行き止まり散歩 ~早稲田ブラック~
- 更新日: 2021/02/04
行き止まり看板の9割は嘘だと思っている。
もっとも、殆どが車に向けられた看板であるから、歩行者が通り抜けられることは多い。
あまり車や人が入り込まない行き止まり看板の先には、手つかずの何かがある気がしてならないから。
行ってみよう。
行き止まりから始まる、行き止まり散歩。
行 止 リ
ついに新種の発見だ。
こいつを早稲田ブラックと、名付けよう。
◆
今回は早稲田駅から歩き始めました。
ここには早稲田大学があります。
各界の著名人を輩出してきたあの大学です。大隈重信が創設しました。
早大のえんじ色に、白のW(ダブリュー)マークは有名です。一度はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
またここは、夏目漱石が住んだ街であることも知られています。
漱石が書いた『吾輩は猫である』は、日本で最も有名な小説のひとつです。
あまりにも人気がありすぎて、ホトトギスという雑誌で発表された明治38年から現在に至るまで、様々な題名のパロディが生まれてきました。
ここで、『夏目漱石の研究と書誌』に紹介されている100点を超える題名パロディの中から少しだけご紹介いたします。なお、基本的には著書の年代、著者名、サブタイトルなどは割愛させていただきました。
また、途中に挿し入れてあるワンちゃんの写真は今回のお話とは一切関係ありません。
まずは動物篇です。どうぞ。
・『吾輩も猫である』
・『我輩ハ犬デアル』
・『吾輩は馬である』
・『吾輩ハ鼠デアル』
・『我輩は猿である』
・『吾輩は亀である』
・『わが輩は雀である』
・『吾輩は蚤(ノミ)である』
・『吾輩はらんちゅうである』
・『吾輩ハ小猫デアル』
・『吾輩は猫なのだ(赤塚不二夫著)』
・『吾輩はなめ猫である(井上ひさし著)』
・『吾輩は猫が好き』
・『漱石の猫は我輩である』
・『わが輩は盲導犬メアリーである』
・『わが輩はシッポである』
はい。続きまして人間篇です。どうぞ。
・『吾輩は人間である』
・『我輩は居候である』
・『わが輩は料理長である』
・『我輩は孔子である』
・『我輩は反省だらけのパパである(清水アキラ著)』
・『吾輩はフリープログラマー妻も子もあり猫もいる』
次は、ちょっと変わった菌類篇です。
・『吾輩はウイルスである』
・『わが輩はエイズウイルスである』
・『吾輩は結核黴菌である』
どんどん行きます。いろんな物質篇です。
・『吾輩はフロックコートである』
・『我が輩はバットである(門田博光著)』
・『吾輩は水である』
・『我輩は電気である』
・『わが輩はカネである』
・『我輩は毒たまごである』
・『吾輩は屁である』
最後は、ノンジャンルです。
・『吾輩ハ苦手デアル』
・『我輩は病気である』
・『吾輩は「黒帯」である』
・『我が輩はニャンで或るか』
・『我輩はカモじゃない』
・『我輩は神である』
・『吾輩は霊である(夏目そうしき著)』
・『我が輩はエイリアン』
以上、まことに勝手ながら『吾輩は猫である』の題名パロディを列挙させていただきました。
題名だけで勝手なイメージを膨らますのもまた一興かと。
ところでワンちゃん(愛犬ピコ)の写真ばかりですみません。
これからはちゃんと猫ちゃん探して歩きます。
ともかく今回は早稲田を、学生街っぽさと、漱石と猫っぽさを求めて散歩を開始します。
まだお店はじまってないし、いいよね、布団。
早稲田のダブリュー!
霊って書いてあるの?
ユーレイ?出るの?
いつの間にか早稲田キャンパスを歩いていました。
この建物は大隈講堂です。
早稲田キャンパスのシンボル的建造物のひとつです。
早稲田大学の建築学科をひらいた佐藤功一をはじめとした建築学科の先生方が設計されたゴシック様式の講堂です。
大隈講堂のとなりにかわいらしい建物がありました。
早稲田キャンパスのプチシンボルかな。
大隈通りを歩きます。
「記念ペナント オギワラ」がありまして・・・。えっ、ペナント!?
最近めっきり見かけなくなった観光地のお土産の定番、ペナント!?
横長二等辺三角形の、ペナント!?
はい。こちら昭和8年創業のオギワラさんでは、各種ペナントや記念旗だけでなく、大学の角帽も取り扱っています。
この先 四輪車の通行は 出来ません
ぐぬぬ。 こういうの求めてんのよ。
こちとら細道が大好きなのよ。
あんた、どんだけ細いのよさ。
あたいに見せてごらんなさいよ。
証明写真ツインズ。 学生街っぽさ発見。
むむう。 いい感じにくねっておわすな。
駐輪禁止のブルーコーンの合間に駐輪するとはね。
あんた、やるじゃない!
鏡に映してるわけじゃないんじゃない!
すいません。
猫っぽさは、まだ見つからないんだワン。
この脇道から細道を脱出します。
実を言うと僕はここに来たかった。
確かここ、40年くらい前は「キャロット」っていうゲーセンだったと思うんです。昔はけっこう学生街にもゲーセンありましたよね。講義と講義の間の空き時間つぶし的な意味もあったのでしょうか。
ここはナムコ直営店だったから、置いてあるゲーム機もナムコのが多かった気がする。
子供時代の僕はお金も持ってないくせにここに来ては、超スゴ腕の大学生がプレイするドルアーガの塔に釘付けだった。
少年の僕は思いました。大学生ってスゴイなと。
そんな僕にも今や大学生の子供がいます。時の流れを感じます。
でも今は、このとおり飲食店の雑居ビルになっていました。
昔はこのガラスの向こうにたくさんのゲーム機が並んでいて、中に入るといろんな電子音とかコントローラーをガチャガチャやってる音なんかが混じりあってた。
でも今は、中華料理店です。
そういえば、あの頃は最新ゲーム機が次々と入れ替わってたな。
でも今は、パンダ好きな店主の中華料理店です。
すいません、猫っぽさ、まだ見つからないのです。
あ、でもパンダって大熊猫って書くんですよね。
大熊猫・・・。
無理矢理ですけど、ちょっとだけ猫っぽさ発見。
ここから坂が始まるぞ。グランド坂。
さっきの細道の出口を横目に、グランド坂を上ります。
ゆるやか~な、カーブがいい。グランド坂。
テイクアウト ミキ
キッチン ミキ
そば うどん どんぶり
早稲田名物 こだわり屋 お弁当
なんでもござれ。学生さんのお腹を満たしますよ。
そんな懐の深さを感じますね。
インド定食 ターリー屋
トルコライスの店 キッチンJUMBO
さすが学生街、ちょっと歩いただけでお腹が空いてきます。
おお。たくさん若者が歩いて行く。
どうやら今日は、早稲田大学の構内で模試があるようです。
立入禁止
防犯カメラにより
キャンパス内の映像を
記録しています
関係者以外 立入禁止
ここ早大総合学術センターのセキュリティは万全ですね。
早大総合学術センターになる前は、戸塚球場という野球場だったそうです。
それでグランド坂なんですね。
戸塚球場は明治35年に早稲田大学が開設した球場です。
当時の日本にはまだプロ野球もなく、大学野球が人気を集めていた頃。開設にあたった安部磯雄(初代野球部長)は、日本の国際化には野球の発展が必要であると大隈重信に進言したのだそうです。
グランド坂を上りきったところにある緑の茂み。
あれは、まさか・・・。
GAME ABC じゃないか! まだ残ってたのか!
まさか、まだやってるのか?!
扉にカギがかかっていて開かなかった。
そりゃそうだ、扉の前には植木鉢なんかも置いてあるし。
ガラス扉から中が見えるぞ。何か残っているだろうか。
ちょっと失礼します・・・。
部屋の奥に椅子が一脚あるだけだった。
でも壁のカラーリングには当時のゲーセンの雰囲気が残っている。
ここにはSEGAのアッポーっていうプロレスゲームがあったな。
あれ面白かったな。
西早稲田の信号を渡って振り返ってみる。
正面に都道25号線の新坂がドーンと大きく口を開けていて、右のグランド坂上がとても小さく見えた。都バスも今はグランド坂ではなく、広々とした新坂を上って高田馬場へと走っていく。
新道ができて広くなって便利になるんだけど、古い町並みが消えていくのはちょっと寂しい。
気をつけよう 新品ガラスは 透明度が高いぞ
かわうち ゴーゴー弁当
またお腹が空くエリアに突入。
A4サイズ横 6枚でお見事。
さらに、石にビス止めでお見事。
こちらは穴八幡宮の裏口です。車両も入れます。
穴八幡宮は、商売繁盛・金運アップするという「一陽来復」のお札が有名です。
正面入口には、流鏑馬(やぶさめ)の像があります。
穴八幡宮の神事である高田馬場の流鏑馬は、毎年体育の日に都立戸山公園で行われています。
えっ? たい焼きって天然とか養殖とかあるの。
刑事 : 「おい、オトボケしたって無駄だよ。ネタは上がってるんだよ!」
容疑者 : 「・・・」
刑事 : 「かつ丼でも食うか?」
容疑者 : 「トンカツ定食がいいです!」
ポイ捨てダメだぞ~ の象さん
知ってる人も多いと思いますけど、麒麟のマークには「キ」、「リ」、「ン」の文字が隠れてるんですよね。
ぐるっと回って、また早稲田駅に戻ってきました。
100円ショップ キャン・ドゥ がありました。
ついつい便利そうなモノとか、ちょこちょこ買ってしまうんですよね~。
焼き物、もつ煮込み、ホッピーが最高の加賀屋のところを進む。
加賀屋は加賀廣の兄貴分だって聞いたことがあるけどそうなのかな。
ほかにもニュー加賀屋とか加賀藤っていうお店もありますよね。みんな兄弟なのかな。
加賀屋の奥へ進むと突き当りでした。
その右側には小さめのランドリーがありました。
ちょっと出た煙突がかわいらしいですね。
ポイ捨てダメだぞ~の象さんがいました。ちょっと色あせてますね。
こんどは突き当りの左側へ進んでみます。
すると現れました。
冒頭の黒い看板。
名付けて早稲田ブラック。
「 行 止 リ 」
文字が左下に詰め込まれているのは何故だろう。
特に窮屈そうな「リ」はどこか寂しげだ。
いやこれは、上部と右部分が後から黒く塗りつぶされているのだ。ということは、他にも文字が書かれていたのだろう。しかしこのアンバランスな配置にこそ何か一種独特な不安な気持ちを呼び覚まし、見る者をミステリーの世界へと誘う効果が秘められている。また通常の標識などで用いられる原色などといった人の注意を引く色ではなく、あえて黒の面積を大きく使うことで実に奥深い味わいを醸し出している作品だ。
この早稲田ブラックのことが気になって、近所の方に聞いてみようかと思ったのですが、休日の朝早い時間だったので知ってそうな人は見当たりませんでした。
確かにこの奥は行き止まりの民家で、三輪車で遊ぶチビッ子がいるだけでした。
行き止まりだから自転車もバイクも来ないし安心ですね。
ひとまず交差点に戻ります。
漱石山房記念館まで560mか。近いな。
最後はそこでソトノミして帰ろうかな。
やよい軒の店先にある『夏目漱石誕生の地』の碑を横目に、夏目坂を上ってみます。
なお、ここ『夏目漱石誕生の地』から散歩スタートする、サンポーの記事
『早稲田 / 夏目漱石が愛した街は、きっといい街。』も面白いですよ~。
夏目坂を上りますと、ようやく猫ちゃんぽさ発見しました。
Where is a dog?
猫の顔
Fine Food and Art Cafe
という看板でした。
めざすは漱石山房記念館。どんどん坂を上っていきます。
Pマークから、見知らぬ曲がり角を左に入っていきます。
おぉ、いい道だ。
ウォッ!
おいらを導くこの看板。
どうなってるんだ、その先は!本物の行き止まりなのか?
ここを左に曲がれば、
おっ? 突き当りが行き止まりっぽいぞ。
と、左手にはクリスマス感を出す南国が。
行き止まりかな。
行き止まりは素敵なアパートでした。なかじま荘。
こういうところで独り暮らししてみたかった。
天気のいい休日には布団を干すんだ。二階から屋根の上に続くあの小さな階段を上って。
公園だ。
一休みしょう。
砂場の奥にほこらがある。
祈りを捧げる場所なのだろう。
赤リス VS 青ゾウ
赤リスの左耳が取れていた。
これで一撃くらったのだろうか。
漱石山房通り
漱石山房記念館まであと160mだニャー
ぐおっ! 俺を誘惑する本日の最狭道(さいせまみち)。
あの奥が気になる。
いやだめだ。漱石先生に会いに行くのが先だ。
着いた。
ここが漱石山房記念館か。角ばっててカッコいい建物だなあ・・・。
漱石が最期の9年間を過ごしたのがこの場所でした。
当時ここにあった邸宅の書斎で『三四郎』、『それから』、『こころ』など数々の名作が生まれました。
「漱石山房」と呼ばれたその邸宅では、漱石を慕う若者や文学者らが毎週木曜日に集まり、さまざまな議論が交わされた「木曜会」が開かれていたそうです。
このカッコいい建物は、漱石生誕150周年を記念して2017年に建てられました。
「漱石の文学作品から導かれるイメージ、それが建築のディテールとして具現化され、各所に散りばめられている(新建築.onlineより)」
https://shinkenchiku.online
なお、漱石山房記念館の観覧料は一般300円です。
今日は小銭が足りないので、記念館の中には入りません。
併設されている「漱石公園(無料)」で遊びます。
遊ぶといっても、ブランコやジャングルジムがある訳ではないのですが。行ってみましょう。
こちらの「道草庵」では、漱石の関連資料やパネルが展示されています。
この石塔は、「猫の墓」と呼ばれています。
『吾輩は猫である』のモデルになった福猫が亡くなった時、漱石は「猫の死亡通知」を門下生たちに出し、句を添えた墓標を建て裏庭に埋葬したそうです。
その後、飼っていた文鳥も合葬され、犬のヘクトーの墓も近くに建てられました。
漱石の没後、福猫の十三回忌のときに、夏目家で飼われた生き物たちを供養するため九重塔が建てられました。
しかし昭和20年の空襲で漱石山房は焼失し、石塔も損壊しました。現在の石塔はその残欠を使って再興されたものなのだそうです。
それで写真の石塔は角が取れて不揃いな姿をしているのですね。
恐れ入ります。漱石先生と一杯いかせてください。
先生は胃が弱かったはずなのであまり飲まれなかったのだと思いますが、作品の中ではビールが出てきて、猫も飲んでしまったりしてましたよね。
選んだのは「水曜日のネコ」なるホワイトエール。
スーパーとかコンビニで売っていてずっと気になってました。これまたパッケージが可愛くって。
なぜ「水曜日のネコ」なのか判らないのですが、漱石山房の「木曜会」にちなんで「木曜日の猫」でもよかったのかなとか勝手に考えながらゴクリ・・・。
おー、飲み口が軽やかでスムース。フルーティな香りでとっても爽やか。
へー、スパイスなんかも入ってるんだ。こういうビールもいいですね。
で、なんでそのつまみなのかって?
これでも大真面目に選んだんです。
夏目ソーセージ。
それではまたいつか。
行きましょう。
行き止まりから始まる、行き止まり散歩。
もっとも、殆どが車に向けられた看板であるから、歩行者が通り抜けられることは多い。
あまり車や人が入り込まない行き止まり看板の先には、手つかずの何かがある気がしてならないから。
行ってみよう。
行き止まりから始まる、行き止まり散歩。
行 止 リ
ついに新種の発見だ。
こいつを早稲田ブラックと、名付けよう。
今回は早稲田駅から歩き始めました。
ここには早稲田大学があります。
各界の著名人を輩出してきたあの大学です。大隈重信が創設しました。
早大のえんじ色に、白のW(ダブリュー)マークは有名です。一度はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
またここは、夏目漱石が住んだ街であることも知られています。
漱石が書いた『吾輩は猫である』は、日本で最も有名な小説のひとつです。
あまりにも人気がありすぎて、ホトトギスという雑誌で発表された明治38年から現在に至るまで、様々な題名のパロディが生まれてきました。
ここで、『夏目漱石の研究と書誌』に紹介されている100点を超える題名パロディの中から少しだけご紹介いたします。なお、基本的には著書の年代、著者名、サブタイトルなどは割愛させていただきました。
また、途中に挿し入れてあるワンちゃんの写真は今回のお話とは一切関係ありません。
まずは動物篇です。どうぞ。
・『吾輩も猫である』
・『我輩ハ犬デアル』
・『吾輩は馬である』
・『吾輩ハ鼠デアル』
・『我輩は猿である』
・『吾輩は亀である』
・『わが輩は雀である』
・『吾輩は蚤(ノミ)である』
・『吾輩はらんちゅうである』
・『吾輩ハ小猫デアル』
・『吾輩は猫なのだ(赤塚不二夫著)』
・『吾輩はなめ猫である(井上ひさし著)』
・『吾輩は猫が好き』
・『漱石の猫は我輩である』
・『わが輩は盲導犬メアリーである』
・『わが輩はシッポである』
はい。続きまして人間篇です。どうぞ。
・『吾輩は人間である』
・『我輩は居候である』
・『わが輩は料理長である』
・『我輩は孔子である』
・『我輩は反省だらけのパパである(清水アキラ著)』
・『吾輩はフリープログラマー妻も子もあり猫もいる』
次は、ちょっと変わった菌類篇です。
・『吾輩はウイルスである』
・『わが輩はエイズウイルスである』
・『吾輩は結核黴菌である』
どんどん行きます。いろんな物質篇です。
・『吾輩はフロックコートである』
・『我が輩はバットである(門田博光著)』
・『吾輩は水である』
・『我輩は電気である』
・『わが輩はカネである』
・『我輩は毒たまごである』
・『吾輩は屁である』
最後は、ノンジャンルです。
・『吾輩ハ苦手デアル』
・『我輩は病気である』
・『吾輩は「黒帯」である』
・『我が輩はニャンで或るか』
・『我輩はカモじゃない』
・『我輩は神である』
・『吾輩は霊である(夏目そうしき著)』
・『我が輩はエイリアン』
以上、まことに勝手ながら『吾輩は猫である』の題名パロディを列挙させていただきました。
題名だけで勝手なイメージを膨らますのもまた一興かと。
ところでワンちゃん(愛犬ピコ)の写真ばかりですみません。
これからはちゃんと猫ちゃん探して歩きます。
ともかく今回は早稲田を、学生街っぽさと、漱石と猫っぽさを求めて散歩を開始します。
まだお店はじまってないし、いいよね、布団。
早稲田のダブリュー!
霊って書いてあるの?
ユーレイ?出るの?
いつの間にか早稲田キャンパスを歩いていました。
この建物は大隈講堂です。
早稲田キャンパスのシンボル的建造物のひとつです。
早稲田大学の建築学科をひらいた佐藤功一をはじめとした建築学科の先生方が設計されたゴシック様式の講堂です。
大隈講堂のとなりにかわいらしい建物がありました。
早稲田キャンパスのプチシンボルかな。
大隈通りを歩きます。
「記念ペナント オギワラ」がありまして・・・。えっ、ペナント!?
最近めっきり見かけなくなった観光地のお土産の定番、ペナント!?
横長二等辺三角形の、ペナント!?
はい。こちら昭和8年創業のオギワラさんでは、各種ペナントや記念旗だけでなく、大学の角帽も取り扱っています。
この先 四輪車の通行は 出来ません
ぐぬぬ。 こういうの求めてんのよ。
こちとら細道が大好きなのよ。
あんた、どんだけ細いのよさ。
あたいに見せてごらんなさいよ。
証明写真ツインズ。 学生街っぽさ発見。
むむう。 いい感じにくねっておわすな。
駐輪禁止のブルーコーンの合間に駐輪するとはね。
あんた、やるじゃない!
鏡に映してるわけじゃないんじゃない!
すいません。
猫っぽさは、まだ見つからないんだワン。
この脇道から細道を脱出します。
実を言うと僕はここに来たかった。
確かここ、40年くらい前は「キャロット」っていうゲーセンだったと思うんです。昔はけっこう学生街にもゲーセンありましたよね。講義と講義の間の空き時間つぶし的な意味もあったのでしょうか。
ここはナムコ直営店だったから、置いてあるゲーム機もナムコのが多かった気がする。
子供時代の僕はお金も持ってないくせにここに来ては、超スゴ腕の大学生がプレイするドルアーガの塔に釘付けだった。
少年の僕は思いました。大学生ってスゴイなと。
そんな僕にも今や大学生の子供がいます。時の流れを感じます。
でも今は、このとおり飲食店の雑居ビルになっていました。
昔はこのガラスの向こうにたくさんのゲーム機が並んでいて、中に入るといろんな電子音とかコントローラーをガチャガチャやってる音なんかが混じりあってた。
でも今は、中華料理店です。
そういえば、あの頃は最新ゲーム機が次々と入れ替わってたな。
でも今は、パンダ好きな店主の中華料理店です。
すいません、猫っぽさ、まだ見つからないのです。
あ、でもパンダって大熊猫って書くんですよね。
大熊猫・・・。
無理矢理ですけど、ちょっとだけ猫っぽさ発見。
ここから坂が始まるぞ。グランド坂。
さっきの細道の出口を横目に、グランド坂を上ります。
ゆるやか~な、カーブがいい。グランド坂。
テイクアウト ミキ
キッチン ミキ
そば うどん どんぶり
早稲田名物 こだわり屋 お弁当
なんでもござれ。学生さんのお腹を満たしますよ。
そんな懐の深さを感じますね。
インド定食 ターリー屋
トルコライスの店 キッチンJUMBO
さすが学生街、ちょっと歩いただけでお腹が空いてきます。
おお。たくさん若者が歩いて行く。
どうやら今日は、早稲田大学の構内で模試があるようです。
立入禁止
防犯カメラにより
キャンパス内の映像を
記録しています
関係者以外 立入禁止
ここ早大総合学術センターのセキュリティは万全ですね。
早大総合学術センターになる前は、戸塚球場という野球場だったそうです。
それでグランド坂なんですね。
戸塚球場は明治35年に早稲田大学が開設した球場です。
当時の日本にはまだプロ野球もなく、大学野球が人気を集めていた頃。開設にあたった安部磯雄(初代野球部長)は、日本の国際化には野球の発展が必要であると大隈重信に進言したのだそうです。
グランド坂を上りきったところにある緑の茂み。
あれは、まさか・・・。
GAME ABC じゃないか! まだ残ってたのか!
まさか、まだやってるのか?!
扉にカギがかかっていて開かなかった。
そりゃそうだ、扉の前には植木鉢なんかも置いてあるし。
ガラス扉から中が見えるぞ。何か残っているだろうか。
ちょっと失礼します・・・。
部屋の奥に椅子が一脚あるだけだった。
でも壁のカラーリングには当時のゲーセンの雰囲気が残っている。
ここにはSEGAのアッポーっていうプロレスゲームがあったな。
あれ面白かったな。
西早稲田の信号を渡って振り返ってみる。
正面に都道25号線の新坂がドーンと大きく口を開けていて、右のグランド坂上がとても小さく見えた。都バスも今はグランド坂ではなく、広々とした新坂を上って高田馬場へと走っていく。
新道ができて広くなって便利になるんだけど、古い町並みが消えていくのはちょっと寂しい。
気をつけよう 新品ガラスは 透明度が高いぞ
かわうち ゴーゴー弁当
またお腹が空くエリアに突入。
A4サイズ横 6枚でお見事。
さらに、石にビス止めでお見事。
こちらは穴八幡宮の裏口です。車両も入れます。
穴八幡宮は、商売繁盛・金運アップするという「一陽来復」のお札が有名です。
正面入口には、流鏑馬(やぶさめ)の像があります。
穴八幡宮の神事である高田馬場の流鏑馬は、毎年体育の日に都立戸山公園で行われています。
えっ? たい焼きって天然とか養殖とかあるの。
刑事 : 「おい、オトボケしたって無駄だよ。ネタは上がってるんだよ!」
容疑者 : 「・・・」
刑事 : 「かつ丼でも食うか?」
容疑者 : 「トンカツ定食がいいです!」
ポイ捨てダメだぞ~ の象さん
知ってる人も多いと思いますけど、麒麟のマークには「キ」、「リ」、「ン」の文字が隠れてるんですよね。
ぐるっと回って、また早稲田駅に戻ってきました。
100円ショップ キャン・ドゥ がありました。
ついつい便利そうなモノとか、ちょこちょこ買ってしまうんですよね~。
焼き物、もつ煮込み、ホッピーが最高の加賀屋のところを進む。
加賀屋は加賀廣の兄貴分だって聞いたことがあるけどそうなのかな。
ほかにもニュー加賀屋とか加賀藤っていうお店もありますよね。みんな兄弟なのかな。
加賀屋の奥へ進むと突き当りでした。
その右側には小さめのランドリーがありました。
ちょっと出た煙突がかわいらしいですね。
ポイ捨てダメだぞ~の象さんがいました。ちょっと色あせてますね。
こんどは突き当りの左側へ進んでみます。
すると現れました。
冒頭の黒い看板。
名付けて早稲田ブラック。
「 行 止 リ 」
文字が左下に詰め込まれているのは何故だろう。
特に窮屈そうな「リ」はどこか寂しげだ。
いやこれは、上部と右部分が後から黒く塗りつぶされているのだ。ということは、他にも文字が書かれていたのだろう。しかしこのアンバランスな配置にこそ何か一種独特な不安な気持ちを呼び覚まし、見る者をミステリーの世界へと誘う効果が秘められている。また通常の標識などで用いられる原色などといった人の注意を引く色ではなく、あえて黒の面積を大きく使うことで実に奥深い味わいを醸し出している作品だ。
この早稲田ブラックのことが気になって、近所の方に聞いてみようかと思ったのですが、休日の朝早い時間だったので知ってそうな人は見当たりませんでした。
確かにこの奥は行き止まりの民家で、三輪車で遊ぶチビッ子がいるだけでした。
行き止まりだから自転車もバイクも来ないし安心ですね。
ひとまず交差点に戻ります。
漱石山房記念館まで560mか。近いな。
最後はそこでソトノミして帰ろうかな。
やよい軒の店先にある『夏目漱石誕生の地』の碑を横目に、夏目坂を上ってみます。
なお、ここ『夏目漱石誕生の地』から散歩スタートする、サンポーの記事
『早稲田 / 夏目漱石が愛した街は、きっといい街。』も面白いですよ~。
早稲田 / 夏目漱石が愛した街は、きっといい街。|ジモトぶらぶらマガジン サンポー
どうもこんにちは。猫です。どういうことですか。今日は早稲田じゃないですか。早稲田といえば夏目漱石が住んでた街なんですよね。で、夏目漱石といえば『吾輩は猫である』でしょ。ってことで吾輩も…
夏目坂を上りますと、ようやく猫ちゃんぽさ発見しました。
猫の顔
Fine Food and Art Cafe
という看板でした。
めざすは漱石山房記念館。どんどん坂を上っていきます。
Pマークから、見知らぬ曲がり角を左に入っていきます。
おぉ、いい道だ。
ウォッ!
おいらを導くこの看板。
どうなってるんだ、その先は!本物の行き止まりなのか?
ここを左に曲がれば、
おっ? 突き当りが行き止まりっぽいぞ。
と、左手にはクリスマス感を出す南国が。
行き止まりかな。
行き止まりは素敵なアパートでした。なかじま荘。
こういうところで独り暮らししてみたかった。
天気のいい休日には布団を干すんだ。二階から屋根の上に続くあの小さな階段を上って。
公園だ。
一休みしょう。
砂場の奥にほこらがある。
祈りを捧げる場所なのだろう。
赤リス VS 青ゾウ
赤リスの左耳が取れていた。
これで一撃くらったのだろうか。
漱石山房通り
漱石山房記念館まであと160mだニャー
ぐおっ! 俺を誘惑する本日の最狭道(さいせまみち)。
あの奥が気になる。
いやだめだ。漱石先生に会いに行くのが先だ。
着いた。
ここが漱石山房記念館か。角ばっててカッコいい建物だなあ・・・。
漱石が最期の9年間を過ごしたのがこの場所でした。
当時ここにあった邸宅の書斎で『三四郎』、『それから』、『こころ』など数々の名作が生まれました。
「漱石山房」と呼ばれたその邸宅では、漱石を慕う若者や文学者らが毎週木曜日に集まり、さまざまな議論が交わされた「木曜会」が開かれていたそうです。
このカッコいい建物は、漱石生誕150周年を記念して2017年に建てられました。
「漱石の文学作品から導かれるイメージ、それが建築のディテールとして具現化され、各所に散りばめられている(新建築.onlineより)」
https://shinkenchiku.online
なお、漱石山房記念館の観覧料は一般300円です。
今日は小銭が足りないので、記念館の中には入りません。
併設されている「漱石公園(無料)」で遊びます。
遊ぶといっても、ブランコやジャングルジムがある訳ではないのですが。行ってみましょう。
こちらの「道草庵」では、漱石の関連資料やパネルが展示されています。
この石塔は、「猫の墓」と呼ばれています。
『吾輩は猫である』のモデルになった福猫が亡くなった時、漱石は「猫の死亡通知」を門下生たちに出し、句を添えた墓標を建て裏庭に埋葬したそうです。
その後、飼っていた文鳥も合葬され、犬のヘクトーの墓も近くに建てられました。
漱石の没後、福猫の十三回忌のときに、夏目家で飼われた生き物たちを供養するため九重塔が建てられました。
しかし昭和20年の空襲で漱石山房は焼失し、石塔も損壊しました。現在の石塔はその残欠を使って再興されたものなのだそうです。
それで写真の石塔は角が取れて不揃いな姿をしているのですね。
恐れ入ります。漱石先生と一杯いかせてください。
先生は胃が弱かったはずなのであまり飲まれなかったのだと思いますが、作品の中ではビールが出てきて、猫も飲んでしまったりしてましたよね。
選んだのは「水曜日のネコ」なるホワイトエール。
スーパーとかコンビニで売っていてずっと気になってました。これまたパッケージが可愛くって。
なぜ「水曜日のネコ」なのか判らないのですが、漱石山房の「木曜会」にちなんで「木曜日の猫」でもよかったのかなとか勝手に考えながらゴクリ・・・。
おー、飲み口が軽やかでスムース。フルーティな香りでとっても爽やか。
へー、スパイスなんかも入ってるんだ。こういうビールもいいですね。
で、なんでそのつまみなのかって?
これでも大真面目に選んだんです。
夏目ソーセージ。
それではまたいつか。
行きましょう。
行き止まりから始まる、行き止まり散歩。