【世田谷区街灯図鑑 vol.4(前編)】深一会・エーダンモール深沢
- 更新日: 2019/10/31
街灯天国・エーダンモール
世田谷区街灯図鑑とは。
世田谷区にある商店街の街灯を絵に描いて、街灯図鑑を作成する散歩。世田谷区のHPに記載されている「世田谷区商店街マップ」に基づいて、街灯全130カ所のコンプリートを目論む。前回は、環八沿いの瀬田商店会と上野毛商和会を巡った。
今回は、深沢エリアをターゲットにしました。深沢には主に4カ所の商店街があります。そのうちの2カ所「深一会(ふかいちかい)」と「東深沢商店街」を歩きます。
実はこの辺りをぶらぶらしていたら、たまたま「東深沢商店街」を見つけまして、とても魅力的なところだったので、次はここにしようと決めていました。
地図で見るとこんな感じになっています。
深一会が緑色でカラーリングされています。
商店街マップの凡例上、緑色は世田谷区の商店街連合会に属さない、割りと珍しい存在です。
それから、2つの商店街が重なり合っている部分がありますね。
2種類の街灯が複雑に絡み合って、マングローブの森みたいになっているんでしょうか。なっていないでしょうね。
ピンク色の東深沢商店街は、商店街のエリアだけ区画がきっちりしています。ここも気になるところ。
何か面白いものが見つかるといいですね。では、行ってみましょう!
深一会
先ずは、駒八通りから深一会に入ります。
「駒八」って古典落語の丁稚みたいな感じしませんか。
「おい、駒八!駒八や!ちょいと遣いを頼まれておくれ!」なんつって。
深一会に着きました。
街灯は緑ですね。上部と下部で緑の色が違います。上の方が明るい緑色をしています。
街灯をちゃんと記録するようになって気が付いたんですが、緑色の街灯は意外と多いです。
デザインは少し時代を感じます。
ランプにはカサの部分がなく、完全な球体になっています。個人的に好きなデザインです。
ランプの隣に取り付けられている「深一会」のプレートが特徴的です。
プレートというより看板といった方が適切な感じで、ちょっと厚みがあり角が丸くなっているので、優しげな印象を受けます。
柱の部分です。
「山崎電光」という会社が作っているようですね。
前回の街灯図鑑で街灯を作っているメーカーが2つ分かりましたが、山崎電光は新キャラです。
電話番号の市内局番が「7」から始まる3ケタになっています。今のように4ケタになったのは1991年からなので、少なくとも28年以上前に設置された街灯であることが分かります。
山崎電光を少し調べてみると、なんと同じ深沢にある会社でした。
近くなので行ってみたのですが、小さな町工場という感じで、シャッターが下りていて今はもう廃業されているような印象でした(普通に営業してたらすいません)。
この建物はよく見ると、色々な種類のタイルが張ってあってすごくかっこいいです。
ここも市内局番が「7」から始まる3ケタ。古豪ですね。
なるほど。タイル屋さんでしたか。タイル屋さんの意地を見た感じです。
深一会は駒八通りを右に入ったところにも少し続いています。
全景はこんな感じ。
商店街っぽさはあまりなく、民家のなかに街灯が立ち並んでいる感じです。
こういう風景も街灯の存在感が際立って、いいですよね。
カーブミラーに懐かれる街灯。かわいい。
イスに懐かれる街灯。かわいい。
布団に懐かれる街灯。かわいい。
きっとこの街灯は、人間でいうと小動物が集まってくるタイプですね。
カーブミラーにすり寄られ、右にイス、左に布団「おいおい、ボクの身体はリビングじゃないんだよ」とか言いながら、まんざらでもない顔をする街灯。かわいい。
いい外観。
こういうところで個展をやりたいなぁ...と、つい絵描き目線で見てしまう。
料金体系が不明瞭。
ヘナカラーという言葉を初めて知る秋。
絶対誤字だと思ってた。疑ってすいません。生まれてきてすいません。
デラックスクリーニング。
デラックスなクリーニングってなんだろう。出来上がった衣服を受け取る時に、カシミヤ製のハンガーとかもらえるんだろうか。
おしゃれなクリーニングってなんだろう。
クリーニングが出来上がって衣服を受け取る時に「ボタンを一カ所だけ変えてワンポイントを作っておきました!」とか言われるんだろうか。
しかも季節を先どって、萌黄色にしました!とか海老茶色にしました!とか言われるんだろうか。
デラックス vs おしゃれ。
どっちがいいだろうか。勝手にボタンを変えられるくらいなら、カシミヤのハンガーもらった方がいいなあ。で、メ〇カリで売ればいいんだよ。
デラックスでおしゃれでヘナカラーな深一会を歩いていると、呑川緑道にぶつかります。
置き傘
あ、あったよ!マングローブの森!
呑川緑道ってマングローブだったのか!
しかもサメが出る。
緑道をさらに突っ切ると、街灯が1基だけ立っていました。
これは、まごうかたなきはぐれ街灯ですね。だって緑道を挟んで一本だけ立ってるんですよ。
よくいるじゃないですか。ヌーの群れで、向こう岸に渡りたいけどナイルワニにビビって渡れないやつ。これ多分、そういうやつですよ。サメにビビッてマングローブを渡れないんですよ。
向かいには、これまた妄想がはかどりそうな看板が。
動物病院、ペットホテル、ペット美容室。3軒とも電話番号が一緒なんですよね。代表番号なのかな。だとしたら...
「お待たせ致しました。あきやま動物病院です。あ...ワンちゃんのご宿泊のご依頼ということですね。それでしたら、こちらいま動物病院の方に掛かってしまっている状態でして、ペットホテルの方にお電話お回ししますので、大変申し訳ないんですが、このままもうしばらくお待ちいただけますか。」
っていうくだりをやった後に内線で病院にかけて...
「あ、すいません。病院ですー。お疲れさまですー。いまお客さんから電話入っていまして、ワンちゃんのご宿泊希望の電話が間違って回ってきてしまったみたいで、すいませんけどご対応お願しますー。」
みたいなのがよくあるんだろうか。
あとこのアドレス「doubutu」になっていて、これだと「どうぶとぅ」なんじゃないだろうか...と思うなど。
どうぶとぅ。
どうぶとぅ。
がいことぅ。
東深沢商店街
駒八通りに戻ってきました。ここが地図上の商店街が重なるエリアです。
右手に先ほどまで見ていた深一会の街灯、左手に東深沢商店街の街灯が見えます。
デザインが全く違う街灯が並んでいる景色は面白いです。マングローブではなかったですが。
こういうエリアは、お互いの街灯の配分をどうやって決めるんでしょうか。商店街振興組合に入っている方が力関係が強いとかだと、きな臭くてちょっといやなので、スマブラとかで決めてほしいです。
東深沢商店街の街灯をもう少し近くで見てみましょう。
黄色系統の色は初めてですね。
どちらかと言うとシンプルでシックな印象の深一会に比べて、東深沢商店会はポップです。ランプの上がくるんと丸まっているところがチャーミングです。
柱の部分に描かれている(?)謎の壁画。
恐らく、子供と一緒に買い物をしているお母さんだと思います。
が、子供の位置そこじゃないだろ。しかもお母さんの手が割りと鋭角なので、子供の脳天具合がちょっと心配になります。
エーダンモール深沢
ホームページによると、これは東深沢商店街の通称で、寧ろこちらの名前がよく使われています。
かつて営団住宅がここにあったことが由来のようです。
ちなみにホームページは手作り感があって、思わず応援したくなる感じなので是非アクセスしてみてください。エーダンモール深沢商店街
あ!ゲートだ!ついに出ましたよ!
いよっ、待ってました!
街灯界の大ボス!元締め!フィクサー!キングメーカー!
何をごちゃごちゃ騒いでいるかというと、商店街の始点と終点には、こうしたバカデカいアーチが立っていることがたまにあります。
ゲートのデザインは、街灯と関連していることが多くて、観察すると面白いです。
このゲートも、先ほどの子連れお母さんが真ん中に鎮座しています。
第2回の街灯図鑑で街灯とゲートの中間にあたるものを「ゲー灯」と勝手に名付けて紹介しましたが、本物のゲートが登場したのは初めてでしたね。
ゲートは見た目のインパクトも大きくて迫力があるので、見つけると幾ばくか気分が明るくなり、腰痛、冷え性、リウマチなどに効果があると言われています。
改めてお母さんが子供を突きさs...連れているロゴを観察してみます。
アルファベットで「EEDANMALL FUKASAWA」とあります。
「EEDAN...」ではなく「EIDAN...」では?などと思っていると、ホームページはやっぱり「EIDAN MALL」になっていて、表記の揺れが心配になってきます。
満を持してエーダンモールの中に入ります。
個人的には、床の色が変わっているところがかなりポイント高いです。これでかなりワンダーランド感が増します。
エーダンモールには、駒八通りから左に入った道が5本あって、そのうち真ん中にある深沢三丁目の3と4、8と9に挟まれた道(地図上の赤い矢印)がエーダンモールのメイン通りとなっているようです。
街灯の形が駒八通りのものと変わっています。
駒八通り沿いの街灯は、ランプが1つずつ左右に広がっているものでした。
こちらは、2つとも同じ方向を向いています。
ランプの部分を正面から見るとこんな感じです。先端で二手に分かれるように作られています。
お、メーカーは前回の上野毛商和会で登場した「日本街路灯東京販売」ですね。名前の後ろに東京が付くと、どうしても「首都大学東京」が浮かんでしまいます。
ちょっとここで、先ほどの深一会の柱と比較してみましょう。
深一会の方は「施工」としか書いていなのに対して、エーダンモールの方は「設計・施工・管理」と書いてあります。
「施工」とは「設計図に従って実際に作り上げること」だそうで、街灯の場合は街灯を作って取り付けることを指すのでしょうか。
あえて「施工」としか書かれていないのだとすると、深一会の街灯は、設計と管理を山崎電光以外のメーカーが行っていることも考えられるのかなと思いました。
接骨院って言ってるけど、どう見ても学習塾。
実は、こんな感じの民家から突き出した看板はちらほら見かけます。
ホームページによると、エーダンモールの歴史はなんと終戦直前にまでさかのぼり、昭和62年に今の形になりましたが、お店の数はだいぶ減ってしまったそうです。
今のお店と看板の店名が違うのは、昔のお店が変わってしまって、昔のお店の看板だけが残ってしまったのだと推測できます。もちろん、看板と店名が一致している古株のお店もちゃんとありました。
あ、ゲー灯も見つけた!
エーダンモールは、色んな街灯のバリエーションを見せてくれます!
このゲー灯がどこにあったかというと、青い矢印で「サブ」と書いたエリアの始点と終点です。
「メイン」と「サブ」と書いた赤と青の矢印のエリアは、床の色が変わっています。
メインの方は道幅が広く、お店が立ち並んでいる中心エリアで、始点と終点にはゲートが設置されていました。サブの方は道幅が少し狭く、始点と終点にゲー灯が設置されているといった感じです。
ちなみに、床の色が変わっていない普通の通りはこういう感じです。
やっぱり床の色が違うだけでだいぶ印象が変わります。
ていうかこの街灯もまたデザインが違くないか。
他のエリアの街灯よりもシンプルになっています。ランプが1灯だけで、柱の部分にも例のお母さんがいない。
取り合えず何かめちゃめちゃ歓迎されてることは分かった。
荒れ果てている...応仁の乱とかあったのかな。
どうぶとぅ病院と美容室とホテルの連合軍がさっきありました...敗れたんでしょうか。
パーマは4時迄ですからね!
ハンカチに懐かれる街灯。かわいい。
エーダンモールを歩いていると、また呑川緑道に出ました。
地図を見ると分かりますが、緑道は深一会とエーダンモールをちょうど囲うような形で走っています。
サメがめっちゃいる。
ん??何だこれ?
ん???
んんん????????
Snack!!
Snack!!
うっすらとエーダンモール深沢の文字が読めますね。
スナックが2軒向かい合っていました。
サメの大群と格闘する海の漢、いやマングローブの漢たちの憩いの場になっているとかいないとか。
駒八通りに戻るとゲー灯が!これまたデザインが違う!
街灯関連の情報量がだいぶ多くなってきたので、ちょっと整理してみましょう。
地図に書き込んでみました。
凡例を作ってみたので、奇特な方は突き合わせてみてください。
街灯は、駒八通り沿い(▲)、床の色が変わっているエリア(●)、そしてそれ以外のエリア(■)に全部で3種類。
ゲート(灯)は、赤い矢印にゲート(A)、青い矢印にゲー灯(B)、駒八通り沿い(黄色い矢印)にゲー灯(C)で、こちらも3種類。
合わせると、エーダンモール1カ所だけで6種類の街灯のバリエーションを見ることができます!
すごい!エーダンモールの街灯だけでガシャポンが出来ます。
ついでに色違いなんかもいたりします。
恐らく左が旧式で、右が塗り直したもの。黄色がより鮮やかになっています。
なんとバス停まであります!
何かもう、マジでありがとう!
感極まって謎のお礼を言いたくなります。
そうだよな!エーダンすげえよな!いしんでんしんだよな!
エーダン万歳!エーダンフォエバー!
あらカワイイ!
ようやくエーダンモールを歩き尽くしたかというところで、いきなり新キャラが出てきました。
ホームページによると、「エモルちゃん」と言ってエーダンモールのマスコットキャラクターだそうです。え、ちょっと!あのお母さんは!
特技はダンスで、趣味はお花見とお散歩だそう。散歩が好きとは気が合いそうですね。
好きな食べ物は、ケーキとこんにゃくだそうです。
こんにゃく???
あ、こんなところにエモルちゃん!
あ、これはがいことぅ!
今まで歩いてきたところを探してみましたが、エモルちゃんは2カ所しか見つからず...まだまだお母さんが幅を利かせているようでした。母強し、ですね。
さて、今回はここまでにします。
が、この2カ所はとても気に入ってしまいました。特にエーダンモール!
最近、夜の街灯をちゃんと歩いて絵にしたいという野望がありまして...次回は引き続き、夜編と図鑑編をやりたいと思います。それではまた。
帰りがけに深一会のバス停も見つけました。
深一会フォーエバー!
※世田谷区の商店街マップに関しては、世田谷区HPに記載の「世田谷区商店街マップ」を複製または一部改変して利用しています。
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