冬の猿島散策
- 更新日: 2018/09/11
無人島・猿島。猿はいない。
ふかこんばんは、北枕ふか子です。
この散歩は2月なので、めっちゃ冬です。かなり寒い冬です。


ということで、みんなコートを着ている2月の京浜急行「横須賀中央」駅に来ています。
「よこはま~よこすか~♪」の横須賀です。
ちなみに「横須賀」と言えば、JR横須賀線の「横須賀」駅もありますが、こちらの京浜急行「横須賀中央」駅とは徒歩20分ほど離れていますので、ほぼ別の駅です。成田と羽田みたい。いやあれは結構違うけど。大事な空港の名前なのに、なんでもっと別の名前にしなかったんだろうとは常々思います。「成るほう!?羽のほう!?どっちの田だっけ!?」ってなる。そこからさらに「第一ターミナル」とか「第二ターミナル」とかややこしい。その理論から行くと、JALとANAも間違えやすい。「Aが1個のほうと2個のほう」みたいな。もっと全然違う名前にしてほしい。なんだこの話。
「横須賀中央」駅の話に戻しましょう。
神奈川県横須賀市に位置し、東京駅からだと横須賀線に乗り、横浜で京急線に乗り換えて約30分、京浜東北線だと品川で京急線に乗り換えて約45分。東京駅で「そうだ、横須賀行こう」と思い立ったら、大体1時間くらいで着きます。小旅行ですね。ちなみに東京から1時間だと、鎌倉、川越、小田原、箱根あたりに行けるので、「あ~そのくらいの距離感ね~」と思ってください。ほら、小旅行でしょう。
さて、横須賀といえば、「海軍!」「海!」「米軍基地!」「港町!」「港のヨーコ!」というイメージが濃厚ですよね。そうですよね。わたしだけじゃないですよね。たぶん、わりと多くの人がそう考えると思うんです。
だって、

街中のいたるところに海軍のマークが書いてあったり、

電話ボックスが灯台だったりと、海が見えなくても「港町だぜ~!」というアピールを感じます。ほら、やっぱり海軍とか海とかそういう感じのイメージじゃん、そうじゃん。軍艦とか米軍基地とかのアピールすごいじゃん港町じゃん絶対そうじゃん。
しかし、ここまで港町とか海の話をしまくっていますが、今日散歩するのは町ではなく、島。
横須賀中央駅周辺ではなく、猿島です。


猿島は東京湾に浮かぶ無人島。
かつては要塞や台場に使われていましたが、現在では「猿島公園」として釣り・BBQ・海水浴が楽しめるレジャースポットになっています。
ちなみに、よこすか開国花火大会では、「猿島で花火を見る!」というツアーもあるそうです。人混みを避けて無人島で見る花火、楽しそう。
そんな猿島には、横須賀中央駅から徒歩15分、バスで5分の船着き場からフェリーに乗って向かいます。
ということで、15分歩いて、船着き場につきました。

フェリーのチケットを買いましょう。チケットはフェリーの乗船代(往復)と入園料合わせて1500円。乗船時にスタッフさんに見せます。
ちなみに、運航は夏場は8時30分~16時30分の間で1時間に1本、冬(12~2月)は9時30分から15時30分までの1時間1本です。冬場は本数が少ないのでご注意ください。冬場に行ったので「早くしないとフェリー終わっちゃう……!」と思って焦りました。

ここがフェリー乗り口です。

2月の土曜日お昼の便でこれくらいの混雑加減。「割と混んでるな……。これ全員乗れるのか?」と不安になりましたが、全然余裕でした。フェリーには一回、120名くらい乗れるらしいです。結構乗れるな。

満を持してフェリーへ!!

我々が乗るのはこのフェリーです。思ってたより小さい。

2階もあります。1・2階ともに座席がありますが、立ってても手すりとかあるので大丈夫。

「三笠」を見つつ、出発です!


行くぜ〜〜〜〜〜!!!!!!

ということで、到着しました。10分ほどなので、船酔いはしにくいです(病弱な私調べ)。

この看板、ちょっとワンピースっぽい。ひとつなぎの大秘宝探しに行きそう。ありったけの夢をかき集めて探し物を探しに行きそう。

っていうか海めっちゃキレイ沖縄かよ沖縄いったことないけど

「本当にTOKYOか?」と思うレベルに海が綺麗です。神奈川なんですけどね。

しかし、到着したばかりなのに帰り便への圧力がすごい。この看板が等間隔に設置してあって、いやでも目に入ってくる。

桟橋前のボードには乗り遅れた場合の案内が貼ってある。特別便(別途料金)で迎えに来てくれるみたいですが、乗り遅れてここに電話したらすごい怒られそう。偉い人に「どうして乗り遅れたんですか」とかって問い詰められそう。「いつもいるんですよ、あなたみたいな人が」とか言われそう。絶対乗り遅れたくない。
ということで、最終は16時の船。これを逃さないよう、ざっくり見て回りましょう。

桟橋近くには「オーシャンズキッチン」というレストランがあります。冬は休業してました。春~夏はレストランで海軍カレーとか猿島わかめラーメンなどがいただけるようですね。いいなー猿島わかめラーメン。

足洗い場。海水浴場っぽい! 海水浴場です!

トイレは島の中でここだけらしいので、島の奥に行く場合は出発前に行っておくのがベターです。フェリー乗り場の隣りにある三笠公園にもトイレは2つほどあるので、フェリー乗船前に行くのも良し。トイレは大事。

デッキがあるので、海を見ながらご飯を食べることもできます。
ガイド付きツアーなどもあるようですが、散歩なので気楽な気持ちで歩きます。
ちなみにガイドツアーは時期によりますが、土日祝日の10:45受付開始と12:45受付開始の2回。1回200円で各45分間、各回60名が定員だそうです。多目的ホールで申し込みができるらしいです。詳しい情報はホームページをご覧ください。

へー、平成27年3月に「国指定史跡」になったんだねー。なるほどー。
とは言え、「国指定史跡(史跡)とは何だ???」と思って調べたんですが、ざっくりいうと「歴史・学術的に価値が高いなーと国や自治体が思ったので、法や公費で守っていこうと決めた遺跡」のこと。貝塚とか、古墳、城跡、集落跡とかですね。猿島は、砲台などの要塞跡が近代軍事施設として初めて「国史跡」に指定されたそうです。なるほどー初めてなのかすごいなー。

さて、出発しましょう。
階段がやたら大きいというか1段の高さが高いな。

でも大丈夫!!(吉高由里子ボイス)
横に細かくした階段があるので、こちらも活用していきましょう。

おっ、なにやら建物がありますね。入りましょう。

こちらは「多目的ホール」。資料展示や課外活動時のミーティングや学習施設として使われるそうです。パンフレットなども置いてあるので、こちらで案内をもらってから行くのもいいかもしれません。

「猿島発電所」。おや、ゴウンゴウンという音が聞こえますね……。

動いてた。
ということで、現在も使われている発電所だそうです。
建てられたのは1893年~1895年。200年も前の建物です。もともとは、蒸気機関で発電をしていたそうなのですが、今は船で燃料を運び、重油で発電しているそうです。猿島の電気はここで作られているんですね。立ち入り禁止なので詳しくは見れません。

さて、坂を上ります。結構急です。どのくらい急かと聞かれるとちょっと困るんですが、結構、急です。

「手つかずの自然が多く残っております」とのこと。なかなかないからね、最近は。手つかずの自然って。

落石したらまずこの看板が折れるだろうな。

「遊ばないでください」とありますが、危険オーラがすごいので遊ぼうという気持ちが一切起きません。登ろうとも思わない。登ろうとするやつ、どんだけやんちゃなんだ。

井戸ですかね。
こういうときガイドツアーに参加していたら楽しいんだろうなと思ってしまいますが、「これは散歩だ」と言い聞かせて歩きます。散歩だー!

早速着きました、「猿島要塞」!

このあたりが「国史跡」に指定されているゾーンです。
実際に使用されていた兵舎や弾薬庫が残っている「要塞跡」ゾーン。「切通し」とも呼ばれているようです。
そもそも、どうして猿島が要塞になったのでしょうか。
ざっくり調べてみたところ、事の始まりは幕末。異国からの侵入者を抑えるために、江戸幕府がここに国内初の「台場」を築造します。
明治時代になると陸軍省・海軍省の所管になり、「猿島砲台」を築造。その後、第二次世界大戦中に軍事施設として使用され、監視所などの施設が増設された、という流れみたいです。
砲台とか台場とか言っていますが、ここが実戦で使われたことはないそうです。とはいえ、実際に兵士たちがここで東京湾を守っていたと思うとなんというか、身が引き締まりますね……。

このレンガの積み方、明治初期に用いられたフランス積みと呼ばれる方式で、日本には数例しかないそうです。ちなみにフランス積みというのは、レンガの長手と小口を交互に積み合わせる方法らしい。なるほど、確かに、長い、短い、長い、短いって並んでる。
レンガの積み方、全然注目したことなかったけど、他にもイギリス積みとかドイツ積みとか、アメリカ積みとかたくさんあるらしいです。知らなかった~。

横を見ると、手つかずの自然。木の根ってこんな風になるんだ……。

上はこんな感じです。上からの敵に備えて、見えづらくなっているんでしょう。

そして、竹。竹林。


弾薬庫。ガイドさんと一緒だと中に入れるという情報を見ましたが、わたしは散歩なので入れません。

石階段です。ここは通れません。

しかし、この苔むしている感じ、すごいラピュタ感。ジブリのモデルになったとかジブリっぽいとか言われるそうですが、確かにこれはすごくジブリだわ。

進みましょう。舗装されていて進みやすいぞ。

おや、なぜか岩に模様がたくさん書いてありますね。これも何か昔からある由緒正しい何かなのだろうか……? 弥生時代からの歴史が残るって聞いたことあるし、たぶん由緒正しいものなんだろうな……。

と思ったら、落書きだと……!?
一時期、文化財に落書きをするのが流行りましたが、ここにもあったんですね。島、しかも岩。

すごい量です。ぱっと見、エジプト文字みたいな類かな思いましたが、よくよくみると数字とか漢字、ひらがなとか書いてありますね。まぎれもなく落書きです。

さて、気を取り直して、進みましょう。こちらは「愛のトンネル」と呼ばれるレンガ造りのトンネルです。
ちなみに、なぜ「愛のトンネル」かというと、あまりの暗さにカップルで歩いていると自然と手をつないでしまうから……だそうです。さっきまで要塞とか言ってたのに、なんか急にロマンチックになったな。
暗さの理由は、内部が傾斜して出口が見えないから。攻めてきた敵に出口付近が見えないように工夫したという、これまた要塞独特の造り。それを「愛のトンネル」と呼んでいいのかちょっと疑問が残りますが、入ってみましょう。

先が見えない。ピントはボケる。この写真は補正してあるから、わりと明るく見えるけど、実際はかなり暗い。

階段を見つけました。トンネルからの抜け道的な? これ抜けるともう一つの世界に飛び込んでしまう的な? 月が二つある世界的な?『1Q84』的な?

と思いつつ説明を読んだら、「2階の西側斜面へ上るための階段の出入り口」で「山頂付近にある司令所や照明所への連絡通路」でした。大事な通路だった。

出口だー!!!

外だー!!!やったー!!!もう写真がぶれないぞー!!!

振り返ってみますが、あちら側も見えません。真昼間なのに真っ暗。

出口付近も落書きがあります。

島の端のほうへ向かいます。洞窟があるという噂を聞きましたよ。

これですかね。日蓮洞。

スススッ

砲台跡です。

根がすごいラピュタ感。振り返ったらロボット兵とかいるやつだ絶対。

海が見えます。海の音が聞こえる……あっ「海がきこえる」な~と思ったんですよね~!!!(無理やりジブリの話にする)

またまた砲台跡です。

こういう獣道みたいなのがたまに現れる。誰が通るんだろう。そしてこの先に何があるんだろうか(怖いので行きません)。

注意事項。ここでも最終便の案内があります。どれだけ最終便に乗り遅れてほしくないんだ。

おや、なんかある。ARアプリだと?

とりあえずダウンロードしました。

うわあ、なんだこれ!大砲だ!!!!

大砲を空に浮かせてみる。

ベンチに座らせてみる。

本来の目的はこうです。
「ARで砲台がある様子を撮影できるよ〜!」という感じでしょうか。

友人にポーズをとってもらいました。こうやって遊べる。

他にはこれとか

これとか、別バージョンもあります。
が、使うのにテクニックがいるので、時間に余裕がある人だけやったほうがいいです。わたしを見ていたカップルは使おうとしてうまくいかなくて気まずい感じになってました。ごめんな、カップル……。

ARには飽きたので、景色を見ましょう。景色はいいぞ!見晴らしがすごくいい!!海!!きれい!!!

洞窟まではあと30mです。いきましょう。

って、階段がめちゃくちゃキツイな

つきました

「日蓮洞穴」です。
看板の説明によると、弥生時代中期~古墳時代後期に利用されていて、当時の貝塚や火を焚いた後が見つかっていると。貝塚からは、土器や釣り針、魚や鳥の骨が出土してると。さらに、江戸時代の貝塚も見つかっていると。
そしてさらに調べてみたところ、日蓮上人が洞窟にこもって修行したともいわれているので、日蓮洞穴ともいわれていると。なるほど。要するにみんな使ってる洞窟。確かに利用しやすそう。無印良品とかで「住みやすい洞窟シリーズ」みたいな感じで売ってそうな高さと奥行き。
ちなみに「猿島」の名前の由来ですが、日蓮上人が関連しているという言い伝えがあります。日蓮上人が房総から鎌倉へ向かっている途中で嵐に遭い、船の進むべき方向が分からなくなって近くの島に避難したところ、一匹の白い猿が現れてこの島の奥へ案内したそうな……という感じの話です。猿に案内された島、それが「猿島」。

石というかこけしみたいなのが置いてあるんですが、あれはなんですかね。恐ろしいな。怖いのは嫌いなので早いところ戻りましょう。

景色を見つつ戻ります

ジブリ感のある道。「千と千尋の神隠し」っぽさある。ないかな? 無理やりジブリの話を出すのはやめたほうがいいかな?

トンネルをぬけるとそこは……

オーシャンビュー!

ではなく「台場跡」です。
江戸幕府が台場をつくったのはここだったんですね。

机があるのでご飯も食べられます。お台場でご飯。

海の近くまで降りれそうだったので

降りました。
ここでもごはん食べてる人いました。

海。

空。良い。

さて、帰りのフェリーの時間が気になるので、そろそろ入口に戻りましょう。
……って何この階段……しんどい……

獣道。友人が奥のほうを見に行ったところ「何もなかった」とのことでした。

森の中に突如現れる砲台跡。

謎のトンネル。完全に関係者限定のトンネル。

また階段……もぅ無理だょ…っかれた……

建物発見!!!

ここは展望台跡らしいです。
仮面ライダーの撮影でショッカーの基地として使われた場所で有名らしい。

オーシャンビューな場所には大体この看板があって、説明してくれます。やさしいなあ。

大きい砲台跡。コスプレの撮影してる方がいました。たしかに映える。
ちなみに、猿島は個人でのコスプレ写真撮影オッケーだそうです。(詳しくは猿島HPをご覧ください)

桟橋まで戻ろうとしているんですが、疲れすぎてこのあたりから記憶がありません。

見たことある景色だー!!

戻ってきたぞー!
急いで戻ってきたので、まだフェリー出発まで時間がありました。よかった。しかも最終の一本前だ。よかった。落ち着いて桟橋周辺をもう一度じっくり歩いてみます。

おっと、なんだこの杖は……。猿島仙人杖……。

歩いているときに杖持っている人いるな~と思っていましたが、島散策用に貸し出ししているんですね。
しかし、「※猿島を愛する人からの提供です」って気になる。「紫のバラの人」みたい。

「海軍港」と書いてあるこれは「軍港碑」というそうで、海軍が管理する港の範囲を示す角柱みたいです。

喫煙所もある。

電信柱だったものですかね。

海。浜辺に降りて歩けます。夏場はここで海水浴を楽しむんだろうなあ。


レンタルショップ。いろんなものをレンタルできる。BBQセット、釣りセットなど。なんでもできる。さすがレジャースポット。手堅い。

BBQ専用洗い場もある。

ということで、桟橋に帰ってきました。
最終便の一本前の便。結構並んでいるな……。冬なのに……。

あばよ、猿島!

さようなら!


猿島、さようなら〜〜〜!!!

三笠です。

「GOOD LUCK, SAYONARA」
映画のタイトルっぽい。
ということで、無事帰ってきました。


フェリー乗り場の隣には三笠公園という大きな公園があります。
「水と光と音の公園」と書いてありますね。少し歩いてみます。

世界三大記念艦の一つ「三笠」があります。
(残り2つの世界三大記念艦はイギリスの「ヴィクトリー」とアメリカの「コンスティチューション」だそうです)

入館料を払えば中に入れます。所要時間は30〜60分くらい。確かにそれくらいかかりそう。

「三笠」の売店もあります。

公園の奥へ行きましょう。
これは「さざなみの階段」。夜はライトアップされるらしい。光と音と水だ。

ちょっとしたステージもある。たぶんこれは「音」担当。

なんかすごい滝などがあります。「壁泉」というらしい。
そんな感じで、噴水や川、泉などがあり音と水と光を楽しめる公園です。

ちなみにわたしはこのエリアでめっちゃくちゃずっこけました。段差がわかりづらい。



入り口付近の川で見つけた花壇にいる鉛筆たち、みんな顔が違うのでかわいい。顔は違うけど、花の種類は全部「サクラソウ」。

はい、ということで駅前に戻ってきました。横須賀中央の街もいい感じだったので、また散歩したいなー。いい感じのアーケード街と気になる神社あったからまた来たいなー。
桟橋付近はザ・観光地。ショップからレストランから何から何まで整っています。一歩島に入ると手つかずの自然が残っており、その感じが絶妙で、面白いなあと思いました。観光地と史跡って共存するんですね。遺産を保存すると考えると、落書きとかもそうですが、観光地化どうなのかな~? と思いますし、でも、観光地化したからこそ、歴史を知る人もいると思うので難しいなあとも思いました。
ここはヨコスカ 猿島
wikipedia 猿島
横須賀の軍事遺産ARアプリ
横須賀市 猿島公園
猿島公園専門ガイド協会ホームページ
世界三大記念艦「三笠」
この散歩は2月なので、めっちゃ冬です。かなり寒い冬です。

ということで、みんなコートを着ている2月の京浜急行「横須賀中央」駅に来ています。
「よこはま~よこすか~♪」の横須賀です。
ちなみに「横須賀」と言えば、JR横須賀線の「横須賀」駅もありますが、こちらの京浜急行「横須賀中央」駅とは徒歩20分ほど離れていますので、ほぼ別の駅です。成田と羽田みたい。いやあれは結構違うけど。大事な空港の名前なのに、なんでもっと別の名前にしなかったんだろうとは常々思います。「成るほう!?羽のほう!?どっちの田だっけ!?」ってなる。そこからさらに「第一ターミナル」とか「第二ターミナル」とかややこしい。その理論から行くと、JALとANAも間違えやすい。「Aが1個のほうと2個のほう」みたいな。もっと全然違う名前にしてほしい。なんだこの話。
「横須賀中央」駅の話に戻しましょう。
神奈川県横須賀市に位置し、東京駅からだと横須賀線に乗り、横浜で京急線に乗り換えて約30分、京浜東北線だと品川で京急線に乗り換えて約45分。東京駅で「そうだ、横須賀行こう」と思い立ったら、大体1時間くらいで着きます。小旅行ですね。ちなみに東京から1時間だと、鎌倉、川越、小田原、箱根あたりに行けるので、「あ~そのくらいの距離感ね~」と思ってください。ほら、小旅行でしょう。
さて、横須賀といえば、「海軍!」「海!」「米軍基地!」「港町!」「港のヨーコ!」というイメージが濃厚ですよね。そうですよね。わたしだけじゃないですよね。たぶん、わりと多くの人がそう考えると思うんです。
だって、

街中のいたるところに海軍のマークが書いてあったり、

電話ボックスが灯台だったりと、海が見えなくても「港町だぜ~!」というアピールを感じます。ほら、やっぱり海軍とか海とかそういう感じのイメージじゃん、そうじゃん。軍艦とか米軍基地とかのアピールすごいじゃん港町じゃん絶対そうじゃん。
しかし、ここまで港町とか海の話をしまくっていますが、今日散歩するのは町ではなく、島。
横須賀中央駅周辺ではなく、猿島です。

猿島は東京湾に浮かぶ無人島。
かつては要塞や台場に使われていましたが、現在では「猿島公園」として釣り・BBQ・海水浴が楽しめるレジャースポットになっています。
ちなみに、よこすか開国花火大会では、「猿島で花火を見る!」というツアーもあるそうです。人混みを避けて無人島で見る花火、楽しそう。
そんな猿島には、横須賀中央駅から徒歩15分、バスで5分の船着き場からフェリーに乗って向かいます。
ということで、15分歩いて、船着き場につきました。

フェリーのチケットを買いましょう。チケットはフェリーの乗船代(往復)と入園料合わせて1500円。乗船時にスタッフさんに見せます。
ちなみに、運航は夏場は8時30分~16時30分の間で1時間に1本、冬(12~2月)は9時30分から15時30分までの1時間1本です。冬場は本数が少ないのでご注意ください。冬場に行ったので「早くしないとフェリー終わっちゃう……!」と思って焦りました。

ここがフェリー乗り口です。

2月の土曜日お昼の便でこれくらいの混雑加減。「割と混んでるな……。これ全員乗れるのか?」と不安になりましたが、全然余裕でした。フェリーには一回、120名くらい乗れるらしいです。結構乗れるな。

満を持してフェリーへ!!

我々が乗るのはこのフェリーです。思ってたより小さい。

2階もあります。1・2階ともに座席がありますが、立ってても手すりとかあるので大丈夫。

「三笠」を見つつ、出発です!


行くぜ〜〜〜〜〜!!!!!!

ということで、到着しました。10分ほどなので、船酔いはしにくいです(病弱な私調べ)。

この看板、ちょっとワンピースっぽい。ひとつなぎの大秘宝探しに行きそう。ありったけの夢をかき集めて探し物を探しに行きそう。

っていうか海めっちゃキレイ沖縄かよ沖縄いったことないけど

「本当にTOKYOか?」と思うレベルに海が綺麗です。神奈川なんですけどね。

しかし、到着したばかりなのに帰り便への圧力がすごい。この看板が等間隔に設置してあって、いやでも目に入ってくる。

桟橋前のボードには乗り遅れた場合の案内が貼ってある。特別便(別途料金)で迎えに来てくれるみたいですが、乗り遅れてここに電話したらすごい怒られそう。偉い人に「どうして乗り遅れたんですか」とかって問い詰められそう。「いつもいるんですよ、あなたみたいな人が」とか言われそう。絶対乗り遅れたくない。
ということで、最終は16時の船。これを逃さないよう、ざっくり見て回りましょう。
猿島~桟橋付近~
猿島の桟橋付近には各施設があります。無人島とは言えレジャースポット、手堅いです。
桟橋近くには「オーシャンズキッチン」というレストランがあります。冬は休業してました。春~夏はレストランで海軍カレーとか猿島わかめラーメンなどがいただけるようですね。いいなー猿島わかめラーメン。

足洗い場。海水浴場っぽい! 海水浴場です!

トイレは島の中でここだけらしいので、島の奥に行く場合は出発前に行っておくのがベターです。フェリー乗り場の隣りにある三笠公園にもトイレは2つほどあるので、フェリー乗船前に行くのも良し。トイレは大事。

デッキがあるので、海を見ながらご飯を食べることもできます。
猿島散策開始
さて、さっそく歩きましょう。ガイド付きツアーなどもあるようですが、散歩なので気楽な気持ちで歩きます。
ちなみにガイドツアーは時期によりますが、土日祝日の10:45受付開始と12:45受付開始の2回。1回200円で各45分間、各回60名が定員だそうです。多目的ホールで申し込みができるらしいです。詳しい情報はホームページをご覧ください。

へー、平成27年3月に「国指定史跡」になったんだねー。なるほどー。
とは言え、「国指定史跡(史跡)とは何だ???」と思って調べたんですが、ざっくりいうと「歴史・学術的に価値が高いなーと国や自治体が思ったので、法や公費で守っていこうと決めた遺跡」のこと。貝塚とか、古墳、城跡、集落跡とかですね。猿島は、砲台などの要塞跡が近代軍事施設として初めて「国史跡」に指定されたそうです。なるほどー初めてなのかすごいなー。

さて、出発しましょう。
階段がやたら大きいというか1段の高さが高いな。

でも大丈夫!!(吉高由里子ボイス)
横に細かくした階段があるので、こちらも活用していきましょう。

おっ、なにやら建物がありますね。入りましょう。

こちらは「多目的ホール」。資料展示や課外活動時のミーティングや学習施設として使われるそうです。パンフレットなども置いてあるので、こちらで案内をもらってから行くのもいいかもしれません。

「猿島発電所」。おや、ゴウンゴウンという音が聞こえますね……。

動いてた。
ということで、現在も使われている発電所だそうです。
建てられたのは1893年~1895年。200年も前の建物です。もともとは、蒸気機関で発電をしていたそうなのですが、今は船で燃料を運び、重油で発電しているそうです。猿島の電気はここで作られているんですね。立ち入り禁止なので詳しくは見れません。

さて、坂を上ります。結構急です。どのくらい急かと聞かれるとちょっと困るんですが、結構、急です。

「手つかずの自然が多く残っております」とのこと。なかなかないからね、最近は。手つかずの自然って。

落石したらまずこの看板が折れるだろうな。

「遊ばないでください」とありますが、危険オーラがすごいので遊ぼうという気持ちが一切起きません。登ろうとも思わない。登ろうとするやつ、どんだけやんちゃなんだ。

井戸ですかね。
こういうときガイドツアーに参加していたら楽しいんだろうなと思ってしまいますが、「これは散歩だ」と言い聞かせて歩きます。散歩だー!

早速着きました、「猿島要塞」!

このあたりが「国史跡」に指定されているゾーンです。
実際に使用されていた兵舎や弾薬庫が残っている「要塞跡」ゾーン。「切通し」とも呼ばれているようです。
そもそも、どうして猿島が要塞になったのでしょうか。
ざっくり調べてみたところ、事の始まりは幕末。異国からの侵入者を抑えるために、江戸幕府がここに国内初の「台場」を築造します。
明治時代になると陸軍省・海軍省の所管になり、「猿島砲台」を築造。その後、第二次世界大戦中に軍事施設として使用され、監視所などの施設が増設された、という流れみたいです。
砲台とか台場とか言っていますが、ここが実戦で使われたことはないそうです。とはいえ、実際に兵士たちがここで東京湾を守っていたと思うとなんというか、身が引き締まりますね……。

このレンガの積み方、明治初期に用いられたフランス積みと呼ばれる方式で、日本には数例しかないそうです。ちなみにフランス積みというのは、レンガの長手と小口を交互に積み合わせる方法らしい。なるほど、確かに、長い、短い、長い、短いって並んでる。
レンガの積み方、全然注目したことなかったけど、他にもイギリス積みとかドイツ積みとか、アメリカ積みとかたくさんあるらしいです。知らなかった~。

横を見ると、手つかずの自然。木の根ってこんな風になるんだ……。

上はこんな感じです。上からの敵に備えて、見えづらくなっているんでしょう。

そして、竹。竹林。


弾薬庫。ガイドさんと一緒だと中に入れるという情報を見ましたが、わたしは散歩なので入れません。

石階段です。ここは通れません。

しかし、この苔むしている感じ、すごいラピュタ感。ジブリのモデルになったとかジブリっぽいとか言われるそうですが、確かにこれはすごくジブリだわ。

進みましょう。舗装されていて進みやすいぞ。

おや、なぜか岩に模様がたくさん書いてありますね。これも何か昔からある由緒正しい何かなのだろうか……? 弥生時代からの歴史が残るって聞いたことあるし、たぶん由緒正しいものなんだろうな……。

と思ったら、落書きだと……!?
一時期、文化財に落書きをするのが流行りましたが、ここにもあったんですね。島、しかも岩。

すごい量です。ぱっと見、エジプト文字みたいな類かな思いましたが、よくよくみると数字とか漢字、ひらがなとか書いてありますね。まぎれもなく落書きです。

さて、気を取り直して、進みましょう。こちらは「愛のトンネル」と呼ばれるレンガ造りのトンネルです。
ちなみに、なぜ「愛のトンネル」かというと、あまりの暗さにカップルで歩いていると自然と手をつないでしまうから……だそうです。さっきまで要塞とか言ってたのに、なんか急にロマンチックになったな。
暗さの理由は、内部が傾斜して出口が見えないから。攻めてきた敵に出口付近が見えないように工夫したという、これまた要塞独特の造り。それを「愛のトンネル」と呼んでいいのかちょっと疑問が残りますが、入ってみましょう。

先が見えない。ピントはボケる。この写真は補正してあるから、わりと明るく見えるけど、実際はかなり暗い。

階段を見つけました。トンネルからの抜け道的な? これ抜けるともう一つの世界に飛び込んでしまう的な? 月が二つある世界的な?『1Q84』的な?

と思いつつ説明を読んだら、「2階の西側斜面へ上るための階段の出入り口」で「山頂付近にある司令所や照明所への連絡通路」でした。大事な通路だった。

出口だー!!!

外だー!!!やったー!!!もう写真がぶれないぞー!!!

振り返ってみますが、あちら側も見えません。真昼間なのに真っ暗。

出口付近も落書きがあります。

島の端のほうへ向かいます。洞窟があるという噂を聞きましたよ。

これですかね。日蓮洞。

スススッ

砲台跡です。

根がすごいラピュタ感。振り返ったらロボット兵とかいるやつだ絶対。

海が見えます。海の音が聞こえる……あっ「海がきこえる」な~と思ったんですよね~!!!(無理やりジブリの話にする)

またまた砲台跡です。

こういう獣道みたいなのがたまに現れる。誰が通るんだろう。そしてこの先に何があるんだろうか(怖いので行きません)。

注意事項。ここでも最終便の案内があります。どれだけ最終便に乗り遅れてほしくないんだ。

おや、なんかある。ARアプリだと?

とりあえずダウンロードしました。

うわあ、なんだこれ!大砲だ!!!!

大砲を空に浮かせてみる。

ベンチに座らせてみる。

本来の目的はこうです。
「ARで砲台がある様子を撮影できるよ〜!」という感じでしょうか。

友人にポーズをとってもらいました。こうやって遊べる。

他にはこれとか

これとか、別バージョンもあります。
が、使うのにテクニックがいるので、時間に余裕がある人だけやったほうがいいです。わたしを見ていたカップルは使おうとしてうまくいかなくて気まずい感じになってました。ごめんな、カップル……。

ARには飽きたので、景色を見ましょう。景色はいいぞ!見晴らしがすごくいい!!海!!きれい!!!

洞窟まではあと30mです。いきましょう。

って、階段がめちゃくちゃキツイな

つきました

「日蓮洞穴」です。
看板の説明によると、弥生時代中期~古墳時代後期に利用されていて、当時の貝塚や火を焚いた後が見つかっていると。貝塚からは、土器や釣り針、魚や鳥の骨が出土してると。さらに、江戸時代の貝塚も見つかっていると。
そしてさらに調べてみたところ、日蓮上人が洞窟にこもって修行したともいわれているので、日蓮洞穴ともいわれていると。なるほど。要するにみんな使ってる洞窟。確かに利用しやすそう。無印良品とかで「住みやすい洞窟シリーズ」みたいな感じで売ってそうな高さと奥行き。
ちなみに「猿島」の名前の由来ですが、日蓮上人が関連しているという言い伝えがあります。日蓮上人が房総から鎌倉へ向かっている途中で嵐に遭い、船の進むべき方向が分からなくなって近くの島に避難したところ、一匹の白い猿が現れてこの島の奥へ案内したそうな……という感じの話です。猿に案内された島、それが「猿島」。

石というかこけしみたいなのが置いてあるんですが、あれはなんですかね。恐ろしいな。怖いのは嫌いなので早いところ戻りましょう。

景色を見つつ戻ります

ジブリ感のある道。「千と千尋の神隠し」っぽさある。ないかな? 無理やりジブリの話を出すのはやめたほうがいいかな?

トンネルをぬけるとそこは……

オーシャンビュー!

ではなく「台場跡」です。
江戸幕府が台場をつくったのはここだったんですね。

机があるのでご飯も食べられます。お台場でご飯。

海の近くまで降りれそうだったので

降りました。
ここでもごはん食べてる人いました。

海。

空。良い。

さて、帰りのフェリーの時間が気になるので、そろそろ入口に戻りましょう。
……って何この階段……しんどい……

獣道。友人が奥のほうを見に行ったところ「何もなかった」とのことでした。

森の中に突如現れる砲台跡。

謎のトンネル。完全に関係者限定のトンネル。

また階段……もぅ無理だょ…っかれた……

建物発見!!!

ここは展望台跡らしいです。
仮面ライダーの撮影でショッカーの基地として使われた場所で有名らしい。

オーシャンビューな場所には大体この看板があって、説明してくれます。やさしいなあ。

大きい砲台跡。コスプレの撮影してる方がいました。たしかに映える。
ちなみに、猿島は個人でのコスプレ写真撮影オッケーだそうです。(詳しくは猿島HPをご覧ください)

桟橋まで戻ろうとしているんですが、疲れすぎてこのあたりから記憶がありません。

見たことある景色だー!!

戻ってきたぞー!
急いで戻ってきたので、まだフェリー出発まで時間がありました。よかった。しかも最終の一本前だ。よかった。落ち着いて桟橋周辺をもう一度じっくり歩いてみます。
桟橋周辺~海水浴場側~

おっと、なんだこの杖は……。猿島仙人杖……。

歩いているときに杖持っている人いるな~と思っていましたが、島散策用に貸し出ししているんですね。
しかし、「※猿島を愛する人からの提供です」って気になる。「紫のバラの人」みたい。

「海軍港」と書いてあるこれは「軍港碑」というそうで、海軍が管理する港の範囲を示す角柱みたいです。

喫煙所もある。

電信柱だったものですかね。

海。浜辺に降りて歩けます。夏場はここで海水浴を楽しむんだろうなあ。


レンタルショップ。いろんなものをレンタルできる。BBQセット、釣りセットなど。なんでもできる。さすがレジャースポット。手堅い。

BBQ専用洗い場もある。

ということで、桟橋に帰ってきました。
最終便の一本前の便。結構並んでいるな……。冬なのに……。

あばよ、猿島!

さようなら!


猿島、さようなら〜〜〜!!!

三笠です。

「GOOD LUCK, SAYONARA」
映画のタイトルっぽい。
ということで、無事帰ってきました。
三笠公園

フェリー乗り場の隣には三笠公園という大きな公園があります。
「水と光と音の公園」と書いてありますね。少し歩いてみます。

世界三大記念艦の一つ「三笠」があります。
(残り2つの世界三大記念艦はイギリスの「ヴィクトリー」とアメリカの「コンスティチューション」だそうです)

入館料を払えば中に入れます。所要時間は30〜60分くらい。確かにそれくらいかかりそう。

「三笠」の売店もあります。

公園の奥へ行きましょう。
これは「さざなみの階段」。夜はライトアップされるらしい。光と音と水だ。

ちょっとしたステージもある。たぶんこれは「音」担当。

なんかすごい滝などがあります。「壁泉」というらしい。
そんな感じで、噴水や川、泉などがあり音と水と光を楽しめる公園です。

ちなみにわたしはこのエリアでめっちゃくちゃずっこけました。段差がわかりづらい。



入り口付近の川で見つけた花壇にいる鉛筆たち、みんな顔が違うのでかわいい。顔は違うけど、花の種類は全部「サクラソウ」。

はい、ということで駅前に戻ってきました。横須賀中央の街もいい感じだったので、また散歩したいなー。いい感じのアーケード街と気になる神社あったからまた来たいなー。
所感
「猿島行こうよ無人島だよ!砲台跡とか要塞とかあるよ!」と言われて、「怖いな~」と思いつつ行ったんですが、舗装されているし、結構人いるし、おどろおどろしい雰囲気はあんまり感じなかったです。よかった。要塞なので、「あーここで見張りしてたのかなー」とか「身を隠しやすいように作られたのかなあ」など考えながら歩くことができて楽しかったですね。そのあとググってたら(ほんの少しですが)心霊現象とか出てきてやっぱり「怖いな〜」と思ったんですけど、行ってるときは楽しかったです。桟橋付近はザ・観光地。ショップからレストランから何から何まで整っています。一歩島に入ると手つかずの自然が残っており、その感じが絶妙で、面白いなあと思いました。観光地と史跡って共存するんですね。遺産を保存すると考えると、落書きとかもそうですが、観光地化どうなのかな~? と思いますし、でも、観光地化したからこそ、歴史を知る人もいると思うので難しいなあとも思いました。
参考資料
TRYANGLE WEB・無人島 猿島ここはヨコスカ 猿島
wikipedia 猿島
横須賀の軍事遺産ARアプリ
横須賀市 猿島公園
猿島公園専門ガイド協会ホームページ
世界三大記念艦「三笠」