風祭を散歩しました
- 更新日: 2020/03/12
登山鉄道の下を潜る流れ
そういえば、ずっと降りたいと思っている駅があった。
休日に急に1人になったものだから、行ってみようと思い立ったわけです。

小田原。じゃない。小田原もいいけど。
今日じゃない。

小田原から箱根登山鉄道に乗り換える。
家族連れ、カップル、女性グループ、それから外国人観光客が目立ちます。
この電車に乗るのはだいたい温泉客と決めつけてしまって問題ないと思う。
僕も「家族で温泉に泊まるぞ!」という強い決意があるときしか乗ったことがない。

箱根湯本までの温泉列車に揺られていると、途中の入生田駅で「松屋クリーニング」という看板が見えます。
これに、いつも苦しくなるのでした。
温泉までの途中駅に、僕と一切交わらない知らない生活がたくさんあって、そういうことを想像するとアー!!! という気分になる。
降りたい!!!
でもここを通過するときはいつも家族と一緒で、温泉の予定がある。
いつか一人で来ないといけないなと思ってた。

それで、今日はひとつ前の風祭(かざまつり)駅で降りて、入生田駅前の松屋クリーニングまで歩くことにしました。

遂に、温泉じゃない駅に降りてやったぜ!!!!
大人の反抗期なめんな!!!!
風祭とは嵐を封じる神事のことで各地に存在しているようですが、地名としての風祭はここだけみたい。
北条氏に仕えていたとされる風魔小太郎、その本拠地とされる風間谷の場所は風祭付近だとされることが多いようです。
相州乱破がいたかもしれない谷。

素朴な山間の村で、なんとなく忍者のイメージが見つかれば楽しいんじゃないか。そんな期待で降りたのですが、

駅直結でかまぼこ施設があるのは知らなかったです。
かまぼこ不可避の駅なんてあるのか。まだまだ世の中には知らないことがたくさんあるな!

鈴廣の本社が風祭にあって、風祭駅周辺は店舗や鈴廣かまぼこ博物館などを含む「かまぼこの里」というかまぼこテーマパークになっていました。
2007年にオープンしたらしい。もう10年以上もあるじゃんか。全っ然知らなかった。
観光地としての「かまぼこの里」は有名らしく、じっさい、風祭で少し人が降りた。
風祭で降りることは大人の反抗期でもなんでもなかった。「あっ、あの人かまぼこだな」と思われただけだった。

かまぼこで一杯やれるカフェなんかもある。
いや、全っ然いいんですけども、むしろ今度改めて来たいですけども、今日はかまぼこの里じゃなくて、忍者の里の感じで来てるから、ほら。

なあ。風祭さんよ。

かまぼこの里の脇に、小さな流れを見つけました。

この流れというのが、鉄道を潜って、山のほうから来ているみたい。
ちょっと辿ってみる。

あら、いいですね。
踏切の向こう側が、俺の思ってた風祭だった。
風祭、スタートです。

踏切の名前は「風祭水車踏切」だって。
水車はもう無いみたいでした。
というか踏切としての遮断機も無い。
ぜんぶ無いな!



このあたりはお店だった感じもある。

この、山のほうへ一本入って鉄道と平行に続く道が、旧東海道です。
昔は人の流れがあったのかもしれない。


元気いっぱいの「もせるごみ」。

収まったねえ~。
タコがいい感じの穴を見つけるとこんなふうに収まりますよね。

いい穴見つけたねえ~。よかったねえ~。じゃあね~。

こっちは防空壕だろうか。

扉はちょっと新しそうだった。倉庫かなんかに転用してるのかも。

一里塚がある。

30円のバランス。
置く場所もそうだし、3枚という数、金銭感覚、もろもろの意味で、ちょうどいい感じがすごくする。

そういえば追っていた流れ。万松院川というらしい。今頃川の名前が分かった。

簡単な橋が掛かっていたからちょっとだけ踏んでみたけど、腐っているのか、踏んだ反応が一切無い。
低反発まくらでももうちょっと反発する。

ところで、風魔小太郎が住んでいたといわれる風間谷は、谷というだけあってもっと山間部のイメージなんじゃなかろうか。
しらんけど、少なくとも東海道沿いには住んでなかったよなあ。
ということで、ちょっとだけ東海道を逸れて、万松院川の源流のほうへ上ってみる。
忍者っぽさ、出てくるだろうか。

この、緩衝材としてのタイヤの、

わざわざ反射板とりつけるところとか良いなと思います。
生活の工夫って楽しい。

あっこれこの地域で流行ってるな。
名産品だ。

なんもしてないロートルの電柱があった。
相談役みたいな名誉職かもしれない。

寺が出現した。これが川の名前にもなっている万松院みたい。
家康の子、松平信康を供養するためのお寺だって。
松平信康といえば信長に謎の切腹をさせられた、あの!? こんなところに!?

茅葺きの庫裏が良くて、あれ、いい休日だな。
さっきまで存在すら知らなかった山寺の屋根を見ている。

お隣の民家? の佇まいも素晴らしい。
お金払いたい。
こっちにもお賽銭箱置いてくれたら投げるのに。

勢いでさらに山のほうへ進む。
忍者の里あるかしら。

ホタルの里ならあった。
小田原ホタルをふやそう会、という会があることを確認しました。

裏山へ行くための私有橋が見える。
勝手な橋というのは憧れます。

門だけ残っている。

暗い林道を行く。
最近、森林官が書いたという本のことをTwitterで見たので思わず買った。飛騨の山奥のサンカや炭焼きや山女の話をまとめたもので、楽しみにちょっとずつ読んでいたんだけど最近読み終わってしまった。猿の作った酒を盗んで飲む話などがあるんだけど、山のことは全く分からないから、ファンタジーなのか真実なのか鼻が利かない。そういう物語はだいたい面白い。

人の痕跡は、逆になんとなく怖いときがある。

オッケー。

地図によれば、このあたりから万松院川が湧いていそうだった。
この鳥居はなんだろう。一切情報がない。

天気は良いんですよ。光が届かないだけで。

みかんを運ぶトロッコだ。体育座りで乗りたいな。

突然開けたから笑っちゃった風景です。
小田原の海がウケる!
忍者は居なかったけど、登ってきた甲斐はあった。

ニンニン。

山を下ってきた。
そろそろまじめに旧東海道を入生田方面へ向かう。

このあたりにも、流れがけっこうある。
あとで調べたら用水路という話もあって、よくわかんないけど、水はたくさんある。
そして、生活のために橋のようなものが渡してある。

旧東海道だからお寺もちょいちょい出てくる。
ここは宝泉寺だって。小机城城主が開祖とされている。
こんなところでわが横浜の小机、日産スタジアムの最寄駅の名前を見るとは。
すっごく遠くに来てるのに青看板に見知った地名を見つけるあの感じ。

あと、境内の木に生えたサルノコシカケが完全に腰掛け可能で、まるでサドルでした。
サルノコシカケをうまく育てて高級サドルの生産とかどうだろう。

旧東海道は、箱根登山鉄道とつかず離れず続きます。

昔は茶屋のひとつやふたつあったんでしょうか。
いまはだいたい民家です。

でもこれは、旅人が一服していい感じがしないでもない。

庇長いな~。

盛ってんな~。

家と家の間に隙間があるとき、そこに侵入されないようにえらく細長い柵やドアをつけることがあるけど、山間部に来ると一方が崖のパターンがあって嬉しい!

用水路の曲がり角。
あるいは、この家を防衛する堀。

なんとなくだけど、適切なマーケティングを施せば、ここから出る水は売れそうな気がしました。

座ってた人だけが消失した感じがする。大丈夫でしょうか。

春日局のお墓があるそうで、それはそれは、という感じの寺。
それはそれは、と通り過ぎてしまったけど、あとから調べたら、ここに樹齢300年のしだれ桜があるらしかった。
下調べしていかないからこういうことになります。

お菓子をいっぱいもらってる石。
なんとなく、おまんじゅうのファサファサ感に対して、水が足りない気がする。

針金による一筆書き、というわけでもなかった。

入生田の文字が見えてきました。

櫓がある。

出初式の準備かな。(行ったの1月です)

なんでそこ? っていうところにツバメは巣を作るよね。
電線も相まってはじめて成立する巣。
ツバメの視点おもしろい。

配管やホースや洗濯機にも水が流れていることを思うと、水的に忙しいエリア。
うちの水にこの写真見せたら嫌~な顔しそう。

これは正月飾りを引っかけるフックかなあ。

1年に1回だけ活躍するフックだとしたら、すごくいい。

西日も相まって神々しかった、鋭角の床屋。
先端のサインポール。

そして、憧れの松屋クリーニング。
旧東海道からはあの大きな看板がまったく見えなくて、あやうく見落とすところだった。

それで気づいたんだけど、この看板は住民のほうではなく、電車のほうを向いている。
でも、箱根登山鉄道の乗客の殆どは温泉が目的だから、ターゲットに刺さるかはちょっと分からない。
なぜか俺にうっかり刺さったけれど。

だからこれは広告の誤配から始まった散歩で、そういうのもいいなと思いました。
休日に急に1人になったものだから、行ってみようと思い立ったわけです。

小田原。じゃない。小田原もいいけど。
今日じゃない。

小田原から箱根登山鉄道に乗り換える。
家族連れ、カップル、女性グループ、それから外国人観光客が目立ちます。
この電車に乗るのはだいたい温泉客と決めつけてしまって問題ないと思う。
僕も「家族で温泉に泊まるぞ!」という強い決意があるときしか乗ったことがない。

箱根湯本までの温泉列車に揺られていると、途中の入生田駅で「松屋クリーニング」という看板が見えます。
これに、いつも苦しくなるのでした。
温泉までの途中駅に、僕と一切交わらない知らない生活がたくさんあって、そういうことを想像するとアー!!! という気分になる。
降りたい!!!
でもここを通過するときはいつも家族と一緒で、温泉の予定がある。
いつか一人で来ないといけないなと思ってた。

それで、今日はひとつ前の風祭(かざまつり)駅で降りて、入生田駅前の松屋クリーニングまで歩くことにしました。

遂に、温泉じゃない駅に降りてやったぜ!!!!
大人の反抗期なめんな!!!!
俺の思った風祭じゃない
風祭で降りたのは、ここも気になっていた駅のひとつだからです。風祭とは嵐を封じる神事のことで各地に存在しているようですが、地名としての風祭はここだけみたい。
北条氏に仕えていたとされる風魔小太郎、その本拠地とされる風間谷の場所は風祭付近だとされることが多いようです。
相州乱破がいたかもしれない谷。

素朴な山間の村で、なんとなく忍者のイメージが見つかれば楽しいんじゃないか。そんな期待で降りたのですが、

駅直結でかまぼこ施設があるのは知らなかったです。
かまぼこ不可避の駅なんてあるのか。まだまだ世の中には知らないことがたくさんあるな!

鈴廣の本社が風祭にあって、風祭駅周辺は店舗や鈴廣かまぼこ博物館などを含む「かまぼこの里」というかまぼこテーマパークになっていました。
2007年にオープンしたらしい。もう10年以上もあるじゃんか。全っ然知らなかった。
観光地としての「かまぼこの里」は有名らしく、じっさい、風祭で少し人が降りた。
風祭で降りることは大人の反抗期でもなんでもなかった。「あっ、あの人かまぼこだな」と思われただけだった。

かまぼこで一杯やれるカフェなんかもある。
いや、全っ然いいんですけども、むしろ今度改めて来たいですけども、今日はかまぼこの里じゃなくて、忍者の里の感じで来てるから、ほら。

なあ。風祭さんよ。
俺の思ってた風祭

かまぼこの里の脇に、小さな流れを見つけました。

この流れというのが、鉄道を潜って、山のほうから来ているみたい。
ちょっと辿ってみる。

あら、いいですね。
踏切の向こう側が、俺の思ってた風祭だった。
風祭、スタートです。

踏切の名前は「風祭水車踏切」だって。
水車はもう無いみたいでした。
というか踏切としての遮断機も無い。
ぜんぶ無いな!



このあたりはお店だった感じもある。

この、山のほうへ一本入って鉄道と平行に続く道が、旧東海道です。
昔は人の流れがあったのかもしれない。

元気いっぱいの「もせるごみ」。

収まったねえ~。
タコがいい感じの穴を見つけるとこんなふうに収まりますよね。

いい穴見つけたねえ~。よかったねえ~。じゃあね~。

こっちは防空壕だろうか。

扉はちょっと新しそうだった。倉庫かなんかに転用してるのかも。

一里塚がある。

30円のバランス。
置く場所もそうだし、3枚という数、金銭感覚、もろもろの意味で、ちょうどいい感じがすごくする。

そういえば追っていた流れ。万松院川というらしい。今頃川の名前が分かった。

簡単な橋が掛かっていたからちょっとだけ踏んでみたけど、腐っているのか、踏んだ反応が一切無い。
低反発まくらでももうちょっと反発する。
忍者っぽさをもとめて

ところで、風魔小太郎が住んでいたといわれる風間谷は、谷というだけあってもっと山間部のイメージなんじゃなかろうか。
しらんけど、少なくとも東海道沿いには住んでなかったよなあ。
ということで、ちょっとだけ東海道を逸れて、万松院川の源流のほうへ上ってみる。
忍者っぽさ、出てくるだろうか。

この、緩衝材としてのタイヤの、

わざわざ反射板とりつけるところとか良いなと思います。
生活の工夫って楽しい。

あっこれこの地域で流行ってるな。
名産品だ。

なんもしてないロートルの電柱があった。
相談役みたいな名誉職かもしれない。

寺が出現した。これが川の名前にもなっている万松院みたい。
家康の子、松平信康を供養するためのお寺だって。
松平信康といえば信長に謎の切腹をさせられた、あの!? こんなところに!?

茅葺きの庫裏が良くて、あれ、いい休日だな。
さっきまで存在すら知らなかった山寺の屋根を見ている。

お隣の民家? の佇まいも素晴らしい。
お金払いたい。
こっちにもお賽銭箱置いてくれたら投げるのに。

勢いでさらに山のほうへ進む。
忍者の里あるかしら。

ホタルの里ならあった。
小田原ホタルをふやそう会、という会があることを確認しました。

裏山へ行くための私有橋が見える。
勝手な橋というのは憧れます。

門だけ残っている。

暗い林道を行く。
最近、森林官が書いたという本のことをTwitterで見たので思わず買った。飛騨の山奥のサンカや炭焼きや山女の話をまとめたもので、楽しみにちょっとずつ読んでいたんだけど最近読み終わってしまった。猿の作った酒を盗んで飲む話などがあるんだけど、山のことは全く分からないから、ファンタジーなのか真実なのか鼻が利かない。そういう物語はだいたい面白い。
これまで読んできた中でも飛び抜けて幻想的な本。
— endhrs (@endo_hiro4) February 19, 2020
大正から昭和初期にかけて国有林を管理していた森林官が自身の体験と、樵(きこり)や炭焼夫、山中の湯治場の遊女などから聞いた話を元に書いた小説。その頃に林業に携わっていた人たちの息遣いや体臭が感じられる。Amazonで小屋関連の書籍を探し pic.twitter.com/fboJOkdHlG

人の痕跡は、逆になんとなく怖いときがある。

オッケー。

地図によれば、このあたりから万松院川が湧いていそうだった。
この鳥居はなんだろう。一切情報がない。

天気は良いんですよ。光が届かないだけで。

みかんを運ぶトロッコだ。体育座りで乗りたいな。

突然開けたから笑っちゃった風景です。
小田原の海がウケる!
忍者は居なかったけど、登ってきた甲斐はあった。

ニンニン。
旧東海道を行く

山を下ってきた。
そろそろまじめに旧東海道を入生田方面へ向かう。

このあたりにも、流れがけっこうある。
あとで調べたら用水路という話もあって、よくわかんないけど、水はたくさんある。
そして、生活のために橋のようなものが渡してある。

旧東海道だからお寺もちょいちょい出てくる。
ここは宝泉寺だって。小机城城主が開祖とされている。
こんなところでわが横浜の小机、日産スタジアムの最寄駅の名前を見るとは。
すっごく遠くに来てるのに青看板に見知った地名を見つけるあの感じ。

あと、境内の木に生えたサルノコシカケが完全に腰掛け可能で、まるでサドルでした。
サルノコシカケをうまく育てて高級サドルの生産とかどうだろう。

旧東海道は、箱根登山鉄道とつかず離れず続きます。

昔は茶屋のひとつやふたつあったんでしょうか。
いまはだいたい民家です。

でもこれは、旅人が一服していい感じがしないでもない。

庇長いな~。

盛ってんな~。

家と家の間に隙間があるとき、そこに侵入されないようにえらく細長い柵やドアをつけることがあるけど、山間部に来ると一方が崖のパターンがあって嬉しい!

用水路の曲がり角。
あるいは、この家を防衛する堀。

なんとなくだけど、適切なマーケティングを施せば、ここから出る水は売れそうな気がしました。

座ってた人だけが消失した感じがする。大丈夫でしょうか。

春日局のお墓があるそうで、それはそれは、という感じの寺。
それはそれは、と通り過ぎてしまったけど、あとから調べたら、ここに樹齢300年のしだれ桜があるらしかった。
下調べしていかないからこういうことになります。

お菓子をいっぱいもらってる石。
なんとなく、おまんじゅうのファサファサ感に対して、水が足りない気がする。

針金による一筆書き、というわけでもなかった。
入生田駅前

入生田の文字が見えてきました。

櫓がある。

出初式の準備かな。(行ったの1月です)

なんでそこ? っていうところにツバメは巣を作るよね。
電線も相まってはじめて成立する巣。
ツバメの視点おもしろい。

配管やホースや洗濯機にも水が流れていることを思うと、水的に忙しいエリア。
うちの水にこの写真見せたら嫌~な顔しそう。

これは正月飾りを引っかけるフックかなあ。

1年に1回だけ活躍するフックだとしたら、すごくいい。

西日も相まって神々しかった、鋭角の床屋。
先端のサインポール。

そして、憧れの松屋クリーニング。
旧東海道からはあの大きな看板がまったく見えなくて、あやうく見落とすところだった。

それで気づいたんだけど、この看板は住民のほうではなく、電車のほうを向いている。
でも、箱根登山鉄道の乗客の殆どは温泉が目的だから、ターゲットに刺さるかはちょっと分からない。
なぜか俺にうっかり刺さったけれど。

だからこれは広告の誤配から始まった散歩で、そういうのもいいなと思いました。