本所七不思議を散歩しました
- 更新日: 2019/03/07
言われてみたいセリフランキングには入らない。
こんにちは。ねおみのるといいます。
今回は、本所七不思議を巡る散歩をしてきました。
本所とは、この墨田区一帯を指す昔の地名。その本所にて江戸時代から語り継がれる奇譚が本所七不思議で落語のネタとしても親しまれています。
以前からこの本所七不思議には興味があって、いつか巡ってみたいと思っていたんです。
というわけで、やってきたのは錦糸町駅。さっそく歩きましょう。
駅前のモニュメントを横目に見つつ。
こういうのは、何を表しているのか分からないことの方が僕は多い。でも、むしろそれがいいと思うんです。試される想像力。楽しいじゃないですか。
駅から足を出した途端、これでもかと視界に飛び込む看板たち。俺がっ!俺がっ!と主張が強い。
僕の錦糸町のイメージはこれ。説明不要のうまい棒。
なんでもうまい棒を製造している「やおきん」はこの墨田区に本社があるとのこと。
まずは一つ目の不思議。おいてけ掘を目指します。
お堀で男が釣りをしていた。その日はよく釣れて男の魚籠はいっぱいに。
上機嫌で帰ろうとしたその時、他に人もいないのに「おいてけ〜、おいてけ〜」という声が聞こえる。
怖くなった男は慌てて逃げ帰った。家で魚籠を見てみると、魚は一匹も入っていなかった。
という話です。怖くないでしょ。基本的に本所七不思議の話は怖くありません。
なお、この話は置き去りを意味する「置いてきぼり」の語源にもなった怪異だそう。
信号を渡ると錦糸公園の入り口。
僕が調べたところによると、このあたりがおいてけ堀の舞台。どこかにカッパの銅像があるはず。
なんでカッパかというと、魚を奪ったものの正体はカッパという説が根強いそうです。
平日の公園はのどか。子供を連れた母子の姿が多く見られます。
夏休みは毎朝ここに子供達が集まるのでしょうか。
しかし、なかなかカッパの銅像が見つかりません。
さすがにこれはおかしいな?と思い、スマホで調べ直します。
はい。僕、間違えてました。
おいてけ堀の場所はこの「錦糸公園」ではなく、「錦糸掘公園」だそう。全く違う場所でした。
最初から間違えるとは。しかし時間もあるし、ゆっくりいきます。心に余裕があるぞ。
なんかよい写真が撮れたね。
スマホがないと僕はどこにもいけないのではないか。
駅の反対側。一等地の看板にもうまい棒が。仕事柄だいたいの金額がイメージできてしまいます。
駅前の広い歩道を進み、角の花屋さんをくいっと曲がると急に人が減ります。
歩道にプレートが現れました。フォントにおどろおどろ感があって好き。
あった。この三角州のようなとこが錦糸堀公園ですね。
これだ。探していたカッパの像。
実は「おいてけ堀で実際に誰かをおいけぼりにする」というネタを何かでやろうと考えたことがあります。しかし単純に可哀想だし面白くないな、という理由でボツにしました。
ガッツポーズ?
釣り人の魚をいかにも我が物として背負っていました。ガッツポーズの意味はこれでしたか。パクリ案件ですよ。
公園では、サラリーマンたちが昼休憩の残りを過ごしていました。
平日ですが、振替休日で僕は休みなのです。ズル休みではありませんよ。
次はどうしよう。実は完全に行き当たりばったりで。
そうですね……。一番離れている不思議スポットへ行きましょうか。
分かりづらいけど奥の坂が緩やかなカーブになっています。
ルパンのフィアットがガフンガフンしながら駆け下りてくるのを想像をしてしまった。
これは積極的に使っていきたい言葉です。
また同じ高架下を通っていて「あっ、この部分、二重になってるんだ!」と気づきました。それが僕の日常に役立つことはないと思うけど。
スカイツリーに向かって歩いていく。目印になるからいいね。
こういう立体看板って好きなんです。できれば輪の中には、見える景色を拡大したものを貼ってほしかった。
これはなんだろう?電気系の装置かな?
パカっと割れたり合体してほしい。
交差点で信号待ちをしていると、気になる看板を見つけました。
なんて読むんでしょう。「や・・・め?ぬ?それとも漢字?」
例えば車を運転していて、道を知っている上司が隣に座っているとしましょう。
「次、や○の看板のとこを右な」って言われても気づかずにまっすぐ進んでしまいますよ。舌打ちされて涙目の新人さんが目に浮かびます。
※これ、正解は「やぶ」だと教えてもらいました。やぶ蕎麦の「やぶ」ですね。
いつか誰かに「ほら、これがスカイツリーだよ」と信じさせてみたい。
反対車線のラーメン屋さん、なんかのれんがおかしくないですか。
Tシャツだ!なるほど!この発想はなかったので嬉しくなりました。
斬新なレイアウトにしたなあ。余白の美。
いつの間にかスカイツリーがすぐそこに。ただ、大きすぎて距離感がよくわからない。
「たばこと塩の博物館」の前を歩く。どういう組み合わせ?と思いますよね。
これJTが運営しているんです。たばこはJTの事業としておなじみだと思うけど、塩もがっつり扱ってるんですね。それでこの組み合わせというわけ・・・だと思う。
昔から思っていたのですが、これってわざと目に見えるようなデザインなのかな。
墨田区には大横川親水公園という川に沿った長い公園があるんです。そこに七不思議のレリーフがあるらしいのでいってみます。
業平(なりひら)のあたりまできました。すでに結構歩いてますよ。
橋の下に公園を発見。降りてみましょう。
釣り堀があった。平日だけど賑わっていますね。
釣りをしてる人を見てると、いつの間にかめっちゃ時間たっていません?
さわやかな公園を歩く。なんとこの公園、約1.8kmもあるそう。
飴と鞭…でもないか。同じことを言ってますね。
あった。これです。レリーフ。
川沿いの壁面に、七不思議が説明とともに描かれています。
「お前、これ以上、七不思議に足を踏み入れると……」
そんな忠告は聞きません。撫でてやろうとしたらプイッと逃げてしまった。嫌われたもんです。
全てのレリーフを紹介するとキリがないので少しだけ。
これは足洗い屋敷の話ですね。後半に訪れます。
おいてけ堀の正体。ここではカッパでなく、幽霊のような姿になってます。諸説ってやつですね。
このように七つの話がすべて紹介されています。
公園は子供が集まりますよね。このあたりで育った子は、幼い頃から七不思議に慣れ親しんでいくのだなあ、と思いました。
はい。これは各地によくある、たぬきに化かされた系の話ですね。
場所は、本所中学校付近らしいです。
信号待ちをしていると水陸両用バスが現れた。これ、乗ってみたいんですよね。
ジュピターって読ませるのかな?と思ったらSUMIDA。
大きい通りから縦に抜けて歩いています。ちょっと人通りがなくなってきた。
お、学校発見。体育をしている声が聞こえる。これが本所中学校かな。
表にまわってきました。
カメラをぶら下げて学校を撮影していると、捕まるんじゃないかとドキドキ。あ、これまさにドキドキ学園じゃないですか。
「気力 王貞治」調べたら出身校でした。
こりゃ助かる、便乗させてもらおうと、提灯の明かりを目指すが一向に追いつかない。
という話です。いたずら系の話はなんだか微笑ましいですね。
この送り提灯の場所は報恩寺付近だという。
「墨田区」って文字はこういう太い書体が日本一似合うな。
着いた。けどこれ裏側ですね。
これが正面。スカイツリーの存在感よ。
正面には結構長めの参道がありました。
かつて、平戸新田藩、松浦家の屋敷には立派な椎(どんぐり)の木があったそう。しかし、なぜかその椎の木、一つも葉っぱが落ちなかった。不気味に思って松浦家の人々はその屋敷を次第に使わなくなったそう。
落ち葉を掃除しなくていいじゃん、なんて思ってしまうひねくれ者は僕です。
その松浦家のお屋敷跡は現在の旧安田庭園のあたり。ゆるゆると歩いて向かいます。
なぜこんな低い位置に?と思ったけど……。
そうか。犬の散歩をしている人の目線だ。でもこれ、おしっこかけられるんじゃないかね。
んん?妙な位置にピンクの服を着た人がいる。
銅像だった。
調べてみると彫刻家、雨宮敬子さんの「道」という作品。美女ですね。スカーフもよく似合っています。
厩橋(うまやばし)に到着。
反対側にかなりの数のノボリが見える。ちょっと行ってみましょうか。
お地蔵様でした。きっと、昔から大切にされてきたんでしょうね。新しいお花が備えられているのがその証拠です。
隅田川沿いを両国の方向へ進みます。
高架下をずっと歩いてもつまらないので、川沿いを歩いてみましょう。ずいぶんと西日がさしてきましたね。
下におりると何台か屋形船が停泊しています。
屋形船って乗ったことないんだけど、いくらくらいするもんなんだろう。
だいたい一万円〜って感じかな。想像よりちょっと安いです。
ドラマか何かで見たことあるロケーション。ここ歩くの気持ちいい。
水害の時の水位の記録があった。最近ので平成13年の台風(一番下のライン)ですね。
川も満喫したし、そろそろ次のスポットが近い。高架下を歩きましょう。
刀剣博物館。そんな博物館があったんだ。知らなかった。
これが入り口。ちょっと入りたいけど今日は我慢。
ちなみに椎の木があったお屋敷は両国公会堂のあたりだったそう。で、両国公会堂を探したんだけど全く見つからない。
よくよく調べたら現在、両国公会堂は取り壊され、この刀剣博物館になっているとのこと。そりゃ見つからないわけです。
これが旧安田庭園の入り口。
でもその前にはす向かいの公園にちょっと寄ります。
横綱ではなく「横網」。相撲の町だから勘違いしやすい。
これはなんだろう?と思ったら関東大震災の慰霊堂でした。
仲間だと思っているのでしょうか。
旧安田庭に入ります。庭園は改修工事が行われている最中でした。ちなみに無料。
一応、椎の木を探したけど、見つかりませんでした。もしあっても当時の木ではないと思うけど。
のほほんと歩いていたら、閉園のアナウンスが聞こえてきました。
さあ、次にいきますよ。
本所にお駒という綺麗な女性がいた。お駒に恋心を抱いていた留蔵は何度もアプローチするがお駒はなびかない。
その結果、留蔵は両国橋付近でお駒の片手片足を切り落として殺害し、堀へ投げ捨ててしまう。それ以来、このあたりに生える葦(あし)はなぜか片方の葉しかつかなくなってしまった。
ちょっと気が重くなってしまいましたが、両国橋に向かいます。
両国国技館。本日は行われていませんね。相撲。
写真には撮ってないけど、今日普通にお相撲さんを何人か見かけています。近くで見るとそのでかさにおおお…となるんですよ。
すごいな。専用の整形外科が地下にあるらしい。一般の人も診てもらえるみたいです。
この可愛らしい駅は両国駅。
どすこい。純粋にかっこいい。
北の湖の方が一関節分でかい。
路地をひょっこり覗くと、ちゃんこのお店がたくさんあります。
前に一回だけランチちゃんこを食べたけど、やっぱり美味しかったね。
買わなきゃ損。だけど買わなかった。
USJ。ではなく両国橋です。
ちょうどすごいのがきた。あの松本零士氏デザインの水上バス「ヒミコ」です。
さっきまで庭園や相撲で和の雰囲気だったところから、一気に近未来へ突き放されます。振り幅が大きいぞ。
ここに七不思議の案内があるはず。橋のたもとを少し左に入ります。
あった、これだ。駐輪場への入り口です。
やっぱり悲しい話ですね……。
江戸時代、津軽越中守の屋敷に火の見やぐらがあった。通常の火の見やぐらは火災を発見した時、板木を鳴らすが、なぜかこの屋敷は太鼓を鳴らしていたそう。なぜこの屋敷だけが、太鼓を鳴らしていたのかは誰も知らない……。
その津軽越中守の屋敷が緑町公園のあたりにあったそうです。
顔出しするならどっちかな。やっぱお相撲さんのほうかな。
緑町公園。学校帰りの子供達できゃいきゃい賑わっていますね。
あんまり見たことのない遊具です。テントのような作り。
公園の隅っこ、藤棚の下に案内はありました。
板木を鳴らすと太鼓の音がする、というような話もあるみたい。
また、反対に行灯がずっと消えているパターンもある。油を差して火をつけるとすぐに消えてしまう。もちろんそれをしてしまうと不幸になる。
これもたぬきに化かされている系でしょうか。不幸になるのが単純に嫌ですね。
なお、南割下水とは北斎通りにかつてあった水路のことです。
このお話は亀沢二丁目付近だそう。
北斎通りを歩いていると神社がありました。
野見宿儺は相撲の神様です。気になりますね。ちょっと寄っていきましょう。
夕暮れの神社は他にだれもいません。
歴代の横綱の名前が彫られています。まだまだスペースがあるので、あと何十年かは無問題。
亀沢二丁目の交差点。このあたりのはずですが、特に七不思議の案内などはないです。
現代の行灯。かつての蕎麦屋に思いを馳せてみます。
あっ!いかん。不幸になってしまう。
七不思議の中で一番インパクトのある怪談だと思う。剛毛だし、わがまま。だいだらぼっちに関連するんですかね。
この話の舞台は亀沢四丁目付近です。
四丁目にきた。
ここも特に何かがあるわけではない。
想像しています。
まいばすけっとの天井から大きな足が降りていて、店員さんがイヤイヤ洗っている姿を。
割下水付近。拍子木を打ち、火の用心と言いながら夜回りしていた。しかし、なぜか自分が打っていない時も後ろから拍子木の音が聞こえる。振り向いても誰もいない。
という話です。これはむしろ夜回りに協力してくれているのでは。
場所は緑四丁目のあたりです。
これはどういうテーマなのだろう。ちょっと考えてしまいました。なお、答えは出てません。
北斎通りから中に入ります。全く人気がなくなりました。
夕方の薄暗さもあってゾクゾクします。
この辺りが多分そうですね。
現代でも火の用心って自治体でやりますよね。今でもありそうな話だなと思いました。
これで全部の不思議を周ったことになります。
知らない街を歩くの楽しかったなあ。だいたいの土地勘も掴めたし。
もうすっかり夜です。
晩御飯はここにしようかな、なんて考えています。
というわけで錦糸町駅に戻ってきました。
事前にルートを調べていなかったので思ったより長丁場になってしまいました。
でも、全然知らなかった本所地域をゆっくり歩けて楽しかったです。
道中、どこにいてもスカイツリーが僕の目に入っていました。
富士山もそうなんだけど、シンボルがあるっていうのは、町に安定感を感じてすごくいいですね。
では、また次の散歩で会いましょう。
えっ?なんですか?七不思議なのに七つじゃなかったって?
それはね・・・
今回は、本所七不思議を巡る散歩をしてきました。
本所とは、この墨田区一帯を指す昔の地名。その本所にて江戸時代から語り継がれる奇譚が本所七不思議で落語のネタとしても親しまれています。
以前からこの本所七不思議には興味があって、いつか巡ってみたいと思っていたんです。
というわけで、やってきたのは錦糸町駅。さっそく歩きましょう。
駅前のモニュメントを横目に見つつ。
こういうのは、何を表しているのか分からないことの方が僕は多い。でも、むしろそれがいいと思うんです。試される想像力。楽しいじゃないですか。
駅から足を出した途端、これでもかと視界に飛び込む看板たち。俺がっ!俺がっ!と主張が強い。
僕の錦糸町のイメージはこれ。説明不要のうまい棒。
なんでもうまい棒を製造している「やおきん」はこの墨田区に本社があるとのこと。
おいてけ堀
まずは一つ目の不思議。おいてけ掘を目指します。
お堀で男が釣りをしていた。その日はよく釣れて男の魚籠はいっぱいに。
上機嫌で帰ろうとしたその時、他に人もいないのに「おいてけ〜、おいてけ〜」という声が聞こえる。
怖くなった男は慌てて逃げ帰った。家で魚籠を見てみると、魚は一匹も入っていなかった。
という話です。怖くないでしょ。基本的に本所七不思議の話は怖くありません。
なお、この話は置き去りを意味する「置いてきぼり」の語源にもなった怪異だそう。
信号を渡ると錦糸公園の入り口。
僕が調べたところによると、このあたりがおいてけ堀の舞台。どこかにカッパの銅像があるはず。
なんでカッパかというと、魚を奪ったものの正体はカッパという説が根強いそうです。
平日の公園はのどか。子供を連れた母子の姿が多く見られます。
夏休みは毎朝ここに子供達が集まるのでしょうか。
しかし、なかなかカッパの銅像が見つかりません。
さすがにこれはおかしいな?と思い、スマホで調べ直します。
はい。僕、間違えてました。
おいてけ堀の場所はこの「錦糸公園」ではなく、「錦糸掘公園」だそう。全く違う場所でした。
最初から間違えるとは。しかし時間もあるし、ゆっくりいきます。心に余裕があるぞ。
なんかよい写真が撮れたね。
スマホがないと僕はどこにもいけないのではないか。
駅の反対側。一等地の看板にもうまい棒が。仕事柄だいたいの金額がイメージできてしまいます。
駅前の広い歩道を進み、角の花屋さんをくいっと曲がると急に人が減ります。
歩道にプレートが現れました。フォントにおどろおどろ感があって好き。
あった。この三角州のようなとこが錦糸堀公園ですね。
これだ。探していたカッパの像。
実は「おいてけ堀で実際に誰かをおいけぼりにする」というネタを何かでやろうと考えたことがあります。しかし単純に可哀想だし面白くないな、という理由でボツにしました。
ガッツポーズ?
釣り人の魚をいかにも我が物として背負っていました。ガッツポーズの意味はこれでしたか。パクリ案件ですよ。
公園では、サラリーマンたちが昼休憩の残りを過ごしていました。
平日ですが、振替休日で僕は休みなのです。ズル休みではありませんよ。
次はどうしよう。実は完全に行き当たりばったりで。
そうですね……。一番離れている不思議スポットへ行きましょうか。
分かりづらいけど奥の坂が緩やかなカーブになっています。
ルパンのフィアットがガフンガフンしながら駆け下りてくるのを想像をしてしまった。
これは積極的に使っていきたい言葉です。
また同じ高架下を通っていて「あっ、この部分、二重になってるんだ!」と気づきました。それが僕の日常に役立つことはないと思うけど。
スカイツリーに向かって歩いていく。目印になるからいいね。
こういう立体看板って好きなんです。できれば輪の中には、見える景色を拡大したものを貼ってほしかった。
これはなんだろう?電気系の装置かな?
パカっと割れたり合体してほしい。
交差点で信号待ちをしていると、気になる看板を見つけました。
なんて読むんでしょう。「や・・・め?ぬ?それとも漢字?」
例えば車を運転していて、道を知っている上司が隣に座っているとしましょう。
「次、や○の看板のとこを右な」って言われても気づかずにまっすぐ進んでしまいますよ。舌打ちされて涙目の新人さんが目に浮かびます。
※これ、正解は「やぶ」だと教えてもらいました。やぶ蕎麦の「やぶ」ですね。
いつか誰かに「ほら、これがスカイツリーだよ」と信じさせてみたい。
反対車線のラーメン屋さん、なんかのれんがおかしくないですか。
Tシャツだ!なるほど!この発想はなかったので嬉しくなりました。
斬新なレイアウトにしたなあ。余白の美。
いつの間にかスカイツリーがすぐそこに。ただ、大きすぎて距離感がよくわからない。
「たばこと塩の博物館」の前を歩く。どういう組み合わせ?と思いますよね。
これJTが運営しているんです。たばこはJTの事業としておなじみだと思うけど、塩もがっつり扱ってるんですね。それでこの組み合わせというわけ・・・だと思う。
昔から思っていたのですが、これってわざと目に見えるようなデザインなのかな。
本所七不思議のレリーフを見にいく
ちょっと七不思議のルートとは外れるけれど、欠かせない場所があるので足を伸ばします。墨田区には大横川親水公園という川に沿った長い公園があるんです。そこに七不思議のレリーフがあるらしいのでいってみます。
業平(なりひら)のあたりまできました。すでに結構歩いてますよ。
橋の下に公園を発見。降りてみましょう。
釣り堀があった。平日だけど賑わっていますね。
釣りをしてる人を見てると、いつの間にかめっちゃ時間たっていません?
さわやかな公園を歩く。なんとこの公園、約1.8kmもあるそう。
飴と鞭…でもないか。同じことを言ってますね。
あった。これです。レリーフ。
川沿いの壁面に、七不思議が説明とともに描かれています。
「お前、これ以上、七不思議に足を踏み入れると……」
そんな忠告は聞きません。撫でてやろうとしたらプイッと逃げてしまった。嫌われたもんです。
全てのレリーフを紹介するとキリがないので少しだけ。
これは足洗い屋敷の話ですね。後半に訪れます。
おいてけ堀の正体。ここではカッパでなく、幽霊のような姿になってます。諸説ってやつですね。
このように七つの話がすべて紹介されています。
公園は子供が集まりますよね。このあたりで育った子は、幼い頃から七不思議に慣れ親しんでいくのだなあ、と思いました。
たぬきばやし・ばかばやし
真夜中、どこからともなく聞こえてくるお囃子の音。不思議に思い、音を辿ってみる。しかし、だんだん自分がどこにいるかわからなくなる。そして夜があけると全く知らない場所にいた。はい。これは各地によくある、たぬきに化かされた系の話ですね。
場所は、本所中学校付近らしいです。
信号待ちをしていると水陸両用バスが現れた。これ、乗ってみたいんですよね。
ジュピターって読ませるのかな?と思ったらSUMIDA。
大きい通りから縦に抜けて歩いています。ちょっと人通りがなくなってきた。
お、学校発見。体育をしている声が聞こえる。これが本所中学校かな。
表にまわってきました。
カメラをぶら下げて学校を撮影していると、捕まるんじゃないかとドキドキ。あ、これまさにドキドキ学園じゃないですか。
「気力 王貞治」調べたら出身校でした。
送り提灯
夜、提灯を持たずに真っ暗な道を歩いている。すると前方にポツンと提灯の明かりが見えた。こりゃ助かる、便乗させてもらおうと、提灯の明かりを目指すが一向に追いつかない。
という話です。いたずら系の話はなんだか微笑ましいですね。
この送り提灯の場所は報恩寺付近だという。
「墨田区」って文字はこういう太い書体が日本一似合うな。
着いた。けどこれ裏側ですね。
これが正面。スカイツリーの存在感よ。
正面には結構長めの参道がありました。
落葉なき椎の木
タイトルがやたらかっこいいこの話。かつて、平戸新田藩、松浦家の屋敷には立派な椎(どんぐり)の木があったそう。しかし、なぜかその椎の木、一つも葉っぱが落ちなかった。不気味に思って松浦家の人々はその屋敷を次第に使わなくなったそう。
落ち葉を掃除しなくていいじゃん、なんて思ってしまうひねくれ者は僕です。
その松浦家のお屋敷跡は現在の旧安田庭園のあたり。ゆるゆると歩いて向かいます。
なぜこんな低い位置に?と思ったけど……。
そうか。犬の散歩をしている人の目線だ。でもこれ、おしっこかけられるんじゃないかね。
んん?妙な位置にピンクの服を着た人がいる。
銅像だった。
調べてみると彫刻家、雨宮敬子さんの「道」という作品。美女ですね。スカーフもよく似合っています。
厩橋(うまやばし)に到着。
反対側にかなりの数のノボリが見える。ちょっと行ってみましょうか。
お地蔵様でした。きっと、昔から大切にされてきたんでしょうね。新しいお花が備えられているのがその証拠です。
隅田川沿いを両国の方向へ進みます。
高架下をずっと歩いてもつまらないので、川沿いを歩いてみましょう。ずいぶんと西日がさしてきましたね。
下におりると何台か屋形船が停泊しています。
屋形船って乗ったことないんだけど、いくらくらいするもんなんだろう。
だいたい一万円〜って感じかな。想像よりちょっと安いです。
ドラマか何かで見たことあるロケーション。ここ歩くの気持ちいい。
水害の時の水位の記録があった。最近ので平成13年の台風(一番下のライン)ですね。
川も満喫したし、そろそろ次のスポットが近い。高架下を歩きましょう。
刀剣博物館。そんな博物館があったんだ。知らなかった。
これが入り口。ちょっと入りたいけど今日は我慢。
ちなみに椎の木があったお屋敷は両国公会堂のあたりだったそう。で、両国公会堂を探したんだけど全く見つからない。
よくよく調べたら現在、両国公会堂は取り壊され、この刀剣博物館になっているとのこと。そりゃ見つからないわけです。
これが旧安田庭園の入り口。
でもその前にはす向かいの公園にちょっと寄ります。
横綱ではなく「横網」。相撲の町だから勘違いしやすい。
これはなんだろう?と思ったら関東大震災の慰霊堂でした。
仲間だと思っているのでしょうか。
旧安田庭に入ります。庭園は改修工事が行われている最中でした。ちなみに無料。
一応、椎の木を探したけど、見つかりませんでした。もしあっても当時の木ではないと思うけど。
のほほんと歩いていたら、閉園のアナウンスが聞こえてきました。
さあ、次にいきますよ。
片葉の葦
最初に本所七不思議は怖くないと言いましたが、この話だけは悲しく凄惨です。本所にお駒という綺麗な女性がいた。お駒に恋心を抱いていた留蔵は何度もアプローチするがお駒はなびかない。
その結果、留蔵は両国橋付近でお駒の片手片足を切り落として殺害し、堀へ投げ捨ててしまう。それ以来、このあたりに生える葦(あし)はなぜか片方の葉しかつかなくなってしまった。
ちょっと気が重くなってしまいましたが、両国橋に向かいます。
両国国技館。本日は行われていませんね。相撲。
写真には撮ってないけど、今日普通にお相撲さんを何人か見かけています。近くで見るとそのでかさにおおお…となるんですよ。
すごいな。専用の整形外科が地下にあるらしい。一般の人も診てもらえるみたいです。
この可愛らしい駅は両国駅。
どすこい。純粋にかっこいい。
北の湖の方が一関節分でかい。
路地をひょっこり覗くと、ちゃんこのお店がたくさんあります。
前に一回だけランチちゃんこを食べたけど、やっぱり美味しかったね。
買わなきゃ損。だけど買わなかった。
USJ。ではなく両国橋です。
ちょうどすごいのがきた。あの松本零士氏デザインの水上バス「ヒミコ」です。
さっきまで庭園や相撲で和の雰囲気だったところから、一気に近未来へ突き放されます。振り幅が大きいぞ。
ここに七不思議の案内があるはず。橋のたもとを少し左に入ります。
あった、これだ。駐輪場への入り口です。
やっぱり悲しい話ですね……。
津軽屋敷の太鼓
次に目指すは緑町公園。そろそろこの散歩も終わりが見えてきましたよ。江戸時代、津軽越中守の屋敷に火の見やぐらがあった。通常の火の見やぐらは火災を発見した時、板木を鳴らすが、なぜかこの屋敷は太鼓を鳴らしていたそう。なぜこの屋敷だけが、太鼓を鳴らしていたのかは誰も知らない……。
その津軽越中守の屋敷が緑町公園のあたりにあったそうです。
顔出しするならどっちかな。やっぱお相撲さんのほうかな。
緑町公園。学校帰りの子供達できゃいきゃい賑わっていますね。
あんまり見たことのない遊具です。テントのような作り。
公園の隅っこ、藤棚の下に案内はありました。
板木を鳴らすと太鼓の音がする、というような話もあるみたい。
消えずの行灯(あかりなしそば)
本所南割下水付近、夜になると蕎麦の屋台がでたが、いつ行っても誰もいない。しかし、なぜか行灯(あんどん)だけは常に火が灯っている。誰も油をさしていないのに。うっかりその蕎麦屋に立ち寄ってしまうと不幸になってしまう……。また、反対に行灯がずっと消えているパターンもある。油を差して火をつけるとすぐに消えてしまう。もちろんそれをしてしまうと不幸になる。
これもたぬきに化かされている系でしょうか。不幸になるのが単純に嫌ですね。
なお、南割下水とは北斎通りにかつてあった水路のことです。
このお話は亀沢二丁目付近だそう。
北斎通りを歩いていると神社がありました。
野見宿儺は相撲の神様です。気になりますね。ちょっと寄っていきましょう。
夕暮れの神社は他にだれもいません。
歴代の横綱の名前が彫られています。まだまだスペースがあるので、あと何十年かは無問題。
亀沢二丁目の交差点。このあたりのはずですが、特に七不思議の案内などはないです。
現代の行灯。かつての蕎麦屋に思いを馳せてみます。
あっ!いかん。不幸になってしまう。
足洗い屋敷
とある旗本の屋敷でのこと。毎晩、天井裏から「足を洗え」という声とともに剛毛に覆われた巨大な足が降りてくる。言われたとおりに洗うと天井に消えていくが、洗わないと暴れて天井を踏み抜くという。七不思議の中で一番インパクトのある怪談だと思う。剛毛だし、わがまま。だいだらぼっちに関連するんですかね。
この話の舞台は亀沢四丁目付近です。
四丁目にきた。
ここも特に何かがあるわけではない。
想像しています。
まいばすけっとの天井から大きな足が降りていて、店員さんがイヤイヤ洗っている姿を。
送り拍子木
さて、いよいよ最後ですよ。割下水付近。拍子木を打ち、火の用心と言いながら夜回りしていた。しかし、なぜか自分が打っていない時も後ろから拍子木の音が聞こえる。振り向いても誰もいない。
という話です。これはむしろ夜回りに協力してくれているのでは。
場所は緑四丁目のあたりです。
これはどういうテーマなのだろう。ちょっと考えてしまいました。なお、答えは出てません。
北斎通りから中に入ります。全く人気がなくなりました。
夕方の薄暗さもあってゾクゾクします。
この辺りが多分そうですね。
現代でも火の用心って自治体でやりますよね。今でもありそうな話だなと思いました。
これで全部の不思議を周ったことになります。
知らない街を歩くの楽しかったなあ。だいたいの土地勘も掴めたし。
もうすっかり夜です。
晩御飯はここにしようかな、なんて考えています。
というわけで錦糸町駅に戻ってきました。
事前にルートを調べていなかったので思ったより長丁場になってしまいました。
でも、全然知らなかった本所地域をゆっくり歩けて楽しかったです。
道中、どこにいてもスカイツリーが僕の目に入っていました。
富士山もそうなんだけど、シンボルがあるっていうのは、町に安定感を感じてすごくいいですね。
では、また次の散歩で会いましょう。
えっ?なんですか?七不思議なのに七つじゃなかったって?
それはね・・・