禁煙について考える(ただしマークで)
- 更新日: 2017/12/12
ただしマークで。
受動喫煙問題が国会等で話題となっている。
僕はもともとタバコを吸わないので、禁煙について考えたことはもちろんない。
食事中に近くでタバコを吸われるのは、さすがにちょっと抵抗はある。が、まあ、それぐらいだ。
しかし他人事ではいけない。改めて、禁煙問題について考えなければならない。
そこで、街中にある「禁煙マーク」について調べてみた。
サインとかピクトとかいう言い方もあるが、分かりやすく禁煙マークとする。
集めてみると、思っていた以上にいろんなバリエーションがあった。さっそく紹介していこう。
サブタイトルは「マークから見る禁煙問題」である。
「こんなの、どれも同じでしょ?」と思う人が大半かもしれない。では、微妙な変化を味わっていただこう。
お分かりいただけただろうか。そう、煙の太さや角度、色が微妙に異なるのだ。
これはタバコの向きが逆になっている。「胃袋型」と命名した意味がなんとなくご理解いただけただろう。「大腸型」「小腸型」も迷ったが、なんとなく胃袋が一番近いような気がしたので。
煙が手書き。やっつけ感が出ている。そしてタバコがやけに細い。
これは煙というより迷路だ。マウスで無理やり書いた感が出ている。
これもよく見るパターン。煙がクエスチョンマークになっているので「はてな型」とした。ビルや商業施設の1階の隅に、「火気厳禁」などと一緒に並んでいる。
日本橋、大手企業が入っているビルのトイレにて。
東京ミッドタウンのトイレにて。このあたりから、トイレに入ると必ず禁煙マークを探すようになってしまった。
これは赤を使用せず、白と黒だけ。そこはかとない葬祭感。
影はつけているものの、全部赤というのは珍しい。
松戸市にて。煙というよりカモメっぽい。
つづいて、2本のパターン。
やけにポップなデザイン。先端のデジデジ感が気になる。煙はなぜ紫色? と思ったが、「紫煙」という言葉があるのを思い出した。なるほど、パープル・ヘイズ仕様か。これをデザインした人はジミヘン好きだな。
「監視中」の目が怖い。目玉をなぜ上向きにしたのか。目の下のクマから、寝ずに監視してるぞアピールが伺える。
続いて3本パターン。
不二家レストランにて。「タバコは百害あって一利なしよ!」と舌を出しながら警告するペコちゃん。
都営新宿線、新宿駅のエスカレーターにて。若干古臭いが、悪くない。レトロモダンの装い。火のラインが4本なのに対し、煙は3本である。
英語表記。これもちょっとオシャレ感が出ているが、どこの禁煙マークか分かるだろうか?
正解はスタバ。煙を3本にしたのは、ロゴの女性(人魚)の髪型に合わせているのかもしれない。
マクドナルド。タバコも煙も青色。
ロッテリア。枠が四角い。これもロッテリア本体のロゴに合わせているようだ。
ファーストキッチン。オーソドックスな胃袋型。
モスバーガー。ちょっとオシャレ感が出ている。
4つ並べると、こんな感じだ。
マクドナルドも悪くないが、デザインで比較するとやはりモスバーガーが優勝と言っていいだろう。右下にイラストが描かれているのもポイントが高い。
新宿区にて。目と足をつけてキャラクター化している。胴体がないのに、吸った煙はどう処理しているのか。
こちらは台東区。新宿に比べるとやさぐれ感が出ている。ポケットに手をつっこみ、「どうせ俺なんて」と言わんばかりの猫背だ。パチンコで負けた後だろうか。あまり関わりたくないタイプである。
この2つは、厳密に言うと禁煙マークではなく「路上喫煙禁止」「歩きたばこ禁止」マーク。なぜ普通の禁煙マークではダメなのかというと、歩かせる必要があるからだ。たばこをキャラクター化する苦労が垣間見える。
中央区の公園にて。野良禁煙マークという形容がふさわしい。味わい深い。
一瞬、写真を取り込んだのか? と思ったのだが、左下をよく見るとイラストである。つまり右上の先端も絵で描いているのだ。リアルさという意味では間違いなく1位。これを作ったデザイナーは”凝り性”タイプである。
新宿の立体駐車場にて。手が登場する禁煙マークは珍しいなと思い、ガードマンの了解を得て撮影。「何を撮るの?」とかなり不審がられてしまった。
昭和感あふれるデザイン。往年のブルーバックスか11PMか、その辺りの時代を彷彿とさせる。なぜだか、むかし実家にあった手品の本を思い出した。
これは煙というよりエクトプラズムだ。出てはいけない、得体の知れないものがにょろりと飛び出している。南無。
「胃袋型」が65%とかなりのシェアだった。途中からちょっと変わったマークばかり集めてしまったので、実際は「はてな型」のシェアがもう少し多いと思われる。
煙が出ている or 出ていない、火がついている or ついていない、のシェアも棒グラフで示す。先端が少しでも赤くなっているものは「火あり」とした。
やはり「煙あり」が圧倒的なシェアだ。「火のない所に煙は立たぬ」とよくいうが、先端が赤くなくても実際には火がついているから、気をつけろ!(長井秀和風に読んでください)
また「はてな型」はISO(国際標準化機構)の図記号が元になっているとのこと。
公的な機関が定めたマークが広く使われているという、ごく当たり前の理由であった。
(画像出典:株式会社石井マーク HP より)
海外では一番左のマーク(ISO 7010)が広く使われているようだ。世界の禁煙マークも、集めたらきっと面白いと思う。
<参考サイト>
国民生活センター 生活知識情報「安全、禁止、注意などを示す図記号2」
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201308_06.pdf
日本標識工業会 標識Q&A
http://signs-nsa.jp/8hyouQA/
株式会社 石井マーク 図記号データベース 「禁止」全般
http://www.ishiimark.com/pict_prohibition01.html
僕はもともとタバコを吸わないので、禁煙について考えたことはもちろんない。
食事中に近くでタバコを吸われるのは、さすがにちょっと抵抗はある。が、まあ、それぐらいだ。
しかし他人事ではいけない。改めて、禁煙問題について考えなければならない。
そこで、街中にある「禁煙マーク」について調べてみた。
サインとかピクトとかいう言い方もあるが、分かりやすく禁煙マークとする。
集めてみると、思っていた以上にいろんなバリエーションがあった。さっそく紹介していこう。
サブタイトルは「マークから見る禁煙問題」である。
最も多かった「胃袋型」
禁煙マークといえば、まずこれを思い浮かべる人が多いだろう。「こんなの、どれも同じでしょ?」と思う人が大半かもしれない。では、微妙な変化を味わっていただこう。
お分かりいただけただろうか。そう、煙の太さや角度、色が微妙に異なるのだ。
これはタバコの向きが逆になっている。「胃袋型」と命名した意味がなんとなくご理解いただけただろう。「大腸型」「小腸型」も迷ったが、なんとなく胃袋が一番近いような気がしたので。
煙が手書き。やっつけ感が出ている。そしてタバコがやけに細い。
これは煙というより迷路だ。マウスで無理やり書いた感が出ている。
建物の1階でよく見る「はてな型」
これもよく見るパターン。煙がクエスチョンマークになっているので「はてな型」とした。ビルや商業施設の1階の隅に、「火気厳禁」などと一緒に並んでいる。
オシャレを演出する「黒バック」
集めていて気づいたのだが、大手企業が入っている新しいビルやおしゃれな商業施設では、禁煙マークが「黒バック」になっていることが多い。黒と赤のエクスタシーである。日本橋、大手企業が入っているビルのトイレにて。
東京ミッドタウンのトイレにて。このあたりから、トイレに入ると必ず禁煙マークを探すようになってしまった。
これは赤を使用せず、白と黒だけ。そこはかとない葬祭感。
煙は1本か2本か、3本か
胃袋型・はてな型は、煙を立体的に描こうとしている。一方、シンプルに線だけで描いているものも多かった。まずは1本。影はつけているものの、全部赤というのは珍しい。
松戸市にて。煙というよりカモメっぽい。
つづいて、2本のパターン。
やけにポップなデザイン。先端のデジデジ感が気になる。煙はなぜ紫色? と思ったが、「紫煙」という言葉があるのを思い出した。なるほど、パープル・ヘイズ仕様か。これをデザインした人はジミヘン好きだな。
「監視中」の目が怖い。目玉をなぜ上向きにしたのか。目の下のクマから、寝ずに監視してるぞアピールが伺える。
続いて3本パターン。
不二家レストランにて。「タバコは百害あって一利なしよ!」と舌を出しながら警告するペコちゃん。
都営新宿線、新宿駅のエスカレーターにて。若干古臭いが、悪くない。レトロモダンの装い。火のラインが4本なのに対し、煙は3本である。
英語表記。これもちょっとオシャレ感が出ているが、どこの禁煙マークか分かるだろうか?
正解はスタバ。煙を3本にしたのは、ロゴの女性(人魚)の髪型に合わせているのかもしれない。
ファーストフード対決はモスバーガーが優勝
ファーストフード店の禁煙マークも、意外と個性が出ていた。マクドナルド。タバコも煙も青色。
ロッテリア。枠が四角い。これもロッテリア本体のロゴに合わせているようだ。
ファーストキッチン。オーソドックスな胃袋型。
モスバーガー。ちょっとオシャレ感が出ている。
4つ並べると、こんな感じだ。
マクドナルドも悪くないが、デザインで比較するとやはりモスバーガーが優勝と言っていいだろう。右下にイラストが描かれているのもポイントが高い。
キャラクターにして歩かせる
つづいて「路上喫煙禁止」マーク。新宿区にて。目と足をつけてキャラクター化している。胴体がないのに、吸った煙はどう処理しているのか。
こちらは台東区。新宿に比べるとやさぐれ感が出ている。ポケットに手をつっこみ、「どうせ俺なんて」と言わんばかりの猫背だ。パチンコで負けた後だろうか。あまり関わりたくないタイプである。
この2つは、厳密に言うと禁煙マークではなく「路上喫煙禁止」「歩きたばこ禁止」マーク。なぜ普通の禁煙マークではダメなのかというと、歩かせる必要があるからだ。たばこをキャラクター化する苦労が垣間見える。
規格外の禁煙マークたち
その他、分類できなかったものもいくつか紹介しよう。中央区の公園にて。野良禁煙マークという形容がふさわしい。味わい深い。
一瞬、写真を取り込んだのか? と思ったのだが、左下をよく見るとイラストである。つまり右上の先端も絵で描いているのだ。リアルさという意味では間違いなく1位。これを作ったデザイナーは”凝り性”タイプである。
新宿の立体駐車場にて。手が登場する禁煙マークは珍しいなと思い、ガードマンの了解を得て撮影。「何を撮るの?」とかなり不審がられてしまった。
昭和感あふれるデザイン。往年のブルーバックスか11PMか、その辺りの時代を彷彿とさせる。なぜだか、むかし実家にあった手品の本を思い出した。
これは煙というよりエクトプラズムだ。出てはいけない、得体の知れないものがにょろりと飛び出している。南無。
「胃袋型」が圧倒的なシェア
どの型が多いか、グラフ化してみた。サンプル数は82。本当は100集めるつもりだったのだが、我慢できなくなってしまった。「胃袋型」が65%とかなりのシェアだった。途中からちょっと変わったマークばかり集めてしまったので、実際は「はてな型」のシェアがもう少し多いと思われる。
煙が出ている or 出ていない、火がついている or ついていない、のシェアも棒グラフで示す。先端が少しでも赤くなっているものは「火あり」とした。
やはり「煙あり」が圧倒的なシェアだ。「火のない所に煙は立たぬ」とよくいうが、先端が赤くなくても実際には火がついているから、気をつけろ!(長井秀和風に読んでください)
胃袋型が多い理由はJISだった
そもそも、なぜ胃袋型が多いのか。調べてみると胃袋型はJIS(日本工業規格)によって定められたマークだった。(正確にはJIS Z8210)また「はてな型」はISO(国際標準化機構)の図記号が元になっているとのこと。
公的な機関が定めたマークが広く使われているという、ごく当たり前の理由であった。
(画像出典:株式会社石井マーク HP より)
海外では一番左のマーク(ISO 7010)が広く使われているようだ。世界の禁煙マークも、集めたらきっと面白いと思う。
<参考サイト>
国民生活センター 生活知識情報「安全、禁止、注意などを示す図記号2」
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201308_06.pdf
日本標識工業会 標識Q&A
http://signs-nsa.jp/8hyouQA/
株式会社 石井マーク 図記号データベース 「禁止」全般
http://www.ishiimark.com/pict_prohibition01.html