都筑ふれあいの丘を散歩しました

  • 更新日: 2020/05/21

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川和富士。都筑区は富士山信仰が盛んだったらしい。

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聞いてくれるか。
都筑ふれあいの丘というテーマパークみたいな名前の駅の話を。



ここは昭和後期に開発された広大な港北ニュータウンの一部で、ガチの住宅街です。
一方わたくしは用の無い駅に降りるのが趣味なので、今日も用は無いけど来ちゃった~テヘリ~ン! と言いたいところだけど、めちゃくちゃ用がある。
僕はここにオフィスを借りていて、もう10年以上通っている。

同じ時期に会社やめた友人と一番安いシェアオフィスを探したらここだった。
一番安いフリーアドレスのプランで、1ヶ月5000円。
地域の起業家を応援しているビルオーナーさんが運営しているスペースで、有り難く使わせてもらうことにした。



住宅街でも意外とオフィスの契約はあるようで、当時僕らのほかには、オーラ占いをしている主婦とか、英会話講師とかが居た気がするけど、たぶん登記をここでしているというだけで殆ど会うことはなく、部屋自体は空いていて快適だった。
そのうち年齢の近い人が居ることが分かって、数人で飲むようになり、その集まりは今もあるし、僕を含め2人は未だにそこに居る。

ところで、ここに来る前は渋谷の会社で働いていて、まあ、もうあまり覚えてないんだけど。思い出そうとすると知らないおばあさんが浮かぶ。お餅を分けてくれる。ありがとう。誰だろう。もう一個くれるの? ありがとう。
まあ、あれだ、悪いことじゃないんだけど、すぐ結果を求められる環境だったかもしれないなと思う。それ何の意味があるの、それってペイするの? みたいな。ペイするの? ペイしないの? どっちが好きなの? みたいな。ぺやや。
いつのまにか僕もかなりぺややだった気がする。



話を戻すと、10年前、ぺややが都筑ふれあいの丘にオフィスを借りた。
駅でよくしらないクラシックが鳴っていた。犬を散歩しているおばさんの数。子ども。畑。 ゴミ処理場とプール。
フリーアドレスの長い机に向かっていたら、いつのまにか西日が射してきた。



この街の日中は、都心に縁のない人で出来ている。
渋谷で飛び交っていたような企みが全く聞こえてこない。大丈夫なのかしら。



大丈夫なのだよ。ライオンが言う。
これ、チャウチャウって書いてあるのにライオンだなんて面白いな、とか思っていたんだけどちゃんと見たらフランス語の「シュシュ」だった。意味は「お気に入り」。

まあ、今ではこの街の雰囲気はけっこうシュシュなのです。



ニュータウンの欠点として、あまり大手を振ってうろうろできない。
意味もなく歩いている男の存在を、住宅街は許さない。
旗振りのPTAのお母さんに「こんにちは!」と警戒の意味を込めたあいさつ、私あなたを見たという意思表明のあいさつをされることがある。



これが一変したのが新型コロナ拡大に伴うテレワークの普及以降。昼間ぶらぶらおじさんの勢力が明らかに増した。
こんなふれあいの丘初めてかもしれない。

ふれあいの「丘」というだけあって、ここらは起伏が激しくて、開発前はただただ山だったみたい。



昼間ぶらぶらおじさんがよく通るこの緑道は、古地図によると昔谷戸の田んぼだったらしい。
僕たちは、じめじめしたところを通るのが好きです。



その谷の延長線上で、谷戸田の名残のようなものを最近見つけた。
10年居るのに知らないことまだいっぱいあるな。



そこは、URメゾン桜ヶ丘の遊水池になっていた。





そう、URもあるのである。繰り返しになるけれどここは港北ニュータウンの一部であり、1980年代に一気に宅地化した。



お知らせ、コロナばっかりだな。もっと無いのかな。
ニュータウン俳句募集! みたいなの。


ところで「都筑ふれあいの丘」という地名は無くて、町名は葛が谷、駅も最初は葛が谷の予定だったらしい。
あと高山、富士見が丘などの地名があって、とにかく丘陵地だなと感じることが多い。



住宅街は高いほうがいいので、基本的に山の上にある。



一方で、幹線は山を切り通して作られている。



そういうわけで、幹線の両側の住宅街を繋ぐ歩道橋がたくさんある。





外部との接点であり騒々しい道路の下界と、静かな地域コミュニティーの上階で出来ていると思うとしっくりくることが多い。
平日歩きづらいなあ、と感じるのは上階のほうなんだよな。



下界と上界を繋ぐ大層な階段がある。RPGっぽい。



ここにも大層な階段。



その落差のため、絶対無理な絶壁とかも出来やすい。
壁観察が捗る。



ときに、コンクリートの壁には、いろいろな跡がつきます。
これは草が風に揺れてつくもので、草ワイパーとか呼ばれてるやつ。誰がつけたんだろう。すごくいい名前。
草の丈よりも高いところに跡がついているように見える。去年の草の痕跡でしょうか。



これは何だろうなあ。
小学生が傘でガーってやった跡かなあ。




街区表示板が高い。これはなに、大陸プレートが押し上げたの?




水抜き穴のコンポジション。
最下部、非対称の穴はなぜ。




壁に不自然に取り付けられた看板。これ大丈夫なのかな。くるん! てならない?



大丈夫なんだろうな。しらんけど。




それはいいんだわ、そう、それで、最近は散歩者がわりと居る。
もちろんまあ、気をつけながらではあるけれど、僕もちょっとだけ付近をうろうろすることは増えました。




最近発見したものとしては、このかわいいタイル文字。
よく通る道なのに、何故いままで気付かなかったんだろう。




下界であるところの幹線に降りてきた。区役所通り。ここはまあまあ賑やか。



黒酢炒飯と杏仁豆腐が超絶うまいことでおなじみの揚州商人は営業してるし、



迷子の椅子とかもある。



バク転教室もある。何だってある。




あとこの左側の根っこ見て。これ誰の根っこなのかずっと気になってる。
右の木のなのかなあ。



ちなみにこの根っこはかなり遠くまで伸びていて、途中の水抜き穴をチューチューしているのがかわいい。



チューチューしてる。
かわいい。




コケが舌みたい。




あと最近はツツジが満開よね。



咲きすぎじゃない? いつもこんな咲いてたっけ? って毎年思う気がする。



ぜんぜん咲いてないところもある。
どういう法則で咲いてるんだろう。
隣が咲いたら「やべっ!」みたいに伝染していく感じかな。




川和富士公園に来た。



このあたりは富士山信仰が盛んで、富士山を模した富士塚がたくさんあるらしいんだけど、この「川和富士」は区内で一番大きいらしい。
まあーあのー、僕は実家が富士市なので、あれだ、温かい目で見守っています。富士山マウント。山だけに。



ただこの看板のデザイン、本当の富士山にないとおかしいレベルの富士感じゃないか。
これはちょっと、見逃すわけにはいかないなあ。



あとこの花壇。富士市庁舎の花壇がこんなんですよ、多分。




とかなんとかいって、登るんですけどね。
僕は富士山は2回しか登ったことないけど、川和富士には数ヶ月に一回は上る。川和富士大好き!



ほんで富士山が見えるのよ。ちゃんと。
午前中ならもっと綺麗に見える。




方位を司る4人が居たから山頂は遠慮しておいた。

さて。あと一つだけ行きたいところがあるから行く。




直線がたくさんあった。




地底から覗いてんのかと思った。




数字のフォントサイズ、車と同じくらい大きいな。
バカみたいなフォントサイズって面白い。




ここ。
区役所通りを川和町のほうへ進むと、都筑の山が終わる。
この先には鶴見川が流れていて、土地が低いのです。
隣町が一望できるここの見晴らしが大好き。飽きない。



山の痕跡が残っているのもいい。川和市民の森。



その反対側の道路の端、あんまり意識してなかったけど、これも道路を切り通したときの断片なのかなあ?
だとしたらすごくいい。



頂に看板が林立している。
それぞれの業者が登頂した記念に立てていてほしい。




そんなことを言っているうちに今日が終わった。
また明日ね~。






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ヤスノリ

街の歪み研究家。1年に100駅以上降りる。駅を制覇する系のアプリは本気出せば結構なとこまでいくと思うのだけど、毎回起動を忘れる。

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