早稲田 / 夏目漱石が愛した街は、きっといい街。

  • 更新日: 2017/03/28

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猫である。

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どうもこんにちは。猫です。


どういうことですか。


今日は早稲田じゃないですか。早稲田といえば夏目漱石が住んでた街なんですよね。で、夏目漱石といえば『吾輩は猫である』でしょ。ってことで吾輩も。


山川さん。


はい。


行きましょう。


はい。






早稲田駅の2番出口を出て、右手の信号を渡ったところすぐに、「夏目漱石生誕之地」っていう石碑があるのですが……





夏目漱石の生まれたところがやよい軒に食われているぞ。ミスマッチ感がすごいなー。


あ、でも意外と歴史あるんですよ、やよい軒って。


へえ、そうなんだ。弥生時代から。


その時代は稲作で精一杯! チェーン展開とかいう発想ないから! 夏目漱石がこの地に生まれたのは1867年ですが、やよい軒はその19年後に茅場町にて一号店がオープンしてます。文明開化とともにやってきた西洋食を取り扱ってた店らしいです。


へえ。明治生まれ同士という意味ではアリっちゃアリな取り合わせ。






やよい軒とともに石碑を挟んでいる酒屋の小倉屋は1678年創業。徳川家綱が4代目将軍をやっていたころの話です。
現在の店主は何代目なのか気になりますが、忙しそうにお店の準備をしていたので聞けませんでした。


夏目漱石絡みのスポットが充実した夏目坂



生家跡から南へ上り坂が続いています。

ここの通り、夏目坂っていうんで、せっかくだから登っていきましょうか。夏目漱石絡みの話がたくさんあるんですよ。


夏目漱石に因んで夏目坂ですか。地名に名を残すの羨ましいな。


いや、これが、違うんですって。夏目漱石の父、夏目小兵衛直克さんが、ここの坂を勝手に夏目坂って呼んでたんですよ。で、知らぬ間に広まって定着していた、っていう。


えー! その方法なら俺にもチャンスある。これからこの地をヤスノリ島って言い続ける。


本州全体を覆すのはハードル高くない?






お、早速夏目漱石に乗っけてきましたよ。酒菜そうせき。






大型ホッケ、大判さつま揚げ、ビックリ・メンチ。サイズで押していくタイプの居酒屋なんですかね?


早稲田大学生を意識したラインナップですね。しかし、漱石は胃が弱かったらしいので、このメニューはどうだろうな……


そういや、夏目漱石の小説ってけっこうビール出てきますよね。『吾輩は猫である』も猫がビール飲むし、『それから』でも主人公がビアホールでビール飲んでた気がする。


本人は一杯飲んだだけで顔が赤くなっちゃうって話ですよ。大抵の宴会にもあんまり出たくないとか。国民新聞の随筆にそう書いてありました。


せんべろですね。


そういう意味では、せんべろです。






餃子の王将の脇道にちょっと入ってみましょう。



ここ、誓閑寺っていうんですけど、これも夏目漱石の随筆『硝子戸の中』に出てくるんですよ。





この鐘ですね。『霧の多い秋から木枯の吹く冬へ掛けて、カンカンと鳴る酉閑寺の鉦の音は、何時でも私の心に悲しくて冷たい或物を叩き込むように小さい私の気分を寒くした。』って。


漱石が嫌いな鉦。






写真撮ってたら寺の中から猫がやってきました。



最近の猫は人が近づいてもあんまり逃げなくなってきている気がする。




さぁ再び夏目坂に戻りますよ。




夏目坂ビル。坂の名を冠したビルには何が入っているのかな?



1階から3階まで株式会社ケーワイピーシーが。害虫駆除、清掃、衛生管理を生業とする会社らしい。早稲田近辺で害虫に悩まされている人は夏目坂ビルに駆け込もう。




夏目坂ハイム。1階にセブンイレブンがあるので、ここに住んでいる人たちは雨に濡れることなく買い物をすることができます。住みやすそう〜。




あれは、聖徳太子? なんかウィンクしてる。


でも天草引越センターって書いてありますよ。あれって天草四郎じゃないですよね。


肖像画でしか見たことないけど、天草四郎はもっとセンター分けだった気がする。ウィンクしてなかったし。


聖徳太子もウィンクしてなかったぞ。


ってことはあれは聖徳太子でも天草四郎でもないかもしれない。


情報が散らかりすぎている。






感通寺の前のポストの主張が凄すぎませんか。位置的にも、私有地に入り込んでいる気がしないでもない。


あ!


どうしたんです?





出さなきゃいけない郵便があったんですよ。ポストが目立ってたおかげで思い出せました。


よかったね。






感通寺の信号を越えて、とんかつ豊の真横の細道に入っていきます。
いいY字路。








このあたりは、個人店や古いお屋敷が立ち並んでいます。
大学生で賑わっている駅前とは対象的。早稲田にはこんな顔もあるんですね。






ここは有島武郎の旧居跡ですって。


まさかこんなでかいマンションが建つとは思ってなかっただろうなー。


あれ、でもよく見るとここ1年しか暮らしてないって書いてますね。


そんな短期間居ただけで旧居跡って名乗っていいんだろうか。それなら俺免許合宿で山形に2ヶ月くらい居たよ。


何の話?





漱石山房を見に行く



さらに左手に向かって漱石公園に行きます。ここには東京朝日新聞社に専属作家として入社した明治40年から没するまでの10年間を過ごした旧居・漱石山房があるんですって。あと胸像とか猫塚とかがある漱石ファンなら絶対行くべきスポット。




これ? 漱石公園?


え〜! 違うと思いた〜い! あ、早稲田南町児童遊園だから違う! 良かった!







この公園、「無」ですね。


心の綺麗な子供にしか見えない遊具があったりして。


ジャングルジムに登ってる少年たちを我々が見たら空中浮遊してるように見えるわけですね。恐ろしい。






地図によると突き当たりが漱石公園なんですけど、なにやら不穏な気配が……




漱石山房記念館の建築工事が数日前から始まっていました。
地下一階から地上二階までの建物で、漱石カフェ、図書室、ミュージアムショップが入るとか。そんなわけで漱石公園は2017年9月24日まで入れなくなるらしい。
調べずに来ると、こうなります。

しかしですよ、ここに夏目漱石の胸像や猫塚があるんです!
なんとかして中が見たい……



回りこんでみる。





見えない。




見えません!




ここにある猫塚っていうのは『吾輩は猫である』のモデル、名付けられなかった猫の13回忌に、漱石の遺族が建てたものなんですって。見たかったなあ……。


見たすぎて猫になってる。




夏目漱石と縁のある早稲田大学を見に行こう





早稲田通りに出て、夏目漱石が講師をしていた早稲田大学を見に行くことにします。

お、線香の匂いが。





あの龍善寺からきてる匂いですね、たぶん。





臭いが強い豚骨ラーメンがこっち側にあるのに全然豚骨の匂いがしない。線香の香りは豚骨の匂いをも凌駕するのか。これは何か新しい芳香剤のヒントになりませんかね。






思ったことないな。






三徳だ。新宿に本部がある関係か、この辺三徳多いんですよ。ぼく昔中野に住んでたんですけど、そのときも最寄りが三徳でしたね。


あんまり馴染みがないな。どんなスーパーなんですか?


安くはないです。どちらかというと高いのかなあ。でも変な調味料とかあるので、面白いですよ。休日朝に開催される「朝市」は例外的に安い。日曜の朝市でガッと買うのがいいんじゃないですかね。






おしゃれな自転車屋。



最近流行りのFREE-WIFIならぬFREE-AIR。Iが空気入れになってるのがイカしてるぜ!




早稲田中学・高校が見えてきたところを右折。

実はこの辺に居たことあるんですけど、正直昼飯事情は良くなかったんですよ。大学の回りは、学生向けのガッツリかつイマイチなお店が多くて。でもこの通りは例外的に良いお店が揃ってます






東京らっきょブラザーズは、北海道スープカレーを出すいいお店。




メルシーはヤスノリさん曰く、早稲田が誇る名店の一つだそうです。とにかくラーメンを頼んでみてくれ、と。




ディースタイル・トキヨのところを左折すると早稲田大学です。




早稲田大学に着いたぞ!!


なんで合格したぞみたいなポーズとってるんですか。


いや、早稲田来たの初めてなので、気分だけでも味わおうと思って。


夏目漱石って早稲田で先生やってたってことは、なんか専門分野でもあったんですかね。


当時、漱石は現役の東京帝国大学生だったんですって。学費を稼ぐために週に2、3回教壇に立っていたんですよ。


え? 学生が学生を教えるってこと? 仮免の人が運転教えるみたいな感じ?


そう例えられると怖いけど多分そうです。あ、でも漱石は相当の秀才で、東大でも特待生に選ばれるほどだったんですよ。早稲田の授業では「アレオパジティカ」っていう言論の自由について書かれた書物をテキストとして取り扱っていたとか。内容が難しくて授業受ける側も講師側もなかなか苦労していたらしいです。






早稲田生対象の教育系バイトのサイトが。大学講師のバイト求人はたぶんない。




ブックスルネッサンスですって。



古書から漫画、雑誌まで高価買取、出張買取までしてくれる。高級そうなんですけど、やっていることはブックオフです。
なんとなく高級感がありすぎてお店に入りづらい?
そういう人は……



早稲田通りには普通のブックオフがあるからそこに行ってくれ。




そのまま早稲田駅方面まで歩くと穴八幡宮が。
漱石の奥さんは、漱石の精神が不安定になると疳の虫封じの護符をここへ貰いに来ていたそうです。作家の妻って大変だな。




ここは流鏑馬で有名な神社なんですよね。
8代将軍徳川吉宗が、世嗣の疱瘡平癒祈願のため流鏑馬を奉納したことから「高田馬場流鏑馬」がはじまり、現在も続いています。




ドローンに対してもしっかり牽制入れてますね。


この目線、ちゃんとアイブラック入ってますね。野球でバッターがよくつけてる。これなら逆光状態でドローンが襲い掛かってきても撃退できます。


流鏑馬で撃ち落とすんだろうなー。




早稲田限定カレーを食いに行く

お昼何食べましょうか。ヤスノリさん早稲田詳しいんでしょう?


メルシーかメーヤウか、ちょっと前なら夢民(ムーミン)っていうカレーの名店があったんですけど閉店してしまったし……、あ、カレーつながりで、ココイチ行きませんか。


まさかのチェーン?


早稲田通店でしか出してないオリジナルメニューがあるんですよ。


ココイチに? そんなのあるの?






ここから神社の横の通りを通ってココ壱早稲田通店を目指します。




エジプト考古学ビル?



ちょっと歩くと案内板まである。エジプト考古学ビルは株式会社アケトのビル。エジプト調査60年になる吉村作治さん(東日本国際大学学長・教授、早稲田大学名誉教授、工学博士)の活動をサポートしながら、エジプトにかかわる文化事業を展開している会社だそうです。







西早稲田に近づくにつれて銭湯、古本屋、昔っぽい表記の蕎麦屋などなど。
このあたりの雰囲気はかなり興味深いです。また別で来てみたい。




ココイチ着きましたよ。今のところ、ふつうのココイチに見えるけど、限定メニューは……




あった。早稲田通店の限定メニューは早稲田ハムポテフライカレー。ゆで玉子、マッシュポテトをハムで包み込んでフライに揚げたやつ。こんなもん旨いに決まってるじゃないですか。ちなみに、単品で持ち帰ってもOKらしい。





早速限定メニューを注文してみました。ちなみに左側が甘口で右側が普通の辛さ。無駄に色を比較してみました。




早稲田ハムポテフライは、思った通りの味ではあったんだけど、旨いですよ。カレーに合わないフライは無いの法則。ここにしかない取り合わせ、一度食べてみては?




カレーを終えて、吾輩はマンゴーラッシープリンである。
漱石ってアイスクリームとか羊羹とか、甘いものが好きだったらしいですよ。だから僕も甘いものを食べてみました。




甘さと酸味が混ざり合って旨い。


良かったね。


しかも、ハムポテフライカレーは638円で安いんですよね。プリン合わせても漱石1枚でおつりが来ますよ。漱石すごい!


すごいのはココイチだし、1000円札は既に英世ですけどね。



………
……


さて、今回は夏目漱石ゆかりの地・早稲田を散歩してみましたが、漱石公園が工事中であったため、「吾輩は猫である」の聖地、猫塚を見ることができませんでした。猫好きの僕にとってはこれがとても痛い。

代わりといってはなんですが、早稲田の路地で「猫を見つけるクイズ」を撮ってきました。
どっかに猫の僕が居ますので、画面をぐりぐりして探してみてください。



猫を見つけるクイズ - Spherical Image - RICOH THETA




見つけても、特に何も無いです。


(おしまい)



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山川悠

誰もいないバッティングセンターで数百円分の素振りを楽しむのが好きです。
いや、本当は好きじゃない。みんなが見てる前でカキンカキンしたい。高校時代は帰宅部。

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