あんまり高くない展望台にも登ってみたい

  • 更新日: 2023/03/02

あんまり高くない展望台にも登ってみたいのアイキャッチ画像

練馬区役所の展望ロビーとだいたい同じ高さ

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元日。両親が東京へ遊びにきていたのでここぞとばかりに東京スカイツリーに登ってきました。



父が「まぶしいわ!」と軽く嫌がるほどの快晴。




富士山も拝めて、いよいよめでたい気分が高まる。正月に展望台登るのいいかも。




さすが日本でもっとも高いタワー、けっこうな階数のビルにもスカイツリー自体の影が落ちます。まわりの人たちも、透ける床のスポットで「高え~~」と盛り上がっています。でも前々から疑問に思っていたんです。

展望台って高いほどいいの?

お雑煮に入っている餅は多すぎると苦しい。正月のお笑い番組は長すぎると見疲れる。なにごとも程度が大きければ大きいほうがいいとは限らないのではないか……。

そういうわけでスカイツリーの感触を忘れないうちに、東京のなかでもあんまり高くない展望台、北区にある「北とぴあ(ほくとぴあ)」の展望ロビーへ行ってみることにしました。


もう北とぴあかい!

東京メトロ王子駅で改札を出ると、さっそく「北とぴあ方面」との案内を発見。



あんまり高くないとはいえ、この土地の立派なランドマークであることがうかがえます。さあ行くぞ!




って階段登ってもう北とぴあかい!

散歩開始から2分くらいで目的地に着いてしまいました。駅直結であるところはスカイツリーと一緒です。雨でも安心して展望ロビーを目指せますね(JRの駅からは少し歩きます)。




年季が入っているものの、あきらかに北斗七星を意識してつけられた、しかし7つはさすがに入らなかった☆たちがキュートな北とぴあのロゴ。




北とぴあは地下3階から18階まであります。なんかいろいろ消された跡が気になる。




こっちのフロアガイドも随分いろいろ消された跡があるけども、とりあえずお目当ての展望ロビーは17階だそうです。

北とぴあは地域のコミュニティセンター的な機能を備えているのですね。ホールがえらいたくさんあるな。

今いる地下1階には多目的ルームや音楽スタジオがあって、ガラス張りになっていたため中でなんらかのアクティビティが行われているようすが見えました。よしよし、区民たちが楽しくコミュニケーションしているぞ。




エレベーターで17階へ。この注意書き……キュンとします。丸みを帯びたフォントを斜体にするのはあまり見たことがないし、文字のギュウギュウな詰まり具合とか。

1階でひとり職員風の男性が乗り込んできたんですが、地下から来るエレベーターに人がすでに乗っているのがもしやめずらしいのか、ドアが開いたときひじょうにビクッ!とされて私もつられてビクッ!としました。


街が上からつまびらかにされている

スカイツリーの「天望デッキ」(地上350m)までエレベーターで上がるときに、気圧の変化で耳がボッと塞がったようになってつばを飲み込んだりするあれ、北とぴあの17階(地上80m)まで上がるときにもなりましたよ。

さて展望ロビーへ。予約必須でひとり2,000〜3,000円ほどかかるスカイツリーとは違い、ここはいつでも自由に入れて無料です。

デデン!



いいくらいの広さだ~~~。

うっすら市松模様の赤じゅうたんがなんとも落ち着く感じを演出しています。わたしの想像よりも人がいたんですが(失礼)館内BGMは流れておらず、併設されたカフェの食器の音が鳴り響く静かな空間です。

人びともその空気にならうように静かに過ごしています。子どもがちょっと大きい声を出そうもんなら親が「シーッ!」と言っていて、別にしゃべったっていいんだろうけどその気持ちわかる。

あらゆる方向から方言や外国語がつぎつぎに耳を通り抜ける賑やかなスカイツリーに比べ、こちらはひとりで街をぼんやり眺めながら過ごしたい人が多いようでした。

景色を見ましょう。





南向きの展望が広がります。奥の方にスカイツリーも見えますね。

スカイツリーからの眺望と比べてみましょうか。スカイツリーでは「天望回廊」という「天望デッキ」からもう100m高いところまで登ったのでそれもあわせて見てみます。



▲スカイツリー 天望デッキ(地上350m)



▲スカイツリー 天望回廊(地上450m)



▲北とぴあ 展望ロビー(地上80m)

どうでしょう。さすがにスカイツリーからの眺めとは全然ちがう。街が近い。でも十分ひらけていてすがすがしいですよ。

というかスカイツリーはもはや飛行機で離着陸するときの景色のほうが近くないか?450mのほうとか「バイバイ東京 また来るね」みたいな気持ち。

北とぴあからの眺望は街が上からつまびらかにされている感覚が強く、スカイツリーのときよりじっくりと隅々を見入ってしまいました。

そしてこの展望ロビー最大の特徴が、線路をがっつり上から見下ろせること。





オアッ!いいタイミングで新幹線が!

新幹線、上から見るか?横から見るか?ができる街なんですね~王子駅周辺。




街をもっとつまびらかにしたい際には100円で望遠鏡を使うこともできます。バータイプの腰掛けが、街をボーッと眺め隊の活動を支援しています。




わっ、またこの注意書き。縦でもキュンとさせてくる。


この感じ、まだつづくか?

さっきの赤じゅうたんエリアだけが展望ロビーだと思っていたのですが、あたりを見回すと廊下が伸びていて、どうやらロビーにはつづきがあるようではないですか。





おお、こちらもかなりボーッとできそう。先ほどよりせまめで落ち着きますね。

南向きエリアから左に90度曲がったので東向き。



南向きの眺望に比べ、全体に建物が低くなった気がします。中央からやや右上あたりにアーチ型の橋がかかっているのは、隅田川だそうです。というのも、



こ〜んな丁寧な案内があるので、ほうほう……と見てしまいます。




立ち位置によっては、またスカイツリーが見えます。




この感じ、まだつづくか?




東向きエリアとの差がわかりにくいですが、つづいてました。さらに90度曲がったから……北向き?




さっき南向きで見た線路のつづきが見えるので、北向きで間違いなさそうです。眺望は赤羽とか、埼玉方面です。




まだ廊下がつづいてる、一周できるのか~と角を曲がったら



ここまでで終わりでした。南向きエリアまで引き返します。


さては王子在住ですな?

17階に上がってきたときから気になってたんです、赤じゅうたんエリアの、窓と反対側にあるカフェ。実は、西向きの眺望はカフェ利用者のみが堪能できるというニクい仕様になっています。



ここで西を眺めながらランチいっちゃお。

と、先にカウンターで注文と会計を済ませてから着席するスタイルであることに入店してから気づく。店員の方を待たせるような格好になり、メニューを急ぎ選ぶ。こういうとき半ば自動的にカレーを注文してしまいます。




カフェ利用者の特権、西向きの眺望です。こっちは北西。




こっちは南西。時間的に西日が強くなりつつあり、談笑するご婦人らの席横のロールカーテンは閉められていました。わざわざ展望台のカフェに来ておきながら無理して景色を見ないその余裕、さては王子在住ですな?

カレーが届く。



いいぞ!期待通りのビーフカレー!




~西向き眺望をバックに~






カレーは味もそうそうこれこれって感じでしたし、コーヒーもKEY COFFEE。地上80mにもこのような安心感はあるのでした。




この日の夜は貸切営業だそうで、それに向けた閉店間際で人もまばらだったので店内写真も撮れました。神殿みたいな柱がチャームポイントですね。

ピアノやマイクがあり、店員の方に聞いてみると演奏つきパーティーにも対応しているそうです。ディナータイムは夜景も楽しめるし、わたしもここでいつか何かを催したい日が来るかも……一応「また問い合わせます」と言うだけ言っておきました。


暮らす場所から垂直方向に離れる旅

最後に北とぴあの外観を見ておきたく、1階から外に出てみました。



え、人がどんどん出てくる!と一瞬びっくりしたんですが、そういえばこの建物にはホールがたくさんあるのでした。何かのイベントがあったのでしょう。



へー、H ZETTRIO(エイチゼットリオ)もここでライブするのか。

東京事変の初代キーボーディストであるH ZETT Mさん率いるピアノバンドです。




見上げる北とぴあ



はなからあんまり高くないみたいな態度で接してきたけど、ふつうに高いビルじゃねえか。

当初の問い「展望台は高いほどいいのか?」については、予想通りではありますが「そんなことはない」と結論づけていいでしょう。やはりそれぞれの見え方、それぞれのよさがありました。

スカイツリーは高すぎてもはや空にいる感覚(だから「スカイ」ツリーなんだ……)。北とぴあは街の高いところにいる風情で、より展望台然としているとも言えそうです。

高いところから景色を眺める行為は旅に近いですね。旅行で自分の生活拠点から遠い場所へ行って、そこから元の生活を見つめることで発見があったりするじゃないですか。

暮らす場所から垂直方向に離れる旅。電車や飛行機で遠くへ移動しなくても、エレベーターで行けるちょっとした旅行先として展望台はお得感があります。



実は人生初の北区でした。今度は王子の街も歩いてみたいです。








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サトーカンナ

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