日ノ出町を散歩しました
- 更新日: 2021/04/15
野毛への最短経路
こっちに出てきたばかりのころ、ご多分に漏れず京急にハマった。
特に電車が好きでもない者にも分かる、能動的に乗りたくなる感じ。実際、用も無く乗った。
扉の閉まる速度。我に合わせよ、という呼吸。それにしても閉まるのめちゃくちゃ速くね? と思っていたんだけど、あれは今思えば一枚ドアだったからだろうか。
京急の駅は全部好きだけど、特に感慨深いのは平和島と日ノ出町で。どう考えても名前がおかしい。
平和島とは戦後、平和を祈願して命名された埋め立て地で、競艇場があって、知らないおじさんに小突かれた。お前の言う平和とは何か? ちょっとその平和、絵で描いてみて。もしかしたらこう、音だけが同じ別概念かもしれないから。
それで、日ノ出町。
飲み屋街として名高い野毛エリアの奥座敷のような位置で、日ノ出町から黄金町の立ちんぼエリアは近年一掃されたけど、そのあたりの情報はきっとインターネットにいっぱいあるじゃろ。
僕は昔、隣の戸部に住んでいたんだけど、近寄りがたいイメージがあったので日ノ出町は殆ど来なかった。
例外として、駅前ミツワグリルのカレーを食べに来ていた。戸部にはバーグというB級カレーの王がお住まいになっているわけだけど、バーグ前まで来て、あれ、今日はなんだか口がバーグじゃねえな? みたいな日は、バーグを素通りして自転車を漕ぐ、するとミツワグリルへ流れ着く。
今日やってなかった。これ行く流れだったろ。やってなかった。
そのくらいですので、日ノ出町は初見に近い。まあ、そういう奴がやる散歩です。
ただこの駅前は覚えていて、この捨てるところのない交差点ね。
それぞれ横浜、桜木町、伊勢佐木、上大岡方面へ繋がる。
こういう要所の交差点大好き。一本一本に違った奥行きがあって、だんだんその都市になっていく。生命の進化を連想する。
ちょっと桜木町になってきてんじゃん、と美空ひばり像で思ったり、ちょっと伊勢佐木弥生町になってきてんじゃん、とDVD観賞のでかい看板で思ったりするわけです。
ほんで僕知らなかったんだけど、この交差点にもう一本、駅前の京急ストアの脇から野毛山のほうに続く道があって。
車道としてはすぐに行き止まりになってしまうんだけど、人が歩けるせまい道が続いていた。
日ノ出町駅は野毛山のふもと、という認識はあったけど、そういえばこっちから登ったことないな。
というか、本当にあの野毛山につくのか?
どうやらつくらしい……いや、なんかこの看板怪しいな。俺を道に迷わせるためにパパッと作ったやつじゃない?
まあ、暇だしその罠にかかりにいくか……
ギャーッ、いい階段。
これがめちゃくちゃ良かったのです。
天神坂というらしいんだけどGoogleマップに「野毛山動物園への近道」というコメントがあった。
確かにな。ここから行けたのか。
そしてこの階段、こう見えて人通りが多い。
野毛山に住んでいる人が普段使いしているっぽい。すごくいいな。
少数民族の通学みたいなドキュメンタリーでこんな光景を見たことある。
ただこの道、夜めちゃくちゃ怖いかもしれない。
申し訳程度の灯りが点々とある。
ここでレッドアリーマー出てきたら即死だな。
ふもとの生活が見える。
トンネルあったのかしら。
というかこの石垣はいつのなんだろう。
のぼりきった。
いやあ、看板に騙されてのぼって良かった。
はい、というわけでね! みたいな感じで余韻ぶったぎってふつうの道に接続すな。
しかし、本当に俺の知っている野毛山なんですかね?
君、本当に野毛山の柑橘類?
野毛山だった。本当にあっさりついた。
横浜迎賓館だ。野毛山だ。
何らかの電波塔だ。
何らかではなく、ラジオ日本の野毛山無線基地だって。
ここは間違いなく野毛山だ! 地球丸い! 地球丸いのは関係無いけど野毛山ついた!
それで野毛山配水池だ。
日本初の配水池で、相模川の水をわざわざ水道道でここまで運んだやつ。
その隣の芝生にハンマーで叩かれ待ちなのが居るな~と思ったら、今はこっちが現役の水道施設らしい。
叩かなくて良かった~。間接的に横浜市中区全員の頭を叩く感じだった。
ポーン。
キーック。
重要そうなオブジェを雑に処理しました。
この展望台、すごくいいんだけど、積み木のケースに載ってる作例っぽくもあるなと思ってる。
すっごい高名な方か、ゆうじ君(4)か、どちらかだと思ってる。
ほー。
遠くの高いのなんだろ。
そんな疑問をサッと処理してくれる君。明日からうちの会社に来ないか。
無料で飲めるお茶の種類が多いのが自慢の我が社に。
トイレのガラスブロックが良かった。便器がキラキラきらめきそうで。
降りてきた。
京急の下をくぐる。
謎の隙間からホームが見えるんだけど、これはこういうものでOK?
セブン・ツルハ・セブン。
大岡川だ。
ひらがなにするとバカっぽいことでおなじみの、大岡川だ。
京急に乗ってきたのに京急これしか撮ってなかった。
でもチラッと見える京急って良くない?
川に沿って、影も泳ぐ。
これはなんだろう。鶴の首?
反対側へ渡ったところ理解できた。
そういう教えだと思う。
このあたりでは、1階が複数の店舗になっているアパートをよく見る。
いわゆる下駄履きアパート。
日ノ出町飲食長屋は「街」を名乗っていました。
吉田さんだろうか。
24時間の厚み。
全力で木を演じていて良かったです。
横スクロールアクションみたいな壁。
落ちゲーみたいな看板。
もういっこ降ってきたら連鎖で全消しできそうな気がする。
ジッパーみたいな影。
並ぶ電球ってバブリーよね。
地元商店街の映画館がこうだったけど、あの商店街、ヤオハンが潰れてから一気に寂れてしまった。
二ヶ国語で書かれているのかな。
泥棒へのメッセージ。
警察が言うのだから、そうなのでしょう。
都橋商店街まで来ました。
初めて見たときは船かなと思った。食の空母じゃ……
夜はそれぞれのお店が光って、イカ釣り船のようになって綺麗。
この佇まいには毎回惚れ惚れする。
一つ一つにお話があるから、解像度が高い。
ここは1964年の東京オリンピックのとき、野毛の闇市を正しく収容するために横浜市が作ったビルで、河川敷を占有しているだそう。
結果、ここには合法的かつ素晴らしい景観がある。そんなことあるんだ。
そういえば隣の桜木町駅では配管の接続を間違えて、トイレの下水を最近まで大岡川に流し続けていた、というのがあった。そんなことあるんだ。
どさくさは続いてる気がする。
特に電車が好きでもない者にも分かる、能動的に乗りたくなる感じ。実際、用も無く乗った。
扉の閉まる速度。我に合わせよ、という呼吸。それにしても閉まるのめちゃくちゃ速くね? と思っていたんだけど、あれは今思えば一枚ドアだったからだろうか。
京急の駅は全部好きだけど、特に感慨深いのは平和島と日ノ出町で。どう考えても名前がおかしい。
平和島とは戦後、平和を祈願して命名された埋め立て地で、競艇場があって、知らないおじさんに小突かれた。お前の言う平和とは何か? ちょっとその平和、絵で描いてみて。もしかしたらこう、音だけが同じ別概念かもしれないから。
それで、日ノ出町。
飲み屋街として名高い野毛エリアの奥座敷のような位置で、日ノ出町から黄金町の立ちんぼエリアは近年一掃されたけど、そのあたりの情報はきっとインターネットにいっぱいあるじゃろ。
僕は昔、隣の戸部に住んでいたんだけど、近寄りがたいイメージがあったので日ノ出町は殆ど来なかった。
例外として、駅前ミツワグリルのカレーを食べに来ていた。戸部にはバーグというB級カレーの王がお住まいになっているわけだけど、バーグ前まで来て、あれ、今日はなんだか口がバーグじゃねえな? みたいな日は、バーグを素通りして自転車を漕ぐ、するとミツワグリルへ流れ着く。
今日やってなかった。これ行く流れだったろ。やってなかった。
そのくらいですので、日ノ出町は初見に近い。まあ、そういう奴がやる散歩です。
ただこの駅前は覚えていて、この捨てるところのない交差点ね。
それぞれ横浜、桜木町、伊勢佐木、上大岡方面へ繋がる。
こういう要所の交差点大好き。一本一本に違った奥行きがあって、だんだんその都市になっていく。生命の進化を連想する。
ちょっと桜木町になってきてんじゃん、と美空ひばり像で思ったり、ちょっと伊勢佐木弥生町になってきてんじゃん、とDVD観賞のでかい看板で思ったりするわけです。
ほんで僕知らなかったんだけど、この交差点にもう一本、駅前の京急ストアの脇から野毛山のほうに続く道があって。
車道としてはすぐに行き止まりになってしまうんだけど、人が歩けるせまい道が続いていた。
日ノ出町駅は野毛山のふもと、という認識はあったけど、そういえばこっちから登ったことないな。
というか、本当にあの野毛山につくのか?
どうやらつくらしい……いや、なんかこの看板怪しいな。俺を道に迷わせるためにパパッと作ったやつじゃない?
まあ、暇だしその罠にかかりにいくか……
ギャーッ、いい階段。
これがめちゃくちゃ良かったのです。
天神坂というらしいんだけどGoogleマップに「野毛山動物園への近道」というコメントがあった。
確かにな。ここから行けたのか。
そしてこの階段、こう見えて人通りが多い。
野毛山に住んでいる人が普段使いしているっぽい。すごくいいな。
少数民族の通学みたいなドキュメンタリーでこんな光景を見たことある。
ただこの道、夜めちゃくちゃ怖いかもしれない。
申し訳程度の灯りが点々とある。
ここでレッドアリーマー出てきたら即死だな。
ふもとの生活が見える。
トンネルあったのかしら。
というかこの石垣はいつのなんだろう。
のぼりきった。
いやあ、看板に騙されてのぼって良かった。
はい、というわけでね! みたいな感じで余韻ぶったぎってふつうの道に接続すな。
野毛山のはずだぜ
さて、登り切ったら野毛山のはず。しかし、本当に俺の知っている野毛山なんですかね?
君、本当に野毛山の柑橘類?
野毛山だった。本当にあっさりついた。
横浜迎賓館だ。野毛山だ。
何らかの電波塔だ。
何らかではなく、ラジオ日本の野毛山無線基地だって。
ここは間違いなく野毛山だ! 地球丸い! 地球丸いのは関係無いけど野毛山ついた!
それで野毛山配水池だ。
日本初の配水池で、相模川の水をわざわざ水道道でここまで運んだやつ。
その隣の芝生にハンマーで叩かれ待ちなのが居るな~と思ったら、今はこっちが現役の水道施設らしい。
叩かなくて良かった~。間接的に横浜市中区全員の頭を叩く感じだった。
ポーン。
キーック。
重要そうなオブジェを雑に処理しました。
この展望台、すごくいいんだけど、積み木のケースに載ってる作例っぽくもあるなと思ってる。
すっごい高名な方か、ゆうじ君(4)か、どちらかだと思ってる。
ほー。
遠くの高いのなんだろ。
そんな疑問をサッと処理してくれる君。明日からうちの会社に来ないか。
無料で飲めるお茶の種類が多いのが自慢の我が社に。
トイレのガラスブロックが良かった。便器がキラキラきらめきそうで。
日ノ出町駅の北側
もう当初の目的を達成したので帰ってもいいんだけど、せっかくなので街のほうも見るか。見よう。降りてきた。
京急の下をくぐる。
謎の隙間からホームが見えるんだけど、これはこういうものでOK?
セブン・ツルハ・セブン。
大岡川だ。
ひらがなにするとバカっぽいことでおなじみの、大岡川だ。
京急に乗ってきたのに京急これしか撮ってなかった。
でもチラッと見える京急って良くない?
川に沿って、影も泳ぐ。
これはなんだろう。鶴の首?
反対側へ渡ったところ理解できた。
そういう教えだと思う。
このあたりでは、1階が複数の店舗になっているアパートをよく見る。
いわゆる下駄履きアパート。
日ノ出町飲食長屋は「街」を名乗っていました。
吉田さんだろうか。
24時間の厚み。
全力で木を演じていて良かったです。
横スクロールアクションみたいな壁。
落ちゲーみたいな看板。
もういっこ降ってきたら連鎖で全消しできそうな気がする。
ジッパーみたいな影。
並ぶ電球ってバブリーよね。
地元商店街の映画館がこうだったけど、あの商店街、ヤオハンが潰れてから一気に寂れてしまった。
二ヶ国語で書かれているのかな。
泥棒へのメッセージ。
警察が言うのだから、そうなのでしょう。
都橋商店街まで来ました。
初めて見たときは船かなと思った。食の空母じゃ……
夜はそれぞれのお店が光って、イカ釣り船のようになって綺麗。
この佇まいには毎回惚れ惚れする。
一つ一つにお話があるから、解像度が高い。
ここは1964年の東京オリンピックのとき、野毛の闇市を正しく収容するために横浜市が作ったビルで、河川敷を占有しているだそう。
結果、ここには合法的かつ素晴らしい景観がある。そんなことあるんだ。
そういえば隣の桜木町駅では配管の接続を間違えて、トイレの下水を最近まで大岡川に流し続けていた、というのがあった。そんなことあるんだ。
どさくさは続いてる気がする。