【世田谷区街灯図鑑 vol.9】玉川商店街・二子玉川商店街
- 更新日: 2021/09/23
お買物は地元で
こんにちは。王田土人です。

「世田谷区街灯図鑑」の第9回は、二子玉川にある「玉川商店街」と「二子玉川商店街」の街灯を見ていきたいと思います。

地理的には、第3回に訪れた「上野毛商和会」や「瀬田商店会」と近い場所ですね。
両方とも巨大な商店街で、環八をひたすら歩き続けた記憶があります。
今回訪れる「玉川商店街」もなかなかに巨大で、再開発された駅前ビルの下に広がっています。
では行ってみましょう。
〇

二子玉川駅に着きました。
二子玉川は、下北沢や三軒茶屋と並び、世田谷区屈指の大きい駅でしょう。
賑やかな下北や三茶と比べ、二子玉はちょっとお上品な「セレブの街」という印象があります。

駅を降りるとすぐに街灯を見つけました。こげ茶色のオーソドックスな街灯ですね。
看板には「玉川商店街(振・組)」とあります。「振・組」は「振興組合」の略称でしょうか。「・」が気になります。

「お買物は地元で」
看板の裏面です。標語が来るパターンは珍しい。
この標語があるだけで、6割増くらいで夕方映えしそうです。

こちらも「(振・組)」。
やはり「・」の存在が気になります。

世の中にはいろんな仕事があるんだなあ。
「アメニティ課 二子班」の業務内容に思いを馳せつつ先へ進むと、

すごい突き当たりに出ました。右側は二子橋。橋下のガードレールをくぐってみましょう。

多摩川に出た!

のっけから一体どこにいるかというと、この辺りです。
マップを見る限りだと、先ほどの突き当りはすでに商店街エリアから外れているのに、街灯が立っていることになります。ちょっと不思議ですが、たまにあることです。

鳥3羽パターンに出会えたらラッキーみたいなやつかと思って30メートルくらい見てみたけど、そんなことはなかった。

ばこーん!!
と叩くと「8」くらいまで埋まりそう。

最近の暑さでハイフンも歪んでますね。

川沿いから戻ってきました。
行き止まりは大体ウソということを学んだので、強気に進んでみましょう。

ほぅら、やっぱり。階段があるじゃないか。悠然と階段を下りて反対側へ

これまたすごいところに街灯があります。車道のなかに無理やり歩道をねじ込んだような道になっています。

少し入ってみると、だいぶ商店街らしい雰囲気になってきます。

その片隅にひっそりと灯った街灯がありました。
夏の昼間に何の需要があるのか不明ですが、少なくとも私は満足です。

取り残された看板が寂しげにこちらを見ている(気がします)。

ダメだ!ここも暑さでやられてる...

今は田園都市線の線路を越えてこの辺りにいますが、

完全に住宅街。

窓を開けたら街灯がすぐ目の前にある生活は楽しそうです。

窓を開けたら街灯とすぐ目が合う生活も楽しそうです(品川区・ゆたか通り商店街)。

小さな川が出てきました。六郷用水だそうです。


川沿い(用水ですが)の街灯はやっぱりいいですね。
深沢の「中町商店会」も、小さな川沿いに街灯が立っていました。
先ほどから、どんなロケーションでも「お買物は地元で」が淡々と続いているのが印象的です。

やたら表現が詩的というか、観念的。
「世田谷区 みどり政策課」が作っているみたいですが、文体が役所っぽくない気がします。

ラインナップはのり巻、いなり、お弁当です。なぜわざわざ書き起こすかというと、何となく玉子寿司がちらついたからです。
「700」の上にごく小さく「3」が書き足されていますね。
東京の市内局番は1991年に「3」が加わって4桁になりましたが、老舗の看板がどう対応しているのかを見ると結構楽しいです。

めがね食堂。素晴らしいネーミング。


まだまだ住宅街。
「お買い物は地元で」がじわじわ効いている気がします。特に気に留めていなくても、毎にち目にすると、意外と効果を発揮するのかも。


再開発ゾーンに出ました。
ビルの下にお店がたくさん広がり、再開発とともに移転してきたことを思わせます。

大井町線の線路を境にエリアが分かれているようです。

掲示板もしっかり再開発されていました。

これは激レア街灯!
広い玉川商店街でも、お店の名前が入っている看板はここだけです。
ちなみに、裏面は普通に「お買物は地元で」になっています。
〇

駅前に出ます。
ここはさすがに街灯がありませんね。

次は、ちょっと気になる形をした一角を目指します。


変わったものを見つけました。
「陸閘(りっこう)」といって、切れ目が入った堤防のようなものです。
平時は普通に通行することが出来ますが、増水の際は切れ目を封鎖して、堤防の役割を果たすそうです。
陸こうのしくみ|東京港のご紹介|東京都港湾局公式ホームページ

陸閘は石段で登れるようになっていますが、登った先はアリエッティの世界みたいになっています。

傍らのカラスネットもすかさず撮っておきます。

陸閘を越えると街灯が並び、多摩川河川敷へと続きます。
玉川商店街は街灯こそあまり変わり映えしませんが、ロケーションが様々で、見ていて飽きないです。
むしろ街灯が均一だからこそ、ロケーションの面白さが際立つのかも。
賑やかにお店が並ぶ一角、再開発エリア、住宅街、川沿い、陸閘と河川敷の間などなど...どんな場所でも朴訥な街灯が「お買物は地元で」とこっそり主張しながら立っていると、そこが同じ商店街の一部であることを認識します。

めちゃくちゃかわいい景色を見つけた。
川沿いを少し歩きましょう。

浮世絵の構図みたいだなあ。 あらゆる縦線が美しい。

根元の黄色がいいアクセントになっていると思う。

駅の方へ戻ります。奥にまた陸閘が見えます。
実際に歩いてみると、このエリアは商店街マップとぴったり連動していることが分かります。

こちらは「玉川西陸閘」です。

なかなかパンチの効いたメッセージ、の左側に溝があります。
いざという時はここに角材をはめ込んで積み上げていき、堤防になるようです。

次は「二子玉川商店街」です。豪華なゲー灯が迎えてくれます。

こちらが通常の街灯です。
青色の街灯は割りと珍しいですが、青が鮮やかな街灯は本当にきれいで、個人的にはかなり好きです。
フラッグには小学生の絵が飾られています。
最近は、時節柄オリンピックのフラッグが大勢を占めているなかで、商店街の個性が出るフラッグはとても嬉しいです。

細部までかなりこだわっています。
アームとプレートの間にあるピンク色の花もかわいい。

ぐへッ。
効いたぜ、お前の右フック。


何やら圧倒的なエネルギーを放つシャッターが。


これよく見ると、マスキングテープを貼り合わせ作っているようです。すごい熱量と作業量。

オカピ乗ってると、アフリカの寿司屋みたい。

謎柱。

謎柱は喜多見商店街にもありましたが、これはゲー灯でした。

こいつは光る気配がないので、正真正銘の謎柱です。

こちらはゲー灯ですが、これ凄いんですよ。
黒い部分がなんと電光掲示板になっていて、メッセージが流れるんです。
動画を撮ってみたのですが、上手く映らなかったので、メッセージをメモしてきました。
============================
笑顔であいさつ
楽しいふれあいショッピング
お買いものは
二子玉川商店街(点滅)
日付と時刻
============================
何となくの雰囲気が伝わったら嬉しいです。

ポールのステッカーも何やらいい感じです。
大山街道は、赤坂を出発して神奈川県の大山へと至る街道だそうです。

端まで行くと、ゲー灯が出てきます。戻りましょう。

微妙な距離感の二人。
昔は仲良かったけど、ささいな事で口をきかなくなってしまったのかな。

ちょっと悲しくなってきたのでエンジェルちゃんに癒してもらいつつ、歯も治してもらいましょう。

ところで君がエンジェルちゃんで合ってるかい?


ウサギで揃えてきた。

最後にこちら。商店街は左側にも大きく飛び出しているのですが、街灯は見つけられませんでした。
二子玉川商店街は、お店が賑やかで活気があり、再開発前の二子玉川はこういうところだったのかなあと想像させてくれるような商店街でした。
ではまた次回。
【街灯図鑑】





※世田谷区の商店街マップに関しては、世田谷区HPに記載の「世田谷区商店街マップ」を複製または一部改変して利用しています。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 2.1

「世田谷区街灯図鑑」の第9回は、二子玉川にある「玉川商店街」と「二子玉川商店街」の街灯を見ていきたいと思います。

地理的には、第3回に訪れた「上野毛商和会」や「瀬田商店会」と近い場所ですね。
両方とも巨大な商店街で、環八をひたすら歩き続けた記憶があります。
今回訪れる「玉川商店街」もなかなかに巨大で、再開発された駅前ビルの下に広がっています。
では行ってみましょう。

二子玉川駅に着きました。
二子玉川は、下北沢や三軒茶屋と並び、世田谷区屈指の大きい駅でしょう。
賑やかな下北や三茶と比べ、二子玉はちょっとお上品な「セレブの街」という印象があります。
玉川商店街

駅を降りるとすぐに街灯を見つけました。こげ茶色のオーソドックスな街灯ですね。
看板には「玉川商店街(振・組)」とあります。「振・組」は「振興組合」の略称でしょうか。「・」が気になります。

「お買物は地元で」
看板の裏面です。標語が来るパターンは珍しい。
この標語があるだけで、6割増くらいで夕方映えしそうです。

こちらも「(振・組)」。
やはり「・」の存在が気になります。

世の中にはいろんな仕事があるんだなあ。
「アメニティ課 二子班」の業務内容に思いを馳せつつ先へ進むと、

すごい突き当たりに出ました。右側は二子橋。橋下のガードレールをくぐってみましょう。

多摩川に出た!

のっけから一体どこにいるかというと、この辺りです。
マップを見る限りだと、先ほどの突き当りはすでに商店街エリアから外れているのに、街灯が立っていることになります。ちょっと不思議ですが、たまにあることです。

鳥3羽パターンに出会えたらラッキーみたいなやつかと思って30メートルくらい見てみたけど、そんなことはなかった。

ばこーん!!
と叩くと「8」くらいまで埋まりそう。

最近の暑さでハイフンも歪んでますね。

川沿いから戻ってきました。
行き止まりは大体ウソということを学んだので、強気に進んでみましょう。

ほぅら、やっぱり。階段があるじゃないか。悠然と階段を下りて反対側へ

これまたすごいところに街灯があります。車道のなかに無理やり歩道をねじ込んだような道になっています。

少し入ってみると、だいぶ商店街らしい雰囲気になってきます。

その片隅にひっそりと灯った街灯がありました。
夏の昼間に何の需要があるのか不明ですが、少なくとも私は満足です。

取り残された看板が寂しげにこちらを見ている(気がします)。

ダメだ!ここも暑さでやられてる...

今は田園都市線の線路を越えてこの辺りにいますが、

完全に住宅街。

窓を開けたら街灯がすぐ目の前にある生活は楽しそうです。

窓を開けたら街灯とすぐ目が合う生活も楽しそうです(品川区・ゆたか通り商店街)。

小さな川が出てきました。六郷用水だそうです。


川沿い(用水ですが)の街灯はやっぱりいいですね。
深沢の「中町商店会」も、小さな川沿いに街灯が立っていました。
先ほどから、どんなロケーションでも「お買物は地元で」が淡々と続いているのが印象的です。

やたら表現が詩的というか、観念的。
「世田谷区 みどり政策課」が作っているみたいですが、文体が役所っぽくない気がします。

ラインナップはのり巻、いなり、お弁当です。なぜわざわざ書き起こすかというと、何となく玉子寿司がちらついたからです。
「700」の上にごく小さく「3」が書き足されていますね。
東京の市内局番は1991年に「3」が加わって4桁になりましたが、老舗の看板がどう対応しているのかを見ると結構楽しいです。

めがね食堂。素晴らしいネーミング。


まだまだ住宅街。
「お買い物は地元で」がじわじわ効いている気がします。特に気に留めていなくても、毎にち目にすると、意外と効果を発揮するのかも。


再開発ゾーンに出ました。
ビルの下にお店がたくさん広がり、再開発とともに移転してきたことを思わせます。

大井町線の線路を境にエリアが分かれているようです。

掲示板もしっかり再開発されていました。

これは激レア街灯!
広い玉川商店街でも、お店の名前が入っている看板はここだけです。
ちなみに、裏面は普通に「お買物は地元で」になっています。

駅前に出ます。
ここはさすがに街灯がありませんね。

次は、ちょっと気になる形をした一角を目指します。


変わったものを見つけました。
「陸閘(りっこう)」といって、切れ目が入った堤防のようなものです。
平時は普通に通行することが出来ますが、増水の際は切れ目を封鎖して、堤防の役割を果たすそうです。
陸こうのしくみ|東京港のご紹介|東京都港湾局公式ホームページ

陸閘は石段で登れるようになっていますが、登った先はアリエッティの世界みたいになっています。

傍らのカラスネットもすかさず撮っておきます。

陸閘を越えると街灯が並び、多摩川河川敷へと続きます。
玉川商店街は街灯こそあまり変わり映えしませんが、ロケーションが様々で、見ていて飽きないです。
むしろ街灯が均一だからこそ、ロケーションの面白さが際立つのかも。
賑やかにお店が並ぶ一角、再開発エリア、住宅街、川沿い、陸閘と河川敷の間などなど...どんな場所でも朴訥な街灯が「お買物は地元で」とこっそり主張しながら立っていると、そこが同じ商店街の一部であることを認識します。

めちゃくちゃかわいい景色を見つけた。
川沿いを少し歩きましょう。

浮世絵の構図みたいだなあ。 あらゆる縦線が美しい。

根元の黄色がいいアクセントになっていると思う。

駅の方へ戻ります。奥にまた陸閘が見えます。
実際に歩いてみると、このエリアは商店街マップとぴったり連動していることが分かります。

こちらは「玉川西陸閘」です。

なかなかパンチの効いたメッセージ、の左側に溝があります。
いざという時はここに角材をはめ込んで積み上げていき、堤防になるようです。
二子玉川商店街

次は「二子玉川商店街」です。豪華なゲー灯が迎えてくれます。

こちらが通常の街灯です。
青色の街灯は割りと珍しいですが、青が鮮やかな街灯は本当にきれいで、個人的にはかなり好きです。
フラッグには小学生の絵が飾られています。
最近は、時節柄オリンピックのフラッグが大勢を占めているなかで、商店街の個性が出るフラッグはとても嬉しいです。

細部までかなりこだわっています。
アームとプレートの間にあるピンク色の花もかわいい。

ぐへッ。
効いたぜ、お前の右フック。


何やら圧倒的なエネルギーを放つシャッターが。


これよく見ると、マスキングテープを貼り合わせ作っているようです。すごい熱量と作業量。

オカピ乗ってると、アフリカの寿司屋みたい。

謎柱。

謎柱は喜多見商店街にもありましたが、これはゲー灯でした。

こいつは光る気配がないので、正真正銘の謎柱です。

こちらはゲー灯ですが、これ凄いんですよ。
黒い部分がなんと電光掲示板になっていて、メッセージが流れるんです。
動画を撮ってみたのですが、上手く映らなかったので、メッセージをメモしてきました。
============================
笑顔であいさつ
楽しいふれあいショッピング
お買いものは
二子玉川商店街(点滅)
日付と時刻
============================
何となくの雰囲気が伝わったら嬉しいです。

ポールのステッカーも何やらいい感じです。
大山街道は、赤坂を出発して神奈川県の大山へと至る街道だそうです。

端まで行くと、ゲー灯が出てきます。戻りましょう。

微妙な距離感の二人。
昔は仲良かったけど、ささいな事で口をきかなくなってしまったのかな。

ちょっと悲しくなってきたのでエンジェルちゃんに癒してもらいつつ、歯も治してもらいましょう。

ところで君がエンジェルちゃんで合ってるかい?


ウサギで揃えてきた。

最後にこちら。商店街は左側にも大きく飛び出しているのですが、街灯は見つけられませんでした。
二子玉川商店街は、お店が賑やかで活気があり、再開発前の二子玉川はこういうところだったのかなあと想像させてくれるような商店街でした。
ではまた次回。
【街灯図鑑】





世田谷区街灯図鑑とは。
世田谷区ホームページに掲載されている「世田谷区内商店街一覧」に基づき、区内の商店街全130カ所の街灯を絵に描いて「世田谷区街灯図鑑」の完成を目論む。
※世田谷区の商店街マップに関しては、世田谷区HPに記載の「世田谷区商店街マップ」を複製または一部改変して利用しています。
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