世田谷区の街灯 - 街灯図鑑 vol.3

  • 更新日: 2019/08/13

世田谷区の街灯 - 街灯図鑑 vol.3のアイキャッチ画像

瀬田商店会の街灯


───世の中には実に多くのことわざや慣用句があります。

例えば、「大は小を兼ねる」
小さいものは大きいものの代わりにはならないが、大きいものは小さいものの代わりになる。
ゆえに大きいものを選んでおけば間違いがない、という意味です。

「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」
あまりにも程度が甚だしいものは、程度が足りないのと同じという意味です。

こちらは、「大は小を兼ねる」と反対の意味であるとも取れます。ことわざの世界は実に奥が深いものですね。

何をぐちゃぐちゃ言っているかというと、街灯図鑑の3回目の今回は、非常に規模の大きい商店街を2カ所回って、街灯を集めていきます。

実際に世田谷区のマップを見てみましょう。





ほらデカイ。


C017上野毛商和会と、C019瀬田商店会の2カ所です。




全体マップで見ても、なかなかの存在感。

実は、この2つの商店街は環八にどすっと貫かれています。
つまり今回は、ほぼほぼ環八回です。

環八とは何かというと、「東京都道311号環状八号線」の略称。
大田区羽田から出発して、世田谷区を経由し、アカハナ、カンパチへと至る大型の出世魚で、日本では高級魚とされています。

さすがに出世魚の終点に位置するだけあって、大きいです。

縮尺を基に計算すると、環八部分だけで片道およそ2.5km、分かれ道を合わせると、往復で6kmありそうです。

これだけ長ければ、一つの商店街といえど、街灯に何かしら変化があるのではないか、その辺りを狙ってみたいと思います。

で、今回はちょっと特殊なルートを取りたいと思います。

通常であれば、上野毛商和会→瀬田商店会と進むところですが、あまりにも長いので、上野毛商和会(左側)→瀬田商店会(左)→瀬田商店会(右)→上野毛商和会(右)の順に、ぐるりと一周するかたちで歩いてみます。



C017 上野毛商和会




上野毛商和会の街灯です。

鮮やかな緑が目を引きます。これまで緑系の街灯というと、C004 用賀商店街と、A029 下馬親興会がありましたが、今回の緑はひときわ鮮やかです。

ここで、めっちゃどうでもいいこと言います。

上野毛商和会と竜巻旋風脚ってなんか似てますね!





はい。

ランプが面白い形をしています。
UFOのようにも見えますが、カサのところに謎のでこぼこ感があって何かのサスペンションにも見えます。

止まったハトの重さを吸収して衝撃を和らげるとか。

旗にも注目です。オリンピック関連のようですね。
この旗は、用賀商店街でも見たことがあります。「ふれあい みまもり 商店街」とは違ったバリエーションです。





2019 かみのげサマーフェステイバル!

小雨決行・荒天翌日。
こういう牧歌的な香りのする商店街のお祭りが、雨天決行みたいな武闘派だと、ときめいてしまいます。

が、小雨のみ決行だそうです。残念。

ポスターの一番下を見ると、「玉川小学校おやじの会」がバックについていることが分かります。その隣は、「少年団」。
「玉川小学校おやじの会」が超ローカルなのに比べ、「少年団」はかなりの巨大組織です。

「かみのげサマーフェスティバル」の告知は、広大な上野毛商和会街灯の街灯にほぼ漏れなく貼られていて、主催者の執念を感じました。

いっそのこと雨が降っても隕石が降っても決行して欲しいです。




これはロゴでしょうか?
人畜無害な顔をしています。こういう人たちばっかりだったら、世界がもっと平和になるでしょうに。




柱の下部には電子レンジのような謎の板が嵌めてあります。

右には、いらすとや風のお姉さんが笑顔で何かを「受」けているようです。



さらに下から覗き込むと、柱の部分にも何か仕込まれています。

こうして見ると、一本の街灯だけでもかなりの情報が詰め込まれています。




街灯と見せかけて、緑の棒。
2本目でフェイントをかけてきました。やりおるな。




旗違いバージョンを見つけました。
こちらの旗は、先ほどのかみのげサマーフェスティバルを宣伝するバージョン。かなり気合が入っていますね。

しかも、柱にもポスターがしっかりと貼られており、小さな子供からバレー部まで、あまねく目に留まる安心設計。

ここまで来たら、茄子が降っても決行して欲しいです。




何か、触れてはいけないタイプの家がありました。と、触れておきます。




シャッターの下には、謎の木が。

いやマジで謎。





ペラッペラのダクト。

ペラダクト。

ペラダクト・カンバーバッチ。


ところで、上野毛商和会と瀬田商店会には真空地帯があります。




上野毛商和会はなぜか環八の片側にしか商店街が通っておらず、もう片方は瀬田商店会に入るまでのエリアがなぜか真空地帯になります。ちょうど多摩美術大学のエリアですが、大学が商店街に加盟していないことが理由でしょうか。



瀬田商店会



瀬田商店会に入ります。
なかなか凝った街灯ですね。




拡大します。
鳥が3羽。左の1羽が右の2羽より大きいので、親子の設定でしょうか。




さらに拡大。

ランプの部分がかなり凝っていることが分かります。六角形のランプには、それぞれパーツが嵌めこまれていて、ちょっと複雑なテクスチャが入っています。しかも、道路側(右)は透明なのに対して、建物側(左)は不透明な白色で、素材が違うように見えます。




2本目の街灯。
よく見ると、1本目の街灯と少しだけ違います。どこでしょうか。

見事正解した方には、15GP(街灯ポイント)を差し上げます。




正解はココでした。

同じ街灯にも、微妙な違いが見られていいですね。今回の狙い通りの展開です。

ちなみに以後の街灯は、右側の先端が丸い方ばかりだったので、最初に出会った尖っている方がレアキャラだったようです。




柱の部分には「瀬田商店会」の名前と番号が貼り付けられています。
No.69...少なくとも69基の街灯があるみたいですね。それだけで、この商店街の大きさが分かります。

それと、街灯のメーカーが分かってしまいました。
街灯を研究する以上、メーカーは避けては通れない道なので、大きな収穫です。「賛光電器産業株式会社」が製造していて、高崎に工場、東京に本社があるとか。

後株ですね。




歩道橋のたもと(?)に広がる緑地を見つけました。こういう謎スペースはいいですね。
高くそびえ立つ二本の木が印象的です。




鶏。ステンドグラス風で、色合いも綺麗です。にしても、なぜ鶏?




緑もいいですが、こういうところについ目が行ってしまいます。
鎌倉の大仏とかも正面より裏側が気になりますよね。


最初の分岐点に着きました。左へ曲がると玉川通りへと続きます。
瀬田商店会は右へ左へ上へ下へと縦横無尽に駆け回るおてんば娘なので、分かれ道がたくさんあります。







玉川通りをだいぶ先まで歩いてみたのですが、街灯がありませんでした。




やたら幾何学的な形がたくさんあるビル。
黒板のような緑のプレートには何かお店の名前とかがあったんでしょうか。


玉川通りから戻って、次は二又に分かれた道を左に入ります。






同じ瀬田商店会でも、環八とはだいぶ趣が変わります。




実はこの街灯も、環八の街灯とは少し違っています。
こちらはさっきより難問なので、見事正解した方には30GPを差し上げます。


正解はこちら。




白いカバーの場所が違います。

環八バージョンでは左側ですが、横道バージョンは右側になっています。どちらも建物側の方に白いカバーが使われています。

続けて第3問。
こちらはサービス問題なので、0.5GPにしておきます。








正解はこちら。




どこというより、全体が新調されています。
簡単でしたね!



柱にも貼ってあるはずのラベルがありません。
ここからも、1基まるごと新調されたことが分かります。




後ろの民家(?)も凄いところでした。
殆どが水色に統一されています。真ん中の白い模様もすごく味があって、ストーリー性を感じさせます。

何かの器具を取り外した跡でしょうか。




その横道にはぐれ街灯。
いい感じにはぐれてますなぁ...。




次はこっちを攻略します。




おっと!点灯しています。

他の商店街でもそうですが、街灯が点灯するタイミングは深い謎に包まれています。決まった時刻になると街灯が一斉に点灯する訳ではないようで、点いていたり、点いていなかったり。

それにしても、光がやや緑がかっていて美しいです。
街灯自体のデザインも相俟って、幻想的とさえいえます。これは夜に見たら綺麗だろうなあ。

ちなみに、写真だとどうしても光が強くなってしまい、実物はもう少し緑が抑え目です。


さてここでお待ちかね!間違い探し!





この街灯はどこが違うでしょう。
これはかなり難問です。正解した方には出血大サービス!3億GPを差し上げます。


よろしいですか・・・




正解は街灯の向きです。

通常は道路に対して垂直になるように配置されていますが、この街灯は割と傾いています。
建物から見て左側に傾いていると言えばいいでしょうか。



ちなみにラベルは普通に貼られているので、元からこういう設計だったようです。




お地蔵さま。

いや、もうちょっと何かあったよね。
○○地蔵とか。最悪、瀬田地蔵とかでいいでしょ。

でも、「地蔵」ではなくて、ちゃんと「お」を付けて、「さま」(しかも平仮名)を付けているので、しっかりとリスペクトは感じます。


環八に戻ってきました。




これめっちゃいいですね!
この手の取り憑かれたようにキューブが詰まってる窓は、昔の建物でよく見る気がします。
普通のガラスと比べてどういう効能があるんでしょうか。リウマチに効くとか...?

正直なところ、横道に比べるとメインの環八沿いはあまりパッとしない印象だったんですが、この辺りから急に本気を出してきて、面白くなってきました。




趣味の懐石大名そば

すごいのが来ました。どこから突っ込めばいいのか。

困ったときは分けて考えろ!って、年収1,000万稼ぐ成功したデキるビジネスマンが「勝ち組の分解メソッド」っていう本で言ってたぞ!

・趣味のそば → 分かる分かる!奥多摩とか安曇野でやるやつでしょ!
・趣味の懐石 → 懐石を趣味でやるのはハードルが高そう
・懐石そば → 懐石料理とそばの融合かな
・大名そば → ?
・趣味の大名 → ???
・趣味の懐石大名そば → ?????????

大名が話をややこしくしていることだけは、よく分かりました。

まあでも「一日一麺」って言ってるし、多分そばだよね!




シビア

ケータイ禁止。私語禁止。全身全霊でラーメンと向き合え系でしょうか。
いや、その割りには各種定食も取り揃えてあるぞ。


で、ここから怒涛の看板3連発をぶちかまします。




「P」の守備範囲がやたら広い。
降り注ぐ緑と赤の光線も、驚異のカバー範囲でしっかりシャットダウン。




英語と標準語と関西弁のトリリンガル




燃え盛ってます。
Be Free というより Be Fire

ダイナミックな看板が多くて楽しいです。
で、思ったんですが、やっぱり歩行者より車から目立つように作ってあるんだなあって。
大通りに面した商店街ならではの独自性を感じるなあって。

その真骨頂みたいなものがあるんですよ。




これです。

もはや看板ではなく、プロジェクションマッピングの走りのような、インスタレーションともいうべき何かなんですが。

お母さんの顔がやたら長いのが気になります。
きっと面長に引目鉤鼻の平安美人ですね。

信号の高さ、窓の高さから分かる通り、建物の3階に迫る大きさなんですよ。
明らかに歩行者に見られることは意識していないだろうと。
この写真も、環八の反対側から撮りました。




瀬田商店会もそろそろ終盤。3つ目の横道に入ります。




お!遂に見つけました!1番目の街灯です。




但し1番だからといって、花環が掛かっていたり、鳥が金ピカになっていたりといった変化は特段ございません。悪しからず。




街灯のような歯医者の看板。夜になると点灯しそうです。
看板の下には、字間を極小にして下揃えに設定して、テプラで打ち出したような「島貫歯科」。

余計なお世話ですが、歯医者さんで「抜く」を連想させる名前ってちょっと損をしているような。
かと言って、「瀬田歯科」というのはありそうだし...

そうだ。いいのがあったじゃないか!

お歯医者さま!



上野毛商和会再び



上野毛商和会に戻ってきたところで、上野毛商和会と瀬田商店会が豪華共演を押さえることが出来ました。が、真っ赤なポールが二人の仲を引き裂いてしまっています。




上野毛商和会の看板も頑張っています。

だいぶ年季が入っていてはっきりとは読めませんが、キャットフード、ドッグフード、観賞用小鳥、やきとり...

やきとり!!??

観賞用から食用まで衝撃の品揃え。
このお店の方がよっぽどシビアです。




いいですね。
一見、飾り気のない街灯ですが、ミントグリーンが入るだけでとてもオシャレに見えます。
皆さんもコーディネイトにお困りの際は、ミントグリーンのストールを巻くなどしてみてはいかがでしょう。




上野毛商和会、実は上野毛駅前の商店街という裏の顔があるんです。




この辺りなんかは完全に駅前商店街の風情ですね。
環八に面しているなんて、おくびにも出しません。







街灯のデザインも環八沿いのものとは違っていて、歩道と車道を両方照らすデザインになっています。
この時点でそろそろ17時半を回ろうかという時間なので、ぼちぼち点灯される街灯が増えてきました。




駅前通りの路地で見つけたはぐれ街灯。なかなかのはぐれっぷりです。
しかし、かみのげサマーフェスティバルのポスターが抜かりなく貼ってあります。

みんなで晴れることを祈ろうではありませんか。
隕石だの茄子だの言うのは無粋というものです。




今更ですが、上野毛商和会の街灯にもラベルが貼られていることに気づきました。
製造は、日本街路灯東京販売株式会社。瀬田商店会の街灯とは別のメーカーのようです。

また後株。




「風の街」というのはキャッチコピーでしょうか。
風のごとく位置づけがふわふわしています。会社名も「風ファクトリー」だし、この「風」推しはどこから来ているのでしょう。

上野毛→髪の毛→風...?

いやまさか。


ダイナミックな看板を愛でる瀬田商店会とは違って、上野毛商和会の駅前一帯はユニークな街中の風景を愛でる楽しさがあります。




茶茶

これ電話とかでマンション名いうのちょっと恥ずかしいだろうなあ

と、茶茶に茶茶を入れて茶化してみる




え?なんて?




ジャックナイフのように尖った反骨精神を秘めたマンション




左右で灯りの色が違う。

しかもこの街灯、3カ所も光っています!




おお...すごい。
ここで、遥か昔 遠い銀河の彼方で... 載せた冒頭の写真と比べてみましょう。




これが、こうで、




これが、こうですね。


冒頭の謎が解けました!今回はこれで終わりです。

「趣味の懐石大名そば」の謎は残ってしまいましたが、こちらは今後の解析を待つことにしましょう。

懐石だk...(略)。


































【獲得したGP】
・はぐれ街灯を見つける(2カ所)・・6GP
・ミントグリーンの街灯を見つける・・2GP
・これまでの累計GP・・・・・・・・・9GP
            合計・・・・17GP




※世田谷区の商店街マップに関しては、世田谷区HPに記載の「世田谷区商店街マップ」を複製または一部改変して利用しています。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示 2.1




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王田土人

絵描き。幻想的なもの、幾何学的なもの、しょーもないもの、シュールなものなど好きです。コーヒー牛乳も好きです。

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