ギャップ東京 〜歌舞伎町で見つける安心できるもの〜
- 更新日: 2019/03/05
安心できるものなんてあるのかな
ギャップ東京第2弾
こんばんは一流です。本日はギャップ東京の企画の第2弾をお届けします。
ギャップ東京とは
「ある街についてみんなが持っているイメージからかけ離れているものを探し、最も意外性のあるものを見つけ出す散歩のこと」です。前回は巣鴨でナウいものを探す散歩を行いました。
今回の舞台は歌舞伎町です。
眠らない街、歌舞伎町をぶらりと散策して最も意外性のあるものを探します。
歌舞伎町...この街について皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
どうしても「危険」「物騒」などのワードが浮かぶ方が多いでしょう。
それもそのはず。
統計によると2017年に新宿区で起きた凶悪犯罪72件のうち4割を超える29件が歌舞伎町の狭いエリアで起きた事件によるものだそうです。
外国人向けの観光誌にも注意が必要な街と書かれており、東京でトップクラスの治安の悪さは伊達じゃありません。
そんな世界的にも危ないと思われている歌舞伎町でギャップのあるものといえば...それはズバリ
「安心できるもの」
ではないでしょうか。
喧騒だらけのこの街でホッと一息つけるような安心できるものを見つけられたらきっと面白いと思うんです。
ということで今回の散策では歌舞伎町に潜む安心できるものを探します。
一体どんなものが見つかるのでしょうか。
そもそもそんなものあるんでしょうか。不安と楽しみが半々の状態で出発します。
歌舞伎町一番街をゆく
まずやってきたのは歌舞伎町一番街です。ネオンがギラギラと光っております。
歌舞伎町では最近TOHOシネマズが出来たりVRゾーンが出来たりと友人や家族と来ても安心して楽しめるところが増えたようにも感じますが、
やっぱり夜に来るとまだ危ない香りがプンプンします。
特に新大久保方面に行けば行くほどその香りが濃くなるのがわかります。
ここで少し歌舞伎町の歴史に触れておきます。
歌舞伎町は戦後焼け野原となっていた土地でした。
角筈町(昔のこの辺りの町名)の町会長であった鈴木喜兵衛氏が復興の計画を立てると、彼の計画は都市計画の専門家である石川栄耀氏に持ち込まれます。
「歌舞伎町」の名付け親でもある石川さんは、当初は歌舞伎座の誘致を目指しており、歌舞伎を中心に健康的かつ道徳的な街を作り上げるというコンセプトで都市計画を進めます。
歌舞伎座の誘致には失敗してしまいますが、代わりにミラノ座やコマ劇場などの劇場を中心として歌舞伎町は発展を続けてきました。
しかしその軌跡は鈴木さんや石川さんの思い描いていた安心して楽しめる街とは真逆の方向へと進んでいったのです。
つまり今回の散策で安心できるものを見つけられたら、それは歌舞伎町が本来目指していた街の景色と言えるかもしれません。
現在の歌舞伎町
と、ここまで歌舞伎町がよくない方向に進んでしまったような書き方をしましたが、現在のこの無秩序に光が散らばっている感じは嫌いではないです。
外国人の方もよく写真を撮っていますし良くも悪くも東京らしい光景ですね。
ちょっと彩度をあげるだけでiPhoneでもこんなゴテゴテのカラフルな写真が撮れます。
この写真お気に入りなので載せたかっただけです。
もはや歌舞伎町の顔でもあるロボットレストランとかもめちゃくちゃですもんねカラーリングが。
文字の色とか1文字ずつあみだくじで決めてんのかってくらい規則性が見えません。
歌舞伎町は派手なネオンが派手なネオンを引き寄せるサイクルに突入してしまっています。
これが許されるのも歌舞伎町ならではですよね。
他の街バージョンのこれ想像できないですもん。
渋谷に「I♡渋谷」とかあってもダサく見えるだろうな〜。
このネオンが一番似合わない街ってどこだろうとか考えちゃいました。
駒込とかいい線行きそう。
VRゾーン前の広場です。ここあたりまではまだ比較的安心できるゾーンですかね。
いざとなればアパホテルに逃げ込めば大丈夫そうです。
と思ったらライオンとヘビが戦っていました。なんてこった。
歌舞伎町ってこういうワイルドな感じの危険も潜んでいるんですね。
誰が何の目的でこんなことしてるんだろう。そっちの方が怖くなってきました。
ポイ捨てダメだぞ〜と言いながらポイ捨てしている象です。
とんでもないサイコな象ですね 。笑顔で襲って来るタイプですよコイツは。
歌舞伎町は動物も怖いなー。
街にチラホラこんな立て看板も見られます。確かに歌舞伎町はキャッチがすごい。
私の友人はホイホイ引っかかってしまって怪しい店に連れて行かれ16万円ぼったくられてました。高すぎる勉強料。
最近はぼったくりに関して厳しくなってきましたが、油断してついて行くのはやめた方がいいです。
と、ここまで見ているとやっぱり危険で怪しげな街の印象しか浮かびません。
本当に歌舞伎町に安心できるものなどあるのでしょうか。
と、思っていたら
すごい手作り感満載の看板を見つけました。ちょっと安心しますね。
だいぶ余白があるところもいい。ゴテゴテのネオンで外観を覆っている店は見習って欲しいですね。
歌舞伎町ではA4コピーを手で貼り合わせた方が逆に目立つことができます。
天然果汁を作る店を見つけました。字面だけでも安心できそうな店だとわかります。
こちらは歌舞伎町で60年以上続くマルスというフレッシュジュース屋さんだそうで、老店主が振る舞う絶品のジュースを楽しめるそうです。安心できる。
バッティングセンターのうさぎです。歌舞伎町とは思えないかわいさ。
ヘルメットの上にいるバネみたいなのなんだろうね。
「うさぎ世界一!」ってワードが好きです。世界一のうさぎ!じゃなくてうさぎ世界一!ですからね。種としての頂点。
歌舞伎町でこの自信を持てるのはすごい。見習いたい。
意外と安心できるところありますからねヤンママって。
子供何人もいながら自分もパートで家計を支えてたりする一面が見えたりするとちょっと安心できる。
頑張ってるから応援したいってつい思っちゃう。歌舞伎町の喧騒に比べればヤンママはかわいいもんです。
これはマジの安心できるやつですね。
雑多な歌舞伎町で災害などに巻き込まれた場合大きな混乱が起きることは容易に想像できます。
そんな時にこうしたオープンスペースがあるのは助かります。
ただこの公園、敷地がそんなに広くないので歌舞伎町中の人間がギュッとなりそうです。
不謹慎ですがそのカオス空間はちょっと見てみたい。
歌舞伎町の住人、ホストも工事用のシートに四方を覆われてればこっちのもんです。
ちょっと優位に立った感じがして安心しました。小さいな自分の器。
押しが弱い。歌舞伎町にしてはちょっと押しが弱いところが安心できます。
「絶対安心!!!」「完全無料!!!」みたいな広告ばっかりなんだもん歌舞伎町って。
3人に1人ってプッシュできるほどの数字でもない気がしますし。メニューの数が多いんですかね。
楽しそうですね。しれっと豚も料理する側に回って難を逃れようとしてます。
タコもハチマキを着けて遠くを見てやり過ごそうとしてます。
エビやイカの潔さを見習って欲しいですね。この世界では人間だけが安心できる。
郵便屋さんが思いのままのポーズを取っています。コミカルで安心できますね。
これは歌舞伎町アートプロジェクトの一環のようで、歌舞伎町にはこうしたアート作品が至る所に見られます。
美術館行くの好きな私はこういうの見るとちょっと安心できる。気がします。
新宿を良くする会という安心できるフレーズも見つけることができました。「良くする」って言い方優しくていいですね。
よく見ると街頭演説会の予定がめっちゃ前から決められています。この日歌舞伎町が変わるかもしれない...。
細かく見ているとそれなりに安心できるものを見つけることができますね。
ですが次に紹介する一枚を今回の散策でのMIM(最も 意外性のある もの)に選出したいと思います。
みなさん、自分が歌舞伎町にいると想像してから次の写真をご覧ください。
今回のMIM(最も 意外性のある もの)
二人の子供とロボットがユニコーンにまたがっています。
伝説の獣と小さな子供...まるで童話のワンシーンかのような光景ですね。
ユニコーンの角がかなり控え目なところもほっこりします。歌舞伎町とは思えない気持ちになってきました。
この像はなんという名前なのでしょうか。近づいて見てみましょう。
「ユニコニコーン」でした。ニコニコしているユニコーン、ユニコニコーン。
なんて平和で穏やかな響きなんだろう。
言われてみればユニコーンの「ニコ」の部分に注目したことなかったな。
子供を背に乗せて微笑んでいる伝説の一角獣が歌舞伎町にいるなんて誰が想像したでしょうか。
歌舞伎町で最も安心して子供を預けられる相手がいるとすればそれはユニコニコーンを置いて他にいるはずがありません。
ということで無事に歌舞伎町で安心できるものを見つけることができました。
ギャップ東京第二弾のMIMはユニコニコーンに決定です。
子供が安心して笑って楽しむ景色...現在の歌舞伎町からは程遠い姿と言えますが
冒頭でお話しした歌舞伎町の生みの親、鈴木喜兵衛氏や石川栄耀氏が目指していたのはまさにこういう光景なのかもしれません。
歌舞伎町もかつてに比べれば少しずつ健全な街に近づきつつあります。
今回見つけた安心の端くれのような光景がいくつも積み重なれば、街全体が変わる日もいつか来るかもしれませんね。
今回のギャップ東京はここまでです。
また同じテーマで次歩く街を選定中なので次回を楽しみに待っていてください。
おまけ
別日に訪れた時に健全の番人を見つけました。
もしかしたら鈴木さんか石川さんの生まれ変わりかもしれません。
おわり