杉田を散歩しました

  • 更新日: 2021/07/01

杉田を散歩しましたのアイキャッチ画像

来て良かった~と思った坂

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横浜市磯子区、杉田。初めて降りたな。



初めて降りたんだけど、調べたところ、一日の乗降者数は2019年で33761人と、普通しか止まらない駅の中では結構多いほうでした。
(追記: 杉田、エアポート急行も止まるそうです)

ところで京急の杉田駅は初めてなんだけど、ちょっと離れたところにシーサイドラインの「新杉田駅」があって、こちらの駅のほうはJRとシーサイドラインの乗り換えでたまに使います。
僕はシーサイドラインが好きで、シーサイドラインも僕のことが好きだと思う。



新交通システムの自動運転に体を預けるとき、僕たちは大抵浮かれている。
行き先は八景島シーパラダイスでもいいし、潮干狩りのできる野島海岸でもいい。海水浴場のある海の公園もいい。
ところで海の公園、あれは千葉から砂を持ってきて作った人工浜なんだそう。
僕は毎年現地でこの話を家族にして嫌がられることを生業としています。
そのほかには家のトイレのスリッパの向きに複雑性を持たせる等の業務に従事しています。
どうぞよろしくお願いいたします。



さて、その新杉田駅はシーサイドというだけあって海沿いにあるんだけど、今日来ている京急の杉田駅はそこからちょっとだけ内陸のほうにあって、ほんのちょっとだけなのに、杉田駅の裏は既に山の感じが出ている。横浜ってば地形が忙しい。
そんな駅のまわりのプラッと、



そう。プララとね。しようってわけよ。


杉田駅の東側



全体的に赤い絵が撮れた。




ツツジをツンツンしてる人がいるなと思ったら違った。




商店街が東のほうに延びている。



この街路灯は杉かなあ。杉田の杉。
杉田という地名の由来は、東漸寺にある杉の木らしい。
でも杉田の木といえば昔から梅なんだそうで、かつて杉田梅林は観光地として有名だったらしい。
だから何かの加減で地名が梅田になる可能性はきっとあったし、そのときの街路灯はきっと梅モチーフなんだろう。
しかし目の前の街路灯は杉で、僕は今、杉のほうの世界線に居る。

(ただあとで分かることだけど、実はこの通りは梅要素も含まれていて、杉田を余すところなく表現していたのでした)




ところでこの商店街は新杉田駅まで伸びていて、しかもけっこう賑わっています。正直住む場所としては良さそうなのよ。
あとから知ったんだけど、昔さんざんお世話になったスタミナカレーのバーグは1974年に新杉田で創業していました。あんな良いものを生み出す地は良いに決まっているので、今後杉田推しで生きてゆきます。具体的には、スギ花粉一つ一つに敬礼します。




いいカーブだなー。溜まる感じがある。




これなんだろう。




小さな判子押しまくって文字書いてんのかと思った。


どっかの路地



商店街から一本入ると生活の道路。




この寺がその、杉田の杉があった東漸寺みたいなんだけど、それよりもこのあたりの区画がなんか変でうろうろしてしまった。ちょっとスカスカな感じはなんだろう。



寺の隣にレンタルボックスが広がってたりする。経典とか入っててほしいな。
土地余ってんのかな? それとも開発が控えているのかしら。



寺の向こうに見えるのは2004年築のヨコハマシーナリータワー。
JR新杉田の目の前にあるので、迷ったら目指すべき建物です。散歩の後半、目印としてめちゃくちゃ有効でした。ありがとう。全戸にピザ配るね。




園芸で駐車スペースがひとまわり小さくなっている。




あとここのお宅の梅が見事だった。
地名、梅田で良かったのはないでしょうか。


埋め立て地と海



そうこうしているうちに急に開ける。
らびすた新杉田というショッピングモールと先ほど見えたヨコハマシーナリータワーがあって、その向かいがJR新杉田駅。
素晴らしいカレーことバーグ本店は、今はらぴすたの中に入っているんだそう。行けば良かった。




このあたりの雰囲気好きだな。新しい海沿いの街の感じがする。
高架のほかに高い建物が無いからかなあ。




ここからJR根岸線はギュイ~ンと西へカーブして大船を目指す。




ギュイ~ンと。
間違ったわ~! みたいな感じで。




それよりこの建物よくね?
1975年築の下駄履きマンション、ステート新杉田。
住居部分もいいんだけど、この1階の店舗のチョイスがなんとなくいい。
こう、チームとして勝ちに行っている感じがする。
ここに王将とかクイックガストとか入れるとほら、崩れちゃうでしょ。
全員ランチ。ほらあの、全員野球みたいな感じの、全員ランチ。




交差点名が「聖天橋」だった。
聖天川というのがあったらしい。




これと同じものが近くに少なくとも8台ある。




白と黒。同じ人のもので気分で乗り分けていてほしい。




京急っぽかった。




シーサイドラインと湾岸線を潜って海の方へ。




足下も海の雰囲気が出てきた。
海の近くのタイルは海鳥と相場が決まっています。土竜とか書かないわけですよ。土竜のタイル見たことないけど。




あれ、こんどは聖天川東側だって。



ここから開渠になってるこれのことかなあ。







タイヤ、もしくはでかいベーグルが取り込まれつつある。




じゃんじゃん出てる何らかの水。




船を持っていないと関係無い注意書きだ。
関係ありて~。




この土地余ってない? くれ!




ウヒョ~! 海~!



テンション上がったからこれ締めちゃおうかな。面舵いっぱ~い!




海の近くまで来た。
地図では「杉田臨海緑地」となってたけど、砂の運動場だった。緑地とは。



ほかの人も「緑地じゃねえな」と思ったのか、



緑地という文字が剥がされている。そう、ここは杉田臨海。



まって、海は取らなくてよくない? 海はある。あってる。




砂のところでは何らかのスポーツをやっていた。
これよくわかんないけど、めちゃくちゃ下手ってことでいいのかな。




投げ釣り禁止だけど、投げ釣りをしている人が居た。
ルールを犯してでも病気の母親に食べさせたい魚を釣ってるとかだと思います。


杉田駅の西側、山のほう



杉田駅まで戻ってきて、今度は山のほうを目指しますね。
海も山も、みたいな、ラーメンもカレーも、みたいな、そんな欲望を満たせる街よ、杉田は。
ところで美容室の建物が良いな。




あの高いところにある家、下からでかいアミガサタケが生えてきたとかだったらいいな。




タイルでなめらかな坂が表現されているのすごくいい。
こういうのをパワースポットと呼びたい。




それぞれの椅子、それぞれの愛。




セブンの敷地内に熊野神社参道とある。




ということは、セブン脇のこの道が熊野神社の参道なのかな。
向こうのこんもりしているのが神社だろうか。気分が良いのでちょっと行ってみますね。




途中、京急の高架をくぐる。



京急も見られていることに気付くまい。




あのこんもりまでまっすぐ行けると思ったのに崖になってしまったし、ここから先は私道らしい。
参道を買収とかできるのかな? それかどっかで参道間違えたかな。




二卵性双生児みたいな建物がありました。




おい参道。参道よ。




参道ってふつう一本道じゃないの。十字路を左折とかあっていいの?




どんどん新しくなる建物。熊野神社よ……




おめー急だな。




妖木(ようぼく)じゃん。捻れすぎて裂けている。




退治された妖木たちじゃん。




松尾芭蕉の梅の俳句があった。
芭蕉も言ってるし、やっぱり、梅なんじゃないか?
ここは梅田、アベックだらけなんじゃないか?




まあワーワー言いましたが、熊野神社、これが素晴らしい神社でして。
あの紀州熊野神社から分霊されたものなのですが、全国的に分霊されまくっているので熊野神社という名前はそれほど珍しくない。
珍しくないんだけど、杉田の熊野神社はちょっと変わっていて、紀州から船で分霊したものを流したところ、たまたまここに流れ着いて、ここに神社を建てたんだと。ボトルメール方式ですね。
あとボトルメールを命じたのが源頼朝ってのもいいです。




疲れる階段と疲れない階段に分かれている。



疲れないほうへ。



疲れないほうは距離が長くて疲れるな。
疲れるほうにすればよかった。




我、神社を語る言葉を持たぬ。




あの、あれだ。このへん。いい。




電気も使えていい。




熊野の神もなすすべなしか。




すばらしいカヤの木がある杉田。
カヤ田。えっ、カヤ田?
カヤ田が一気に右サイドを駆け上がってきた。




投げたボールとってきてくれそう。




木々の間から見える景色が良い。登って良かった。


古道・桐ヶ谷道



うろうろしていると「桐ヶ谷道」という看板を見つけました。
どうやら古道らしい。




今は住宅街になっているみたいだけど、とりあえずのぼってみる。




線形に消えゆくブロック塀。




山道、遂に階段になった。



脇に階段がよく現れる。ひとつひとつが5~10戸くらいですぐに行き止まりになってしまうようなミニ住宅街へ繋がっている。
蟻の巣の構造みたい。




アンパンマンしか居ない落書き。



一点集中のわりに上手いわけでもない。極めないの?




この古道は人通りがけっこうある。
住んでる人がぐいぐいのぼっていく。
先ほどおばあちゃんに抜かされた。
毎日ここを上り下りしていたら図らずも不老を手に入れられそう。




こんな山の上に痴漢が出る。
高地トレーニングを積んだ痴漢は逃げ足が速そうだし、痴漢の世界大会などでもそれなりの結果を残しそう。




どうしたどうした。




こんな場所でもヒメツルソバは元気。



地球の支配者ってもしかするとこいつなんじゃないかな、と思ってます。




お、別の坂と合流した。




このへんが多分頂上。いいお宅が増えてきた。昔も今も、山の上はお殿様が住みます。
反対側に下っていくと南光台のほうに出そう。




いい感じのお宅の壁に「女」と書いてあった。女、住んでいるのか?




このあたりの世帯数からするとあまりに小さなポスト。


くだる



さて、杉田のほうにくだって帰る。
けっこう山道を登りましたので、もういいだろ、という気持ちです。




ほんで、なんでいつのまにか登ってるんだ? 大丈夫かしら。
山道というのは山の都合で作られるので、勘が働かなくて楽しい。
楽しいんだけども、帰りたいときはつらい。




そんなときは杉田の目印。あの高いマンションがJRの駅のあたりだ。迷ってはいない。



ただ、この道どんどん駅から離れていく。大丈夫かしら。
この辺曲がったら良さそうと思っても、そんな道無いのが山。




不安なまま進んだけれど、素晴らしい切通しに出会った。
なんだこれ。杉田来て良かった。みんな修学旅行でここ来たらいい。



近所の方に聞くとこのあたりは昔トンネルだったらしく、崩落したあと切通しになったんだとか。



その下道へやってきた。壁の立ち上がり方がすごい。
しかしそれほど絶望を感じないのは、取っかかりのせいかな。登れなくもないのでは、みたいな。
ボルダリングの心得がある人とかそわそわするんじゃないかしら。



ただ、いくつかの視線を感じるので怖い。




切通しの脇、執念の園芸。




水やりは崖の上から。そこまでして育てたい何かがある。




商店街のはじまりを示すゲー灯だ。
最初の商店街に続いているに違いない。
全然知らない土地なのに何故か帰ってきた感じがする。




あれっ! この通り「ぷらむろーど」というのか。
梅通り。
梅通りに杉の街路灯。
ここに、杉田が全部あったのだ。




すっきりしたところで、見慣れた赤い電車が見えてきた。




まあ、なんでもいいか。横浜に帰る。







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ヤスノリ

サンポー主宰。最近おちつきがある。

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