東京都民だけど都心に一泊する
- 更新日: 2024/04/02
はからずも温泉旅行になりました
私は東京で暮らして15年になります。住んでいるとでかけてもその日のうちに帰宅してしまうので、わざわざ東京都心の宿に泊まる……というか、都心を旅行するのを一度やってみたかったんです。
今回はただの散歩ではなく旅としての散歩。旅情をかきたててくれるパートナーが欲しくなります。以前「できる人」である私の友人が限界まで疲れたとき、一緒にあきる野市を歩いたことがあるのですが、復活して通常モードの有能な会社員に戻った彼女を誘いました。
▼前回の散歩
ホテルのある浜町〜水天宮前のあたりは中央区で、東京23区の地理的中央にあたることと、日本橋が近くかつては経済の中心地であったことから区名がついたみたいです。
▲にぎわいとうるおいのあるまち中央区
この辺には5、6年ほど前に一度だけ訪れたことがあります。私は引っ越しを検討していて、ひとつの候補となった物件が浜町にありました。じっさいに行ってみるとビルが多くて、いやマンションもたくさんあるんだけれど、働くための建物たちの迫るような大きさに気圧され、ここは住む場所じゃない……と当時感じたのです(すみません)。
そのとき以来に水天宮前駅で降りてHAMACHO HOTELへ向かうと、ホテルの隣にある大きなオフィスビルの下で、帰宅中の小学生集団に遭遇しました。ここらに住んでいる家庭もたくさんあるのだなと思い知らされます。
▲ビルのエントランスで盛大にじゃんけん大会を開催したあと帰ってゆく子たち
ホテルから少し行くとすぐに隅田川で、スカイツリーも見えるし大都会の風景も望めます。ここが23区のまんなかである実感がふつふつ湧いてきます。
▲清洲橋からの眺め
ところで、ビル群の写真ってどうしても合成背景風になりませんか。コロナ禍、六本木ヒルズの展望台にひとりでのぼったとき、オンライン会議中みたいになった自撮り写真があります。みなさんもきっと一枚はこういう合成風本物写真持ってますよね?
さて、清洲橋は今は渡らず、川辺へ降りて隅田川沿いの整備された道「隅田川テラス」を歩きます。隅田川テラスにはいくつもの花壇がありました。
▲賑わった花壇
▲無の花壇
賑わったほうの花壇は中央区立浜町保育園の有志によるもので、花も子もおなじ土から個々さまざまに育ってほしいとの願いがあふれていました。
そういえば前に彼女とあきる野市を歩いたとき、盛大に受賞歴のある花壇を見つけたのですが……
▲思い出の最優秀花壇(限界会社員とゆく、あきる野市・秋川渓谷より)
あのときはオフシーズン(11月頃)で、さっきの「無の花壇」とおなじ状態だったのでした。今度は夏に行ってみたい。
歩みを進めるとクルーザーのようなかたちのかっこいい船が二艘、停泊しています。
▲はまかぜ&きよす
有能な人がちゃちゃっと調べてしまう前に、この船の役割を予想してみました。見たものにかんする無知識予想を好き勝手に言いあうのは誰かと歩くたのしみのひとつですね。
よく見ると「日本橋消防署」と艇体に書かれているから、消防車の船バージョンかな。川沿いで起こった火災のときに川から水を汲みあげて消火するとか? 川沿いに立つマンションやビルの消火活動には、陸路より水路のほうがはやいのではないか?
……で、調べるとこれらは水難救助や船舶火災などの消火に対応している消防艇のようでした。陸にかぎらず水上でも火災は起きますものね。陸上火災への送水にも使われてはいるようです。
しばらく歩くと「新大橋」という別の橋が見えてきたので隅田川を渡ることにしました。
▲新大橋
橋の奥に立つ薄い建物たちを見て、友人がビルの耐震性について詳しく解説してくれるのを聞きながら橋を渡っていきます。
この、橋の塔の足元っていうんでしょうか。斜めのやつが接地するところに、四角い枠が5箇所留められていました。地震か何かがあったときにガパッと外れて上がってしまうのを防ぐんだろうか。それとも人が登らないようにするため? とにかくなにかしらのやさしさであろうと思われます。
あとふたりでぎょっとしたのですが……
この橋のライト、よく見ると
上面に無数の棘があります。これはこう……鳥がとまらないようにとかでしょうか。拷問具みたいでこわいですが、どうかこれもなにかのやさしさであってくれ。色々と予想しましたがこれらについては結局わからず(調べず)じまいでした。
橋を渡って対岸を歩いていると、さっきの消防艇に消防士の方々が集まっていました。
試運転をして、いつでも即出動できるようにしてくれているのかもしれません。これもただの予想ですが、いつも市民の安全を守ってくださりありがとうございます。
銭湯に向かってゆく途中「ケルンの眺め」というスポットがありました。
▲ゴミが溜まっててかなしいね
案内を見た友人「ほんとかよ〜」。彼女は大学時代1年間ドイツに留学していて、本物のケルンの眺めを知っています。こればかりは実際に経験した人の強さが光ります。
じつは私が唯一死ぬまでに実物を見たい建物が、ケルン大聖堂です。高校のころ世界史の資料集で見たそれがあまりにきれいで、忘れられないんだよね、というと彼女は「でもケルンは大聖堂以外マジでなにもないから宿泊は別のところにしたほうがいいよ」と現実的なアドバイスをしました。
そんな話に夢中になり、実際にそこから景色を眺めるのを忘れてしまって「ケルンの眺め」の真偽をたしかめ損ねたのでした。
銭湯まであと少しのところで、道にポスターが貼ってあるのを見つけました。
壁じゃなく道に。法的な問題はおいといて「あー、みんなスマホ見て歩いてるから効果的だね」と友人が言ってました。これが会社の業績をぐんぐん伸ばすビジネスマンの思考回路か。
友人は自身のことを「この時代の会社組織のホワイトカラー的な働き方に合ったスキルを身に着けてるだけで、体力勝負とか忍耐強さの世界だったらまっ先に脱落する」と言います。
そんな世界では私も即脱落ですが、時代に合ったスキルをもちながら、私のようなコスパ・タイパ的考えかたが多少欠落した人間ともかなりちゃんと向き合って、一緒にいてくれます。彼女は柔軟でいることも上手です。だからこそ組織で重宝されるのですね。
▲ついた! ただの銭湯じゃなくて温泉だった!
深川温泉「常盤湯」。かなり混んでましたが、お湯の種類がいろいろあってたのしかった。
浴場内では友人とほとんど会話せず、各々のペースで湯浴みをしました。もちろん友人が圧倒的な速さで先に上がりました。マジであらゆる行為がスピーディーでおもしろい。私はといえば、風呂上がりに知らないばあさんが話しかけてくれ、着替えに10分くらいかかってようやく出ました。
▲友人にチェアリングしてもらっていい感じの写真。ソフトクリーム光ってかわいいね
HAMACHO HOTELに戻ります。さっき「ケルンの眺め」ポイントがあったところ、実は橋のふもとで、帰りはその萬年橋というのを渡りました。
▲萬年橋を渡る有能会社員
女性ふたりで夜散歩というのはちょっと危険な気もするのですが、これほど明るければ大丈夫でしょう。萬年橋の横にある階段を降りてまた川沿いを歩きます。
ほら、東京都心のビル群の灯りが水面に写って倍に増え、明るい明るい。
▲萬年橋の全体像
▲さっき渡った新大橋
▲最初に渡らなかった清洲橋(と屋形船)
水面に光や像が映るさまを見ると、モネのことが頭に浮かびます。
美術にはうといのですが、モネの描く水面がとにかくすごいという(モネ好きにとっては当然の)話を夫が前に教えてくれて「ほんとだ~~~!」と一度感激してから、今度は実物の水面を見るとモネを思い出すようになりました。モネは生涯をかけてあらゆる水と光を描きつづけたそうで、その酔狂さにどうにも惹かれてしまいます。
さあ、ついに清洲橋を渡るぞ。
▲清洲橋を渡る有能会社員
橋ってめちゃくちゃ大きいですよね。アホっぽい発言だけど、なんていうか、こんなでかい建造物があるって単純にすごくないですか。これを人たちがわっせわっせと作ったんですよ。すごいです。しかもディテールまできれいだから見て。
▲間接照明みたいな方法で橋自体が光っているように見えるしくみ
▲このアーチとかジグザグとかつぶつぶとかいいよね
▲足元は赤い照明でクラブ感がありますが、遠景で見るとアクセントになっています
清洲橋をつぶさに観察しながら渡りきり、HAMACHO HOTELに戻ります。この後は人形町のほうまで行って居酒屋で乾杯しました。
飲みに行く前にいったん拠点に戻って身支度できるのも、飲んだあとふわふわと歩いて帰ってすぐ横になれるのも、都心泊のよき味わいです。
ちなみに散歩前のチェックイン時、ランドセルを背負った女の子がフロントをずんずん歩いて横切っていきました。ホテルマンの方々が「おかえりなさいませ」と言うのを見て、どういうこと?! となり調べると、HAMACHO HOTELには住居も併設されているようでした。ホテル+アパートメントの形態だそうです。都心の人って、思った以上にいろんなところに住んでるんだな……。
小学生の自分が毎日ここから登校して帰宅し、その都度ホテルマンに見送り出迎えられることを想像すると、自らをとんでもないVIPかなにかと勘違いしちゃいそうです。
浜町公園には少年サッカーチームや好き好きに走り回る子らがそこかしこにいて、やっぱりここにはたくさん人が住んでいるんだとあらためて確認できました。
公園をゆくとまた隅田川テラスに抜けます。
▲植木より右が浜町公園の敷地、左が隅田川テラス
昨日渡った新大橋よりも奥のエリアです。浜町は隅田川とともにあるのですね。隅田川テラス、いい道でした。川の流れにはいつでも励まされるし、大きい橋があるし、花壇もあるし、それに無料のドッグランもあります。
ついでに用途不明の石の丘……未満の膨らみがあったり、
木のアーチもありました。用途不明なりにいちおう石には乗り、木はくぐっておきました。
いやあ、このへんに住めるもんなら住んでみたい気持になってきましたが、長く住むには家賃がネックですよね。国土交通省の地価公示(2023年)によると、中央区はやっぱり1位でした。まあ中央区には銀座が入っているし。でもやっぱり昔から土地を持っているとかじゃなく急に住むのはきびしめなエリアかも。隅田川を渡った江東区なら少しマシか……。
で、このあとはぶらぶらとまた清澄白河まで歩きました。都心は駅間が近いので、どこにでもすぐ歩いていけるのがいいですね。きっと大手町や丸の内勤務のエリートたちがこのへんに住み、健康のために歩きや自転車で通勤しているのでしょう。
清澄白河ではまたしても友人がすばやく調べたカフェに立ち寄り、最後に清澄庭園をぐるりと一周して帰りました。清澄庭園はカモが大量すぎてちょっと引いてしまいました。
▲尺の関係で清澄庭園はダイジェスト扱いです
友人は金曜を午後半休にしたぶん、日曜に仕事をするそうです。彼女は仕事をかたづけるのだってきっと誰よりも速いでしょうから、そのスピードですら追いつかないほど、たくさんの仕事が寄せられているということです。
いくら有能だからってふたたび限界が来ないよう無理しないでくれ! また散歩しようね。
今回はただの散歩ではなく旅としての散歩。旅情をかきたててくれるパートナーが欲しくなります。以前「できる人」である私の友人が限界まで疲れたとき、一緒にあきる野市を歩いたことがあるのですが、復活して通常モードの有能な会社員に戻った彼女を誘いました。
▼前回の散歩
限界会社員とゆく、あきる野市・秋川渓谷|ジモトぶらぶらマガジン サンポー
私の友人で、頭がよく社交性があり、だらしない人間(私)にもやさしくときに厳しくしてくれる、いわゆる「できる人」がいます。そんな彼女は会社員としてもひじょうに重宝され、どの企業に転職してもすぐエ…
23区の中央にも人は住んでいる
「都心に一泊しない?」と声をかけると、できる人はすぐに宿の候補を挙げてくれました。彼女の動きがいつもすみやかすぎて、私のなかではもはやおもしろに分類されています。で、そのなかにHAMACHO HOTELというモダンで洒落たホテルがあり、浜町に興味があったのでそこにしました。はままち、じゃなくて、はまちょうなんですよね。ホテルのある浜町〜水天宮前のあたりは中央区で、東京23区の地理的中央にあたることと、日本橋が近くかつては経済の中心地であったことから区名がついたみたいです。
▲にぎわいとうるおいのあるまち中央区
この辺には5、6年ほど前に一度だけ訪れたことがあります。私は引っ越しを検討していて、ひとつの候補となった物件が浜町にありました。じっさいに行ってみるとビルが多くて、いやマンションもたくさんあるんだけれど、働くための建物たちの迫るような大きさに気圧され、ここは住む場所じゃない……と当時感じたのです(すみません)。
そのとき以来に水天宮前駅で降りてHAMACHO HOTELへ向かうと、ホテルの隣にある大きなオフィスビルの下で、帰宅中の小学生集団に遭遇しました。ここらに住んでいる家庭もたくさんあるのだなと思い知らされます。
▲ビルのエントランスで盛大にじゃんけん大会を開催したあと帰ってゆく子たち
浜町から清澄白河の銭湯まで
金曜日。友人は午後半休をとってきてくれました。直前まで会議をしていたようで、ひと仕事終えたから晩ごはんまでに風呂に入ってしまいたいそう。これまた事前に彼女が調べてくれて、隅田川を渡った先に銭湯があるらしいので、今日はそこまで歩くことにしました。ホテルから少し行くとすぐに隅田川で、スカイツリーも見えるし大都会の風景も望めます。ここが23区のまんなかである実感がふつふつ湧いてきます。
▲清洲橋からの眺め
ところで、ビル群の写真ってどうしても合成背景風になりませんか。コロナ禍、六本木ヒルズの展望台にひとりでのぼったとき、オンライン会議中みたいになった自撮り写真があります。みなさんもきっと一枚はこういう合成風本物写真持ってますよね?
さて、清洲橋は今は渡らず、川辺へ降りて隅田川沿いの整備された道「隅田川テラス」を歩きます。隅田川テラスにはいくつもの花壇がありました。
▲賑わった花壇
▲無の花壇
賑わったほうの花壇は中央区立浜町保育園の有志によるもので、花も子もおなじ土から個々さまざまに育ってほしいとの願いがあふれていました。
そういえば前に彼女とあきる野市を歩いたとき、盛大に受賞歴のある花壇を見つけたのですが……
▲思い出の最優秀花壇(限界会社員とゆく、あきる野市・秋川渓谷より)
あのときはオフシーズン(11月頃)で、さっきの「無の花壇」とおなじ状態だったのでした。今度は夏に行ってみたい。
歩みを進めるとクルーザーのようなかたちのかっこいい船が二艘、停泊しています。
▲はまかぜ&きよす
有能な人がちゃちゃっと調べてしまう前に、この船の役割を予想してみました。見たものにかんする無知識予想を好き勝手に言いあうのは誰かと歩くたのしみのひとつですね。
よく見ると「日本橋消防署」と艇体に書かれているから、消防車の船バージョンかな。川沿いで起こった火災のときに川から水を汲みあげて消火するとか? 川沿いに立つマンションやビルの消火活動には、陸路より水路のほうがはやいのではないか?
……で、調べるとこれらは水難救助や船舶火災などの消火に対応している消防艇のようでした。陸にかぎらず水上でも火災は起きますものね。陸上火災への送水にも使われてはいるようです。
しばらく歩くと「新大橋」という別の橋が見えてきたので隅田川を渡ることにしました。
▲新大橋
橋の奥に立つ薄い建物たちを見て、友人がビルの耐震性について詳しく解説してくれるのを聞きながら橋を渡っていきます。
この、橋の塔の足元っていうんでしょうか。斜めのやつが接地するところに、四角い枠が5箇所留められていました。地震か何かがあったときにガパッと外れて上がってしまうのを防ぐんだろうか。それとも人が登らないようにするため? とにかくなにかしらのやさしさであろうと思われます。
あとふたりでぎょっとしたのですが……
この橋のライト、よく見ると
上面に無数の棘があります。これはこう……鳥がとまらないようにとかでしょうか。拷問具みたいでこわいですが、どうかこれもなにかのやさしさであってくれ。色々と予想しましたがこれらについては結局わからず(調べず)じまいでした。
橋を渡って対岸を歩いていると、さっきの消防艇に消防士の方々が集まっていました。
試運転をして、いつでも即出動できるようにしてくれているのかもしれません。これもただの予想ですが、いつも市民の安全を守ってくださりありがとうございます。
銭湯に向かってゆく途中「ケルンの眺め」というスポットがありました。
▲ゴミが溜まっててかなしいね
案内を見た友人「ほんとかよ〜」。彼女は大学時代1年間ドイツに留学していて、本物のケルンの眺めを知っています。こればかりは実際に経験した人の強さが光ります。
じつは私が唯一死ぬまでに実物を見たい建物が、ケルン大聖堂です。高校のころ世界史の資料集で見たそれがあまりにきれいで、忘れられないんだよね、というと彼女は「でもケルンは大聖堂以外マジでなにもないから宿泊は別のところにしたほうがいいよ」と現実的なアドバイスをしました。
そんな話に夢中になり、実際にそこから景色を眺めるのを忘れてしまって「ケルンの眺め」の真偽をたしかめ損ねたのでした。
銭湯まであと少しのところで、道にポスターが貼ってあるのを見つけました。
壁じゃなく道に。法的な問題はおいといて「あー、みんなスマホ見て歩いてるから効果的だね」と友人が言ってました。これが会社の業績をぐんぐん伸ばすビジネスマンの思考回路か。
友人は自身のことを「この時代の会社組織のホワイトカラー的な働き方に合ったスキルを身に着けてるだけで、体力勝負とか忍耐強さの世界だったらまっ先に脱落する」と言います。
そんな世界では私も即脱落ですが、時代に合ったスキルをもちながら、私のようなコスパ・タイパ的考えかたが多少欠落した人間ともかなりちゃんと向き合って、一緒にいてくれます。彼女は柔軟でいることも上手です。だからこそ組織で重宝されるのですね。
▲ついた! ただの銭湯じゃなくて温泉だった!
深川温泉「常盤湯」。かなり混んでましたが、お湯の種類がいろいろあってたのしかった。
浴場内では友人とほとんど会話せず、各々のペースで湯浴みをしました。もちろん友人が圧倒的な速さで先に上がりました。マジであらゆる行為がスピーディーでおもしろい。私はといえば、風呂上がりに知らないばあさんが話しかけてくれ、着替えに10分くらいかかってようやく出ました。
橋々を渡り愉快な都心の夜
温泉を出ると日が暮れています。常盤湯、すごくいいところでした。▲友人にチェアリングしてもらっていい感じの写真。ソフトクリーム光ってかわいいね
HAMACHO HOTELに戻ります。さっき「ケルンの眺め」ポイントがあったところ、実は橋のふもとで、帰りはその萬年橋というのを渡りました。
▲萬年橋を渡る有能会社員
女性ふたりで夜散歩というのはちょっと危険な気もするのですが、これほど明るければ大丈夫でしょう。萬年橋の横にある階段を降りてまた川沿いを歩きます。
ほら、東京都心のビル群の灯りが水面に写って倍に増え、明るい明るい。
▲萬年橋の全体像
▲さっき渡った新大橋
▲最初に渡らなかった清洲橋(と屋形船)
水面に光や像が映るさまを見ると、モネのことが頭に浮かびます。
美術にはうといのですが、モネの描く水面がとにかくすごいという(モネ好きにとっては当然の)話を夫が前に教えてくれて「ほんとだ~~~!」と一度感激してから、今度は実物の水面を見るとモネを思い出すようになりました。モネは生涯をかけてあらゆる水と光を描きつづけたそうで、その酔狂さにどうにも惹かれてしまいます。
さあ、ついに清洲橋を渡るぞ。
▲清洲橋を渡る有能会社員
橋ってめちゃくちゃ大きいですよね。アホっぽい発言だけど、なんていうか、こんなでかい建造物があるって単純にすごくないですか。これを人たちがわっせわっせと作ったんですよ。すごいです。しかもディテールまできれいだから見て。
▲間接照明みたいな方法で橋自体が光っているように見えるしくみ
▲このアーチとかジグザグとかつぶつぶとかいいよね
▲足元は赤い照明でクラブ感がありますが、遠景で見るとアクセントになっています
清洲橋をつぶさに観察しながら渡りきり、HAMACHO HOTELに戻ります。この後は人形町のほうまで行って居酒屋で乾杯しました。
飲みに行く前にいったん拠点に戻って身支度できるのも、飲んだあとふわふわと歩いて帰ってすぐ横になれるのも、都心泊のよき味わいです。
ちなみに散歩前のチェックイン時、ランドセルを背負った女の子がフロントをずんずん歩いて横切っていきました。ホテルマンの方々が「おかえりなさいませ」と言うのを見て、どういうこと?! となり調べると、HAMACHO HOTELには住居も併設されているようでした。ホテル+アパートメントの形態だそうです。都心の人って、思った以上にいろんなところに住んでるんだな……。
小学生の自分が毎日ここから登校して帰宅し、その都度ホテルマンに見送り出迎えられることを想像すると、自らをとんでもないVIPかなにかと勘違いしちゃいそうです。
住めるもんなら住んでみたい
翌日チェックアウトを済ませ、浜町公園のほうへ歩きました。浜町のセントラルパークともいえる大きな公園で、敷地内には「中央区立総合スポーツセンター」というでかい施設もあります。浜町公園には少年サッカーチームや好き好きに走り回る子らがそこかしこにいて、やっぱりここにはたくさん人が住んでいるんだとあらためて確認できました。
公園をゆくとまた隅田川テラスに抜けます。
▲植木より右が浜町公園の敷地、左が隅田川テラス
昨日渡った新大橋よりも奥のエリアです。浜町は隅田川とともにあるのですね。隅田川テラス、いい道でした。川の流れにはいつでも励まされるし、大きい橋があるし、花壇もあるし、それに無料のドッグランもあります。
ついでに用途不明の石の丘……未満の膨らみがあったり、
木のアーチもありました。用途不明なりにいちおう石には乗り、木はくぐっておきました。
いやあ、このへんに住めるもんなら住んでみたい気持になってきましたが、長く住むには家賃がネックですよね。国土交通省の地価公示(2023年)によると、中央区はやっぱり1位でした。まあ中央区には銀座が入っているし。でもやっぱり昔から土地を持っているとかじゃなく急に住むのはきびしめなエリアかも。隅田川を渡った江東区なら少しマシか……。
で、このあとはぶらぶらとまた清澄白河まで歩きました。都心は駅間が近いので、どこにでもすぐ歩いていけるのがいいですね。きっと大手町や丸の内勤務のエリートたちがこのへんに住み、健康のために歩きや自転車で通勤しているのでしょう。
清澄白河ではまたしても友人がすばやく調べたカフェに立ち寄り、最後に清澄庭園をぐるりと一周して帰りました。清澄庭園はカモが大量すぎてちょっと引いてしまいました。
▲尺の関係で清澄庭園はダイジェスト扱いです
友人は金曜を午後半休にしたぶん、日曜に仕事をするそうです。彼女は仕事をかたづけるのだってきっと誰よりも速いでしょうから、そのスピードですら追いつかないほど、たくさんの仕事が寄せられているということです。
いくら有能だからってふたたび限界が来ないよう無理しないでくれ! また散歩しようね。