白楽を散歩しました

  • 更新日: 2018/05/17

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六角橋商店街、いいよねえ。

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今日は白楽に来ておりますけども。横浜駅から東急東横線で3つ。




白楽。神奈川宿の伯楽(馬の売買をするとこ。馬喰とも)が転じて白楽。東海道の神奈川宿はいまの東神奈川駅、京急だと仲木戸駅のあたりで、ここは東海道からは外れています。宿場町からちょっと北へ奥まったところ。
ときに"転じる"って何なのっていつも思う。長い年月をかけた伝言ゲーム失敗、ってことですかね。

さて、この界隈、白楽と言うより、六角橋商店街と言われるとピンとくる方が多いかもしれない。



闇市を起源とする商店街なんですけど、今もむちゃくちゃ普段使いされている、奇跡の商店街。
ちなみに、六角橋、という名前は、あの日本武尊が六角の箸をこの地に置いていって祭られたことらしいんですけど、六角箸村が転じて六角橋村。
また転じた。ほら。
これも伝言ゲーム失敗ってことで良いでしょうか。
それか、アレかな。村の名前に「箸」ってかっこ悪いな、みたいなことかしら。


白楽駅前

まあ、そんな白楽ですけども。



降りましたけども。



駅前せまっこい。もう良い感じでしょ。ロータリーとか無いっすから。こういう駅はねえ、溜まるんですよ。




コカコーラが保護色でパチンコ屋に溶け込んでいた。




鋭角の松屋。




出入り口のため、しか書いてない。
察してほしがり。




もともと、良い感じの看板建築の建物の気がするけど、なんでしょう。アフリカンな感じになっていた。アフリカン板建築になっていた。




言葉は要らない。


六角橋商店街



白楽駅からちょっと南へ折れるとすぐに六角橋商店街です。
ドッキリヤミ市場が毎月開催されています。
うっかりヒロポンとか売ってそうな、なんとなーく法の外に位置しそうな響きがありますが、健全なやつです。
モノを売るというよりも、いろんなパフォーマーが、ホコ天でいろいろやる、みたいなイベントです。




建物が最高じゃない? 空色。



かっこいいフォント。特に、シャッターに描かれたカーテンの「テ」が最高。




細長い本屋もある。白楽六角橋書店。




道具屋があるのもいいよねえ。




誰かの落とし物が、強めにくくりつけられていました。




このナマズ最高だな。これのトートバッグ売ってないかな。




今歩いている大通りと並行して「六角橋ふれあい通り」ってのがあって、定期的に誘われる構造になっているので、誘われてみる。




これが入り口。良さしかないな。アーケードの屋根、どうやってくっついてるのか分からないのですごい。左右のお店を跨いで乗せてるだけだったらいいな。







こういうお店もあるし、



こういう新しいカフェとかも入ってんのね。



ギター工房だって。

人通りも多いし、普通に良いです。六角橋商店街は普通に良い商店街だから言うことない。




5枚貼ってあって、うち4枚が同じこと言ってました。




まいばすけっとだ。古い商店街にもスッと入ってくることでおなじみの、まいばすけっとだ。
どのくらいの「スッ」かというと、味噌汁がテーブルを勝手に移動するときの「スッ」であり、課金中のエアホッケーの「スッ」です。


白楽駅の南側



細いアーケードを抜けると横浜上麻生線(県道12号線)で、六角橋の交差点。五叉路なので惜しい。なんとなく六叉路であれ。
このへんに、かつて横浜市電の六角橋駅が1968年まであった。



横浜市電は(市電ってわりとそうだけども)今でいうところのバスみたいなもんで、いろいろな系統があって、乗り継げばいろんなところへ行ける。
ここに走ってたのは「六角橋線」と呼ばれるやつで、JR東神奈川駅、反町、青木通までを繋いでいました。
これは今の横浜市営バスの38系統の一部です。




刺々しい、六角橋のバス停。




エビ天のカップル。いいですよいいですよ。




このフォントもいいな。電気屋っぽい。おでん屋っぽくない。




今日は行かないけど、西のほうにもゆるく商店街が続いている。いいカーブ。




でしょうね、くらいには浸透してしまった値段だな。




と思ったら住宅街にクロスフェードした。でも街灯は商店街のそれ。こういう曖昧なところいいです。




買って買って! のお店と、売って売って! のお店。
コップに入れた水と油みたいに、同じ建物に入れたら勝手に1Fと2Fに分かれた、と考えたい。


白楽駅の西側



西へ伸びるファミリー通商店街。通称ファミ通。




このシルエットのダンスは?
①バレエ
②ジャズ
③タップ




こめやだって。こめやあるんだろうな。




ありそうだな。よし。よしっていうか。




この世の四悪だろうか。
あ、でも、殺菌、滅菌は人間側の仕事だしなあ。

ところで、殺菌と滅菌の違いご存じでしょうか。「日本薬局方」という厚生省が定めた医薬品の規格基準書では、「滅菌」は微生物の生存する確率が 100万分の1以下になること、とされています。一方で「殺菌」は厳密な定義はないそうです。殺す、とか言っといて、ゆるい言葉。

いずれにせよ、滅菌のクリーニングを希望する人って、例えば医療関係者とか、特殊な何かを作る人とかで、ここはそういうのも請けられる特殊なクリーニングができるお店なのかな。

なんか、無駄に、ストライプYシャツとかを滅菌してもらいたい。そのあとすぐ転ぶんだけど。




すなわち、100円ショップのことである。
100に修正した跡があるのも興味深いですね。何円屋だったんだろ。
消費税が導入された1989年に律儀に103円屋に改名した、とかであってほしいな。その後105円屋になり、108円屋になったんだけど、別に消費税書かなくてもよくね!? みたいなことに気づいて、100円屋に戻った、とかであって欲しいな。




と、ここにきて突然でかいスーパー。
TAIRAYAだって。知らない。調べたら本社は栃木で、神奈川にはここ含めて3店舗ある。
東京には15店舗あるんだけど、昭島、拝島、川口、大横と、むちゃくちゃ渋いところに出店している。基準は何だろう。栃木のノウハウが生かせる、みたいなとこだろうか。


白楽駅の北側の山岳地帯へ



北へ曲がると急激な坂。




手どうした。ドアに挟まれたの?




これ、どういうことだろうな。斜めにレンガを積んだけど、失敗して、塗り固めて、でも剥がれてきた状態かな。




いいY字路。山道登ってたのに突然こういうお店あるから白楽侮れない。
狸に化かされている可能性もありますが。




さらに登る。




そんなにいたずらしないので、そのトゲ、取っても大丈夫なんじゃないかな。もっと世界を信じて。




お、苔を削って書くやつだ。




ひろとがめちゃくちゃモテてた。




この辺は高台で、良い感じのお宅が多い。お殿様は高台に住むの法則です。




んで、今登ってきた山の頂付近にあるのが「県立篠原園地」
園地って聞き慣れないな。




入り口が最高地点なので、あとは下るのみ。この山を越えると妙蓮寺のテリトリーです。




ふもとに池がある。蓮がすごい。




池の名前なんだろな。




蓮「……」




お、ボートに書いてあった! あなた、白幡池って言うのね!
見逃さなくて良かった。




そのあと、道に面した入り口に普通に「白幡池」って書いてあったの。ふつう。




のどかに釣り糸を垂れるおっさんたち。
こんだけ太公望が居たら殷の国瞬殺だな。




白幡の商店街もゆるく存在する。


白楽の東側は階段天国である



踏切渡って東側行きますけど。階段クラスタにとっては、白楽はここからが本番だから。




上の区画との高低差すごくない? パイプが命綱のように伸びている。




その、上の区画に行くには階段を登る。




高低差の激しい住宅街の、平面を作り出す技術が好き。




そこに生える草。
物心ついて「あれ、俺やばいとこ生えた?」って気づく頃。




さらに上の区画に行くには階段を登る。




大分登ってきた。




これどういうことだろう。木を一旦消したけど、木曜ゴミの日が大復活したから剥がしたってことかしら。




この辺が山頂。ヒメジョオンが咲いている。




さて、下るか。この階段は3区画先くらいまで一直線で見通しが良い。




あっちの階段も見えて最高。




降りてきたとこ。
こういう山岳地帯の階段は左右が絶対にスロープになっていて、郵便屋さんがバイクで器用に登ります。




空き巣。
たまに注意看板に「空き巣」ではなく「空き巣狙い」って書く地域があって、確かに、空き巣とは家の状態であって、泥棒とは空き巣狙いなんだよな。
ここは、空き巣で通じるでしょ? 分かれよクソ、と、言葉に寛容な地域です。




ATMは信じるな。過激な思想である。




山の中腹の公園。白幡上町こどもの遊び場。




神奈川区のマスコット、かめ太郎。
神奈川区には浦島太郎伝説があるんですよね。神奈川新町のほうには太郎ゆかりの浦島神社もある。




これ、回るジャングルジムみたいなやつですよね。しっかり固定されている。もう回ることはない。




さらに下る。いま、駅の方に降りてきてますよ。こう見ると、六角橋商店街のあたりは谷なんだな。




これが、やわらかい作風の人の焼き物か何か、みたいだなって思った。すごいフワフワした思いだけど、思ったから書いた。




これ、片付けられたゴミネットですけど、あれ? どうやって固定してるの? って思ったら



排水のパイプを便利に使ってやがった。正直、こういう斜面の土に刺してあるパイプって、大雨降ってもそんなに出ないですよね。意味あるのかしら。




こうなりますよ。そんなとこに貼ったら。




あと、この道の脇、地図で見るとお寺みたいなんだけど、なんか入れない。



正面の門も閉まってる。やってないのかな。



戦に敗れたみたいな感じになってるしな。




寺は閉まってるけど脇で水がじゃんじゃん出ている。湧いて湧いてしょうがないんだろうな。
タオルとバケツは、撥ねない工夫だろうか。水が湧いて湧いて困っている。
香川の人が見たら卒倒するんじゃないか。




もっかい線路くぐる。




そんなこんなで、白楽駅に戻ってきましたよ。


雑感

そういえば、白楽と東白楽のちょうど中間あたりに神奈川大学があって、若い人もけっこう多い。
神奈川大学といえば箱根駅伝もそうですけど、浜田省吾がかつて通っていて、このあたりに下宿していたらしい。

Moneyが、この時期のことを歌ったやつだと言われている。



この町のメインストリート 僅か数百メートル
さびれた映画館と バーが5、6軒

六角橋商店街のことかー!!! メインストリート数百メートル、けっこうな街だけどな!?

さびれた映画館、蒸発した父、金持ちと消えた女。歌のなかでは浜田さん、六角橋には良い印象がまるでないように聞こえます。
実は六角橋商店街も一時期ヤバかったらしく、商店街の人いわく、数十年前には映画館も潰れ、シャッターが目立っていたんだそう。
そこからの大復活は、商店街活性化の成功例でよく言われている話ですのでよそに譲りますけども、とにかく、今、若いお店も目立つし、回そうとしてるのが分かる。8年前に一度ここ来ているんだけど、写真見返すと、当時無かった店がいっぱいある。逆に言えば、あった店が無いんだけど。床屋が減ってる気がする。

ところで、浜田省吾のデビューシングル「路地裏の少年」にも「横浜」って出てきたよなあと思い出して聞いてみると、確かに言っている。


18の少年がバイトから帰ってくるのが横浜であるので、この街のことを直接歌っているのでは無いのだけど、Moneyより直球な若さがあって、青臭くて良いです。
大学生が何者かになるためにもがく場所として、六角橋を見直すと、またちょっと印象が変わってくる。当たり前だけど、ミクロにはそういう日常があって、その積分が街の色みたいなものだと思っていて、ふらっとやってくる異邦人はその色しか見ることができないのだけど、わ、いいよな、と直感で思う街ってあって、ここはその一つです。


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参考資料

鉄道歴史地図
https://rail-history.org/r/14309.html
商店街研究会
http://shoutengai.org/index.html



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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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