日比谷公園で「丸の内音頭大盆踊り大会」は本当にあったのか?

  • 更新日: 2017/09/19

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遠くに提灯が……?

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おはようございます。都です。
今日は8月27日、日曜日。早朝です。

こちらの日比谷公園で、8月25日、26日に
日比谷公園丸の内音頭大盆踊り大会が行われたと聞いて来ました。

しかし、本当にお祭りなんてあったんでしょうか。
日比谷公園と言えば、日本最初の洋風公園ですよ。
そんな土地で、和風そのものと言っていい盆踊りなんてしますかね。

どうも不自然な気がしませんか。
左側に出ている看板も逆に怪しい。
中に入って調べてみることにします。



おや?何か向こうに提灯のようなものが見えますね。
行ってみましょう。



噴水広場に出てきました。

こちらの大噴水は、戦後復興の要として1961年に完成したものです。
噴き上げた水が一部霧となって飛散するため、その分を水道水で自動的に補給しています。
ドイツのジーメンス社製で、三層の水盤を持つ本格的な噴水ですよ。
2009年に照明器具を全てLEDに替えることで、消費電力を以前の10分の1程度に抑えています。



盆踊りの櫓!
これは、もう、認めましょう。
祭り、ありました。

日比谷公園丸の内音頭大盆踊り大会は、元々1929年の金融恐慌の頃に、何か集まって明るいことをしようとして始まりました。
祭りの力で暗いムードを吹き飛ばそうとしたんですね。
そして一時なくなっていたのですが、2003年に開園100年を記念して復活して、今に至っています。
では、どんな祭りだったのか見てみましょう。



丸の内警察署のブース。
確かに、大人の迷子は迷い人なんだろうけどさ。
人生に迷っているイメージがよぎってしまいます。



警察署のブースの裏に捨てられていたパンフレット。
振り込め詐欺についての冊子がうっすら見えます。
祭りに向けたテンション、ちょっと下がっただろうなあ。



撤収のためにまとめられている提灯。
ぶらさがっていられずに脱落してしまったようにも見えます。



広場へのスロープ。
手すりもしっかりしていて、配慮が嬉しい。



エドガー・ドガ。
花の品種に画家の名前つけるのおしゃれですよね。

因みに、日比谷公園の入り口の門って扉がないんです。
で、そのことについて当初、花や木が盗まれるのではないかって心配されてたんです。
それに対して、設計者の本多静六は、

「公園の花を盗まれぬくらいに国民の公徳がすすまねば、日本は亡国だ。
公園は一面、その公徳心を養う教育機関になるのだ。
私は公園にたくさんの花を植えて、国民が花に飽きて盗む気が起こらない位にするのだ」(本多 2016)

と言ったそうです。
熱いなあ。



おっ、水のサーバー。
取っ手が付いてるの地味に便利ですね。



何の変哲もないコップ。
売り物だったのか、ブースの出展者が自分達で飲むようだったのか。



えっ、牡蠣?
そんなの売ってるんですね。
竹串で身をほじって食べる感じでしょうか。



紅しょうがの残り方から考えて、焼きそばかと思います。



細切りのフライドポテトも売っていたようです。
定番ですね。



ほう、珍しいカキ氷のカップですね。
確かに、山盛りにしたカキ氷が多少崩れても、この形ならキャッチできますもんね。



と、思ったら伝統的なのもありました。
従来のカップに疑問を持った若頭が、
このお店を飛び出して隣に黒カップのカキ氷店を出店したみたいな展開があったのかなあ。



氷だ氷だ!
わーい。



おっ、手ぬぐい販売所ですね。
この会場では、プレゼントが当たる抽選券をもらうために、手ぬぐいを買わないといけないみたいです。
カード付きのポテチ、握手券付きのCDみたいな感じです。



だから、抽選券欲しさに買った人は、手ぬぐいを置いていってしまうのかもしれませんね。



因みに、抽選会の賞品はけっこう豪華です。
帝国ホテルのランチバイキング食事券なんかもありますね。



何がだ。
たこ焼きの大か、牛串あたりでしょうか。



トロピカルジュース系を飲むストローですね。
やや色がくすんでいるようにも感じます。



余った鶏肉が地べたに!
祭りの翌日にしか撮れない貴重な写真です。



電球とストロー。
何でしょうね。



ヨーヨー釣りのヨーヨーだ。
こんな綺麗な状態で残ってるのは珍しいです。



ラムネだあ。
盆踊りして汗かいた後のラムネはおいしいでしょうねえ。



モスバーガーの提灯。
提灯とカタカナがミスマッチなのか、ちょっと笑ってしまった。



カレーあったのかあ。
栄養の補給に事欠かないお祭りですね。



巨大な電源機。
あんたが影のMVPだよ。お疲れ様。



給湯室もけっこうしっかりしたのがあったみたいです。



トイレの看板もあって親切。
ただ、矢印の位置さ、もうちょっと真ん中に、こう。
ね。



日比谷松本楼と書いてあるシートですね。
森のレストラン日比谷松本楼は、明治36年に日比谷公園と同時オープンした歴史ある洋食店です。
当時は、「単に飲食の場としてだけではなく、芸術家グループ『パンの会』の会場となったこともあり、
西洋に憧れる人々の文化サロンとしても機能した」(武智 2009)とされています。

今でも公園の敷地内に本店があり、季節の洋食が楽しめます。
盆踊り大会には、ブース出店していたみたいですね。



関係者の休憩所でしょうか。
椅子の雑然とした感じと、質素な扇風機がそれっぽい。



炎を思わせるフォントが力強い。



ふーん、電球ソーダなんてあるんですね。
あっ!さっきの電球の奴!
あれが電球ソーダだったんだ!
色々祭りの翌日に来てますけど、初めて知ったなあ。



わははは!電球ソーダ!電球ソーダ!
新しく覚えた言葉を使うのって楽しいです。



仮設トイレと手洗い場。
手洗い場に鏡が付いてて、気が利いてますね。



サツマイモの現物。



このプラスチックのトレイは、田楽とか串系に使われるトレイですね。



太めの方のフライドポテト。
さっき細い奴も落ちてたので、派閥争いが起きなければいいのですが。



紐の部分にかけておいたら、パイロンごと倒れてしまったのでしょう。
当日、天気があまり良くなかったことを示す、いい資料です。



コカコーラの箱にいろはす。
羊頭狗肉。



「柵の上には座らないでください。」
「柵の上には、座らないでください。」

読点を付けることで、面白い溜めが生まれています。
朴訥としたゴーレムが喋ってるみたいな印象を受けました。
オレ、この森、守ル。



帰ろうとしたら、噴水が出て見送りをしてくれました。
また来ます。

まとめ

またしても祭りがあったようです。
手すりのあるスロープや、鏡付きの手洗い場といった、細やかな配慮が目を引きました。
電球ソーダを初めとして、出店の品も豊富な印象でした。

今後も続いていって欲しいですね。

参考資料
『新版 本多静六自伝 体験八十五年』2016 本多静六、本多健一 実業之日本社
『日比谷公園とわたし 思い出とみどり展』1993 財団法人東京都公園協会
『日比谷公園 一〇〇年の矜持に学ぶ』2011 進士五十八 鹿島出版会
『日本初の洋式公園 日比谷公園 ~洋花・洋食・洋楽との出会い~』2009 武智ゆり 近代日本の創造史Vol. 8 pp.26-27
『森のレストラン 日比谷松本楼』http://www.matsumotoro.co.jp/(最終確認2017/8/27)



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