江ノ島B面さんぽ 〜神社もシーキャンドルも出てこない裏側探訪〜

  • 更新日: 2022/10/18

江ノ島B面さんぽ 〜神社もシーキャンドルも出てこない裏側探訪〜のアイキャッチ画像

azumiは ひとりになれるばしょを みつけた!

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江ノ島が好きだ。厳密には、江ノ島と鎌倉のあいだにある七里ヶ浜海岸から散歩し、江ノ島をゴールにするのが好きだ。海水浴客がいない、海の家もない、年中落ち着いた静かな海辺だからだ。

夏場はサンダルのまま波に突っ込んで、ばしゃばしゃと歩くくらいは好きだ。




家から2時間くらいかかるのに、今年だけでもう5回は行っているかもしれない。ワンシーズンに1回を超えている。

しかし、このお気に入りの散歩には欠点がある。それは、江ノ島に着くころには疲れすぎて全く島内を周れないことだ。

よって、江ノ島のイメージは何度行っても変わらず、「散歩のゴールであり、混んでいて、ごみごみしている観光地」のまま。こんなにも江ノ島近辺を訪れているというのに不甲斐ない。

江ノ島にも住宅街があって、路地があって、人気(ひとけ)のない場所があって、落ち着ける場所があるはず。

今回はそんな裏側の場所(B面)を見つけに、いつもの散歩ルートを封印して最初から江ノ島の島内を散歩してきた。江ノ島が主役の散歩である。



設置してあった地図をもとに書いてみるとこんな感じである。少なくとも私の知っている、行ったことがある江ノ島はAのエリアのみ。地図を前にするとこんなに知らない範囲が広かったのかと痛感してしまう。今回は徹底的に知らないところを周りたい。


ちなみに、B面という表現は令和の若者にはもう伝わらないかもしれないという一抹の不安はある。伝われ。


ヨットハーバー



このへん。




10月に入っても日差しが強いが、風はさっぱりと秋めいてきた。今日は絶好の行楽日である。




毛並みのいいミニチュアダックスフンドを連れる湘南マダム、オレンジレンジのPVに出てきそうなイケてるねーちゃん、付き合いたての学生カップル…。

大半の観光客は、弁天橋を渡り江ノ島に上陸すると、神社の旗のあいだにある正面の仲店通りへ吸い込まれていった。私も正直、仲店通り以外のルートを辿ったことがない。

が、今回はいつも行かない場所に行ってみる散歩。弁天橋を渡ったあと、まっすぐ進まずに左へ舵を切った。






見違えるほど一気に人が減った。これは快適。
それと同時に、車やバイク、自転車の駐車・駐輪が増えた。明らかに観光客とは「江ノ島に来る目的」が異なっていそうな空気を感じる。




このエリアは江ノ島ヨットハーバー。
ヨット乗り、自転車乗り、釣り人が集まる場所だった。









灯台に続くながーいデッキは、釣り人や自転車乗りやカメラマンや日光浴おじさんに人気。

観光客のワイワイが消えたヨットハーバーは、横浜や横須賀のような「海の街」感があった。江ノ島もメインストリート以外は普通の「海の街」なんだなと安心した。


釜の口



このへん。




ヨットハーバーのデッキを道なりに歩いていくと、大きな岩壁にぶつかる。整備された街の景観はここで終わる。




終着点には工事現場のようなパイプ階段があり、そこから「釜の口」と呼ばれる岩場がはじまる。




ほう…これはなかなか珍しい…!

人が歩ける浅瀬だけど、砂浜でも干潟でもゴツゴツした岩場でもない。波に削られつるつるとなめらかになった岩盤が、遠くまで続いている。濡れているところは藻が生えているため、うっかりすると足がすべる。




結構スリリングな場所で釣りをする人も多かった。どうぞご安全に。






陸側の岩肌は立入禁止区域。フェンスの外から覗くと結構壮大な自然のアートが垣間見れる。

ほんとうはそのまま岩場を歩いてぐるっと周りたいけど、歩ける道がないのでここで折り返し。


江ノ島の頂上へ



このへん。

裏にもある岩場に行くために、観光地ど真ん中を通って島を横断しなくてはならない。せっかくなので住宅街から周っていこう。







路地ばかりで迷うかなと思ったけど、すぐに手作りの案内板があって一安心。さすが観光地。

ふと後ろを振り返ると…



ねこ!でっぷりしていて触られ慣れてたけど、目やにが多かったので野良だろうか。



お?来る?



ずっと…



ずっと見つめられた…。え、こっちで道あってるよね?不穏な感じ??笑




道はあってるっぽいけれど…



誰かの子供服かかってるし…



暗くて細いし…

ねこが不穏に思って当然のルートを抜けると、急にメインストリートへ。



安心する人の量。

ただ、さっきのような謎の暗がりからいきなり汗だくの女(私)が登場したため、少なからず好奇の目で見られてしまった。そりゃそうだよな。

ここからはしばらくメインストリート。完全に「A面」にあたるので本記事ではカット。


江の島岩屋



このへん。

メインストリートを最後まで歩くと、海に到着。さっきとは別の岩場である。






灯籠やモニュメント、整備された舗道。少なくともさっきの釜の口より、「観光客向け」であることを感じる。

ここまで来るにはひと山越えなければならず、江ノ島で有名なエスカー(山を登る有料エスカレーター)も通じてないので結構ハードなんだけども、頑張って歩くカップルやご夫人や外国人が多くてびっくり。

ここまで汗水流して頑張った観光客のお目当ては…





「江の島岩屋」という自然洞窟!

B面とか言っておいて20分も並んだのは大変不本意だが笑、もう次はここまで頑張って来ない気がして、もったいないから行く。大人500円、有料の洞窟だ。



洞窟に入ってしばらく歩くと、こんな手持ち蝋燭が配られる。ここからは本格的に暗くなる。







暗所&閉所&火の恐怖症はやめたほうがいいかもしれない。私はスリリングで楽しかった。

富士山に繋がってる(かもしれない)穴とか、江ノ島に伝わる龍神伝説発祥の場所とか、案外貴重なものが見れる。

その後は釜の口より整備された岩場にて、夕日を撮る人を撮るなどして過ごした。






龍野ヶ丘自然の森



このへん。



岩場から戻り元来た道を歩いていると、このような森が。



行ってみるか。








みなさんの目的は、こちらの龍恋の鐘。私は恋人と来ていないのでスルー。もうちょっと奥まで森は続いていそうだ…。



いけるか…?




小道を抜けると、木々が木漏れ日でキラキラと照らされていた。どうやら私は夕陽のベストタイミングを深い森のなかで過ごしてしまったようだ。

これはこれで…自然のプロジェクションマッピングみたいで美しかったからアリ。




ちょっと進むと、開けた空間に着いた。ご丁寧にベンチがあるが、みんな龍恋の鐘で引き返しているので誰も来ない。

……誰もいない広い空間にワクワクしてきた。




い…



いやっふうううーーーー!!!!!!

江ノ島という原則ひとりになれない環境下で、急に広い空間でひとりになれたことが嬉しくて、柄にもなくタイマーカメラを回してしまった。

広い。ひとり。楽しい。

…しかし、調子に乗ったせいか飛びはねてるところにちょうどカップルが訪れてしまった。恥ずかしくてすぐその場を離れた。トラウマでもうあと10年はタイマーカメラを使えないかもしれない。






その先にも広い空間があった。そっちの方で飛び跳ねておけばエンカウントしなかったのかもと後悔。

怪しい森で飛び跳ねる女(私)を見たカップルには、たぶん気まずい思いをさせてしまったけど、どうか幸せになってほしい。

私はというと、江ノ島最古の和菓子屋さんでかき氷を食べて気を取り直した。




下道で帰路へ



最古の和菓子屋さんを右折すると、参道ではない道(下道)に入る。

帰り道もできる限り通ってないところを通りたいので、行ってみることにした。






バイクや自転車がずらりと並ぶ道だった。住民用駐輪場かぁ。

たしかに、江ノ島で住民の自転車置き場を見かけたことがなかった。観光客が歩く道は徹底的に生活感を出さず、裏側で自転車を置いたり洗濯物を干していたりする。

観光の島として歴史を築いてきたこの島全員のプロ意識の高さを感じる。そうやって観光しやすい島が出来上がっている。











しばらく人とすれ違わない道が続いた。ヨットハーバー側より人口密度がよっぽど低い。本当に住民用の道かもしれない。



朱色の赤い橋が見えると…



神社の鳥居が!一気に知ってる場所に来た。



仲店通りから赤い大鳥居をくぐった場合、右手に曲がると下道に入れるので、行ってみたい方はぜひ。(ハチ注意)



以上、行ったことのない江ノ島のB面を巡る散歩終了。

せっかくならと、乗ったことがない湘南モノレールで帰路に着いた。





湘南モノレールのホーム階には展望台もあるので、乗らない人でも行ってみる価値がある。初めて訪れてみたが、清潔感のあるきれいなビルだ。

…あれ?もしかして私、江ノ島の島内はもちろん、陸側(江ノ電より内陸側)のこともなんにも分かっていなかったのでは?

まだまだ見どころがありそうな江ノ島エリア。今度、七里ヶ浜から散歩しにきた際は、もうちょっとぶらついてみたい。









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ぼっちのazumiさん

ひとりでふらふらと歩いたり自転車に乗ったり電車に乗ったりします。埋め立て地の隅っこや、休日のオフィス街、ディズニーの木陰や、だれもいない海岸などが好きです。東海道ウォーカーです。

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