと盛った。
実際には夜の花が咲いているところにはちゃんとスタッフさんがいらっしゃって説明してくれるので、結果的に全部の花を見ることができた。
これはサカリバナ。朝には落下してしまうんだそう。
なんとはかない。大丈夫なの? その、受精とかよ。大丈夫なの?
親戚のおばちゃんみたいな心配しちゃった。
余計なお世話ですね。イエス、ダイバーシティ。
マツリカ。
こちらは、花はしばらく残ると書いてある。
そんなら昼見れば、と一瞬思ったけど、そうか、夜咲きの咲き始めを楽しむってことね。OK、分かる。好き。そういうの。
街路灯の点く瞬間を見たくて息子とずっと見てることある。そういう感じじゃないの?
マンゴーは夜に関係ない。だから説明板がライトアップされていない。
進もう。
タマノカンザシ。
これは実は2週目にやっと咲いた。「咲きましたよ! 見て行ってください!」とスタッフの方が嬉しそうだったのが印象的。
そして花の艶めかしいこと。さらに甘い匂いがする。こいつ、銀座の夜に咲く花だ。
ところでこれを撮っていて、あれ、夜景みたいなのが写るな? と思って後ろへ回ってみた。
夢の島マリーナだった。
対岸は新砂で、そうだ、ここはきっと蠅の大群が海を越えて江東区を襲ったルートだ。
今は静かに船が揺れている。
こんな感じで、いろんな夜の花が展示されている。
全部紹介すると実際に行ったとき楽しくなくなっちゃうから、これくらいにしておこうかな。
あと、これは夜に咲く花でもなんでもないんだけど、ヤコウダケというキノコを真っ暗で見ようってやつ。
おー。
おー、以上のあれがない。
いや、すごいことだと思うのです。キノコが光るなんて、ねえ。
でも我々文明人には光るパジャマがあるので、見慣れてしまっている。
出口へ向かう途中、小学生の団体で来たらテンション爆上がりゾーンがあった。
我々も爆上がってしまった。
食虫植物大好き!
ウツボカズラってキャラメル食べるかな!
逆にお前ってウツボカズラ食べるの!?
よく一緒に出てくるけど戦ったことある!?
すみません、さわるなって書いてありましたね、どうもありがとうございました。
夜の花。普段見ないものを見るのは楽しいので、すごく満足した。
ところで帰り道、やっぱり咲いてないよねえ? なんて言いつつ夜咲く花を探しちゃうんだけど、これが、びっくりしたんだけど、あの、咲きまくっていた。
街路灯が明るいからかなあ。
きっとそうなんだろうな。
全く気にしていなかったけれど、昼も夜も咲く花だったら、すぐそこにあった。
ゴミの最終処分場としての夢の島。
よく自然発火による火事が起こっていたらしい。
ハエの大群が江東区を襲った事件があった。
ハエは夢の島から来た。
当時の僕は「夢」から「蠅」の剥離が本当に怖かった。人類の希望は失敗に終わる、それの暗示な気がして。
奇しくもその頃ノストラダムスの大予言が流行っていた。
話は全然変わるけれど、新木場というエリアがある。
新木場駅自体は京葉線との乗り換えでよく利用するんだけど、実際に降りたことは無かった。
由緒ある貯木場である木場の後釜としてふ頭に出来た、というのはなんか聞いたことがあった。
夢の島と新木場、そのどちらも、あのゴミを埋め立てた東京湾埋立14号地である、というのを知ったのは恥ずかしながらわりと最近でした。
湾岸道路を隔てて北が夢の島、南が新木場だった。
君ら、同じ島なのかよ! っていうね。
そんな夢の島ですが、今はゴミの埋め立てをしていないし、ハエも居ないし、居るか、普通程度には居るかもしんない、でもとにかく、今はゴミが表出しているようなことはなく、島の殆どが緑の公園になっています。夢の島が完成していました。
ゴミ問題も、新江東清掃工場が稼働しているから大丈夫なのです。
そして、新江東清掃工場の余熱ですべてのエネルギーを賄っている夢の島熱帯植物園があるのです。
とか言っておいてアレですが、にわかです。この日はじめて来た。はじめまして!
あっ、申し遅れましたが、これ2019年の夏休みのお話です。
なぜ来たかというと、ここは夏に2回だけ、夜に開園している。
これもまあ、にわかですので、毎夏やってるかとか、やっていたとして2回なのかなどは知らない。
とにかくなんかその、最近はあれですな。夜の動物園とか、夜の図書館とか、そういうイベントが流行っておりますな。
動物のいくらかは夜行性ですからね、夜のほうが面白い、と言う人もおります。
それで、植物園が何で夜にやるのか。
夜咲く花があるからじゃろがい。
実は当時息子に、花ときのこのブーム(以前のブームは信号・トンネル)が到来していて、夜に咲く花があると知ると見たいと言う、それで夜やっている植物園を探していたところ、ここだった。そういうわけで、夢の島に来た。
ただ、ちょっと早く着きすぎた。全然咲いてない。
ヨルガオがぴくりともしない。
ツーン。
つぼみ、ツーン。
これが入り口に置いてあったのは「これで夜になったか各自判断しろよ」というメッセージなのかな、と理解した。
だから一旦園外に出て、夜になるのを……
待った。
そろそろいいんじゃないの?
ほら、ヨルガオが夜に反応している。
下のはなに、咲いてるの? 咲いた上で寝てんの?
これは、手品のなんかを一旦隠す用に布ファサーってかけた感じに咲く品種、ってことでいいのかしら。
朝顔の種類はマジで分からん品種改良してそれを愛でる人たちが居るらしいので、全然分からないことがある。
まあとにかくヨルガオ・テストは合格と判断し、我々は中へ。
えっ何
おわー
こえ~
そういえばここは熱帯植物館なので熱帯雨林を模しているんだけど、初見だし、暗いしで、マップがよく把握できない。
難しすぎる。一回昼に来て経験値を上げておくべきだったのか。
ごめん、ちょっと盛った。
実際には夜の花が咲いているところにはちゃんとスタッフさんがいらっしゃって説明してくれるので、結果的に全部の花を見ることができた。
これはサカリバナ。朝には落下してしまうんだそう。
なんとはかない。大丈夫なの? その、受精とかよ。大丈夫なの?
親戚のおばちゃんみたいな心配しちゃった。
余計なお世話ですね。イエス、ダイバーシティ。
マツリカ。
こちらは、花はしばらく残ると書いてある。
そんなら昼見れば、と一瞬思ったけど、そうか、夜咲きの咲き始めを楽しむってことね。OK、分かる。好き。そういうの。
街路灯の点く瞬間を見たくて息子とずっと見てることある。そういう感じじゃないの?
マンゴーは夜に関係ない。だから説明板がライトアップされていない。
進もう。
タマノカンザシ。
これは実は2週目にやっと咲いた。「咲きましたよ! 見て行ってください!」とスタッフの方が嬉しそうだったのが印象的。
そして花の艶めかしいこと。さらに甘い匂いがする。こいつ、銀座の夜に咲く花だ。
ところでこれを撮っていて、あれ、夜景みたいなのが写るな? と思って後ろへ回ってみた。
夢の島マリーナだった。
対岸は新砂で、そうだ、ここはきっと蠅の大群が海を越えて江東区を襲ったルートだ。
今は静かに船が揺れている。
こんな感じで、いろんな夜の花が展示されている。
全部紹介すると実際に行ったとき楽しくなくなっちゃうから、これくらいにしておこうかな。
あと、これは夜に咲く花でもなんでもないんだけど、ヤコウダケというキノコを真っ暗で見ようってやつ。
おー。
おー、以上のあれがない。
いや、すごいことだと思うのです。キノコが光るなんて、ねえ。
でも我々文明人には光るパジャマがあるので、見慣れてしまっている。
出口へ向かう途中、小学生の団体で来たらテンション爆上がりゾーンがあった。
我々も爆上がってしまった。
食虫植物大好き!
ウツボカズラってキャラメル食べるかな!
逆にお前ってウツボカズラ食べるの!?
よく一緒に出てくるけど戦ったことある!?
すみません、さわるなって書いてありましたね、どうもありがとうございました。
夜の花。普段見ないものを見るのは楽しいので、すごく満足した。
ところで帰り道、やっぱり咲いてないよねえ? なんて言いつつ夜咲く花を探しちゃうんだけど、これが、びっくりしたんだけど、あの、咲きまくっていた。
街路灯が明るいからかなあ。
きっとそうなんだろうな。
全く気にしていなかったけれど、昼も夜も咲く花だったら、すぐそこにあった。