スネークファームとタイの東大に行く

  • 更新日: 2026/07/28

スネークファームとタイの東大に行くのアイキャッチ画像

ちょっと変わったバンコク観光

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ベトナムに住んで12年になる。最寄りのスシローはタイ・バンコクだ。ベトナムからタイは近いし、日本のチェーン店も豊富なので思い立った時によく行く。

今回も旧正月明けのバタバタを乗り越えた自分へのご褒美として、バンコクに行くことにした。



私のバンコク滞在はいつも日本のチェーン店でご飯を食べ、タイコスメを買い、デパートを回って終わってしまうので、今回は何か観光をしたいなと思った。

そんなときに見つけたのが「スネーク・ファーム」。正式名称はサオワパー王妃記念研究所(Queen Saovabha Memorial Institute)で、タイ赤十字によって設立された毒蛇の研究や育成、抗毒血清製造を行う機関だ。

事前にネットで調べた情報によると、蛇のショーも行っておりなかなか興味深い。
ショーは11:00と、14:00か14:30。「か」って何だよ、という話だけど、ネットで調べると14:00だったり14:30だったりする。とても危ういので、確実な11:00に間に合うように行ってみようと思った。


当日。きちんと準備できる時間に起きていたにもかかわらず、なぜかホテルでゆっくりしてしまい、出発したい時間を完全に過ぎていた。
Googleに保存してた目的地までの所要時間から計算すると、多分11:20ごろに目的地に着く。
このままだとショーが14:00か14:30の回になってしまう。それとも11:00のやつに滑り込めるか。ショーがどんなものか分からないが、途中から見ることもできるのだろうか。

とりあえず目的地に向かうため、電車に乗る。
電車内で静かに焦っていると、スーパーマンの格好をしている負傷したミドルエイジが乗ってきた。敵と戦った後だろうか、などと考えていると、負傷したスーパーマンが小柄なタイ人女子にナンパを始め、車内が戦慄した。タイ語はわからないし助けるために声を掛ける勇気もなかったが、何かあった時のために念の為スマホをスーパーマンに向けていたら、タイ人女子はうまいこと交わして車両を移動していったのでホッとした。



闇堕ちしたスーパーマンに気を取られていたら目的地の駅に着いた。10:40。所要時間計算と全然違うけど、嬉しい誤算。急げば11:00のショーに間に合いそうだ。
車内で調べていた駅からのルートを気持ち急足で進む。


▲駅構内を急ぐ

出口から外へ。



▲スネークファームまではまっすぐ!


スネークファーム



駅を出て高架線沿い道なりに歩くとあった!「タイ赤十字」。
この時点で10:50。なんとかショーに間に合いそう!



小さなチケット売り場で入場料の200バーツを払う。

そそくさと中に入ると、思ったより閑散としていた。
ショーを行いそうな場所にも人がちらほらしかいない。





▲本当にショーある…?

思わず歩いていた赤十字の職員さんに「蛇のショーがみたいのですが」と話しかけると、「11:00からですよ」と言われ、もっと直前になったらガヤガヤするのかな?と思い、外にいる蛇たちを眺めていたら、さっき話しかけた職員さんが「マダム!ショーはこちらですよ!」と迎えに来てくれた。






職員さんに大人しく着いていくと、どうやらショーは屋内で行うらしい。

「ここで観てくださいね」と案内されたのはガラス張りの手術室を客席から見る感じの造り。
屋外のショースペースとは違い、既に多くの人がいた。ほとんど欧米の方々だ。



11:00を過ぎたくらいに暗くなり、ガラスケースの中だけに光がともる。
タイ語と英語で行われているアナウンスに耳を傾けると、どうやらこれから毒蛇の毒の採取を実演で行うとのこと。

思ってたショーと違うな?と思いつつ、これも勉強だな、とショーに集中することにした。
ショーの最中は写真・動画撮影禁止とのことだったので、私の記憶をもとに記していく。

まずは「スネークファーム」の歴史について学ぶ。
熱帯に位置するタイには約200種類以上の蛇がおり、約60種類が毒を持ち、蛇が人を襲う事件も多い。1900年代初頭タイでは毒ヘビに噛まれる被害が続出、また王族の娘が狂犬病で亡くなったことを機に、血清やワクチンの研究機関が必要とされ、1929年に設立されたのが「スネークファーム」。赤十字社が運営する世界で2番目に古い毒蛇・感染症研究所だそうだ。
抗毒血清の生産、収集・飼育、研究、ワクチン開発や予防接種だけでなく、大衆への教育も含めて現在も運営されている。


いざ、毒の採取

プラスチックの収納ケースから次々と毒蛇が出され、口元の唾液腺をガラス容器に押し当てて毒を絞り出す。


▲こんな感じ

職員さんが慣れ過ぎていてとてもスムーズに毒を絞り出していくので、観ている分には割と簡単そうだな…と思っていたら「みなさんは真似をしないように」と釘を刺される。

一通りの毒の採取が終わると「ここから写真撮ってもいいですよ」と採れたての蛇の毒を見せてくれた。
この採取した毒は併設のチェラロンコン病院にて血清・ワクチンに役立つとのこと。


▲採れたての毒


勉強になるショーだった。
しかし私は蛇に触れたいし、一緒に写真が撮りたいのだ。ショー後の職員さんに再度、「蛇と一緒に写真を撮りたいんです」と言うと、「14:00〜のショーでは最後に蛇と一緒に写真撮れますよ」とのこと。14:00からのほうが見たいやつだった。

現在の時刻は11:30、ショーまではだいぶ時間がある。一度外に出ても再入場可能とのことだったので、この辺を散歩することにした。

外に出ようとした時視線を感じて目をやると……



アルビノのビルマニシキヘビちゃん。不思議な出会いに脳内でハリーポッターのヘドウィグのテーマが流れる。


さて、今回の旅でもうひとつ行ってみたいと思っていたのが“タイの東大”と呼ばれている「チュラロンコン大学」。1917年に設立されたタイ最古の国立大学&国内最高峰の教育研究機関だ。
学部棟の中には入れなそうだが構内の散歩や学食・生協の利用は部外者でもできるとの情報があったので一度行ってみたかったのだ。
チュラロンコン大学(以下チュラ大)はちょうどスネークファームの真裏くらいに位置するので歩いて行ける。行ってみよう。





▲チュラ大までの道のり、献血車らしきものがたくさん!

私は16歳からベトナムに移住するまで趣味?特技?が献血だったので、懐かしい思いに駆られた。特に大学4年の就活時期は面接の合間とかにも献血していたり、血液の質が良いとかでHLA登録をしていたので、たまに呼び出されて献血することもあった。
海外在住になってから献血する機会がゼロになったので、もうあの太い針は苦手になってしまったかもしれない。でも献血ルームでだらだら漫画読んだりおやつ食べるの好きだったな……


チュラロンコン大学



スネークファームからまっすぐ北上して10分しないくらいだろうか、大学っぽい入り口に着いた。さらっと中に入る。すごく緑が多くて、学部棟の間に道路も通っている。思っていたより敷地が広そうだ。



▲政治学部。タイの最高学府として長い歴史を誇り、外交官や政府高官を多数輩出している名門学部とのこと



▲「Pol Sci(ポリサイ)」はPolitical Science(政治学)の略語



▲人口学研究科は博士・修士課程なので大学院かな



▲経済学部。タイで最も長い歴史と高い権威を誇る名門経済学部とのこと。全部の学部が名門なのでは…?



▲時計塔


なんとなく気になって写真を撮った時計塔は、1967年に日本航空のタイ路線就航10周年および大学創立50周年を記念して寄贈されたものだそう!中央の時計は日本のSEIKO製で、現在もちゃんと動いていました。さすがだ。



▲構内地図。めちゃくちゃ広い

私の大学もディズニーランドより大きい大学で、東京ドーム約11個分の敷地なのだが、明らかにこちらの方がでかい。
どうやら約200ヘクタール以上あるそうで、皇居(約115ヘクタール)の約1.7倍だとか。
この間皇居に行ったけど全部回るのは無理だと思った。
とりあえず、事前に調べていた生協のブックセンターと一番大きな学食に行ってみることにした。

何やら学食の前にたくさんテントが並んでいて、洋服や食べ物などの屋台が並んでいた。



▲毎週火曜日と木曜日はマーケットが開催されているそうだ。大体朝8時~14時頃までやっているらしい。



▲奥に見える大きな建物が構内で一番大きな学食


▲学生や教授っぽい人も屋台飯を買っていたよ

お昼時なのもあって、人がたくさんいたので屋台はサクッと見て生協のブックセンターへ向かう。






生協の売店では、チュラ大グッズがめちゃくちゃ売られていた。日本の大学よりも大学グッズが豊富な気がする。せっかくなので自分や日本の友人にもチュラ大グッズを買った。


▲スケジュール帳とボールペンとなんとなく校章も買った

買い物もできたし、休憩がてら学食へ。






「今日はデニムとTシャツだから、ひょっとしたら学生に間違えられるかな」なんて思っていたが、チュラ大生はみんな制服を着ていた。というか、タイのほぼ全ての国立・私立大学には制服があり、基本的に学生は制服を着ているようで杞憂に終わった。
でも地元の人や私のような観光客もちらほらいる。緑豊かなキャンパスなので、散歩にもいいスポットかもしれない。



▲就活イベント中?

構内で一番涼しかったイベントスペースみたいなところでは、学生の就活用の企業ブース?が並んでいた。全然関係ない人間だが、涼みがてら見学する。

十分体がクールダウンしたので、ベトナムで留守番しているパートナーのゴシーに「チュラ大グッズが可愛い」と連絡したら「買ってきてくれ!」と言われたので、再度生協へ。いかんせんデザインもサイズも豊富なので悩みに悩んだ末、ビデオ通話でそれぞれ紹介していくことに。
途中サイズ感がわからなく、ゴシーと似た体格の生協スタッフさんに「悪いけどこのTシャツ当ててみてくれないか」と頼み、無事いい感じのが購入できた。スタッフさんに感謝だ。
そうこうしていると、いい感じの時間帯になったので、スネークファームに戻る。


再度、スネークファームへ



13:40頃にスネークファームに戻ったが、ショーまで時間がある。






涼しい屋内展示を観ながらスタンプラリーをしたり映像展示を観たりしていたら「マダム!もうすぐショーの時間ですよ!」とまた職員さんが迎えに来てくれた。親切すぎるだろ…午前中に案内してくれた職員さんとは別の職員さんだったので、職員間で私の情報が共有されているようだ。

蛇に興味のある妙齢のアジア人女性は目立つのかしら。ありがたいけど。
でも情報共有がきちんとされているのはさすが赤十字の機関だ、と妙に関心もした。蛇の脱走とか有事の際にも安心だ。

職員さんに連れられて屋外ステージに行くともう席は結構埋まっていたが、親切な家族連れが詰めてくれ、一番前の席に座ることができた。
このショーではさまざまなヘビが職員によって連れて来られ、特徴や習性を学ぶことができる。


午後のスネークショー


▲午前中のショーでもそうだったが、蛇は家庭用のプラスチック収納ボックスから出すよ


素手で器用に蛇を扱う。そしてこの笑顔。






目の前の職員さんだけを蛇が威嚇するのは蛇は目の前で動くものに反応するからだそう。
「彼がイケメンだからではないですよ〜」と司会者。

基本的にどの蛇も臆病だけど、もし目の前に蛇が出てきてしまった場合は静かに後ろへ下がって、2mくらい離れてから走って逃げるのがいいらしい。



▲アラレちゃんが持ってるウ◯チみたいな扱いの蛇もいた



▲一見地味めな蛇だが…


▲日に当てると七色に光る




最後にお待ちかねの蛇との写真撮影!もちろん並ぶ。

ふと、家族連ればかりで私一人だけど誰か写真撮ってくれないかな…と後ろを向くとおそらく私と同じ一人で来てるっぽい外国人ニキが真後ろにいた。
「私一人だから写真撮ってもらえたり…?あなたのも撮ろうか?」と話してみると「そうしよう!」と乗り気。私が話しかけなかったら彼はどうするつもりだったのかな、と思ったが、無事に蛇ちゃんと写真撮れて嬉しかった。



生の蛇はしっとりずっしりしていた…
私の時だけ蛇ちゃんが顔を上にあげていて、職員さんに制止されてた。
なお、一緒に写真が撮れるこの子はスネークファームで生まれ育ったビルマニシキヘビで、人に慣れているので撮影可能とのこと。
ビルマニシキヘビは元々大人しく毒こそ持ってないけど、牙は鋭くて噛まれたらまずい&絞殺のプロなので、遭遇しても決して手を出してはいけない。

色々体験できて200バーツは安いし、職員さんに2回も迎えに来てもらったので、ほんの気持ちだがチップと寄付も払ってきた。
一時はどうなるかと思ったけど、充実した1日だった〜!



ちなみにスネークファームでは旅行者もワクチン接種が可能だ。
私はベトナムに住むにあたって、A型B型肝炎、狂犬病、破傷風などさまざまなワクチンを日本とベトナムで打ってきたが、タイで受けるのもありかも、と思った。インフルエンザワクチンなどもあり、冬場の日本帰国前とかにお世話になるかもしれない。値段やタイミングと相談だ。

バンコクでちょっと変わった観光を楽しみたい方は、「スネークファーム」と「チュラロンコン大学」に行ってみてはいかがだろうか。


▲チュラ大のスケジュール帳にまず書いたのは蛇の捕まえ方(素人は真似してはいけない)と毒の採取の様子。スタンプはスネークファームのスタンプラリー









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寺内真実

2014年よりベトナム在住。
ベトナムや東南アジアメインの散歩を書いて行けたらと思います。

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