鮫洲を散歩しました

  • 更新日: 2018/11/08

鮫洲を散歩しましたのアイキャッチ画像

仙台坂トンネルから。

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今日は品川区、鮫洲に来ておりますけども。



現代の地図だとあまり分かりませんが、ここは海の街です。



駅のすぐ東側に旧東海道があって、そのすぐ東が昔の海岸線でした。海岸線は今は「元なぎさ通り」という道路になっています。



昔からあるせまっこい路地。

江戸時代、遠浅の砂浜だったところは現在は埋め立て地になっていて、土地の使われ方がまるっと変わる。



無駄にデカい建物が増える。いや無駄ってことはないだろうけど、まあ、土地あるからな~っていう気持ちはどこかであるでしょ? 無いといったら嘘になるでしょ?
このあたりの雰囲気はお隣の青物横丁と似ています。

鮫洲商店街のページによれば、「鮫洲」の由来は、鎌倉時代、死んで打ち上げられた大鮫の腹から聖観音の木像が出て、それが鮫洲観音と呼ばれたからだそう。
腹を割いて観音像が出てくるのは八岐大蛇の話を想起させますし、不思議で魅力的なエピソードなのですが、その鮫は木像を食ったことで死んだのでは、という気もちょっとする。
あと、近くの天王洲も牛頭天王の面が引き上げられたから天王洲であったりして、これは広い目で見ると、古代のゴミ漂着問題なのでは、という気もしてきます。

鮫洲駅前



降りましたけど、鮫洲試験場のご案内。
そう、鮫洲って都民にとっては免許試験センターの駅なんですよね。
はいはい、降りたあなた、どうせ免許センターでしょ? みたいな位置に看板がある。
すみません、免許センター目当てじゃないんですよ……ぼく、なにも用事ないんです。



京急はいま看板がどんどん紺色のものに置き換えられているけど、鮫洲は2018年時点では古いまま。
個人的には昔のほうが好きです。海沿いに白い看板は映えると思う。
あたらしいやつはなんか相鉄のカラーとちょっと被ってしまったよね。



駅前はこんな感じで、不思議に入り組んだ道に、お店がぽつぽつ。



駅前で一番繁盛している店。
ここらで唯一呼び込みをしているおじさんの声が、免許の街であることを決定づけている。




余白を。




元気にやってそうだけど、店名が消えかかっていた。
店名とかどうでもよくて、お店の名前を全員が忘れても人間がここに集まり、ものを食べていそう。
いいな。


旧東海道



ところで鮫洲にもちゃんと商店街があって、やっぱり旧東海道沿いが一番栄えている。



すごくいいロゴだな。なんならこのTシャツ欲しい。




釣り堀? 確かに海は近いけど、絵は鯉。ちょっと意味が分からなかった物件。




出た。品川区の、推敲が甘いんじゃないかと僕が勝手に不安になっている標語。
何種類かあるんだけど、これはかなり不安レベルが高いやつです。
節電という言葉とともに、心の灯りで夜の道を歩け、つまり真っ暗な外を歩けと言っている……とも思えないんだよなあ、区がそんなメッセージ出す? 出してたらすみません。




縦書きと横書きが混在することあるんだ。


どっかの路地



なんか神社があるらしい。青雲稲荷神社。
タオルが几帳面に干されている路地を行く。




京急高架のすぐそばだった。
昔は路地の中にひっそりとあったのではと思うんだけど、今はガタゴト煩い。



さめず




社務所の中で使っている布にも、さめずって書いてあるかな。




路地は墓の裏へ続いている。



塀も無く玄関が路地に面していて、壁一枚向こうで人が息をしている緊張感がある。




見切れた観音様をゆるく撮りためています。
なんか良いと思う。




急にアメリカンな一角があった。
靴が2足同じなのもいいな。
毎日同じ靴履いてると思いきや、2セット持ってるのかっこいいと思う。




無断駐車の値段の強気度はまちまちなのですが、相場はだいたい3万なので、5万はちょっと高い。
さすが品川区といったところ。
その代わり、1日1回、というあまり見たこと無いフレーズがついている。
高い代わりに、1日だったら何回でも無断駐車OKみたいな、ちょっと無断駐車側に配慮したようなサービスってこと?




食事処おさんぽ。
これは入るべきなんじゃないか、と思ったんですよ。でもね、今日お弁当を持参していまして。
こんなときに限って持ってるんですよ。タッパいっぱいの焼きそばを。持ってるんですよ。


鮫洲駅の東、埋め立てエリアへ



それで、突然のグラウンド。ゴミゴミした風情はどこいった。完全に別の街です。




これは鮫洲運動公園なんですけど、まあこんな広い土地が都心で突如出てくるということは、埋め立てと考えて頂いてほぼ間違いないです。


(1万分1地形図 昭和3-11年)

古い地図を見ると、この形で入り江だったみたいですね。大井鮫洲入江。


(1万分1地形図 昭和30-35年)

一時期、北側の一部が荒れ地のマークになっている。
ここに写真があって、荒れ地とは、この船着き場のあたりのことかなあ。


(1万分1地形図 昭和59-平成2年)

現在は埋め立てられ、鮫洲公園が成立します。良かったね。




その鮫洲運動公園の案内図。
ここ2011年にリニューアルされていて比較的新しい。
なんか他では見ない、意欲的なものが多い気がする。



ワイドスライダー!?



ツリーハウス!?



光る地面!?



スコップで掘ることができる地面!?
いや、それは普通だ。よく考えると普通。その行為が許されてるエリアってだけだ。



チョークで地面に絵を描くスペース!?

もういいですかね。




チョークで地面に絵を描くスペースに来た。
大人ってとりあえずアンパンマン描くの何だろな、と昔から思ってたんだけど、子供が居ると必ず一度は描かされるので、なんというか、描けた経験、みたいなのを持つ大人が多いんだろうな。



うまくない?



ここで詰まる?




知らないキャラばっかりだな。



迎合しないスタイルの木。




元が分からないキャラが複数居ると不安になるな。
右は何だろう。アイス?




別のところで似たのが出てきて、多分消しゴムだなと分かった。
古代文字を解読するのってこんな感じじゃないかと思う。
ところでその足どうした? 激しい合戦があったの?


さて、散歩続けます。




既に埋め立て地に突入しています。分かりますかね。四角い建物しかない。




品川区でよく見るやつ、ネコの口が○と×になってるの今更ながら気づいた。




ドアの、そこに一文字ずつ割り付けるスタイル、多分日本初じゃないかなあ?
なんとなく、A4に1文字ずつ書いてぺたぺた貼る文化の影響を受けている気がする。




鮫洲入江広場だって。
また公園だ。完全に土地余ってるな。




だって、見てよこの密度。
アマゾンで消しゴム買ったときの梱包みたい。




あとは透過みたいなマンションもあるし、



このあたりはいちいちデカい。




ただちょっと面白かったのが、なんとなく、埋め立てエリアから、古い土地への結合がうまくいっていない気がする。
これは埋め立て地から、陸地のほうを見ているんだけど、車線がせまくなる上に行き止まりになっている。交差点もなんか変なことになってる。



土地買収がうまくいっていないんだろうか。ゆくゆくは仙台坂方面に繋げるつもりだったりするのかな。


海岸通り、そして勝負の島



海岸通りに出た。
右に見えるのが免許センター。




つけ麺大王だ!
つけ麺大王といえば僕が子供の頃にめっちゃ増えてそのあと急に見なくなったチェーンで、友達の親戚が手を出したってことで、連れられて食べに行ったことがある。
そのときあんまりおなかすいてなくて、餃子と中華スープを頼んだら、中華スープがラーメンと同じ器で来て。
多い多い! そんな豪快な飲み方する奴居る? 大王かよ。大王か。
しかもさあ、ラーメンだったら汁残してもラーメンが本体だから許されるふしがあるけど、あれ、中華スープは残したら失礼なの? まくり強制? 詰んだ!
そんなつけ麺大王ですよ。
総本店が自由が丘ってのもイメージと違っていい。




サメズメガネ。
メニューが免許センター仕様なのもいいですね。
向かいですからね。試験場。
ちなみに、サメは目が悪いらしいですね。




隣の免許センターへの迎合はもっとすごかった。
チカチカする。
しかもテラス席がある。ここに平常心で座る自信がない。




その隣はどんなテンションだろうと思ったら、鮫洲ポンプ所だった。



ここに汚水処理機能はなくて、大森のほうにある森ヶ崎水処理センターに送られて綺麗にしたあと、海に帰すのだと。




京浜運河を渡る。




まあ、海みたいなもんですけど、全然海っぽくないですね。東にはさらに八潮団地があって、その向こうがいまの海岸線、大井埠頭です。






ここ渡ると勝島というエリアになって、あれだ。大井競馬場があるところ。



こちらへ進むとモノレールで帰るくらいしか手段が無くなってしまうので、このあたりで本土へ引き返す。
さらば勝島とは名ばかりの、勝ったり負けたりする人が居るところよ。




ちょっと海を吸ってから帰るわ。



見えている魚は釣れない。



波の気持ちが表情から推し量れない。
一見心配しているようにも見えるけど、これは浮かない表情で人殺すようなタイプの波、という解釈で僕の中では落ち着いた。




海ですな。



この長いホース何に使うんだろう。
海の水ぜんぶ抜くときかな。




船宿いわたの看板が良かった。




ゴチャゴチャしてきた。もともと陸地だったほうに戻ってきた。




海の街にしかない貼り紙。


鮫洲駅の西側



けっこうお腹いっぱいなんだけど、せっかくだからちょっとだけ西側を見に行く。
京急の高架下を潜る。




このあたりの高架下は駐車場に使われている。
京急の高架は、プラレールまんまだな。




第一京浜に出た。







この仏壇屋さんがなんとなくだけど、もとガソリンスタンドな気がした。



全然確証は無いんだけど。




このあたりの高架下は京急タクシーの駐車場になっている。




この草、なんかビニールの偽物見過ぎて、なんか、どうせ嘘でしょ? みたいに思えてくるようになっちゃった。
すごいイメージダウンだと思う。
自分がやられたら嫌だもの。




そうこうしているうちに鮫洲駅に着いたんだけど、もうちょっとだけうろうろする。




具体的には、西の坂を上る。




西の丘の先には、品川の下町こと大井町がある。




バケツから咲くバラほど美しい(スペインのことわざ)




このあたりの丘は伊達家のお屋敷だったところです。




伊達家のお屋敷は現在ゲートボールなどに利用されています。




間にあるネットからスポーツ感がする。伊達家から伝わる勇ましい競技。




坂だけど、すごい頻度でベンチのようなものがある。勇ましいだけじゃない。伊達家のキャッチフレーズ。勇ましいだけじゃない。




登り切った。高いところには今も昔もお殿様が住む。
完全にニュータウン感があるな。さっきから、海沿いゴチャゴチャ感、埋め立てメチャ広感ときて、ニュータウン感頂きました。

鮫洲はなんでもある。というか、山と海がギュッとなっているところに、鮫洲駅がある。




青物横丁から大井町方面へ行く旧千台坂にある仙台坂トンネル。
今日は片側工事してました。それでいま全然車が走ってない。




トンネルの上から。
埋め立て地のビル群で海は見えなかったんだけど、なんとなく、上ってきて良かったと思える風景のひとつ。
京急かっこいいし。




そんなこんなで、こんどこそ鮫洲駅から帰る。


雑感

鮫洲は、旧東海道・海・細っこい路地・埋め立て地・丘陵地と高級住宅街、というセットが見られる大変すばらしい駅の一つなんですよね。
もっとも、このあたりの京急の駅全部に言えることであって、このバラエティおかずセットを有する駅の最高峰は北品川だと思います。まあ、これは仕方ないです。

でも、鮫洲がぶっちぎりで勝る点がある。

免許センター。いや免許センターもそうだけどそれ以外で。あるでしょ。




おとどけいきゅうじゃろがーい!

「おとどけいきゅう」は京急グッズのオンラインショップなのですが、それのリアル店舗はここ鮫洲と、横浜大さん橋にしかありません。



右から600形、2100形ブルースカイトレイン、新1000形イエローハッピートレインみたいな限定車両が売ってたりします。



久里浜工場の京急フェスタで見たあの感じを完全再現できるわけです。

つまり、あれです。鮫洲最高ってことです。



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参考
鮫洲商店街
http://www.shinagawa-samezu.com/samezu

しながわWeb写真館
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/photo/





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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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