地方の商業施設に残るバブルを愛でたい

  • 更新日: 2026/01/08

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バブルの名残りを探しに行く

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最近のショッピングセンターは、あまりに洗練されすぎている。

グレーっぽい外壁。清潔感のある木目調の内装。人工的な緑。どこもかしこも、整然としている。

そこには、圧倒的に"色"が足りない。この世には、青とかピンクとか、目覚めるような赤とか、もっと無秩序で楽しい色が存在するはずなのに。

かつての日本では、今の常識では考えられないほど豪華で、そして少し奇妙なショッピングセンターがつくられた。日本中が好景気に沸き立っていた、バブル期のことだ。

地方には、今もひっそりと、当時の熱気を閉じ込めたままの施設が残っている。まるで、洗練されすぎた今の時代に抗い続けているかのように。

そんな「愛すべき時代錯誤」を探し求めて、私は本八幡へと向かった。


***


都営新宿線の本八幡駅から歩くこと10分少し。「ニッケコルトンプラザ」が見えてくる。
「ニッケコルトンプラザ」の開業は、1988(昭和63)年11月25日。37年前のバブル真っ只中の時代。日本毛織の工場跡地に開発された。





ロフト、GU、無印良品、トイザらス、ユニクロ、ABCマート、ニトリ、TOHOシネマズ…つい寄りたくなる大型チェーンがそろっているようだ。チェーン店ばかりのショッピングセンターはつまらないと言われるが、やっぱりみんなチェーン店を求めていると思う。



駐車場出入口のサインが、良い予感を感じさせる。

さらに歩くと、歩行者出入口に到着した。



はい。好き。このゲート良い。

ゲートを一旦スルーして歩いていくと、館内2階へつながる大きな階段とエスカレーターが登場。



最近のショッピングセンターでは見ないこのデザイン。時代を感じて最高。

ちなみに、訪れたときはダイエーの閉店直前で、売りつくしセールの垂れ幕がかかっていた。ここに来たのは初めてだが、地元に愛されてきたであろうお店が閉まると考えるとエモい。



当時は8月の真夏。暑さに耐えられなくなったので、ここらで館内へ入ることに。館内を歩きつつ涼んでいると、出入口があったので再び外へ出てみた。



エスカレーターを降りて…



振り返ると、こちらにも大きな階段が架かっていた。



噴水もあった。個性的な植栽もあり好感度が高いが、水は流れていなかった。

そのまま公道の方へ歩くと…

見て!このゲート!



来る人を出迎えてくれるゲート、わくわく感があってたまらない。

全体的に、原色のような色使いで、海外感が漂うデザイン…最高…これだけで白米食べられそう。

こういう楽しいショッピングセンターって、思わぬところ(地方とかベッドタウンとか)にぽんっとあるから、たまらない。
「ニッケコルトンプラザ」は、屋外型の「オープンモール」と屋内型の「エンクローズドモール」のハイブリッド。



外には青空テラスと名付けられた、テラス席+ストリート+緑の心地よい空間があったり…



やたらとんがっているモニュメントが立つコルトン広場があったり。

造りが単調でないので歩いていて楽しい。

人間は、自分で思っている以上にぶらぶら歩くのが好きだ。ここがどうかはわからないが、よくできたショッピングセンターはそれを考えてつくられている。

「ニッケコルトンプラザ」はオープンから37年も経っている古い施設で、外観デザインはその経年が良い味を出しているが、内装はきれいに保たれていた。

壁とか消火器とかゴミ箱とか細かいところに汚れはあるものの、ボロい印象はまったく受けず、リニューアルしたんだろうなという跡が見られる。



ダイエーの売りつくしセールの影響もあると思うが、平日とは思えないほどお客さんがたくさんいた。自転車もぎっしり並んでおり、近隣の方が日常的に訪れていると見受けられる。

館内に休むスペースがたくさん用意されており、座っている方もたくさんいた。地域の憩いの場になっているのだ。

最後は、このサイコーなゲートからお別れ。夜の雰囲気も、また素敵。



建築費や人件費が上がり、"ムダなもの"はつくれなくなった昨今。

「ニッケコルトンプラザ」のようなバブル感のあるショッピングセンターが新しくできることは、もうないかもしれない。

わくわく感をもたらす大きなゲートや階段、個性的なデザインの屋根は、なくてもショッピングセンターとしては成り立つから。費用を削るとなると、こういうところにお金はかけられないから。

私はバブルを知らない。物心がついてから、日本中が浮き足立っているような姿を見た覚えがない。だから、活気に満ちていた時代が感じられるバブル建築を求めてしまうのかもしれない。







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坪川うた

ライター・ショッピングセンター偏愛家。ペーパードライバーという弱点を、徒歩というソリューションで解決している。
今日も一人で国道や集落の細道を歩いて、まだ見ぬショッピングセンターを目指す。

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