溝の口から高津まで散歩しました
- 更新日: 2019/12/03
薄すぎる
田園都市線の溝の口駅から隣の梶が谷駅まで、一駅歩く難易度がすごいという話。
や、知っている方は大山街道を大廻りすると思いますのでそこまで難しい道ではないです。
しかし方向的な勘を頼りに一旦路地に入ると、行き止まりあり、階段や坂ありで、けっこう楽しいのです。
▼すばらしい五差路
▼極めつけは、すぐそこに見えるのに谷が邪魔してたどり着けない。ドラクエ1における竜王の城こと梶が谷駅。
溝の口駅から梶が谷駅はエンタメとして成立する。
ところで、溝の口駅から反対側の隣は高津駅です。
こちらはとても簡単な道のりで、田園都市線の高架を追っていけば10分足らずで着いてしまいます。
高津のあたりはもともと多摩川から引いた二ヶ領用水が潤す農村で、平坦な道が続くのでした。
こう書くとなんだろう、あれだ、無能の道みたいな感じですが、いや、梶が谷が異常なだけで、普通そういうもんですから。普通に楽しいです。
さて今回、僕は上記のゲームブックをつくるために梶が谷に何度も降りて、1000枚くらいの写真を撮った。
正直、短期間に梶が谷を吸い過ぎた感じはある。
そうなると、自分の中のバランスをとるために逆側、溝の口~高津を歩きたい気がしてきたのです。
右手で持ち続けたら左手。
肉を食べ続けたら魚。
という謎の平等意識で、溝の口駅西口に降りました。
ここから高津駅を目指すことで、なんか安心する。
今日は、安心の散歩です。
ちょっと西口商店街覗いてくか。
溝の口駅の西口には、闇市をルーツとする昭和の建物が残っています。
数えるほどしか行ったことないんだけど、あれはたしか冬の夜だったからか、人通りはまばらで、おっ入れるのでは? と思って店の扉を開けたときの煌々とした照明とギャア~!! 中めっちゃ居る~! という感じを鮮明に覚えてる。
実家で茶色い小さな虫がちょろちょろ居て「あれ?どっから来たんだろ?」なんつって蕎麦しまってた戸棚開けてギャア~!!てなった記憶の隣にしまってある。
南武線に沿って連なるお店。
昼間は、西側に住んでる人の駅への最短経路として使われている。
とても機能的な道になっているのもいい。
ああ、昼間でも本屋さんはやってる。
あと八百屋さんとかもあって、やってる。
ここのコンクリが盛り上がってるところは二ヶ領用水支流の用水路です。
2007年の火災前までは、用水路の上にいくつかお店が建ってたらしい。
火災のあとは、用水路上の建物は撤去させられてしまったそう。
まあ、当時神奈川に住んでなかったから、撤去後の世界しか知らないんだけど。
用水路の上流方面。
大山街道のほうまで辿ることができますが、今日は高津を目指すからこの辺で引き上げる。
ところで西口商店街の賑わいは、このあたりまで来るとわりと落ち着いてしまう。
むしろ北側、高津駅のほうにお店が伸びていて、そう、だから、溝の口から高津まで歩くこととは、ある程度までは繁華街を行くこと。
自転車も浮かれ気味です。
広い道に出た。
高架脇ぴっちりのところに写真屋さんがある。
何らかの駅にすら見える。証明写真駅。
高架沿いを高津方面へ行きます。
ポレポレタウンだって。
ポレポレタウンって東口にあるわりと大きな商店街なんだけど、西側もこの高架沿いだけがポレポレタウンらしい。
知らなかった。
ポレポレとは、スワヒリ語でゆっくりの意なのだそう。
ここは、西口商店街をポレポレ制圧するための前線基地なのではないだろうか。
賑わいはポレポレつづく。
入屋橋というのが出てくる。
平瀬川が流れていたところで、橋だけ残ってる。
今は平瀬川の流路が変わっていて、ちょっと上流の津田山のあたりで北へ逸れ、山を抜けて久地円筒分水のあたりへ出る「平瀬川トンネル」が掘られている。
▼ちなみにそのトンネルはこんな感じです。津田山の住宅街に川が飲み込まれていくのすごくない? 初めて見たときはびっくりして思わず山を越えて出口を見に行って、重要な会議に遅れた。
津田山を散歩しました
そう、それで入屋橋ですよ。
ここには水はもう来ないらしいのです。
川の感じが残っているのは素晴らしいけども、残しているというより、なんかこれ、忘れられているように見える。
というか、これはマジ忘れなのでは。流路変えた人! 忘れてない!?
ちょっと前までゴミ集積所として余生を送っていた入屋橋。
今やその職も追われ。冷凍都市の暮らし。
そんなことより空を見なよってことかな。
高架の向こうに東口のマルイを含む商業ビル「ノクティ」が見える。
ノクティ。溝の口だからだろうな。
そこそこ大きな駅前にある、地名もじり物件。
一方の西口には良い感じのY字路があります。
丸貞ってのは不動産屋さんだそう。
丸貞って三面に書いてあるの阿修羅みたいでいいな。
正面は怒りの丸貞です。
これ田園都市線から見えるんだけど、見たことあるかな。十字屋のとても年季の入った看板。
商品の物流を通じて社会に奉仕することでおなじみの溝の口に古くからあるスーパーです。
これがその十字屋。
ここはいつも繁盛してる。
業務用スーパー感もあり、鶏肉のでかいパックなどがバカみたいに安い。
わくわくしかない。
一時期あざみ野にも出店してたんだけど、閉店してしまった。
そうか~青葉区には合わなかったか~。青葉区の住民は鳥1キロとか買わなかったか~。
十字屋名物、四苦八苦セール。
安いけど、苦しいの……?
いやなんか、ごめんな……
カレー大量に振る舞うときによく苦しめてごめんな……
なぜか電柱にフロアマットが巻いてあった。冬支度でしょうか。
高津中央病院。あとで帝京大学医学部附属病院も出てくるし、このあたりはでかい病院がいくつかあります。
セカンドオピニオンやり放題です。
おっ、また冷凍都市の忘れられた橋でしょうか。
と思いきや水あります。
これは二ヶ領用水で、宿河原のあたりで多摩川から引いている用水路です。
今は農業用水の役目を終え、こんな感じで綺麗に整備されています。
ここは雁追橋ですね。
ところで二ヶ領用水にはこんな感じでいくつも橋がかかっているのですが、もうちょっと下流のほうに行くと途端に少なくなって、代わりに住民が勝手にかけた「私有橋」が増えていきます。
ちょっと前に、誰がかけたか分からない私有橋が老朽化して問題になっていて、犯人を調べたことがあるのでご査収ください。
雁追橋の脇にある、ラーメン泪橋。
なんで。
田園都市線を潜る二ヶ領用水。
いつのまにかお店も無くなり、のどかになってきます。
柳のように泳ぐ、柵の魚。
散歩中のアイスを置いてご主人はお買い物でしょうか。
マスク・ド・パイロン。
四丁目100番街だって。
これは今日初めて知った。
100店舗揃っている感じはしないのだけど。
しかも、ここによれば二丁目らしいし。
これはちょっと調べても分からなかったので、何なのかちゃんとしたい気がするな。
二ヶ領用水をまた渡る。こんどは曙橋だって。
根っこが優遇されている。
のどかなエリアは木に優しい。
木に優しいまち、高津区。
どう?
どうって。
高架の大きさに対してトンネル小さすぎない?
スコップしか持ってこなかったの?
ところてんになった気分。
だんだん新しめの住宅街になってきた。
空も四角いぜ!
このあたりは用水路が多いと言ったのですが、このひょろっとした道も、もと用水路です。
もともとぜんぶ田んぼ。あれもこれも、ぜんぶ田んぼ。あなたも、私も。
帝京大学溝口病院と液化酸素。
めちゃくちゃに薄い建物の一方は会計事務所、もう一方は薬局。
一人が両方やってないとおかしいくらいの薄さだなと思っています。
回転する丸椅子で、両側に受付がある。
ちなみにこの薬局は灰吹屋という名前で、創業は江戸時代。もともとは大山街道にありました。
いまこのあたりにいくつか店舗があって完全に今風の薬局としてやってる。
これは別の店舗なんだけど、創業明和二年と書いてある。令和じゃなくて明和だから。
めちゃくちゃに薄い建物の定食屋。
一番狭いところでは、三角形のこんにゃくをうまいこと使った料理で凌いでいてほしい。
車止めに何も書いてない歩行者天国があったので。
理由が明らかにされぬが、通ってはいけない。
なんかお店が増えてきたな。高津駅前っぽい。
楽天ポイントで空気入れできるかのような。
空気に変わる楽天ポイントってよくない?
集中線で強調されし高津駅。
あっけなかったな。
というわけで高津に着いた。
僕の心に平穏が戻った、それだけの散歩であったけど、良かった。
はやく楽天ポイントで空気買える世界になってほしいと思う。
ところで、高津は別で散歩記録を書いたことがある。
もし超絶暇で死ぬ、みたいなときに、死ぬ代わりに読んでほしいです。
大山街道や、久地の円筒分水とかも行きました。
今日はやりきったので、おわりです。
溝の口駅から梶が谷駅までの散歩、たった1キロなのですが道が入り組んでいて行き止まりがたくさんあるし、アップダウンも激しくて景色くるくる変わるし、難易度すごいなと思ったからゲームブックにしました。
— ヤスノリ (@yasunori) November 12, 2019
11月15日からの「マニアフェスタ×東急ハンズ 2019冬」に展示します。梶が谷駅を目指そう。 pic.twitter.com/wahJ5nrYcg
や、知っている方は大山街道を大廻りすると思いますのでそこまで難しい道ではないです。
しかし方向的な勘を頼りに一旦路地に入ると、行き止まりあり、階段や坂ありで、けっこう楽しいのです。
▼すばらしい五差路
▼極めつけは、すぐそこに見えるのに谷が邪魔してたどり着けない。ドラクエ1における竜王の城こと梶が谷駅。
溝の口駅から梶が谷駅はエンタメとして成立する。
ところで、溝の口駅から反対側の隣は高津駅です。
こちらはとても簡単な道のりで、田園都市線の高架を追っていけば10分足らずで着いてしまいます。
高津のあたりはもともと多摩川から引いた二ヶ領用水が潤す農村で、平坦な道が続くのでした。
こう書くとなんだろう、あれだ、無能の道みたいな感じですが、いや、梶が谷が異常なだけで、普通そういうもんですから。普通に楽しいです。
さて今回、僕は上記のゲームブックをつくるために梶が谷に何度も降りて、1000枚くらいの写真を撮った。
正直、短期間に梶が谷を吸い過ぎた感じはある。
そうなると、自分の中のバランスをとるために逆側、溝の口~高津を歩きたい気がしてきたのです。
右手で持ち続けたら左手。
肉を食べ続けたら魚。
という謎の平等意識で、溝の口駅西口に降りました。
ここから高津駅を目指すことで、なんか安心する。
今日は、安心の散歩です。
ちょっと西口商店街覗いてくか。
溝の口駅の西口には、闇市をルーツとする昭和の建物が残っています。
数えるほどしか行ったことないんだけど、あれはたしか冬の夜だったからか、人通りはまばらで、おっ入れるのでは? と思って店の扉を開けたときの煌々とした照明とギャア~!! 中めっちゃ居る~! という感じを鮮明に覚えてる。
実家で茶色い小さな虫がちょろちょろ居て「あれ?どっから来たんだろ?」なんつって蕎麦しまってた戸棚開けてギャア~!!てなった記憶の隣にしまってある。
南武線に沿って連なるお店。
昼間は、西側に住んでる人の駅への最短経路として使われている。
とても機能的な道になっているのもいい。
ああ、昼間でも本屋さんはやってる。
あと八百屋さんとかもあって、やってる。
ここのコンクリが盛り上がってるところは二ヶ領用水支流の用水路です。
2007年の火災前までは、用水路の上にいくつかお店が建ってたらしい。
火災のあとは、用水路上の建物は撤去させられてしまったそう。
まあ、当時神奈川に住んでなかったから、撤去後の世界しか知らないんだけど。
用水路の上流方面。
大山街道のほうまで辿ることができますが、今日は高津を目指すからこの辺で引き上げる。
ところで西口商店街の賑わいは、このあたりまで来るとわりと落ち着いてしまう。
むしろ北側、高津駅のほうにお店が伸びていて、そう、だから、溝の口から高津まで歩くこととは、ある程度までは繁華街を行くこと。
自転車も浮かれ気味です。
広い道に出た。
高架脇ぴっちりのところに写真屋さんがある。
何らかの駅にすら見える。証明写真駅。
高架沿いを高津方面へ行きます。
ポレポレタウンだって。
ポレポレタウンって東口にあるわりと大きな商店街なんだけど、西側もこの高架沿いだけがポレポレタウンらしい。
知らなかった。
ポレポレとは、スワヒリ語でゆっくりの意なのだそう。
ここは、西口商店街をポレポレ制圧するための前線基地なのではないだろうか。
賑わいはポレポレつづく。
入屋橋というのが出てくる。
平瀬川が流れていたところで、橋だけ残ってる。
今は平瀬川の流路が変わっていて、ちょっと上流の津田山のあたりで北へ逸れ、山を抜けて久地円筒分水のあたりへ出る「平瀬川トンネル」が掘られている。
▼ちなみにそのトンネルはこんな感じです。津田山の住宅街に川が飲み込まれていくのすごくない? 初めて見たときはびっくりして思わず山を越えて出口を見に行って、重要な会議に遅れた。
津田山を散歩しました
そう、それで入屋橋ですよ。
ここには水はもう来ないらしいのです。
川の感じが残っているのは素晴らしいけども、残しているというより、なんかこれ、忘れられているように見える。
というか、これはマジ忘れなのでは。流路変えた人! 忘れてない!?
ちょっと前までゴミ集積所として余生を送っていた入屋橋。
今やその職も追われ。冷凍都市の暮らし。
そんなことより空を見なよってことかな。
高架の向こうに東口のマルイを含む商業ビル「ノクティ」が見える。
ノクティ。溝の口だからだろうな。
そこそこ大きな駅前にある、地名もじり物件。
一方の西口には良い感じのY字路があります。
丸貞ってのは不動産屋さんだそう。
丸貞って三面に書いてあるの阿修羅みたいでいいな。
正面は怒りの丸貞です。
これ田園都市線から見えるんだけど、見たことあるかな。十字屋のとても年季の入った看板。
商品の物流を通じて社会に奉仕することでおなじみの溝の口に古くからあるスーパーです。
これがその十字屋。
ここはいつも繁盛してる。
業務用スーパー感もあり、鶏肉のでかいパックなどがバカみたいに安い。
わくわくしかない。
一時期あざみ野にも出店してたんだけど、閉店してしまった。
そうか~青葉区には合わなかったか~。青葉区の住民は鳥1キロとか買わなかったか~。
十字屋名物、四苦八苦セール。
安いけど、苦しいの……?
いやなんか、ごめんな……
カレー大量に振る舞うときによく苦しめてごめんな……
なぜか電柱にフロアマットが巻いてあった。冬支度でしょうか。
高津中央病院。あとで帝京大学医学部附属病院も出てくるし、このあたりはでかい病院がいくつかあります。
セカンドオピニオンやり放題です。
おっ、また冷凍都市の忘れられた橋でしょうか。
と思いきや水あります。
これは二ヶ領用水で、宿河原のあたりで多摩川から引いている用水路です。
今は農業用水の役目を終え、こんな感じで綺麗に整備されています。
ここは雁追橋ですね。
ところで二ヶ領用水にはこんな感じでいくつも橋がかかっているのですが、もうちょっと下流のほうに行くと途端に少なくなって、代わりに住民が勝手にかけた「私有橋」が増えていきます。
ちょっと前に、誰がかけたか分からない私有橋が老朽化して問題になっていて、犯人を調べたことがあるのでご査収ください。
今日は、確固たる決意で、神奈川県川崎市高津区にある「噂の現場」に来ております。
雁追橋の脇にある、ラーメン泪橋。
なんで。
田園都市線を潜る二ヶ領用水。
いつのまにかお店も無くなり、のどかになってきます。
柳のように泳ぐ、柵の魚。
散歩中のアイスを置いてご主人はお買い物でしょうか。
マスク・ド・パイロン。
四丁目100番街だって。
これは今日初めて知った。
100店舗揃っている感じはしないのだけど。
しかも、ここによれば二丁目らしいし。
これはちょっと調べても分からなかったので、何なのかちゃんとしたい気がするな。
二ヶ領用水をまた渡る。こんどは曙橋だって。
根っこが優遇されている。
のどかなエリアは木に優しい。
木に優しいまち、高津区。
どう?
どうって。
高架の大きさに対してトンネル小さすぎない?
スコップしか持ってこなかったの?
ところてんになった気分。
だんだん新しめの住宅街になってきた。
空も四角いぜ!
このあたりは用水路が多いと言ったのですが、このひょろっとした道も、もと用水路です。
もともとぜんぶ田んぼ。あれもこれも、ぜんぶ田んぼ。あなたも、私も。
帝京大学溝口病院と液化酸素。
めちゃくちゃに薄い建物の一方は会計事務所、もう一方は薬局。
一人が両方やってないとおかしいくらいの薄さだなと思っています。
回転する丸椅子で、両側に受付がある。
ちなみにこの薬局は灰吹屋という名前で、創業は江戸時代。もともとは大山街道にありました。
いまこのあたりにいくつか店舗があって完全に今風の薬局としてやってる。
これは別の店舗なんだけど、創業明和二年と書いてある。令和じゃなくて明和だから。
めちゃくちゃに薄い建物の定食屋。
一番狭いところでは、三角形のこんにゃくをうまいこと使った料理で凌いでいてほしい。
車止めに何も書いてない歩行者天国があったので。
理由が明らかにされぬが、通ってはいけない。
なんかお店が増えてきたな。高津駅前っぽい。
楽天ポイントで空気入れできるかのような。
空気に変わる楽天ポイントってよくない?
集中線で強調されし高津駅。
あっけなかったな。
というわけで高津に着いた。
僕の心に平穏が戻った、それだけの散歩であったけど、良かった。
はやく楽天ポイントで空気買える世界になってほしいと思う。
ところで、高津は別で散歩記録を書いたことがある。
もし超絶暇で死ぬ、みたいなときに、死ぬ代わりに読んでほしいです。
大山街道や、久地の円筒分水とかも行きました。
今日は高津に来ておりますけども。川崎市高津区、高津駅。名前だけで言えば渋谷区で言うところの渋谷駅みたいなポジションなのですが、川崎市高津区の中心地はどう考えても溝の口駅でして……。しか…
今日はやりきったので、おわりです。