東京駅からどこまで雨に濡れずに歩けるのか

  • 更新日: 2025/07/31

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雨に濡れない道を探すぞ

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今日は朝から雨です。こういう日は外出するのが億劫な反面、「雨でも散歩できる屋内施設に行きたい」と思うことがあります。

僕は東京駅が好きで月に2〜3回は散歩しているのですが、東京駅は広くて歩きがいがあり、地下で周辺のビルとつながっているため、屋内だけでもかなりの距離を歩けるのが魅力です。雨の日でも傘いらずで歩ける場所として、これほど心強い駅はなかなかありません。

そんなある日、ふと思いました。『隣接するビルや施設の中を歩き続けると、東京駅からどこまで行けるんだろう?』と。屋根のある道だけを使って移動すれば、雨でも快適に散歩ができる上に、意外な近道が見つかるかもしれません。

というわけで今回は、東京駅の東端・日本橋口をスタート地点に、雨に濡れずにどこまで歩いて行けるのかを検証してみることにしました。



ここが日本橋口です。東京駅の端っこだからか、いつ行っても人が少ない印象です。日本橋口の存在自体知らなかった方も、なかにはいるのではないでしょうか。入ってすぐ左手にあるスタバはそこまで混んでいないので穴場だと思います。



日本橋口のメリットは、運休や遅延で他の乗り場が混雑していても、すんなり入れることにあります。この日も改札はかなり空いていました。

ただし、利用可能時間が8:30〜19:30と、他の乗り場より短いので要注意です。




早速、屋根のある道を探して歩きます。日本橋口から八重洲側をまっすぐ歩くと、そのまま外に出てしまうので、丸の内側へ移動することにします。



地図でいうとこんな感じです。

僕はずっと八重洲〜丸の内間の移動は改札を通らないと辿り着けないと思っていたのですが、最近になってやっと「丸の内側への通路」の存在を知りました。今まで払ってきた入場料のことを考えると、心がキュッとなります。




見つけました。案内表示通りに右折します。

ところで、なぜ地名は「丸の内」なのに地下鉄は「丸ノ内」なのでしょうか。これは、路線開業当時の表記に由来するそうです。

当時は「丸ノ内」とカタカナ交じりで書くのが一般的で、その名残が駅名や路線名に残っているとのこと。後に地名は「丸の内」とひらがなに改められましたが、路線名はそのまま残ったみたいですね。「霞が関」と「霞ケ関駅」、「四谷」と「四ツ谷駅」も同様に、時代の表記慣習の違いが今も残っている例です。




このまま案内表示に従って地上を歩いてもよいのですが、今回は『雨に濡れない』のが目標なので、地下に行けそうな階段があれば降りようと思います。




通路の右手に「八重北食堂」がありました。奥の階段から地下にもぐることにします。

よく見たら正面の広告にSuicaのペンギンが映っていました。ところで、このペンギンの名前をご存知でしょうか。調べたところ、彼に名前はありませんでした。その理由は、『Suicaのペンギンは一人一人が持っている「ICカードの分身」的な存在だから』だそうです。

僕がペンギンだったら普通に名前をつけて欲しいですが、JR東日本の方針になにか哲学があるのかもしれません。




ペンギンを見たらつい考え込んでしまいました。東京駅に戻ります。

八重北食堂から地下に降りると、漢字が多すぎる寿司屋が目に入りました。13文字もあります。Suicaのペンギンに分けてあげても余りあるレベルです。




ここから丸の内地下南口方面(有楽町方面)を目指します。地図でいうとこんな感じです。矢印の先に京葉線が繋がっているので、ディズニーランド方面へ行かれる方は、このルートだと混雑を回避できておすすめです。




地図通りに進むとありえないくらいでかい「有楽町方面」行きの通路に到着しました。道幅が広すぎてボーリングでもできそうです。




下りの階段が見えました。よくよく考えたら、八重北食堂で一度地下に降りているのに、またさらに地下へ降りることになります。

もしよければ構内図を見てほしいのですが、どうやら京葉線ホームは地下4階に位置しているそうです。そこまで地面を掘ったことがすごすぎて歩くのが怖くなります。よくある疑問ですが、どうやって地下4階に電車を入れたんですかね。ボトルシップを想像してしまい謎は深まるばかりです。




階段を降りると、長すぎる通路が出てきました。この先には京葉線しかありません。




道中、KITTEの地下入口を見つけました。まずKITTEは雨に濡れずに行けることが分かりました。初めての収穫です。




続いて、三菱一号館美術館の地下入口も見つけました。雨に濡れずに行ける施設2ヶ所目です。




長すぎる通路の突き当たりに到着です。こんなにスペースがあるのだから、店が2〜3あってもよさそうなのに、ただただ空間だけが広がっています。

防犯カメラだけがこちらを向いていて、なんだかディストピア感があって不穏です。




京葉線の改札が見えました。周辺の出口はほとんどが地上につながっているので、屋根を確保するためにここで東京国際フォーラムに移動します。




改札のすぐ右手に地下入口があるので、ここから進入します。雨に濡れずに行ける施設3ヶ所目ですね。




目の前に階段があるので上ってみます。




間違って地上に出てしまいました。屋根がありません。来た道を引き返します。




しかし、ここで忘れてはならないのが世界一おいしいドーナツ「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の存在です。僕はここのオリジナルグレーズドが大好きで、東京駅散歩の際は必ず買ってしまいます。




2個食べてしまいました。

来た道を戻ると東京国際フォーラムへの入口が出てきます。




一度現在地を確認してみます。矢印の方向に進めば、有楽町駅に行けるそうです。レストランが立ち並ぶストリートを駆け抜けます。




有楽町駅に到着しました。有楽町線、都営三田線、日比谷線、千代田線が通っているみたいです。どこにでも行き放題ですね。




駅直結のビックカメラがありました。僕にとってここは思い出深い店舗です。

数年前に地元の友人3人で訪れた際、ひとりの友人が怒涛の勢いで値段交渉し、最終的にカメラが定価より5万円ほど安くなったのを覚えています。このとき初めて「本物の値切り」を見ました。同じ関西人でも僕は値切るのが苦手なので、「ほんでなんぼになるんですか?」の一言で押し切った彼女は本当に頼もしい存在です。




ビックカメラの思い出は置いておいて、ここからどこへ行けばよいか確認します。すると、有楽町駅から東京交通会館につながっていることがわかりました。D8出口に向かいます。




道中、「格納凾」を見つけました。レトロなフォントな上に知らない漢字です。

調べてみると、この「凾」は函館の「函」の俗字だそうです。俗字とは「正式ではないけれども一般的に広く使われている字」のこと。ちゃんと「箱」を意味するみたいです。有楽町駅の歴史を感じました。




D8出口の階段を上ると、東京交通会館につながります。雨に濡れずに行ける施設4ヶ所目に到着です。




館内マップがあったので、一旦現在地を確認してみます。矢印の方向へ進むと、ショッピングモール・イトシアにつながることが分かりました。

それは良いとして、矢印の先の「まつげが激烈に長いまぶた」みたいな丸いスペースは何でしょうか。出口の感じもピンボールみたいで何が待っているのか不安です。




突き当たりまで来ました。純喫茶ローヤルです。僕はこの純喫茶が好きで何回か訪れたことがあります。以前、カフェオレを頼んだら一瞬で運ばれてきて度肝を抜かれました。おすすめです。




出口に到着しました。あの「まつげが激烈に長いまぶた」のスペースは、らせん階段でした。よく考えたらすぐ分かるものを、まぶただの何だの言って恥ずかしくなります。

このシャンデリア、写真では小さめに写っていますが、今いる地下から3階まで続く大きくて立派な作品です。豪華絢爛に輝くシャンデリアは高度経済成長期の華やかさを象徴しているようですね。




螺旋階段スペースを抜けると、イトシアへ続く通路が見えてきます。雨に濡れずに行ける施設5ヶ所目です。また現在地を確認してみましょう。




中央にある現在地から、青い矢印の方向へ進むと銀座駅へ行けるようです。東京駅から銀座まで地下でつながっているとは驚きです。葉脈のようにのびる通路を進んでみます。




イトシアに入るやいなや、クリスピー・クリーム・ドーナツと鉢合わせしました。予想だにしていなかったので度肝を抜かれました。僕はすぐに度肝を抜かれがちです。

いつもの癖で入ろうとしてしまいましたが、既に東京国際フォーラム店で2個食べているので諦めます。千代田区には丸の内オアゾ店も含め、3つも店舗があって羨ましい限りです。




イトシアの端っこ、地下鉄連絡通路に到着しました。まだまだ地下が続いていて雨に濡れずに済むという安心感がある一方、どこまで続いているのか終わらない地下道に不安も感じ始めました。まるでアリの巣です。




地下鉄連絡通路に出ると、目の前に案内板がありました。右折すれば来た道を戻るみたいです。では、左折して銀座駅を目指します。




道中、天井が低すぎるスポットがありました。こういう道を通る際、絶対ぶつからないのになんとなく頭を下げてしまうのですが皆さんはいかがでしょうか。

僕は自分の幅をちゃんと分かっていない節があって、まっすぐ歩いているつもりでも壁にぶつかることが多々あります。そんな自分が車幅なんて分かるわけがないので、すべての車両(自転車含む)に乗ることを諦めています。




頭を下げながら地下道を進むと、銀座ファイブの案内板がありました。雨に濡れずに行ける施設6ヶ所目です。

「GINZA SIX」以前に建てられたからファイブなのかと勝手に思っていましたが、調べてみると銀座5丁目にあるからでした。「GINZA SIX」はお察しの通り銀座6丁目にあります。「ファイブ」のフォントがジョナサンみたいでかっこいいですね。

C1出口直結と書いてあるので、早速歩いてみます。




ありました。きらびやかな外観で銀座を感じます。どこかレトロな雰囲気が漂っていますが、調べてみると1956年設立で69年もの歴史がありました。父と同い年です。




レストランが立ち並んでいます。直進するとどこへつながるのでしょうか。




道中、きれいなお花の広告がありました。広告主が現れるまでのつなぎなのでしょうが、雨の日も自然を感じられて気分が良いストリートです。




気分良く歩いていると、普通に地上の出口まで出てきてしまいました。




この先は左右どちらに曲がっても屋根がありません。ここで終わりなのでしょうか。この横断歩道の向こう岸を確認してみます。




よく見ると人だかりができています。




見つけました。日比谷OKUROJIです。レストランなどが高架下に立ち並ぶストリートで、公式サイトを確認すると「通な大人の通り道」がコンセプトとのことでした。雨に濡れずに行ける施設7ヶ所目です。

僕はおしゃれな店もおいしい店も全く知らない野暮な大人なので、こんな人間が歩いてもよいのか不安です。とはいえ、雨に濡れたくないので入ってみます。




入るやいなや、急におしゃれストリートが始まりました。壁面に高架下の煉瓦がむき出しです。どうやらこの煉瓦アーチはベルリンの高架橋をモデルに作られ、100年以上もの歴史を持つそうです。

周りの店は昼間でも繁盛しており、通な大人たちがワインを楽しんでいました。僕は下戸で野暮な大人なので小走りで駆け抜けることにします。




駆け抜けようとしましたがOKUROJIは意外と長いようです。どこまで続くのでしょうか。




巻き寿司みたいなマップがありました。なんと銀座から新橋まで続いています。一駅分もお店が並んでいるので、朝から晩までここで過ごせそうです。




OKUROJIを出ました。この先も高架が続いていますが、道らしい道は見当たりません。とりあえず向こう岸へ渡ってみます。




ありました。銀座裏コリドーです。かろうじて屋根があります。雨に濡れずに行ける施設8ヶ所目です。OKUROJIとはうってかわって、雑多な印象のストリートですね。




店舗数は少ないですが、焼き鳥などの居酒屋が集まっているようです。矢印方向に進めば新橋に辿り着けます。




屋根に隙間がありますが、そこまで濡れないのでまだセーフです。




道中、気になる看板を見つけました。スプリンクラーではなく「スプリン クーラ」だそうです。英語で「Sprinkler」なので、なぜクーラになったのか謎です。




スプリンクーラを凝視していたら雨が強まってきました。見上げると屋根の隙間が広がっています。先を急ぎましょう。




銀座裏コリドーを出ると、なぜか目の前にスカスカの竹やぶがありました。僕の知らない新橋に辿り着いてしまい、なんだか浦島太郎のような気分です。向こう岸にはもう道がありません。




右側には屋根がありません。




左側にも屋根がありません。ついにここでおしまいのようです。

というわけで、結論、東京駅日本橋口から雨に濡れずに歩けるのは新橋駅手前まででした。雨に濡れずに行ける施設は合計8ヶ所です。豪雨のなか傘を忘れてしまった時や、雨の日も散歩したい時なんかは、今回のルートがおすすめです。




ちなみに、銀座裏コリドーの出口からささっと小走りで駆け抜けると、もう一つの高架下が出てくるので、一瞬雨には濡れますが新橋駅までは辿り着けます。




では、新橋から電車に乗って帰ります。

今回のルートの所要時間は約40分でした。しかし、JR東海道線を利用すれば東京〜新橋間は一駅2分です。雨の中を早く移動したい方は、普通に電車に乗った方が便利です。








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