【酒都西条】酒蔵通りを散歩しました
- 更新日: 2018/09/20
日本三大酒処のひとつ「西条」を散歩しました
どうも、真崎真幸です。
女心と秋の空とは言ったもので、最近の天気は晴れたり雨だったり汗ばんだり。土日を楽しみにしている人にやさしくない天気になってます。そうです、本日もどんより空模様。
「待ってくれ!…空ッ…俺が散歩を終えるまでッ!」と厨二っぽく唱えながら向かいました。
場所はこの辺。広島県東広島市「JR西条駅」
東広島「西条」は京都の「伏見」、兵庫の「灘」と並ぶ日本酒の醸造地として知られています。JR西条駅近辺には8つの蔵元があり、白壁が並ぶ「酒蔵通り」は有名な観光スポット。本日は酒蔵通りを散歩します。
雨雲よ!もう少しだけ待ってくれ!
JR西条駅前
駅南口を出たら西条の玄関。ちょっと寂しい気がするけど、西条も他の地方都市と同じく車社会。ロードサイドがメインになってるので駅前もこんな感じ。
ちなみに東広島市は人口19万都市。大阪の岸和田市、静岡の沼津市くらいの都市と思ってもらえればいいかと。
駅前の看板に「ようこそ酒都西条へ」。漢字は違えど「しゅと」を名乗るんだから相当な覚悟と自信があるはず。酒都へようこそ。
駅前の公衆電話ボックス。白い格子柄になってる。よく見たら地面も。これは酒蔵通りの「なまこ壁」に合わせてます。こういう名所に合わせて他の景観も寄せてくるの興味深いですよね。
なまこ壁とは
生子壁/海鼠壁/なまこ壁(なまこかべ)とは、土蔵などに用いられる、日本伝統の壁塗りの様式の一つで、その壁をも指す。生子/海鼠/なまこともいう。壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の目地(継ぎ目)に漆喰を蒲鉾形に盛り付けて塗る工法によるもので、目地の盛り上がった形がナマコ(海鼠)に似ていることからその名がある。なまこ壁 - Wikipedia
酒蔵通りへ向かいましょう。
酒蔵通り
これが「なまこ壁」。
規則的に続く柄が美しい。まさに白壁アイデンティティー。
わざと気になるローアングル。
酒蔵通り仕様のマンホール蓋。しっかり酒都西條とありますね。西条が「西條」と表記されてます。広島を「廣島」と表記するみたいなもんですかね。
真ん中のマークは東広島市の市章。「ひがしひろしま」の頭文字取って「ひひ」。わっかりやすーい。(分かりやす過ぎじゃね?)
マンホールなんで「おすい」って書いてあるけど酒処のせいか、そんなでもなさそうに感じます。
東広島のマスコットキャラ「のん太」。酒好きタヌキらしいです。
どんどん進みます。この先に私的映えポイントがあります。
賀茂鶴酒造のエンブレムが真近で見れます。
筆の払いまで再現されている。ひげ文字ゴールドエンブレムかっこいい!
真崎は毎回と言っていい程ここで写真撮ってます。本日もパシャリ。
本日の散歩は酒蔵通りの看板やタイポグラフィをできるだけ拾っていきます。
確かな自信とプライドがあってこその表記「酒王」。
これ以上ない上級。ひげ文字(筆書き)が更に風格を与えている。もはや王を超えるには「酒神」くらいしか思い浮かばないな。
併記されている「カモツル」は丸くて親近感の湧く書体。
愛されてこそ王。ということでよろしいでしょうか。
このすぐ側で日本酒の仕込みに使用される井戸水が汲めます。
ご婦人が丁度ポリタンクに水を汲んでいました。貴重な水を一般開放してるんですね。王は寛大なり。
レンガ造りの煙突。酒蔵のシンボルマーク。
このエリアを歩いていると至る所で見かける光景です。
こっちの煙突には「キレイ」の文字が。
「綺麗?ありがとうございます!」と返事する女性が続出。(するかも)
喫煙所の灰皿。
日本酒ラベルが印刷された酒蔵通り仕様になってます。
「日本酒でかんぱいしょーやぁ」がっつり広島弁ですね。
ここからも「キレイ」の煙突が。もしやこのキレイは「喫煙所を綺麗に使用してください」の意なのか?高い箇所から見てますよ。お天道様が見てますよ的な。絶対に違うけどそう思って身を引き締めます。
どんどん進みます。ん?よく見たら前方の白い煙突にも「キレイ」の文字が。白に白で書くとかお洒落上級者すぎる。一体このメッセージの真意は何なんだ?!続きはCMの後で。
キレイの正体は「亀齢」。亀齢酒造の銘酒です。広島の日本酒は比較的甘口が多いなか亀齢は辛口となっています。私は亀齢スキーなんでいつも愛飲しています。
「亀齢さんいつもお世話になっております」と脳内ツイート。
ひげ文字にウットリ…
字画の多い書体を簡略化しつつ、ちゃんと読める書体に落とし込む技術は芸術だ。さっきの賀茂鶴の金色文字もカッコイイけど黒字に白文字も潔さがあって好きだな。
柵にたくさんの酒の文字。酒、酒、酒…書き方に個性と遊び心が出てる。
どうやら有名な詩人や作家が酒について語った文章のようです。
題名「私のさかな」。自分の好きな酒の肴を語ってる様子。鮭があると寂しくないとか、梅干しは絶対に必要である。とか書いてて可愛かった。
白壁に誘われて奥へ。
白に囲まれるこのエリア異国感ある。
無機質な通りをずっと進む。読者が退屈にならないか心配だけど散歩している本人は楽しいのである。
木の壁を見ると幼少期を思い出します。水木しげる先生が大好きで模写ばっかりしてたんですけど、水木先生が描く木目がとても緻密、繊細なタッチで子供ながらに興奮していました。
私の脳内ではこんな感じに見えてます。(やっつけで書いた水木オノマトペ)
亀齢精米所。中の様子は見えません。
折り返して他の通りを散歩します。
キレイの次は「ビジン」。めっちゃ口説いてくるやん。
泉の三連。賀茂泉酒造が運営するギャラリーの看板です。同じ「泉」でも少しずつ違ってますね。レゴとダイヤブロックを同じ箱に入れる。それを許容できる人が描いたんだと思う。
額に入った酒樽のラベル。さっきから出てくる名称「賀茂」とは、この辺一帯が東広島市になる前にあった郡「賀茂郡」のことです。
このエリアの看板は酒蔵通りに寄せたデザインが主流です。
パーキングの看板も「なまこ壁」デザイン。
抜かりはないぞ。
不動産会社も「なまこ壁」デザイン。もしかして制約があるのか?
一般の家屋も白壁デザイン。間違いなく寄せていってる。地域で景観に配慮しているんだと思う。
観光案内所のある通称「くぐり門」。
顔出しパネル。いつもなら人に頼んででも撮るけど、店員さん忙しそうだったので断念。あなたが顔を出すのは蔵から?煙突から?
川栄李奈さん主演の映画。西条の酒蔵が舞台だそうです。かわええな・・・
西條鶴酒造。ここでも「酒王」の文字。
酒造メーカーは「鶴」を使いがち説。
あると思います。
鶴ときたら亀ですね。ということは…
亀齢酒造の販売店がありました。ちょっと寄ってみましょう。
たくさんの亀齢グッズ。もちろん日本酒の販売と試飲もあります。
この前掛け欲しいな~。いつ使うかと聞かれたら答えられないけども。
積まれた酒樽は美しい。
いつもならもっと見かけるんだけど、本日最初の積み酒樽。今回はあまり見かけなかった。
お次は白牡丹酒造。
入り口前の看板。むしろ車両のため以外の駐車とは?と意味がよくわからなかったけど文字の一部が消えてるからだった。本当は「車両出入口のため」。
館内の展示スペース。
顔出しパネル。このタイポグラフィかなりインスタに似てるな。
試飲コーナー。ひと口頂きましょう。
味はまろやかで甘めです。女性が好きな味かと。
白牡丹は酒販店の自販機でも見かけました。カプセルサウナのロッカーと同じくらいスリムな自販機。
自販機のタイポグラフィが良い感じだ。「白」のぺちゃっと潰れた感じとか、「丹」がもはや「円」なとことか、「ハクボタン」のカタカナは「ゴジラVSハクボタン」みたいだし、記載された全てがカッコイイ。
「うまさがちがうハクボタン」
自信がすごい。自信があり余ってる。自分だったら背中に「俺は人より面白い」と書けるだろうか。答えは否だ。
他にも面白い自販機があったので紹介します。
これです。「炭火焼きあご入りだし」の自販機。
「トビウオ=あご」が一匹入った状態で販売してます。広島でも限られた場所にしか設置されていないレアな自販機です。
「どうも、あごです。いい味だしまっせ。」
だし業界にもPREMIUMエディションがあるのか。その割に差額は50円ほど。すぐ手の届く贅沢がそこにはある。私は以前購入したことがあるんですが、これで作ったうどんは最高でした。奥さん1本どうですか?
酒販店のホーロー看板を眺める。ホーロー看板はデザインが秀逸なものが多いです。見かけたらじっくり観察したいですね。
「酒」が日常で見かける書体ではない。さんずいが螺旋している。まるで「ロンギヌスの槍」みたいだ。「ロンギヌスのさんずい」と名付けよう。
こっちもロンギヌスのさんずい。私を月に連れてって。(元ネタ:新世紀エヴァンゲリオン)
かと思えばこっちのホーロー看板はロンギヌスのさんずいじゃない。酒造メーカーによって採用される書体はちがう。みんなちがってみんないい。
陶器の酒樽。仲良く並んでる。
こっちも仲良い。家族連れの信楽焼きはじめて見た。
ん?家族ということは母親がいるってことだよね?ゲスい感情で確認したけど見えなかった。
きのン犬?カンボジアの首都でしょうか。(それはプノンペン)
初見では絶対読めない難解タイポグラフィ。
「きのした」が正解のようです。難しい!
この奥まった感じとても良い。収納上手さんに見つかると、この空間はデッドスペースとして色々されてしまうのだろうか。そうはさせるか。
シャッターの表記は「組合」、表札には「協会」。
どっちが正解なんだろうか。エイジングされたシャッターを観察しながら考える。
町の電気屋さんのエイジングもなかなかの具合だ。
カマキリの頭みたいなマークはDVDってことで合ってるよね?
ここだけ爆発したの?ってくらい局地的にエイジングしてる。
酒造の神「松尾神社」
散歩も終盤。駅の北口に酒の神様を祀る「御建神社(松尾神社)」があると知ったので参拝します。
跨線橋を渡って北口へ向かいます。
金網を意味もなく掴んでみました。あったら掴むでしょう?
イメージはカラオケ映像にありそうな光景。
伝わりますかね?
ここにも酒蔵通りデザイン。
なんだか雲行きが怪しくなってきたぞ。先を急ごう。
護建神社内に酒の神様「松尾神社」があるらしいです。
スマホを一生懸命さわる人。さっきからすれ違う人がみんなスマホを見てウロウロしてる。どうやら「ポケモンGO」をしてる様子。ポケストップが近くにあるみたいですね。
右の石柱の「妖気」だけ読めて内心ビビってる。
境内に入ります。ここにもポケモンGO民がチラホラ・・・
この看板ひび割れてバキバキなので新調していいのでは?
この担当者はiPhoneの画面がひび割れも気にならないタイプだな。きっと。
手水舎で手を洗います。あ、シェンロン。
階段を登ればもうすぐ。
恒例の狛犬観察。よく見たらこの狛犬、小さな2匹目がいますね!子供?
反対側にも。この発見を今すぐに誰かに言いたくなったけど、ここに書くから落ち着け私。
御建神社(松尾神社)到着。
酒樽がたくさん奉納されてる。
この神社では例年11月の酒造期前に酒造関係者が酒造りの成功と安全を祈る祈願祭が行われています。
参拝完了!
本日10人目のポケモンGO民に遭遇したので、記念の「ポケモンゲットだぜ!」ポーズを撮影。特に意味は無い。
この後すぐに雨が降り出して、まさかの本日最後の写真に。
ちなみにこのポケモンボール「くら寿司ビッくらポン!」の景品。
なぜかバッグから出てきたので運命を感じました。
なんだこの終わり方は。いいのかこれで。
酒まつり
西条では毎年10月に「酒まつり」を開催しています。
お昼から日本酒を飲んで美味い肴を楽しむ祭りです。酒飲みの楽園です。当日は全国から観光客が集います。もっと早く記事を公開して告知したかったのですが「真崎のモチベと秋の空」ってことで許してください。ご興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか。
酒まつりの公式サイト
おしまい