国道を散歩しました

  • 更新日: 2018/07/05

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きのう……まもののむれが……まちを……

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今日は鶴見線、国道(こくどう)駅に来ております。



こくどう。
名前の由来は、駅前で鶴見線と国道15号線が交わっているからだそうです。
ええー! マジで?
だって、国道って2018年現在459本あるらしいですよ、そんな現象めちゃくちゃあるでしょ? そんなことで駅名決めて大丈夫?
例えば京急の戸部駅前は国道1号線ですし。
何なんだよ。

あと調べたら阪急電鉄今津線に「阪神国道駅」もありました。
でもこれは、阪神国道(国道2号)と交わっているという意味で、まだ道路を特定しているだけマシである。

真面目な話すると、国道駅の開業は昭和5年という歴史ある駅なんで、国道と交わることが特徴たりえた時代の話なのかもしれない。



まあ、いいんですけど、国道。
その前にJR鶴見線の話しましょうか。



もともとは鶴見区湾岸を埋め立てた工業地帯と鶴見を結ぶ貨物列車として敷かれたのだそうです。
今も旅客輸送と貨物輸送の両方をやっていて、乗客も工場関係者が多い。
海の上にある海芝浦駅が一番有名でしょうか。
あそこも会社に隣接してて会社関係者しか駅の外に出られないんですよね、たしか。

そんな感じの、工業地帯と街を繋ぐ電車でございまして、国道駅は、街であるところの鶴見から一駅。
ということで、まだまだ「街」なのですが。



街、なのですが……
とにかく1Fに降りてみる。



鳩が逃げない。家~Home~という自覚がある。



無人です。



どうしたどうした。



鶴見線を降りただけなのにダンジョンに放り出されたぞ。



お店だったところ。





はまれぽさんによると、この店は唯一やっているらしい。





と、高架を抜けると国道。ああ、はい。これがうさわの国道。

もう散歩終わりにしたいくらい濃密であった。キリもいいですし。
でも、もうちょっとだけ続くんじゃ。



さて、これがさっきまで居た駅舎。屋上がホームになっていて、そこから階段で降りてきて、1Fの高架下がさっきの感じなんだな。
先ほどの薄暗い高架下は「臨港デパート」という駅直結のモールで、当時は夜まで明るく、最盛期は20店舗以上あったそう。
戦前からそんなことやってたんだな。



国道駅の駅舎は、1930年から一度も建て替えられていないんだって。



何かの扉が塗り固められている。
その下にある丸い無数のくぼみは、空襲のときの機関銃の跡なんだそう。
ずっとあるとは、そういうことでもある。


国道駅の北側

国道だけにちょっと国道を北へ。



一国。ここは1935年からあるバイク屋さんだって。
サイトにお店の歴史が書いてあった。




Fit Care DEPOTだ。倉庫みたいなドラッグストアで、横浜方面にたくさんある。
住みやすさレベルが上がるやつです。




ちょっと路地へ入ってみる。ダイブ!(路地に入るときのかっこいい台詞)




理由は分からなかったんだけど、国道の路地はなんかカクカクしている。
伝わりますかねえ。ここなんか、普通スーってカーブするところですよ。



カーブをゆるく表現するのが苦手なのか、



カクカクしている。



そのうちの1カクです。ご査収ください。




公園があった。



草木萌ゆる季節だから公園名が読めない。
かきわけて確認したところ、本山前桜公園だそうです。
そういえば、このあたりに鶴見線の「本山駅」というのがかつてあったんだと。鶴見と国道の間。




丸い砂場に丸いネットが掛けられている。



絵は四角だった。
しかし、ネット完全にかけられてる公園見るの久しぶりだな。民度高いんじゃないかしら。




どういうことだろう。




ローマ数字だった。
なんで。
地主がローマ人だから、くらいしか納得しないですよ。




いい建物だなあ!
調べたらスカイマンション鶴見で、1972年築。築47年かあ。
この時代にしか出せない何かってあるよねえ。
こういうところに住みたい気持ちは常にある。




このあたりの鶴見線の高架下は、公園になっていました。



小便しないで



ボールあそびしないで



しないでシリーズ、他にもあった。



しないでシリーズ、これ何の紙かと思ったら牛乳パックかあ。
確かに、水に強いし、こういう貼り紙に良いよね。
牛乳は、雪印メグミルクのすっきりCa鉄でした。



こっちもすっきりCa鉄。
ここの公園管理者は、すっきりCa鉄を愛飲している。



あれっ、たまに味わい濃厚4.4も飲むのかしら。
すっきりから乳脂肪分4.4%って、また、両極端のものを選ぶねえ?



味わい濃厚4.4の裏は、~しないで、ではなくて「小便禁止」だった。
公園管理者は複数人居る可能性が出てきた。




横浜名物、礼儀正しいゴミ袋です。




こういう看板、まだ電話番号有効なのかなあ、とか思います。




国道15号に戻ってきた。
総持寺入口の交差点。総持寺は曹洞宗の大本山っすね。
総持寺、僕好きなんですよ。何が好きかって、曹洞宗の一番えらいお寺なのにオープンな座禅会があるのもそうなんですけど、サイトに精進料理レシピ集があるところが好きです。
曹洞宗のクックパッドです。

「入口」と言いつつ(○○入口あるあるなんですけど)実体は結構遠いので、今日は行かないです。




ないものはない。国道の東急ハンズである。




つりえさだって。海の感じが出てきた。
あとで行くけど鶴見川から釣船が出ています。



定休日であった。



しかし、国道15号線から1本入ったこの通りはこういう、ちょっと時代を感じる店構えのお店が多くて、



実はここは旧東海道であったりする。






そういえばここは住所としては生麦で、まさにこの道のちょっと先に生麦事件の現場がある。



生麦魚河岸通りといって、このあたりは魚屋が多い。




このあたりは昔から賑わっていたのでした。


第一軍管地方2万分1迅速測図原図 1881-82、橙色の丸は筆者


鶴見川やーい



旧東海道から鶴見川のほうに、細っこい路地が無数に伸びていて、これはその一つ。いいですよね。
なんとなく、伊豆とか海沿いの集落の、海へ向かう路地の雰囲気がある。まあここも、ほぼ海なんだけど。



いいです。



あの階段登ると鶴見川見えそう。
もしくは世界の果て。



良かった。鶴見川だった。



対岸は工場工場している。




警戒船だって。一度は追いかけられてみたいよね。



警戒船にも名前がついてるんだな。




こんな船の作り方あるんだ。浮く板に物置を建てる。
ちょうどいま船の歴史みたいな本読んでるけど、こんなの出てこないですよ。




釣り船がここから出てる。ここはデイリースポーツの指定船宿だ。
スポーツ新聞が釣り船を囲う文化良くわかんないけど、釣り欄用に釣果情報もらったり、公認したりの、持ちつ持たれつの関係ってこと?




鶴見線だ。




線路辿れば駅へ戻れそう。
あれ、高架下に人が住んでいそう。




ダンジョンじゃないんですよ。
異様な光景だけど駅に戻ってきたんですよ。



禁止を歓迎っていう意味だと全員勘違いしていると思いたい。

というわけで、国鉄駅に戻ってきました。


雑感

国道駅に興味を持ったのは、「東西名品 昭和モダン建築案内」に載っていたからだった。



駅舎が古いというのもあるけど、高架下の活用方法がね。
高架下の商店街といえば、特に東京では闇市から発展したものが多い印象があるけど、ここはお店をいっぱい入れる前提の駅舎で、駅ビルと称してもいいのでは。いわばアトレのご先祖みたいなやつです。

個人的には、あまり目的を持って駅を降りることは無いのだけど、これはぶっ壊される前に見ておきたいな、と思ったうちの一つで、来て良かった。


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参考資料
一国歴史写真館
東西名品 昭和モダン建築案内
阿部美樹志とわが国における黎明期の鉄道高架橋




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ヤスノリ

サンポー主宰。最近おちつきがある。

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