青物横丁を散歩しました

  • 更新日: 2018/07/12

青物横丁を散歩しましたのアイキャッチ画像

旧東海道なのでありました。


今日は品川区、青物横丁に来ておりますけども。



京急の駅で、品川から3つめ。
北品川、新馬場、青物横丁。
品川から京急に揺られていると新馬場をウッカリ通過していて「あれ、もう青横?」みたいな現象がたまにあって、これ僕だけかなと思ったら他の人もわりと経験してて、消える新馬場のことはまた今度やろうと思うのですが、今日は青物横丁ですよ。



青物横丁が消えるという話は聞いたことがない。
青物横丁に目的を持って降りるひとたちが居て、それなりに流行っている駅。
青物なんていう名前なんですけど、ここは東に海があり、脇を旧東海道が通っていた、海沿いの街でした。
今はどんどん埋め立てられてしまって、あまり海の感じがしないのですが、感じて欲しい。東海道と海を。


青物横丁の駅前



というわけで、降りましたけどね。



駅前はジュネーヴ平和通り。旧東海道の話して盛り上げたのに、真逆みたいな通りが出てきた。
すいませんね。ジュネーヴの野郎がほんとすいません。あとできつく言っときますんで!
まあ、真面目な話すると、品川区とジュネーヴは友好都市で、その関係で命名されたんですって。




駅正面という立地なのですが、ひっそりという言葉が似合うカフェムジカ。正しい喫茶店です。

実は青横はチェーンのカフェが(多分)無くて、うっかりするとカフェ難民になる。
10年前よくこのあたり仕事で来てたんですけど、客先訪問前に軽く打ち合わせしましょ、みたいなときに入るところの選択肢が無くて、ここカフェムジカか、



駅からちょっとだけ東へ行ったところに木村屋ってのがあって、古き良き菓子パン屋なんだけど、奥のカーテンかかってるところが実は喫茶スペースになっていて、落ち着いて珈琲飲める。砂糖まぶしたねじりパンみたいのと珈琲をよく頂いていた。こういうのを隠れ家って言ったほうがいいと思う。




で、そう、ジュネーヴ平和通り、なんて洒落た名前になっている青物横丁の商店街ですが、ここはこんな感じで、ゆるくお店が続きます。
今日は行かないんだけど、新馬場側の通りには飲み屋街なんかもあったりして、夜は賑わう。

青物横丁の一日乗降者数は2016年で41,167人。京急のこのあたりの各停駅としては突出していて、実は東側へ歩くとすぐにとりんかい線の品川シーサイドがあって、そのあたりはでっかいオフィスビルが数本立っている。こう見えて、サラリーマンが非常に多いエリアなのです。



ここね、品川シーサイド。あとで出てきますけど、あのあたりは完全なる埋め立て地であって、飲むとなると小洒落た高いお店しか無かったりする。いや、そういうのではなくて、という向きは古の大地であるところの青物横丁のほうへ足を伸ばすことになるのでした。



青物横丁で飲んだ思い出としては、四万十というお店に、会社の人たちと何回か行った。
今調べたら、婚活ができるお店としてブレイクしているみたいだったけど、あれ、そんなお店だったっけかな。普通に、うまい土佐の食材を、世話焼きな親戚の家感覚でガンガン出してくれるお店で良い思い出しかないんだけど、婚活? まあ、たしかに、あの親戚感の延長線上に、結婚のお世話はあるかもしれない。

さて、青物横丁の続き。



商店街のグルメグランプリだって。
商店街公認の賞レースだと思うんだけど、そのわりにこの結果プリント、コンビニみたいなところにしか貼ってなかった。
あれだよね。自分のお店に、人のお店の食べ物貼りたくないよね。
何より、紛らわしい。
「あ、じゃあ僕、外に貼ってあっただし巻き玉子のやつ」なんて客に言われた日にはどうしたらいいか分かんないよね。
まあ「それはうちじゃないんですよ……」とか言うんだろうけど「えっ? 違うお店の料理ふつう貼る?」とか客も思うだろうし。面倒くさいことこの上ない。




肝臓のアイコンだ。「器」も肝臓になっているぞ。
初めて見るものばかりだ。唐に着いたばっかりの遣唐使ってこんな気持ちだったんだろうか。



あと、このビルすごく可愛いんですよ。庇が良い。



靴屋も良い。良いしか言ってないけど、青横はだいたい良い。


昭和建築鑑賞スポットとしての旧東海道

青横の駅から、東へ1本行ったところが旧東海道。






こんな感じで歴史を感じる薬屋もある。



と思ったらわりと創業は最近だったりする。
まあ、いいんですよ。旧東海道のトンマナをちゃんと守っている。

とか言って、この辺、旧東海道の感じを醸し出しているお店は実は少なくて、このお店が目立っているくらいだった。
むしろ、昭和中期~後期の建物が多い気がする。
旧東海道は、昭和の優しい感じの建物を楽しむ場所として提案したい。



こういうのとか。
このカーブ最高じゃないですか。優しい。優しい時代のカーブです。




昭和の装飾ってかわいいですよね。
この花最高じゃない? 業種がラーメン屋ってのもいい。




これも。窓の格子がいい。




バタークリームケーキのデコレーションみたいな看板も良くて、これ光ってるところ見たいな。




古き良きヤマザキショップだ。デイリーヤマザキではないヤマザキ。




そんな中にスッと入ってくるまいばすけっと。この切り込み力ですよ。見習いたい。




学習教室に、魚屋がけっこう浸食してきている。
魚関係の問題が多く出る。




自作の駐禁。




ドッキリ系のおもちゃばっかり置いてあった。




旧東海道沿いにある品川寺。
実はこの品川寺の梵鐘が幕末に海外へ流出してしまい、パリ万博にしれっと展示されてしまったんだそう。その後紆余曲折して、スイスはジュネーヴ市のアリアナ美術館に梵鐘が展示されていることを当時の住職が突き止め、返還交渉を続けたんだと。
昭和5年に返され、その後ジュネーヴと品川区は友好都市になるけど、きっかけは品川寺。




東海七福神だって。
こうやって、いろんな寺に七福神配置して「○○七福神」とか称してスタンプラリー的なことやる文化は江戸時代あたりからあるんだよね。
ポケモンスタンプラリーみたいなやつの先祖です。

さて、品川寺には毘沙門天が居るとのことですが……



あれ、恵比寿?



寿老人?



どうやら、東海七福神以外に、品川寺だけで完結している「金生七福神」というのが居る。
ええ……。

この状態、ポケモンスタンプラリーで例えると、いろんな駅にポケモンを配置して、渋谷駅はミュウツー担当だって言ってんのに、別で「渋谷ポケモンスタンプコーナー」とか勝手にやって全種居る、みたいなことですよ。そんなこと、無いでしょう?




高圧ケーブルの碑。
生前はさぞかし高圧だったのでしょう。




さて、旧東海道の続き。青物横丁と鮫洲の中間あたりまで来た。
このあたりはちょっと古そうな建物。




普通なら自販機がありそうなポジションに碑があるのは、さすが旧東海道。




碑の赤ちゃんも生まれています。




何かの工業製品のお店もある。




ここから先は鮫洲商店街なので、お隣の鮫洲駅のテリトリーです。また今度にするね。
鮫洲だけにサメなのは分かるけど、ジンベエザメなんだな。





青物横丁の東側

ところで、青物横丁駅の1本東であるところの旧東海道、のさらに1本東は、元なぎさ通りという名前。



元なぎさって、じゃあ、なぎさ通りはどこなんだよ! という話ではなくて、ここが元「渚」であった、という話なのである。


(5千分1東京図測量原図 1876-84年、橙色は筆者)

東海道の1本東は確かに海岸線で、それ以東は砂浜、遠浅の海でありました。



つまり、ここより東はぜーんぶ埋め立てです。
大きめの建物が出現するのもこのあたりから。




とはいえ埋め立てられたのは100年以上前で、青横文化圏からの影響か、こういう味のある建物もちらほらあるし、後ろにある八潮高校は今年創立100年に湧いている。窓のアールもいい。




さらに行くと品川シーサイド駅と、周辺施設であるところのビジネスタウン、品川シーサイドフォレストが見えてくる。
ここはJTの工場の跡地。
楽天の本社がここだったことがあって、品川シーサイド駅に「楽天タワー前」という名前が併記されていた時代がある。今は「ビッグローブ本社前」とついてる。こういうの幾らするんだろうな。



海岸通り。
ここまでくると、さすがに青横の感じは無いな。無機質でデカいものが多い。
天王洲アイルとか、あのあたりの匂いがします。


海を見にいく

さて、青物横丁で降りる人の活動範囲は大抵この海岸通りまでで、ここから先はなかなか足を運ばないのではと思います。
品川シーサイドフォレストの裏は海へ続く京浜運河になっているのですが、多分働いている人も気づかないくらい、海の気配は無い。
いや、ほんとに海あるんですよ。
あったっけ?
そう言われると無い気もしてきたので、見に行ってみる。



このあたりから、土地の使い方がどんどん雑になっていきます。ひとつひとつがデカい。海が近い感じあるでしょ。



広いくせに車や人が殆ど居ないのも雑な土地あるある。




ほら、東京モノレールだ。




ほら、京浜運河だ。




現在はさらに東も埋め立てられていて、大井埠頭とかあるのですが、まあ、海の気配ということで、今日はここまで。




けい船禁止だって。駐輪禁止の海版です。海の世界にもそういうのがある。


埋め立て地としての青物横丁



帰り際に、いい感じのアパートが目に入ってきた。



都営東品川第3アパート。1972年築のかっこいいアパート。
今って、建物をこういう軽い色に塗らないよね。未来が明るかった時代にだけ許される色です。





青物横丁の北側の埋立エリア、はじめてじっくり歩いたけど、このあたりは完全にアパート群なのでした。




軒の奥に神社。雨に濡れずにお参りができて便利。
不在の荷物をここに置いておくと盗まれない、みたいなライフハックどうだろう。神罰下りますかね。




こういうアールのついた枠、いいですよね。
伝わらないかもしれないけど、水玉模様になりかけ、というイメージがある。
アールの半径を変えられるゲージがあって、かけすぎると円になるの。ますます分かんないですかね。




こちらは平成の感じがすごいな。全方位にキッチリしている。
コンプライアンスの時代。




新聞紙だけドットなの何だろうな。
確かに、この中では一番ドットで描きやすそうだけれども。




そんなこんなで、青物横丁に帰ってきました。


雑感

青横、ゆるくて好きなんですね。
青横の商店街って、手持ちのPASMOをスタンプカード代わりに使えるの早かったり、そういう先進的なこと仕掛けてくるのですごいんですけど、旧東海道の魅力! とか、商店街みんなでがんばってますわっしょいしょーい! みたいな圧の押しつけが無くて、それが個人的には好き。楽しみ方が固定されてない。

あと、単純に、人が増えている。
この時代に、なんという奇跡でしょうね。
前述したように2002年に品川シーサイドフォレストが出来て青横から歩くサラリーマンが増えたし、埋立エリアにはマンションボコボコ建つし、2007年には駅すぐ裏にパークスクエア南品川もできて、OKストアも出来た。



あのー、それで、無理しない感じで活気があって、これはなんというか、自然法則として、ここにある街なんすよ。
法則に抗わない街。



駅とパチンコ屋が一体化してますが、これも理(ことわり)だと思うのです。
無理の無い、良い街だと思います。


参考
品川寺の大梵鐘
品川宿周辺に見るゆるやかな街づくりとソーシャル・キャピタル



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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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